瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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04eea2d1.jpeg  Lucky Puzzle(ラッキーパズル)は、Cross puzzle(クロスパズル)ともいい、縦横の比が5:4の長方形を7片に分割した知恵の板で、わが国では「Lucky Puzzle(ラッキーパズル)」の名で昭和4(1935)年頃から玩具として売られていて、今でも引き続き売られているという。Tangram(タングラム)で作れる凸多角形は13種類であったが、このLudy Puzzle では21種類の凸多角形が作れる。
 
0b1ce629.jpeg このパズルが古くからあったことは、イギリスのマジシャン、Professor Hoffman〔プロフェッサー ホフマン、1839~1919年〕著の 『新旧パズル』(Puzzles Old and New) (1893年)にクロス(十字架)パズルとして載っているということから見ても明らかである。これは当初7片で十字形を作る問題だったための名称で、それが種々のパターンが作られて、クロスという言葉が名前にだけ残ったというわけである。左図の下段中央にその十字架のパターンを示す。
 
 十字架パズルとT字パズル:いままで紹介してきた知恵の板は、いずれも1組何枚かの板を用いて、さまざまのパターンを作るものであった。しかし、すべての知恵の板がそうではなく、1組の板で単一のパターンを作るものもある。
32adb5ae.jpeg 中でも古典的なものが、左図の左に示した6片からなる十字架パズルである。Jerry Slocum(ジェリー・スローカム)、Jack Botermans(ジャック・ポタマンズ)共著の本によれば、このパズルの現在見つかっている最も古い文献は、1857年に出版されたものだとのことである。なお、このパズルには、右側にしめしたように1片少ない5片からなるものもあり、両者は並存していたようである。
0377dbf9.jpeg この十字架パズルの改良版と考えられるのが、今日でもよく売られているというTパズルである。Tパズルはわずか4片でTの形を作るもので、簡単のように見えるが、やってみるとけっこう手こずる。傑作の一つといってよい。前述のSlocum(スローカム)、Botermans(ボタマンズ)共著の本によれば、現在知られている最も古いものは、1903年に出ているとのことである。  
 
307724f8.jpeg 智恵の板にはいろいろの種類があるが、いずれも正方形または長方形を直線で7つに分割したものであった。実際に今まで発表されてきた智恵の板の大部分はこの種のものである。ただし、同じ正方形を切ったものでも19片に切ったもの(益智図)もあったことは先日来のブログでも述べた。正方形、長方形以外の多角形では左の図のような正八角形のものがあるという。
 
cd760016.jpeg 多角形以外にも円、ハート型、卵形のもの等が発売されているそうだが、左図の卵形を12片に切った智恵板はなかなか楽しめるそうである。この卵形の智恵板から出来る形を示しておく。いずれも卵から発生してくる動物になっているところがミソ。
 夜中(やちゅう)に雨があったらしい。玄関に新聞を取りに行くと道路がぬれている。部屋のヒーターを付けると温度の上昇が早い。10分も経たぬうちに15℃を示す。
 今朝のウェブニュースより
90251c32.jpeg 春の嵐で季節はずれの暖かさに ―― 2日は南風が強まり、春の嵐に。/南風が気温を押し上げ、四国や本州の太平洋側は4月並みの暖かさ。/3日は一転、冬の嵐。/北風が吹いて寒くなり、北日本では暴風雪の所も。/2日(土)は低気圧に向かって強い南風が吹き荒れる見込み。/立春前の春の嵐に。/強い南風で交通機関に影響のでる可能性もあるため、お出かけの際は時間に余裕を。/天気は下り坂。西日本ではすでに雨が降り始めていますが、1日(金)夜には東海や北陸、日付が替わる頃には関東や東北は雨、北海道は湿った雪か雨が降り始めるでしょう。/気温が高めのため、北陸や東北も雪ではなく雨の所が多くなります。
なだれや屋根からの落雪に注意が必要です。/ただ、気温はのぼり坂です。/南風が気温を押し上げ、2日の朝は全国的に気温が高め。/朝の最低気温は関東以西で10度前後、北海道ではプラスの気温の所も。/寒くない朝のあとは、季節はずれの暖かさ。/四国や本州の太平洋側では4月並みの暖かさとなり、20度近くまであがる所もある見込み。/この暖かさは一時的。3日(日)は寒くなります。/2日の夜には広く北風や西風にかわり、寒気が流れ込みます。/3日は関東以北を中心に大幅に気温が下がり、2日との気温差が体にこたえるでしょう。
 北日本の日本海側は雪で、風も強まります。/日曜日は冬の嵐、北海道では暴風雪の所も。/2日から3日は天気と気温の変化が大きくなります。/年末年始の冬山遭難のニュースは記憶に新しいと思いますが、2日から3日の気象条件は、冬山での遭難の可能性が高くなります。/無理な行動をしないようにしてください。(tenki.jp 2013年2月1日 16時34分)
 
