ウェブニュースより
逆転の紀平!!ガッツ初V 試練乗り越え国際大会無傷の5戦5勝 ―― ショートプログラム(SP)5位の紀平梨花(16=関大KFSC)がフリーで153.14点を出し、合計221.99点で初優勝した。大会前の練習で転倒し「左手薬指第2関節の亜脱臼」を負いながら、代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を1本決めて高得点を叩き出した。首位との5.06点差をひっくり返し、2位に14.53点差をつけるぶっちぎりV。今季の国際大会は5戦5勝で、そのうち3回が逆転になった。男子フリーは9日(日本時間10日正午から)に行われる。
紀平がまた衝撃的な勝ち方をした。故障を抱えながら、完璧な演技で逆転V。プログラム「ビューティフル・ストーム」のフィニッシュの後、氷に膝をついたまま両手でガッツポーズ、そして、右拳を突き上げた。
「絶対にミスが許されないと思っていたので。全部(ジャンプで)立ったので、全部立ったんだと思い出して、素直に喜べました」。SPで代名詞のトリプルアクセルの失敗が響き5位と出遅れた。5日の練習中にジャンプで転倒し、左手薬指第2関節を亜脱臼。テーピングで固定したために、「指を伸ばしていることで空気抵抗が大きくなって」、跳ぶ感覚が狂った。
フリーは「もっと速く」と回転を意識した。最初に前日に失敗した大技に挑み、成功。加点も多く引き出した。通常なら次はトリプルアクセルからの連続3回転だが、ダブルアクセルに落とした。
「トリプル2本は難しいと感じた。無理をすることなく、安全に成績が残せるように、1本にしようと」
冷静な判断でリズムに乗り、ノーミス。演技構成を落としながら7本全てのジャンプでプラスの評価を得て、自己記録にあと1.58点に迫る153.14点を叩きだした。
1月16日から27日まで、米国コロラド州で強化合宿を張った。シーズン中初の試みは、分刻みのスケジュールで動くスケート漬けの日々。栄養にもこだわり、毎日、無農薬野菜のサラダを食べた。ジャンプも跳んだ。3月の世界選手権(さいたま市)まで使う予定だった新しいスケート靴を履きつぶすほど、跳んだ。トリプルアクセルを踏み切る側の左足だけが傷んだ。
帰国後、「3日間、足が動かなかった」という猛練習が、今大会のアクシデントを乗り切る原動力になった。
「アメリカの合宿の成果が結果に表れたと思う。頑張ったという自信があったのが良かったと思います」
浜田美栄コーチ(59)は「いや、まだまだかな。このこと(故障など)を次の勉強にしないと」と手厳しいものの、頂点に立ったことには変わりない。国際試合の無敗を継続し、ドラマチックな逆転劇も定着してきた。世界選手権(3月20日開幕、さいたまスーパーアリーナ)も日本のエースとして臨む。まだシニア1年目の16歳。シンデレラストーリーに終わりが見えない。
《浜田コーチの“魔法の言葉”》 この日の朝には、浜田コーチは紀平に児童文学「オズの魔法使い」の話をしたという。「ライオンが勇気をもらいに行きますよね。勇気をもらうためにこれ(試合に)に出て行くんだねって」。故障をはね返しての逆転Vは、財産になると感じている。演技後は「ライオンになれたね」とねぎらった。平昌五輪4位の宮原ら数々の教え子を励ましてきた“言葉の魔術師”らしく、巧みに気持ちを乗せた。
▽四大陸選手権 欧州をのぞく国と地域で争う大会。大会名はアジア、アメリカ、オセアニア、アフリカの大陸を指す。1998―99年シーズンから毎年開催。米国では7年ぶり5度目の開催。 [スポニチアネックス 2019年2月10日 05:30 ]
sechin@nethome.ne.jp です。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |