ウェブニュースより
藤井六段、史上最年少で全勝昇級 名人戦C級2組順位戦 ―― 中学生棋士の藤井聡太六段(15)が15日、第76期将棋名人戦・C級2組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)で最終10回戦に勝ち、初参加の順位戦で史上最年少での全勝昇級を果たした。公式戦はこれで15連勝となり、快進撃が続いている。
東京都渋谷区の将棋会館で、三枚堂達也六段(24)と対戦した。昨年、藤井六段らを破り、上州YAMADAチャレンジ杯で優勝した若手だ。三枚堂六段が得意とする「横歩取り」の戦いになったが、優位を築いた藤井六段が勝った。
順位戦には、名人挑戦権を争うA級から最も下のC級2組まで五つのクラスがある。今期のC級2組には50人が参加。藤井六段は初戦から9連勝して、一つ上のC級1組への昇級を既に決めていた。C級2組初参加での全勝昇級は中原誠十六世名人(70)らが達成しており、6人目の快挙。 (朝日新聞DIGITAL 2018年3月15日20時35分)
https://www.youtube.com/watch?v=Bz8OIf5CmII
大相撲春場所5日目 横綱 鶴竜が5連勝 ―― 大相撲春場所は、大阪市の大阪府立体育会館で5日目の取組が行われ、横綱 鶴竜は取り直しの一番で宝富士を破り、初日からの連勝を5に伸ばしました。
中入り後の勝敗です。
碧山に妙義龍は、妙義龍が押し出しで勝ちました。碧山は初黒星です。
蒼国来に英乃海は、蒼国来が寄り切り。
勢に大奄美は、大奄美がはたき込み。
錦木に朝乃山は、朝乃山がすくい投げ。
大翔丸に豊山は、大翔丸が突き落としで勝ちました。
石浦に千代の国は、千代の国が送り出し。
栃煌山に竜電は、栃煌山がはりま投げ。
隠岐の海に千代翔馬は、隠岐の海が上手投げで勝ちました。
大栄翔に嘉風は、大栄翔が突き落とし。
阿炎に輝は、輝が突き落とし。
https://www.youtube.com/watch?v=412xi7Cq5UY
千代丸に魁聖は、魁聖が寄り切りで5連勝。
北勝富士に正代は、正代が突き落としで勝ちました。
荒鷲に松鳳山は、松鳳山が寄り切りで5連勝。
逸ノ城に遠藤は、逸ノ城が寄り切り。
千代大龍に栃ノ心は、栃ノ心が送り出し。
御嶽海に玉鷲は、御嶽海が押し出しで勝ちました。
貴景勝に大関 豪栄道は、豪栄道が押し出しで勝ち3勝2敗としました。
大関 高安に琴奨菊は、高安がすくい投げで勝ちました。高安は3日目から3連勝で白星先行です。
横綱 鶴竜に宝富士の一番は、同体で取り直しとなり、鶴竜が押し出しで勝って初日からの連勝を5に伸ばしました。
5連勝の鶴竜「立ち合い 厳しくいった」
5連勝で序盤戦を終えた魁聖は「場所前によい稽古ができていた。久しぶりに連勝できてうれしいですね」と充実した表情を浮かべていました。
同じく5連勝の松鳳山は「白星が並ぶのは気持ちがよいし、相手の動きに反応できている」と序盤戦を振り返っていました。
遠藤との1分25秒に及ぶ熱戦を制し4勝目を挙げた逸ノ城は「上手を切りに来ることはわかっていたので、しっかり逃さないようにした。力は出せています」と納得の表情を浮かべていました。
一方、敗れた遠藤は報道陣の問いかけに無言でした。
ベテラン・玉鷲を押し出して4勝目を挙げた御嶽海は「白星につながったからよかったが、もっと強く行かないと、上位の力士と当たった時にだめだと思う」と時折、苦笑いを浮かべながら冷静に自身の相撲内容を振り返っていました。
3日目から3連勝で白星先行の大関 高安は「上体があがってしまったが、タイミングよく決めることができた。攻めないと自分の形は作れない。あすからも肩の力を抜いて自分の相撲を取りたい」と話していました。
ひやりとした相撲が取り直しとなり、最後は厳しい攻めで5連勝の横綱 鶴竜は「立ち合い厳しくいった。まだ5日目、続けてやっていくことが重要です」と笑顔を見せず、淡々と話していました。 (NHK NEWS WEB 3月15日 18時53分)
炎鵬 貴ノ岩に敗れ「全然、力が違った」と脱帽 ―― 十両・貴ノ岩(28=貴乃花部屋)と対戦して敗れた新十両の炎鵬(23=宮城野部屋)は「全然、力が違った。力不足を感じた。圧力もうまさも何枚も上だった」と、脱帽気味に振り返った。
それでも、立ち合いから両前まわしをとるまでは作戦通り。貴ノ岩のうまさの前に、少しずつ崩されていったが、見せ場をつくって会場は大いにわいた。
暴行を受けた後遺症などの影響で、2場所全休明けの貴ノ岩との対戦。「注目されれば燃えますし、こっちもうれしいです」と、熱視線は力になったようだ。 [Sponichi Annex 2018年3月15日 15:44 ]
https://www.youtube.com/watch?v=6hdKZS8xymg
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春場所4日目 鶴竜 三役力士でただ一人4連勝 ―― 大相撲春場所は、大阪市の大阪府立体育会館で4日目の取組が行われ、今場所ひとり横綱の鶴竜は荒鷲を圧倒し、三役以上でただ1人4連勝としました。