4719bbf5.jpeg 早いもので、今日は塾友のマイチの1周忌。日頃はついつい忘れがちであるが、この日は忘れることはないだろう。マイチがスキルス癌で入院していることを知らされ、ナベちゃんの案内で、1日に大久保病院に見舞う。翌日2日朝にマイチの訃報が入る。まるで、爺との面会を待つようにして逝ってしまった。1日措いて4日は爺の80歳の誕生日であった。57歳のマイチが惜しまれながら逝って、この爺が未だに生き恥を晒している。この不条理を如何(イカン)ともし難い。
 
 此処のところ、先月17日に行なった関東地域水門会会合に出席したメンバーの原稿が立て続けに届いて、その編集にちょっくら追われている。
61b3868f.jpeg 中国で、1878年(光緒4年)にタングラムと別のタイプの知恵の板の本が出版された。それが『益智図』(全6巻)である。これは「十五巧板」とも呼ばれ左図のように、正方形を15片に分割したものである。益智図も日本やヨーロッパに伝えられたが、タングラムのようには流行(はや)らなかった。なおわが国でも、寛政年間(1789~1800)に19片からなる知恵の板がかなり流行したという文献があり、同類のものに15片のものもあった。
 パズル『益智図』の発案者は清末の文人、江蘇省祟明の人、童葉庚(字、松君。號、睫巣。又號、巣睫山人)。古典詩文から書画・金石にまで通じた多能の人であったらしい。このパズルは15枚の板で作った(型)、とそれが何を題材にしているのかを表わす、詩や故事の断片から成っている。
 
伏羲時龍
5bc01e73.jpeg 馬負圖出
 孟河背有
 陰陽五十五
 點伏羲則
 之始畫八卦

 伏羲の時,龍馬 圖を負いて孟河を出ず。 背に陰陽の五十五點あり。 伏羲これにのっとり,始めて八卦を畫す。
 ※「河圖洛書(かとらくしょ)」の故事。「河圖」すなわち,易の八卦先天圖の由來。 伏羲は中國の傳說上の皇帝,人の始祖ともされる。 孟河は黃河の支流。渡し場があった。
 
禹治水地
5dc747b5.jpeg 平天成神
 龜負文
 出于洛禹
 象之列
 洪範九疇

 禹 水を治め地を平らぐ。天 神龜(しんき)と成りて,文を負い洛より出ず。 禹 これに象(かたど)りて洪範九疇を列す。
 ※「河圖洛書(かとらくしょ)」の故事。「洛書」すなわち,易の八卦後天圖の由來。禹は中國の傳說上の皇帝。
 
 花影  宋・蘇軾
d44e843e.jpeg 重重疊疊上瑤臺 幾度呼童掃不開
 剛被太陽收拾去 却教明月送將來

 重重 疊疊 として瑤臺に上る 幾度り童を呼びて掃けど開かず 剛被す太陽 收拾して去るは 却って教う 明月の送りて將に來るべきを
 ※『千家詩』より引用
 ようようのぼった見晴らしの 塵は僕(しもべ)に掃かせどあかず お日樣のすとんと落ちたるは 今宵月見に良きしるし
2db5e01b.jpeg Tangram(タングラム)の7片は最初正方形に配列されているが、他の凸多角形を作成することもできる。中国の2人の数学者によって、1942年に13種類の凸多角形が作成可能であることを発表されている。
 13種類の内訳は以下の通りである。
 三角形 1種 、四角形 6種(正方形を含む)、五角形 2種、六角形 4種
左の図は可能な13種類の多角形と、その組み方の例を示している。
 
