シドニーの美帆ちゃんからメールが入りました。曰く、
節夫おじさん、道子おばさんへ
早速、おじさんのブログを教えていただきありがとうございます!
おじさんのブログに私達の写真が載っていました! ありがとうございます。
いつもためになる記事が沢山あって読むと面白いです。また時間のある時におじさんのブログをチェックします。
良い週末を! 美帆
ヒナゲシ
ヒナゲシ(雛罌粟)の「雛」は小さい、可愛いの意味しており、ケシ(罌粟)の中では小型で可愛い花であることからつきました。漢名の雛罌粟(ヒナゲシ)の罌は液体を入れる口のつぼんだ甕の事で実の形を表わし、種子がアワ(粟)に似ているのでケシ(罌粟)と漢字で書かれます。
又、ケシ(芥子)とも書かれ「芥子粒のように小さい」と表現されるように、カラシナ(芥子菜)の種子もケシ(罌粟)の種子もきわめて小さい事から意識的にか、間違ってか、芥子の字が当てられたようです。
ケシ(罌粟)の名の由来はケシ(芥子)の種とケシ(罌粟)の種が混同されてケシ(芥子)から音読みのカイシとなり、最終的にケシ(罌粟)となったと言う説があります。
けし科ケシ属の1年草で、学名は「Papaver rhoca(パパウェル・ロエアス)」です。属名の「Papaver」は、ラテン語の古名の「papa(幼児に与えるお粥)が語源になっており、ケシ属の乳汁に催眠作用があるため、乳汁を粥に混ぜて子供を寝かしたことや、 また、花弁が薄いので、紙のパピルスに似ていることが由来ともいわれている。 種名の「rhoca」は、ギリシャ名で花がザクロ(石榴)と同色のためを意味しているそうです。
その中でもヒナゲシ類は丈夫で繁殖力が強く、ヨーロッパでは小麦畑に生える野草、ないしは雑草としてコーンポピーの名があります。
ヒナゲシ(雛罌粟)はフランスではコクリコと呼ばれ、麦畑などに一斉に咲く様と睡眠作用のある薬草でもある事から、与謝野晶子はフランスを旅して次のように詠んでいます。
「ああ皐月 仏蘭西の野は 火の色す 君も雛罌粟 我も雛罌粟」。
別名を虞美人草とも呼ばれ、中国の楚王であった項羽の愛妾であり、中国三大美人の一人である虞妃(虞美人)が、項羽と劉邦の最期の戦い(垓下の戦い)のときに、項羽は愛する虞妃とともに劉邦の大軍に周りを包囲されました。項羽は別れの宴を開いてから最後の出撃をし虞妃も自刃して殉じたが、彼女のお墓にヒナゲシ(雛罌粟)の美しい花が咲きました。 そのため人々はこの花を「虞美人草」と呼んだという伝説があります。
ヒナゲシ(雛罌粟)を含むケシ(罌粟)のルーツは中近東周辺と考えられ、東と西に広がり、日本には中国を経て、桃山時代から江戸時代にかけて渡来したと考えられ、宗達が描いた有名なケシ(罌粟)の屏風絵が残っています。
ヨ-ロッパでは5000年近く前のミノア文明の頃に既に登場し、ギリシャ神話では眠りと忘却のシンボルとして描かれ、その頃から薬草としての沈静、睡眠作用があった事が知られていたようです。
草丈は50㎝~1mくらいになる。葉は根元から出る葉の根生葉で、羽状の切れ込みがあり無毛である。開花時期は、4月上旬ごろ~6月中旬ごろであり、 初夏に花茎を出し、上の方でよく枝分かれし、茎の先に直径5~10cmの赤や白、ピンク、黄色などの4弁花を開きます。花びらはケシ(罌粟)やオニゲシ(鬼罌粟)に比べると、非常に薄く華奢で、皺があり薄い紙で作った造花のようにも見えます。蕾は最初は下向きで表面に毛が生えており、咲くときに顔を上げ、2つに割れて花が出てきます。その風情がなんとも不思議です。早咲き遅咲きがあります。現在種子として売られているものには、八重咲きの品種が多いようです。
ヒナゲシ(雛罌粟)は、モルヒネを含まず、アヘンが採れないので栽培は自由にできます。薬草として古くから栽培され、沈静・催眠・痛み止めなどに用いられている。中国では、開花直後の花を乾燥させたものを「麗春花」とよび、煎じて咳止めに用いますが、作用が強いので使用には十分な注意が必要です。
夏目漱石の作品に「虞美人草」があります。夏目漱石は小説を書き上げ、その題名をどうしようか考えていた時に花屋の前を通りかかった。漱石は気に入った花を見つけたが、名前が分からないので花屋に尋ねた。花屋が「虞美人草」と答えたので、小説の名前を「虞美人草」に決めたそうです。
モネは、絵画「ひなげし」の中で、ヒナゲシ(雛罌粟)の咲く野原を散歩する、妻のカミーユと息子ジャンを描いています。
最後にアグネスチャンの「ひなげしの歌」を聞きながらこの項を終りとします。
https://www.youtube.com/watch?v=LKJEiC5-Iys
sechin@nethome.ne.jp です。
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