中入り後の勝敗です。
英乃海に碧山は、碧山が引き落としで勝って4連勝。
大奄美に蒼国来は、大奄美が寄り切り。
妙義龍に十両の旭秀鵬は、旭秀鵬が小手投げ。
錦木に大翔丸は、大翔丸が押し出しで勝ちました。
朝乃山に勢は、勢が寄り倒しで4連勝。
琴勇輝に栃煌山は、琴勇輝が右足のけがのため14日から休場し、栃煌山の不戦勝となりました。
豊山に石浦は、豊山が押し出し。
千代の国に隠岐の海は、隠岐の海が寄り切り。
竜電に千代翔馬は、千代翔馬がはたき込み。
大栄翔に阿炎は、阿炎が突き落としで勝ちました。
嘉風に輝は、嘉風が寄り切り。
北勝富士に千代丸は、北勝富士が押し出し。
正代に魁聖は、魁聖が送り出しで4連勝。
松鳳山に琴奨菊は、松鳳山が上手出し投げで勝って4連勝。
千代大龍に宝富士は、千代大龍が引き落とし。
逸ノ城に御嶽海は、御嶽海が押し出し。逸ノ城は4日目で初黒星です。
栃ノ心に貴景勝は、貴景勝がはたき込みで勝ちました。栃ノ心は早くも2敗目です。
玉鷲に大関 高安は、高安がはたき込みで勝ち星を五分に戻しました。
大関 豪栄道に遠藤は、遠藤が突き落とし。豪栄道は2敗目です。
荒鷲に横綱 鶴竜は、鶴竜が押し出しで勝って初日から4連勝としました。
栃ノ心に逆転勝ち貴景勝「最後は覚えていない」
攻め込まれながら土俵際ではたき込みを決め、栃ノ心に逆転勝ちの貴景勝は「引かずに応戦していく感じだった。最後はどんな相撲だったか覚えていない」と熱戦を振り返っていました。
敗れた栃ノ心は「出るしかなかった。残念だ。悔しい」と話していました。
会心の相撲で3勝目を挙げた御嶽海は「思いどおりでした。自分の体勢になったら負けられない。まだ序盤なので星を重ねていきたい」と話していました。
一方、初黒星の逸ノ城は「相手の動きはわかっていたが我慢できなかった。相手の相撲がよかった」と反省しきりでした。
星を五分に戻した大関の高安は「当たりはよかった。相手の体を上げたけど自分の体も上がってしまった。自分のスタイルをやらないと結果は出ない」と気を引き締めていました。
初日の高安に続いて大関 豪栄道を破った遠藤は「勝ててよかった。しっかり集中できている」と充実感を漂わせていました。
2敗目を喫した豪栄道は「当たって相手を起こすことを考えた」と話したあとは多くを語りませんでした。
立ち合いから一気の層撲で4連勝の鶴竜は「立ち合いがよかった。油断できない相手だったので、相手に合わせないよう自分の相撲を取った」と納得の表情でした。 (NHK NEWS WEB 3月14日 19時57分)
貴ノ岩、「変化」に足がついていかず2連敗 ―― 十両・貴ノ岩(貴乃花)が、同じく十両の明瀬山(木瀬)に敗れ、2勝2敗と五分の星になった。
今場所連勝スタートだったが貴ノ岩だが、この日は前みつを取ったものの、突き落としに対して足が前に出ず、連敗となった。AbemaTVで解説を務めていた沖縄出身の元力士・若ノ城は貴ノ岩について、取組前に「体の張りが良い。良く稽古ができている証」と話していたが、惜しい星を落とす結果となった。 (3月14日(水)15時30分 AbemaTIMES)
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藤井六段、3人目の「記録四冠」 デビュー2年目は初 ―― 日本将棋連盟は13日、今年度の記録4部門(対局数、勝数、勝率、連勝)で、藤井聡太六段(15)が1位を独占することが決まったと発表した。「記録四冠」は内藤國雄九段(78)、羽生善治竜王(47)に続いて3人目で、デビュー2年目での達成は史上初。
藤井六段の今年度の成績は13日現在で59勝11敗で、勝率は8割4分3厘。藤井六段が残りの対局で全て敗れても、勝率で2位以下の棋士が上回る可能性がなくなった。対局数(70局)、勝数は2位に10以上の差をつけている。昨年6月までの約半年間で記録した29連勝は新記録だった。継続中の14連勝も、今年度2位に当たる記録だ。2月には、全棋士が参加する第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)で優勝し、最年少棋戦優勝(15歳6カ月)の記録も作った。
藤井六段は「一局一局の積み重ねがこのような結果として表れたことをうれしく思います。これからもより良い将棋を指すべく精進していきたいです」とのコメントを発表した。年度内は、今月15日と22日に対局が予定されている。
日本将棋連盟によると、記録が残っている1967年度以降では、69年度に内藤九段が初めて記録四冠になった。羽生竜王は88年度、89年度、92年度、2000年度に記録している。羽生竜王は「4部門1位は1年間安定をした活躍を維持しないと到達が出来ない記録です。デビューから29連勝の前人未到の大記録が今回の大きな原動力になった印象です。今後もどのような記録が生まれるか楽しみです」とのコメントを出した。 (朝日新聞DIGITAL 2018年3月13日16時07分)