d4557d0c.jpeg Tangram(タングラム)の7片では、凸多角形が13種類しかつくれないことがわかってしまったので、
「正方形を7つに切って、最も多種類の凸多角形をつくることが出来るようにするには、どのようにすればよいか」という新しい問題が提出された。左の図の「多数の凸角形が作れる切り方」でも百数十の凸多角形が作れると言う。
 
61c7839c.jpeg この種の問題で最もむつかしいと考えられるのは、「正方形を7片に切り、それを組合わせて、なるべく多種類の三角形を作れ」と言うもので、1968年に出題されされたもので、左図のように切って、7個の三角形を作る解を得ているが、これが最高かどうかはまだ判っていない。
a08d1a73.jpeg 知恵の板の代表であるTangram(タングラム)は、中国で生まれ、中国語ではこれを七巧図と言う。それが何時頃からあったものかは、全くわかっていない。現在確認されている中国での最も古い文献は、嘉慶18(1813)年の桑下客(人物名、詳細不明)の序文のある『七巧図合璧(しちこうずごうへき)』である。しかし、「合璧」というのは合本という意味であるから、それより前にも本があったことが推測される。
タングラムの名称の由来には諸説あるが、その1つに古い英語で「がらくた」を意味する"Trangram"からという。「グラム」はギリシア語で「作品」を意味する"gram"からだという。
6bd2e142.jpeg いずれにしても、この本以降タングラムが流行して、パターン集が次々に刊行された。一方、この遊びはいち早くヨーロッパに伝えられて流行し、西洋で新しいパターンが続々と作られて、19世紀後半にはすっかり西洋に定着してしまった。今では西洋のものだと言ってもよいほどで、西洋で本もたくさん出ており、セットも絶えず売られている。Edgar Allan Poe(エドガー アラン ポー、1809~1849年)やLewis Carroll(ルイス・キャロル、1832~1898年)までが熱烈なファンで愛用したとか、流刑になったNapoléon Bonaparte(ナポレオン ボナパルト、1769~1821年)がセントヘレナ島で暇つぶしに使ったともいわれている。
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cf1a987e.jpeg Tangramのパラドックス問題と呼ばれているものがある。「2人の中国人」はいずれも7枚のtanを使いながら、一方だけ足があって他方にはない。足以外のところは一見同じに見えるので、どこかインチキがありそうである。このパラドックスはどうすれば解けるのだろうか(2人の中国人の解答の図を参照されたし)。
 「黒い電話」と「フルーツボウル」は各自で試みられたし。
  与えられた何枚かの断片(tanと言う)を全部用いて、指定されたパターンを組み立てる問題〔silhoutte puzzle(シルエットパズル)とも呼ばれる〕のが知恵の板である。
a235713e.jpeg 世界で最古のものとしては、Stomachion(ストマッキオン、人を狂気に誘い込むという意味)あるいはアルキメデスの小筥と呼ばれる正方形を14分割したピースを使用し、これを組み合わせて様々な図形を作るパズルが知られている。BC300年代、ローマの詩人Magnus Ausonius (マグヌス オーソニウス) の著書に記述があり、世界最古のシルエットパズルといえる。
442a0082.jpeg 今世紀になって修道院で見つかった10世紀頃書かれた文献に、このパズルの遊び方が書かれているという。左にStomachion(ストマッキオン)のシルエットを示しておく。



f0e0ffb4.jpeg Stomachion(ストマッキオン)には正方形の別解が非常にたくさんあって、アメリカのパズル家Bill Cutler(ビル・カトラー)氏〔1936年生まれ。昭和35年に東京工業大学工学部化学工学課程第4卒業。1万2千種類を超えるパズルコレクションを有するという〕により2003年にそれが 536種類であることが判ったという。左図にそのうちのごく僅かの〔例〕を示しておく。
 
