瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 相も変わらず、洟水たらたら、家に閉じこもってテレビの時代劇ばかりを見ている。考えることはつまらぬことばかり。パソコンに向えば、愚にもつかぬことを書きつぐる。
6347993f.JPG 古より現今(いま)に至るまで、邪悪(よこしま)や詐欺(いつわり)は数知れず、諂(へつ)う者は日々に多く、気質(きだて)が堅く偽りや誤魔化(ごまか)しの利(き)かぬ者は消え失せ、他人(ひと)の尻穴(けつあな)でも平気で舐(な)めようという輩(やから)は車を連ねて栄耀栄華、正義を守る者は、一向に梲(うだつ)が上がらず、何処へ行くにも歩き詰め。権力者にはへいこらし、分限者どもとは手を結べ。世を拗ねて権力に逆らえば、たちどころに、罪科に陥(おちい)るぞ。立身出世に齷齪(あくせく)すれば、日々に富み、月ごとに栄えもしよう。凡そこの世は、闇同然、どやつが黒で、どやつが白か、とんと見分けがつけられぬ。悪賢い奴は栄進し、正直者には住みにくい。
 禍事(まがごと)の起こる源を訊ぬれば、どれもこれも為政者(おえらいさん)が愚かなため。権力と金に眼が眩(くら)み、耳塞(ふさ)がれて、その側近こそが実力者。贔屓(ひいき)にすれば皮に孔(あな)空けてでも羽毛を生やすように、滅多やたらに褒めちぎり、憎いとなると、毛を毟(むし)ってでも、疵(きず)を求めるように欠点(あら)探し。破局が今にも訪れるというのに、欲におぼれる浅ましさ。海を渡(わた)るに舵(かじ)もなく、薪(たきぎ)に坐して燃えるを待つとはご存じない。
de01b8ba.JPG 己の身の栄達は胡麻擂(ごます)り諂いによるものとは考えず、これこそ真の名誉とぞ、わが世の春を謳歌する。権力を得れば、法を枉(ま)げるは朝飯前、世にも得がたい恩恵(めぐみ)とて、僕(やつがれ)どもには縁が無い。災害や飢饉に遭うて飢え凍ることがあろうとも、今の世の豊年でぬくぬくと活(い)きていよとは思わない。筋を通して死ぬならば滅びることにはならないが、心に背く生業(なりわい)で活きていたとて、しょうかない。志(こころ)ある人は訴える。
  江戸の大川の澄むは千年に一度とかや
  人の命は短くて、清い世に出遇うは難しい
  吹き募る風に日陰の草はいよいよ傷(いた)められ
  金持ちどもは、出来が違うと大威張り
  誰にも負けぬこの学識も 彼らの財布に勝てぬが口惜(くちお)しい
  胡麻擂る輩は、邸宅住まい 正直者は、相も変わらず塀の外
 そこで、瘋癲爺はこれに続けて吐(ほざ)いてみせる。
  おえらい方は 結構ずくめ
  吐(は)いた唾(つば)さえ 真珠(たま)に成る
  襤褸(ぼろ)を纏(まと)えば 可惜(あたら)才覚も持腐(もちぐさ)れ
  香草(かおりぐさ)さえ 牛馬の餌(えさ)となる
  賢い人はとうの昔に悟ってもいられようが 愚かな爺は 救われぬ
  暫くは 己(おのれ)が分(ぶん)を護り 齷齪するのは 止めにしよう
  哀(かな)しいかな! ああ、哀しいかな
  これが宿命(さだめ)というものか
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プロフィール
ハンドルネーム:
目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
自己紹介:
くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


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