大相撲春場所 大関 高安が初白星 ―― 大相撲春場所は大阪市の大阪府立体育会館で3日目の取組が行われ、連敗スタートだった大関 高安が荒鷲に勝って今場所初白星を挙げました。
中入り後の勝敗です。
大奄美に十両の安美錦は大奄美が寄り切りで勝ちました。
蒼国来に妙義龍は妙義龍が押し出し。
碧山に錦木は碧山がはたき込みで3連勝。
勢に英乃海は勢が突き落としで3連勝。
大翔丸に琴勇輝は大翔丸が押し出しで勝ちました。
石浦に朝乃山は朝乃山がはたき込み。
栃煌山に豊山は豊山が送り出し。
千代の国に竜電は千代の国が引き落としで勝って3連勝です。
隠岐の海に大栄翔は隠岐の海が突き落とし。
輝に千代翔馬は輝が押し出し。
阿炎に北勝富士は阿炎がはたき込みで勝ちました。
魁聖に嘉風は魁聖が寄り切り。
松鳳山に正代は松鳳山がすくい投げ。
千代丸に貴景勝は千代丸が寄り倒しで勝ちました。
逸ノ城に宝富士は逸ノ城が寄り切りで3連勝。
琴奨菊に栃ノ心は栃ノ心が寄り切り。
御嶽海に遠藤は遠藤がはたき込みで勝ちました。
千代大龍に大関 豪栄道は豪栄道が突き落としで勝って白星先行。
大関 高安に荒鷲は高安が押し出しで勝って3日目で初白星です。
横綱 鶴竜に玉鷲は鶴竜がはたき込みで勝って3連勝です。
大関 高安「前に出られた」
小結に復帰して3連勝スタートの逸ノ城は「調子は悪くない。3連勝には満足している。きょうは慌てなかったのがよかった」とうれしそうに話していました。
力強い四つ相撲で勝って連敗はしなかった栃ノ心は「まだ腰が高い。もっとひざをまげていかないと。内容はほしいけどまずは勝っていかないと」と話していました。
馬力のある千代大龍を突き落としで破り2連勝とした大関 豪栄道は「タイミングがよかった。一番一番集中してやるだけ」と表情を崩さず話しました。
3日目で初白星を挙げた大関 高安は「前に出られました。またあした頑張ります」と淡々と話して会場を後にしました。
3連敗中だった玉鷲に勝って初日から3連勝の横綱 鶴竜は「安易にまわしを取らずに突っ込んでいこうと思った。立ち合いはよかった」と冷静に振り返っていました。敗れた玉鷲は「相手のペースに巻き込まれた」と悔しそうに話していました。 (朝日新聞DIGITAL 3月13日 18時51分)
貴ノ岩が初黒星 表情変わらず、相撲勘は「ぼちぼち」 ―― 3場所ぶりに復帰した十両の貴ノ岩が初黒星を喫した。右をのぞかせながら168センチの照強の上体を起こそうとしたが、両差しを許して寄り切られた。
支度部屋に戻った後も表情は変わらず。相撲勘を問われると「ぼちぼち」。体の状態は「わからないですね」と答え、4日目以降に向けて「いい相撲を取りたい」と繰り返した。
一方の照強は「向こうの実力は俺よりある。勢いで自分の相撲を取った。向こうは(十分に)稽古していないんで、隙はあるかなと」。伊勢ケ浜部屋所属で、貴ノ岩にけがを負わせた元横綱日馬富士の弟弟子にあたるが、「それは関係ない。土俵の上では男と男の勝負。他人事を持ち込んだら、自分の相撲が取れなくなっちゃう」と語った。 (朝日新聞DIGITAL 2018年3月13日16時29分)
大鵬孫・納谷、序ノ口で堂々2連勝「全部勝つことが目標」 ―― 大横綱・大鵬の孫で元関脇・貴闘力を父に持つ納谷(18=大嶽部屋)が序ノ口で2連勝を飾った。
前日の序ノ口デビュー戦では「めちゃくちゃ緊張した」と話していたが、この日は「緊張はしなかった」と堂々としたもの。相撲内容は綿谷(18=荒汐部屋)を一気に送り出して文句なしに見えたが、本人は納得のいかない様子だった。「まだ立ち合いが合わなくて難しい。どうしても立つタイミングが遅れてしまう」と首をひねった。
「全部勝つことが目標」と言う一方で学ぶべきことも多い。「普段と時間の流れが違う」と本場所中の生活リズムにもまだ違和感があり、「(相撲が)楽しいのはいつもだけど、続くと疲れる。まだ3日目だけど体が重い感じがする」と目に見えない疲労を感じていた。 (3月13日(火)9時48分 スポーツニッポン)
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大相撲 鶴竜は遠藤を退け初日から2連勝 ―― 大相撲春場所は大阪市の大阪府立体育会館で2日目の取組が行われ、横綱でただ1人出場している鶴竜は遠藤を退け初日から2連勝です。
中入り後の勝敗です。
碧山に大奄美は碧山が突き出しで勝ちました。
英乃海に十両の豪風は英乃海が押し出し。
妙義龍に勢は勢が押し倒し。
錦木に蒼国来は錦木が寄り切りで勝ちました。
大翔丸に石浦は石浦がすくい投げ。
琴勇輝に朝乃山は朝乃山が押し出し。
豊山に千代翔馬は豊山が寄り切りで勝ちました。
千代の国に栃煌山は千代の国が押し出し。
隠岐の海に輝は輝が寄り切り。
大栄翔に竜電は大栄翔が押し出し。
阿炎に魁聖は魁聖が押し倒しで勝ちました。
北勝富士に嘉風は嘉風が寄り切り。
千代丸に松鳳山は松鳳山が突き出し。
貴景勝に正代は貴景勝が押し出しで勝ちました。
千代大龍に琴奨菊は琴奨菊がすくい投げ。