e9394230.jpeg 知恵の板には膨大な種類があるが、代表的なものとしては、タングラム・ラッキーパズル・清少納言知恵の板などがある。
 
  関東地域水門会の会合の写真を九州・関西にメール便乃至封書で送った。その返事が入った。
 西宮在住のYK氏から、1月23日にFAX便が入った。曰く、
06767e11.jpeg「つばめグリル写真拝受/『関東地域水門会会合』の写真本日頂きました。ありがとう。/これだけの人数が集まるのは大したものです。皆さんさすがに頭は白く、薄くなっていますが、お元気な様子感心しております。/80才になるのに立派なものです。/関西も集まりたいのですが、仲々音頭を取る人がいません。私もこの所余り外出しないものですから……/でも一度関西も声をかけあってあつまりたいものです。/関東の水門会にエールをおくります。/以上 YK」
 今朝、パソコンを開くと奈良県は大和高田市に住むMN氏より、メールが届いていた。曰く、
6a0b1319.jpeg「日高節夫様/関東勢の達者な顔楽しく拝見しました。/河内、丸田、仁木、馬場の諸兄には卒以来、photoで久しぶりにお目にかかりました。(冊子では失念)/河内兄は 英語暗礁会見事パス(小生脱落) 父君はhome roomの導入指導に精通しておられましたね。/丸田兄とは、45年位前で小貨、検診側の一員として、私の属した工場内健康診断で会っております。まさか丸田?の気が強くて「見間違いか?」と今も思い出します。彼も同じ気持だったのでは無いでしょうか。大阪に勤務中とは知る芳もなかったからでした。眼鏡は、かけておりませなんだです。大柄でした。/馬場兄は細面でしたよね。ふっくらして、背丈も伸びてますね。白の江の産で、父君が英字新聞の愛読者で、お兄さんと2人兄第でしたか。/仁木兄は、記憶が戻りました。或る縁を介して、関係があるようですが、一度聞いてみたいものです。/その他の方は顔なじみですよね。/何はともあれ、よくぞお互いに長持ちしたものです。/皆々様ゆっくりとお過ごしください/寒気は続きますので、風邪にご注意を。/2013/1/25  MY」
 
b124dc88.jpeg 覆面算のもう一つの技巧は、配列に工夫をこらしたもので、左の2題のような作品がある。皆さんに自力で解いてみて欲しい。
 
 ところで「URA NI NARU(裏になる)」は逆に読んでも同じである。つまりローマ字の回文であるが、これを覆面算にして URAN×Ⅰ=NARU とした。
「回文の覆面算が URA NI NARU なんて実に面白い」 しかも、この覆面算の解は1つだけである。答えは勿論「回文算式(回文状の数式)」となる。各自で解いてみてくだされ。(答:2178×4=8712) 
回文算式とは
  12×231=2772=132×21、 12×4032=4838=2304×21 のような式である。
 
 覆面算と呼ばれるパズルがある。計算式の全部または一部の数字を文字か記号に置き換えたもので、それをもとの数字に戻すパズルである。
AB×AB=CBD のようなものはその一例である。
 この正体は 28×28=784 であるが、これでは味も素っ気もない。そこで、問題を作るときに工夫すると面白い意味のある言葉を作ることが出来る。これが、ワード覆面算といわれるものであり、さきの問題でAを「ピ」、Bを「ヨ」、Cを「ヒ」、Dを「コ」におきかえると、 ピヨ×ピヨ=ヒヨコ になる。
 覆面算の名付け親は、海野十三のペンネームで探偵小説や科学小説を書いた佐野昌一である。彼の言によると、数字が文字の覆面をしているのを、推理の力でエイ! ヤッ! と引っぱがすというのである。覆面算のルールとしては、
 ①1つの文字には1つの数字を当てる
 ②同一の文字には同一の数字を、異なる文字には異なる数字を当てる
 ③最高位の文字には0を当てない
があり、ここまでは異論がないが、1桁の場合にその文字に0を当てていいかどうかについては、研究者の間でも意見が分かれている。
c9bd6fbb.jpeg※海野 十三(うんのじゅうざまたはうんの じゅうぞう、1897~1949年:日本の小説家、SF作家、推理作家、漫画家、科学解説家。日本SFの始祖の一人と呼ばれる。本名は佐野昌一(さの しょういち)。
 覆面算は文字を用いるので、少し工夫をすると意味を持った問題を作ることができる。そのやり方には2通りある。1つは暗号覆面算、もう一つはワード覆面算である。
 
 西欧では Alphametic(アルファメティック)と呼ばれるが、これはalphabet(アルファベット)と算術という意味のarithmetic(アリスメティック)の2語の合成語である。
 最初の暗号覆面算であるが、これは覆面算を解いて1を表す文字から順に並べると、言葉が現れるものである。次の作品はその古典的作品で、1919年に出されたというD・E・スミスという人の「昔の数の物語」の中にあるという。
eca7360c.jpeg 右の暗号覆面算の2題はなんの変哲もないようであるが、解いてみると
  1234567890
  INOCULATES
となって、INOCULATES(接種する)という言葉が現れる。
b4de1947.jpeg これに対して、ワード覆面算は問題自体が言葉からできているもので、注目されるようになったのは1960年代になってからの事であるという。近年の数学遊戯の本には多くの新作が出ているというが、歴史は古く、昔の傑作として、左図のような1924年に発表された古典的で、最も著名な作品がある。この作品は今から100年近くも前の1924年に The Strand Magazine(ストランド・マガジン)誌に発表されたもので、「もっと金送れ」という文句が足し算になっているものなのである。これを例に覆面算の解き方を考えてみよう。
 まず和の最高位を見れば、Mが1であることはすぐわかるだろう。2つの数の和が20を越すことは、下からの繰り上がりがあったとしても、あり得ないからである。このMが1であるためには、S+M(=1)が9以上でなければならないので、Sは8か9。したがって、和のMOは10か11であるが、すでにMは1であることが確定しているので、Oは0に決定する。まあ、このように解いていくが、時には試行錯誤で解かねばならないこともある。
df08ee6a.jpeg 覆面算のいろいろな問題(式1~式13)を掲げておくので、試しに各自でいろいろ工夫しながら解いてみて欲しい。解答はいずれもただ1つ。式1~式3は海外の問題、その他は日本人の作ったものだという。
 英語、ローマ字、漢文とまさに多彩。問題の一部が空白(□で示す)になっているものは、そこにどんな数字が入ってもよく、重複してもかまわないことになっている。式4と式7はローマ字読みで、式8の?は計算には関係なく、使用しなかった数字を当てることにする。
8eedfbda.jpeg 念のため、英文の意味を書くと、式1=人が到達できる月、式2=十字路は危険、式3=数字を調べろ……といったところ。式10、式11はもう少し、凝っていて文字の上でも正しく足し算が行なわれていて、しかもきちんと覆面算になっているもので、解答はただ1通りだけである。同じやり方で日本語で作られたものが式12と式13である。
 昨日は、福岡在住の甥の長男M君の嫁のCさんが息子のHちゃんを連れて、実家の大宮から、淺草の我が家を訪ねてくれた。大宮の実家であるO家の両親に孫の顔を見せに上京したものらしい。
bc64009f.jpeg 生憎午前中は雨であったが、どうやら小降りになり、松屋の屋上に上るとスカイツリーもよく見られた。EKIMISEをひと回りして、仲見世を見物して、北めぐりんで我が家に帰宅した。Hちゃんには食アレルギーがあるとのこと、松屋で選んできた食品で我が家で昼食。しばし、雑談。
 撮った写真数枚は福岡、大宮、そしてM君の身内の方々にパソコンで貼付送信しておいた。
 今朝ほどパソコンを開くと、M君の弟のMs君、姉のEriちゃん、写真受け取りのメールが入っていた。大宮のCさんの父上からもお礼のメールが入っていた。
Ms君のメールに曰く、「節夫おじさん、写真ありがとうございます! CさんもHも、叔父様もおば様もお元気そうで何よりです!僕は8月末からドイツに来ていますが、こちらは毎日氷点下で凍えるような思いです。東京も大雪が降るなど、厳しい寒さのようですが、どうぞご自愛下さいね。 Ms」
 Eriちゃんのメールに曰く、「おじさん いい写真ですね! Hは段々M(父親)にそっくりになってきた気がします。Eri」
 Cさんの父上からのメールに曰く、「日高様/今日は娘母子がお世話になり、ありがとうございました。/   時節柄、風邪などには十分お気を付けください。H.O.」
 
