瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
杜甫
皇帝二載秋 皇帝二載の秋
閏八月初吉 閏八月初吉
杜子將北征 杜子將に北征して
蒼茫問家室 蒼茫家室を問はんとす
〈訳〉今上皇帝至徳二年秋/閏八月一日/私は北への旅に立とうとする/どうしているのか 家族の様子を見るために
維時遭艱虞 維の時艱虞に遭ひ
朝野少暇日 朝野暇日少し
顧慚恩私被 顧みて恩私の被るを慚ず
詔許歸蓬蓽 詔して蓬蓽に歸るを許さる
拜辭詣闕下 拜辭す詣闕の下
怵惕久未出 怵惕して久しく未だ出でず
雖乏諫諍姿 諫諍の姿に乏しと雖も
恐君有遺失 君が遺失有らんことを恐る
〈訳〉時は艱難にみち 心配事の多い時/朝野を問わず忙しい日々なのだ/思えは忝いことだ/天使は詔(みことのり)して 私があばら家に替えることを許された/おいとまごいに行在所の門にうかがったが/君の身を思い恐れ多くて 何時までも立ち去り難かった/私は天子を追いお諫めする役目にはふさわしくないのだが/君に何か落度でもあってはと心配なのだ
君誠中興主 君は誠に中興の主なり
經緯固密勿 經緯固より密勿たり
東胡反未已 東胡反して未だ已まず
臣甫憤所切 臣甫の憤りは切なる所
揮涕戀行在 涕を揮って行在を戀ひ
道途猶恍惚 道途猶ほ恍惚たり
乾坤含瘡痍 乾坤瘡痍を含む
憂虞何時畢 憂虞何れの時にか畢らん
〈訳〉まことに君は中興の英主であらせられ/国事の経営に精励されている/東の蛮族の反乱はまだ/続いている/臣たる私は憤りが胸にこみ上げてくる/涙をふるってお別れしたが 行在所のことを思い/道中もなお考え続けて茫然としてしまう/天も地も至る所 戦いの傷を受けている/この不安は何時になったらおわるものなのか
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目高 拙痴无
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93
誕生日:
1932/02/04
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くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
sechin@nethome.ne.jp です。
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