宝富士に御嶽海は御嶽海が寄り倒し。
栃ノ心に玉鷲は玉鷲がはたき込みで勝ちました。先場所優勝の栃ノ心は2日目で初黒星です。
逸ノ城に大関・高安は逸ノ城がはたき込みで勝ちました。高安は2連敗です。
大関・豪栄道に荒鷲は豪栄道が寄り切りで勝ち初白星です。
遠藤に横綱・鶴竜は鶴竜がはたき込みで勝って2連勝です。
黒星の栃ノ心「切り替える」
2連勝スタートの御嶽海は「反応は悪くない。相手は見えていた。自分の中ではわかっているけどまだ始まったばかりなのでペースを崩さないことですね」と話していました。
2日目で早くも黒星を喫した、先場所優勝の栃ノ心は「体が反ってしまった。少し高かった。あしたから切り替えて頑張ります」とため息をつきながら悔しそうに話しました。
栃ノ心を破った玉鷲は「まわしを取らせない、差させないという思いで相撲を取った。前に出る相撲を意識した」と上機嫌に相撲内容を振り返っていました。
2連敗となった大関 高安は何を聞かれても無言で会場をあとにしました。
高安に勝った逸ノ城は「慌てることなくはたきが決まってよかった。きょうは流れはよくなかったが体は動いているので頑張ります」と話しました。
鋭い出足から一気に勝負を決め初白星の大関 豪栄道は「立ち合い集中できていた。調子は悪くないので1日1番集中してやるだけです」とほっとした表情で話していました。
2連勝の横綱 鶴竜は、はたき込みで勝ったあと苦笑いを浮かべた場面を聞かれ「その前にはたいたときに、相手が落ちたと思ったけど落ちていなかったので」と相手の鋭い出足に引いてしまった相撲を振り返りました。そのうえで「しっかりやらないといけないという思いはあります」と一人横綱で迎えた場所への思いを話しました。 (NHK NEWS WEB 3月12日 18時45分)
納谷、突き2発で吹っ飛ばす 序ノ口デビュー、圧巻プロ1勝に「ほっとした」 ―― 注目の2人が、序ノ口デビュー戦で期待に応えた。昭和の大横綱・大鵬(故人)の孫で元関脇・貴闘力を父に持つ納谷(18=大嶽部屋)は、軽量の宇瑠寅(うるとら、式秀部屋)を圧倒。元横綱・朝青龍のおい、豊昇龍(18=立浪部屋)は中西(境川部屋)を下手投げで破った。偉大な系譜を継ぐ両者のライバル物語が、本格的に幕を開けた。3場所ぶり復帰の貴ノ岩(28=貴乃花部屋)は連勝スタートとなった。
祖父・大鵬の名に恥じぬ序ノ口デビューを飾った。納谷は左、右としっかり手を伸ばして突き2発。これで十分だった。67キロの宇瑠寅を土俵の外へ軽々と飛ばした。
「いいスタート。この流れについていけたら」。大きく下がって仕切る相手の奇襲にも動じなかった。足をしっかり出す持ち味の押し相撲で、師匠の大嶽親方(元十両・大竜)の「自分の相撲を取れ」という指導を守った。同部屋では元幕内・大砂嵐が無免許運転の責任を問われて引退したばかり。その重い空気も吹き飛ばした。
取り口は冷静に見えても、高校を出たばかりの18歳。内面は「めちゃくちゃ緊張した」と振り返った。記念のプロ1勝目には「ほっとしたのが一番です」とも打ち明けた。
先場所の前相撲で3戦全勝しているが、番付にしこ名が載って最初の本土俵は特別だった。前夜は熟睡。目覚めもすっきり。ところが土俵下で急に心臓が高鳴りはじめた。「気持ちがたかぶったというか。(前相撲と)全然違った。小学生のとき以来。(そのころは)試合に出るたびに緊張していました」と苦笑いした。
周囲の声も力になっている。今月上旬、卒業式のために母校の埼玉栄高校へ帰ると、友人たちから「頑張れ」と激励された。求められたサインは「まだ(立場上)書けないから」と断った。慣例上、サインが許されるのは関取以上。だが、土俵から引き揚げる姿には、すでに風格が漂う。サインの求めに応じる日も近いはず。後ろ姿には、偉大な祖父の背中が重なっていた。
◆納谷 幸之介(なや・こうのすけ)本名同じ。2000年(平12)2月14日生まれ、東京都出身の18歳。大嶽部屋。元横綱・大鵬の三女、納谷美絵子さんと元関脇・貴闘力の鎌苅忠茂氏との三男。埼玉・大宮西中から埼玉栄に進学。17年愛媛国体少年の部で団体、個人で優勝。18年初場所の前相撲で初土俵。1メートル88、170キロ。得意は突き、押し。
▼宇瑠寅 (突きが)1発じゃなくてよかった。もっと粘りたかったけど。(67キロの体でかく乱作戦も、通用せず) [Sponich Anne 2018年3月13日 05:30 ]
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【大相撲春場所】復帰の貴ノ岩が白星発進「必死でした」 ―― 大相撲春場所初日(11日、大阪府立体育会館)、元横綱日馬富士(33)から頭部などに暴行を受けて2場所連続で休場していた十両貴ノ岩(28=貴乃花)が、十両翔猿(25=追手風)を寄り切って白星発進した。貴ノ岩にとっては3場所ぶりの勝利。頭から強く当たる場面こそなかったものの、幕内上位経験者が格の違いを見せた。
取組後に支度部屋に戻ると「一生懸命やるだけです。一生懸命やるだけ。必死でした」と「一生懸命」「必死」という言葉を何度も繰り返した。
