瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 救急車・消防車がけたたましくサイレンを鳴らしながら、駆け抜けてゆく。上空は何台かのヘリが飛び交っている。ウェブニュースによると、
7c440c73.JPG 都心で猛暑日、観測史上3度目 中高生16人が熱中症 ―― 29日午前10時25分ごろ、東京都台東区今戸1丁目の台東リバーサイドスポーツセンターで、熱中症の患者がいると119番通報があった。東京消防庁などによると、上野学園中学・高校(同区)の12~18歳の女子生徒16人に熱中症の症状が出ており、救急車で病院に運ばれた。11人は軽症だが、5人はやや重い症状という。/同庁や同校によると、午前9時40分ごろから同センター陸上競技場で同校の運動会が開かれており、生徒の男女約650人らが参加していた。不調を訴える生徒が相次いだため、同校は運動会を中止した。/気象庁によると、東京都心の気温は午前10時の時点で32.6℃。午後1時すぎには35.1℃を観測し、今年初の猛暑日となった。 (asahi com. 2011年6月29日13時33分)

638fda2a.JPG 韓愈(768~824年)は鄧州南陽(河南省)の人。字を退之といい、その文章では孟子、荘子、韓非子にも比すべき唐代の第一人者といえる。3歳にして孤児となり兄嫁に養われ、25歳にして進士となる。52歳の憲宗が仏舎利を宮中に厚く迎えたとき、儒教を信奉する彼の立場から偶像崇拝であるといって、「論仏骨長」を書いて憲宗を諌めたが、却って逆鱗に触れ、潮州に左遷される。穆宗(ぼくそう、唐15代皇帝)が位につくと翌年には再び召し戻されて、吏部侍郎になり、さらに京兆尹兼御史大夫という高い位にまでなったが、長慶4(824)年57歳にして世を去る。
 韓愈は非常に強い信念の人で、権力にも威武にも屈せず節操に堅く、時の流れに棹さして、身の栄達をする人の多い世の中に批判的であった。詩も実に雄大で、自然詩でも人間に恐怖の観念や驚異の感情を起こさしめるような豪放的な厚みのある格調をただよわす独自の一派を開いた。「鴻溝を過ぐ」はその特色の出た秀作というべきであろう。
 項羽と劉邦の二人、最初は秦国を倒すために手を組んでいたのだが、秦が滅びると「天下の覇権」を賭け激烈な戦いを展開する。この抗争は3年以上続く。竜と虎に例えられた二人が激しい戦いを繰り広げたために、人民の疲弊ははなはだしかった。
 そこで、二人は「漢楚中分」の盟約を結ぶ。鴻溝という川を挟んで西を「漢」(劉邦)、東を「楚」(項羽)と取り決め、天下を二分した。
16ba7ecc.JPG 劉邦も西の漢へ帰ろうとする。が、それを劉邦の配下の張良と陳平が進言する。「今や楚兵は疲れ、食料も不足しており、勢力の優劣は明らかです。この機会を失ってはなりません。」
 後世(8世紀末)、唐代の詩人・韓愈(かんゆ)が鴻溝のほとりで七言絶句に詠んだのが「乾坤一擲」の由来である。
 韓愈はこの張良と陳平が漢王を援けた功業を鴻溝の土地でしのび、まさに天下を賭けた大ばくちと見たのであろう。一擲というのは、すべてのものを一度に投げ出すことで、一擲千金とか一擲百万とかよくいわれる。乾坤は則ち天地で、「一擲乾坤を賭する」則ち「乾坤一擲」は、天下を取るか失うか、のるかそるかの大冒険を行うことによく用いられる。

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