この日の白星にたどりつくまで不安は尽きなかった。京都の宿舎に入ってから稽古を再開したものの、内容は四股やテッポウなどの基礎運動やぶつかり稽古のみ。相撲を取る実戦的な稽古を再開したのは、本番4日前の7日になってから。それも数番取って、感触を確かめるだけだった。
師匠の貴乃花親方(45=元横綱)も愛弟子の出場にあたって「どこまでできるか分からないが、今までの経験と実績を生かしてやってくれると願っている」と話していた。事実上の“ぶっつけ本番”で復帰初白星をつかんだ。十両残留、さらには幕内復帰へ向けて、幸先のいいスタートを切った。 東スポWeb 2018年3月11日 16時43分 (2018年3月12日 10時12分 更新)
春場所初日 2大関が黒星 横綱・鶴竜は白星スタート ―― 大相撲春場所は大阪で初日を迎え、2人の大関がともに敗れる中、ただ1人、横綱で出場している鶴竜は小結の千代大龍に勝って白星でスタートしました。
中入り後の勝敗です。
碧山に十両の旭大星は碧山がはたき込みで勝ちました。
大奄美に英乃海は大奄美が寄り切り。
妙義龍に錦木は錦木が押し倒し。
勢に蒼国来は勢が寄り切りで勝ちました。
大翔丸に朝乃山は大翔丸が押し出し。
石浦に琴勇輝は石浦が引っ掛けで勝ちました。
豊山に千代の国は千代の国がはたき込み。
千代翔馬に栃煌山は栃煌山が押し倒し。
隠岐の海に竜電は竜電が寄り切りで勝ちました。
輝に大栄翔は大栄翔がはたき込み。
阿炎に嘉風は阿炎が押し倒し。
魁聖に北勝富士は魁聖が押し出しで勝ちました。
千代丸に正代は正代が押し出し。
松鳳山に貴景勝は松鳳山が上手投げ。
逸ノ城に琴奨菊は逸ノ城が寄り切りで勝ちました。
宝富士に栃ノ心は栃ノ心が寄り切り。
御嶽海に荒鷲は御嶽海がすくい投げ。
玉鷲に大関豪栄道は玉鷲が押し出しで勝ちました。
大関高安に遠藤は遠藤が送り出しで勝ちました。2人の大関はともに敗れました。
横綱鶴竜に千代大龍は鶴竜が寄り切りで勝ちました。ただ1人、横綱で出場している鶴竜は大関2人が敗れる中、危なげなく勝って土俵を締めました。
栃ノ心「1つ1つ集中してやりたい」
岩手県出身の錦木は、東日本大震災から7年の11日、白星を挙げ、「地元のためにもきょう勝ててよかった」とほっとした様子でした。
地元、大阪府出身の勢は初日、勝利を挙げ、「前に出ることしか考えていなかった。地元応援団が来てくれた。力が入りますし、うれしいです」と話していました。
先場所新入幕で敢闘賞を獲得した竜電は白星スタートに「攻め続けることを意識してやりたい。しっかり当たっていい相撲を取りたい」と話していました。
先場所優勝した関脇の栃ノ心は宝富士に勝ち、「プレッシャーはない。1つ1つ集中してやりたい」と終始、笑顔でした。
先場所の千秋楽に痛めた右手の指の状態が心配された横綱・鶴竜は右のまわしを引いての万全の相撲で小結・千代大龍に勝ちました。鶴竜は「痛いからと言って変な相撲を取らないように。自分らしくチャレンジしていることが伝わればいいと思う」と淡々と話していました。 (NHK NEWS WEB 3月11日 19時17分)
塾友のMayumi女史から便りが届きました。
彼女は「国境なき医師団」で活躍中です。みなさんに、次の記事も是非お読み戴ければ幸甚です。
http://www.msf.or.jp/work/workers/detail/pediatrician_2062.html
http://www.msf.or.jp/zatsudan/omoide/05.html
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貴乃花親方、内閣府に告発 暴行事件調査と理事解任めぐり相撲協会に「重大な疑義」 ―― 貴乃花親方が9日、部屋の担当弁護士を通じて報道各社にFAXで文書を送信。内閣府に対して告発状を提出したと発表した。
「内閣府公益認定等委員会に対し、代理人弁護士を通して、公益財団法人日本相撲協会による本件傷害事件への対応が、事業の適正な運営の確保に重大な疑義を生じさせるものであることから、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律に基づく立ち入り検査、質問及び適切な是正措置を求める勧告をしていただきたい旨の告発状を提出いたしました」と報告した。
西十両12枚目の貴ノ岩(28=貴乃花部屋)が元横綱・日馬富士から暴行を受けた問題について調査が第三者機関によるものではなく、公正中立ではないと指摘。「調査にあたった危機管理委員会は、被害者の同意を得ることなく、被害者の具体的な診断内容を入手して報道機関に公表しています。さらに同委員会は、被害者の主張を聞く前に中間報告要旨を公表し、その後の最終報告においても重要な点で被害者の主張が全く反映されておりません」と事件の調査手法について批判した。
また、自身の理事解任にも触れ、「法的には、解任事由に相当するような理事の職務義務違反になると認めることは困難」としている。
続けて「私は、日本相撲協会の公益認定に関する監督権限を有する内閣府公益認定等委員会に対し、本日告発した次第です」と説明した。
貴乃花親方は弟子の貴ノ岩が元横綱・日馬富士から暴行を受けた傷害事件の報告義務を怠ったとして史上初めて相撲協会の理事を解任された。また、日本相撲協会の元横綱・日馬富士の傷害事件に関する見解に関して、テレビ朝日の番組などで、危機管理委員会の発表とは見解が異なる部分があるなどと話していた。 [スポニチアネックス 2018年3月9日 22:28 ]
貴乃花親方ダイアリー
内閣府公益認定等委員会に対する告発について
2018.3.9
私は、本日、内閣府公益認定等委員会に対し、代理人弁護士を通して、公益財団法人日本相撲協会による本件傷害事件への対応が、事業の適正な運営の確保に重大な疑義を生じさせるものであることから、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律に基づく立ち入り検査、質問及び適切な是正措置を求める勧告をしていただきたい旨の告発状を提出いたしました。
平成29年10月26日に、元横綱日馬富士公平氏による貴ノ岩義司に対する傷害事件が発生し、その後、本件傷害事件に関連して、日本相撲協会危機管理委員会による本件傷害事件の調査・報告、日本相撲協会理事会及び評議員会による決議等のほか、日本相撲協会横綱審議委員会による発言等があり、私は、平成30年1月4日、評議員会の理事解任決議により日本相撲協会理事を解任されました。
本件傷害事件の調査・報告、日本相撲協会の各組織による決議・発言等については、不当・不適切にとどまらず、違法なものも存し、公益法人としての日本相撲協会及びその各組織の適正な運営には次に述べるとおり、重大な疑義が生じています。
第1に、本件傷害事件の解明は、関係者の処分や再発防止策の策定等の大前提となるものであり、適正な事実関係の解明と事件処理を行えない公益法人においては、その事業の適正な運営を確保できているとは評価できません。
この点、本件傷害事件に関する日本相撲協会による調査は、第三者により行われたものではありません。また調査にあたった危機管理委員会は、被害者の同意を得ることなく、被害者の具体的な診断内容を入手して報道機関に公表しています。さらに同委員会は、被害者の主張を聞く前に中間報告要旨を公表し、その後の最終報告においても重要な点で被害者の主張が全く反映されておりません。
このように、本件傷害事件に関する日本相撲協会による調査は、公正中立な内容とは到底評価できないものであり、身内による全く不十分な調査と報告をもって済ませようとしています。
第2に、理事の解任は公益法人にとって重大行為であり、正当な理由のない解任行為は、公益法人による事業の適正な運営の確保に対する重大な疑義を生じさせるものであるところ、私の理事解任理由とされた事項は、いずれも、法的には、解任事由に相当するような理事の職務義務違反になると認めることは困難なものです。それにもかかわらず、評議員会は、私が求めた弁明の機会を与えずに、理事の解任という重大行為に及んでいます。
以上の詳細は、告発状にて詳述しておりますが、いずれも、公益法人としての日本相撲協会が各組織の適切な運営等を確保できていないことを示すものですので、日本相撲協会の公益認定に関する監督権限を有する内閣府公益認定等委員会に対し、立ち入り検査、質問及び、適切な是正措置を求める勧告をしていただきたく告発申し上げた次第です。
貴乃花 光司
ウェブニュースより
初の師弟対局で「恩返し」、藤井六段が勝つ 王将戦 ―― 将棋の中学生棋士として史上初めて六段に昇った藤井聡太(そうた)六段(15)が8日、大阪市福島区の関西将棋会館で、師匠の杉本昌隆七段(49)と公式戦で初めて対戦し、勝利した。将棋界では公式戦で弟子が師匠に勝つことを「恩返し」と言うが、藤井六段が実現した。
王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の1次予選。午前10時に始まった対局は午後1時18分、同一局面が4回出現する「千日手(せんにちて)」が成立。規定によって、30分後に先手と後手を入れ替え、それぞれの残り時間を引き継いで指し直し局が始まり、午後6時20分、藤井六段が111手で勝利。継続中だった連勝記録を14に伸ばした。
終局後、杉本七段は「私の師匠(板谷(いたや)進九段)は、私が19歳の時に亡くなり、その時、私はプロでなかった。師匠と公式戦で対局する夢はかなわなかったので、形を変えて、私が師匠の立場で藤井六段と対戦できたことをうれしく思います」と述べ、「負けたのは非常に残念ですが、でも、今日という一日は素晴らしかった。藤井六段にお礼を言いたい」と話した。藤井六段は「師匠にはたくさん教えていただいた。公式戦で対局出来て、うれしいですし、さらに活躍していかねば、と思いました」と話した。
日本将棋連盟によると、藤井六段の通算成績は69勝11敗。同じく今年度の成績は、70対局、59勝11敗。将棋界の記録4部門(対局数、勝ち数、勝率、連勝)で今年度のトップを独占する勢いだ。
将棋の王将戦は、全棋士が参加。1次予選、2次予選のトーナメントがある。2次予選を勝ちあがった棋士とシード棋士4人とでリーグ戦を行い、挑戦者を決める。例年1~3月に七番勝負がある。現在は久保利明王将(42)に豊島将之八段(27)が挑戦中で、第5局まで終わって久保王将3勝、豊島八段2勝。 (朝日新聞DIGITAL 2018年3月8日20時12分)
https://www.youtube.com/watch?v=GkUl0TJHifI&list=PLMV40QJ1-GJflHxhlXNK4mQ9HPMFnHSkV
ウェブニュースより
熱い師弟対決 藤井六段VS杉本七段は千日手で指し直しに ―― 中学生棋士の藤井聡太六段(15)が8日、大阪市内の関西将棋会館で指された第68期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の1次予選2回戦で、師匠・杉本昌隆七段(49)との公式戦初となる師弟対決に臨んだ。
午前10時に杉本の先手で始まった対局は、昼食休憩をはさんだ午後1時18分、59手目で千日手に。30分の休憩をはさんだ同38分から先手後手を入れ換え、指し直しとなった。
持ち時間各3時間のうち、藤井が1時間6分、杉本が1時間1分を消費。指し直し局では藤井が1時間54分、杉本が1時間59分の残り時間を持った状況からのスタートとなる。
終局は本日夜の見込み。対局の模様はインターネットの「将棋プレミアム」で生中継されている。 [スポニチアネックス 2018年3月8日 13:46 ]
https://www.youtube.com/watch?v=UAQ2ASkFV1o
春日野親方、栃ノ心は「大丈夫」 6日に左脚負傷 ―― 大相撲春場所(11日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けた6日の稽古で左脚を痛めた関脇栃ノ心について、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は7日、「(出場へ)万全を期す。大丈夫だと思う」と説明した。
大阪府交野市の春日野部屋で栃ノ心は稽古を行わなかった。春日野親方によると、栃ノ心は「力が入る」と話してそんきょもできている。部屋近くの病院で磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けたという。 (SANSPO.COM 2018.3.7 15:35)
既存の語との関係において語源を考えなければならない例は、言うまでもなく日本語同士の間のものが圧倒的に多いのです。
醤油のことを「むらさき」と言いますが、これはもと女房詞(室町時代ごろ、御所に仕える女房たちの使い始めた隠語)で、その色が紫であったことからの命名であることは言うまでもありません。
今日のviolet(すみれ色)と醤油の色とでは、ちょっと結びつけにくいようですが、古代紫(京紫)が青みを帯びた深紫色であったことを承知していれば、この場合の語源の説明は容易です。
しかし、遡って、紫色いろをなぜ「むらさき」と命名したかということになると、また別の語源説明が必要になります。紫色はもと紫草の根に含まれている色素によって染めたので、その草の名「むらさき」を、そのままそれによる染色名に転用したのです。
すると今度はさらに遡って、そもそもその草を何故「紫」と命名したのかという問題になります。この草は花が群れて咲くから「群(む)ら咲き」と言ったのだという説明が行われています。これが正しいかどうかは判らないにしても、とにかく「むらさき」という語を説明しようとすると、どうしてもここまで遡らなければならないことになります。
ここまで遡ってもまだ不十分で、それなら、何故一つに集まることを「むる(群れる)」と言い。華の開くことを「さく」と言ったか、という点まで説明しなければ、本当にこの語の由来を説いたことにはならない道理です。しかし、そういうことは、少なくとも、醤油を「むらさき」と呼ぶことの由来(語源)としては、直接に関係がないといえます。それが色名の「むらさき」から来ていることを言えば、その段階での語源説明としては、一応十分だと考えなくてはなりません。
1 ヒ (親指) ヒラク(開く)。親指を起こす。
2 フ (人差し指) フル (振る)。振り替わる。
3 ミ (中指) ミ(まん中)
4 ヨ (薬指) ヨル(寄る)。端に寄る。
5 イ (小指) イタル(至る)。
ヒ(1)は、ヒラクとしましたが、ヒナ(鄙、辺境)などの語に見られるようにハ(端)と同じ語の可能性があります。 ヒトはヒ(端)を単体を表すのに用いたものなのでしょう。
フ(2)は、フ(振る)です。「振り替え」というように横に移ることがフルです。英語でいえば nextにあたるのが、この「フ」です。
ミ(3)は、ミカド(御門)、ミヤ(御屋=宮)などのミ(御)と同じ語です。これは真中、真上のマと起源的に同じと考えられ、真中の指の意です。
ヨ(4)は、寄る。5のところに近付く意です。
6 ム (小指) ムスブ(結ぶ)。次の手につなぐ。
7 ナ (薬指) ナラベル(並べる)。小指の横に薬指を並べる。
8 ヤ (中指) ヤ(高い、大きい)。
10 ト (親指) トズ(閉じる)。
ム(6)は結ぶです。1から5まで握っていた手の指を立てながら数え、今度は立てた小指を折る(結び)。あるいは、左手で数えた数に右手を結合します。
ナ(7)は、小指と薬指が並ぶことでしょう。これが親指と人差し指では「並ぶ」とはいえないから、小指から閉じると考えられます。 たんに続ける意でもよいでしょう。
8(ヤ)は、山のヤであり、「高い」「多い」「大きい」の意味を持ちます。「いよいよ・ますます」の意味を持つ副詞のヤとも本来は同じであったのでしょう。(下記大野晋氏の論を参照せよ)中指にあたり、最も大きい指であることを表します。
9(ココ) 来る。4が終点に近付く意だったのと同じく10の地点に近付くということです。
10(ト) 閉ず。すべての指を閉じることです。
朝鮮語との関係をいえば、朝鮮語の「5 tasat」は、「閉じる tat」よりできた語で、「10 yal」は「開く yal」よりできた語だそうである。これは、今日の日本人の指を使って数えるときの指の折り方と似ている。古来の日本の指の折り方が、朝鮮文化の影響を受けて、いつのまにか変化したのかもしれません。 なお、ヒトツ、フタツの「ツ」は、「付」であり、番号を付与する、数と結びつけるの意なのでしょう。ヒトツ、フタツの「ト」「タ」は、「処」「処」であり、本来その物のあるところの意と思われます。 日本語の数詞を、近隣言語と比較して類似性を見いだしえなかったのは、むしろ当然といわなければなりません。日本語の数詞は、指を数える動作にもとずく純然たる大和言葉なのです。だから、もし類似性があれば、それは基礎的語彙が相当類似しているということです。いまのところ、そういう言語はありそうもないわけです。 大野晋氏の聖数論 日本語では、「八百万神」「八雲立つ」「大八洲」「八尋」など「八」という数が同時に多数をあらわすと解されてきました。民族ごとに神秘的とされる数があり、それを聖数といいますが、日本語では八が聖数であるなどといわれてきました。しかし、「ヤ」は本来「大きい、多い」の意味だったのだ。八番目の数がたまたま背の高い指だったために、八が「ヤ」とよばれたにすぎないのです。 下記に大野晋氏の聖数論を引用しておきますが、八のヤと副詞のヤが同源であろうとみている点については正しい見解とみてよいでしょう。
●参考(大野晋氏の聖数論)
ヤ(八)という語は、日本神話の中に極めて多く現れる数詞である。「大八洲(おおやしま)、八頭(やがしら)、八門(やかど)、八尺鏡(やさかのかがみ)、…、八百万神(やほよろづのかみ)」などである。このように神話に多く用いられる数は聖数と呼ばれる。多くの民族は、それぞれの聖数を持っている。
アーリアン民族は三またはその自乗の九を聖数としているし、ヘブライ民族は七を、アイヌ人は六を、ツングース族は大体において五を、アメリカインディアンは四を、聖数としている。ポリネシアには、四と八とを聖数とする種族がある。この聖数は、種々の儀礼や呪術に使われる数であり、その民族にとって神秘的な霊能の感じられる数である。とともに、それが「多数」を意味することが多い。「多数」とは数え切れないということであり、無限に大きいということである。
日本の神話には八(ヤ)が多く使われるが、これは漢字の「八」には関係がない。現代で八が好まれるのは、八という字の形が末広がりであるということと深い関係があるが、古代の日本では、漢字などは一般民衆にとって何の縁もない存在であったのだらか、聖数としてのヤ(八)と、現代の八の愛好とは別である。
ヤyaという音の語に、副詞の「ヤ」がある。たとえば、
大舟を荒海に漕ぎ出で や船たけ(=漕ぎに漕ぐ) (万葉1266)
という歌である。この場合のヤとは、いよいよの意である。
や雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣作るその八重垣を(古事記歌謡一)
この歌の「や雲立つ」のヤも、やはり副詞のヤで、いよいよの意である。この、いよいよとか、ますますとかは、「すでにある度合で物事が存在し、行われているのに加えて、限りなく多く」の意である。このヤとヤ(八)とは同音である。従って、日本の数詞における聖数八(ヤ)と、限りなく多くの意を持つ副詞ヤとの関係は、世界の諸民族が神話において持つ聖数が、同時に多数、無限を意味するのと、まさしく対応する現象を呈している。ことによると、数詞の八(ヤ)と副詞のヤとは、本来同一の語なのではあるまいか。 (大野晋『日本語をさかのぼる』 岩波新書 p115)
sechin@nethome.ne.jp です。
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