 
  薬師算での遊び方では、「相手に一辺が4個以上の正方形を作ってもらう」ということになっている。つまり、一辺の碁石の個数m に m≧4 という条件がついている。なぜこのような条件をつけて、
m=1、2、3 の場合を排除しているのだろうか。
 ここで、m=1 は題意から排除されて当然。 m=2、3、4に対応する端数 n と碁石の総数 s の値を求めてみると、題意から
[m=2 のとき  n=0 、s=4]、  [m=3 のとき  n=2 、s=8]  …… [A] 
また、 s=4m-4  と  m=n+4  から
 [m=4 のとき  n=0 、s=12] 、 [m=6 のとき  n=2 、s=20] ……[B]
となる。したがって、(A) と (B)から、 《 n=0 に対応する s の値が s=4、12 》  と  《 n=2 に対応する s の値が s=8、20 》  のように、nに対応する s の値が2個あることがわかる。
 この結果、相手が『端数 n は0である』 または 『端数 n は2である』 と術者に答えときは、術者はその応答に大変困ることになるのである。このような理由から、一辺の碁石の個数m に m≧4 という条件をつけるのである。 
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ed1d3b78.jpeg 薬師算には多くのバリエーションがある。多賀谷環中仙(生没年不詳、京都の漢方医で、数学や機巧の研究もしていた)によって書かれた『和国知恵較』(1727年)には、三角形についての薬師算が載っている。また、中根彦循によって書かれた 『勘者御伽草紙』(1743年)には、正五角形の場合の他に、正a角形の場合についての一般式が等式 s=an+a(a-1) で表わされることが記載されている。
   この等式は、つぎのようにして導びかれます。その導く過程は、正方形の場合の「薬師算の仕組み」 とほとんど同じである。
【薬師算の一般式】:一辺の碁石の個数がm(m≧a) であるような 正a角形を作るのに必要な碁石の総数をs 、碁石を並べ直したときの端数を n とする。正a角形の隅の碁石は二つの辺に属しているので
 s=a(m-1)=am-a・・・ ①  が成り立つ。
したがって、碁石を正a角形の一辺に沿って並べ替えると、a列目はかならずa個の不足が生じるので
 m=n+a ・・・ ②  が成り立つ。
ここで、② を ① に代入して整理すると
 s=a(n+a)-a=an+a(a-1)
すなわち s=an+a(a-1)・・・ ③  が得られる。
 
 このゲームを「薬師算」と呼ぶのは、正方形の場合の碁石の総数を求める等式s=4n+12  に定数項12 があることからなのである。12 という数は薬師如来にゆかりの深い数なのである。薬師如来は菩薩だったときに、12の大誓願を立てて仏(ほとけ)と成ったといわれ、また、眷属として12神将と共に安置されることがあるからである。 
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5cdb7b11.jpeg※薬師如来:薬師如来は東方浄瑠璃世界(瑠璃光浄土とも称される)の教主で、菩薩の時に12の大願を発し、この世門における衆生の疾病を治癒して寿命を延べ、災禍を消去し、衣食などを満足せしめ、かつ仏行を行じては無上菩提の妙果を証らしめんと誓い仏と成ったと説かれる。瑠璃光を以て衆生の病苦を救うとされている。
単独像として祀られる場合と、日光菩薩・月光菩薩を脇侍とした薬師三尊像として安置される場合がある。また、眷属として十二神将像をともに安置することが多い。
 
0f8b9e52.jpeg 吉田光由によって書かれた『塵劫記』(1627年)に載っている数当てゲームに「薬師算」というのがある
  遊びながら和算の基礎を学ぶことを目的としたものであるが、現代の我々にとっても数学教育上魅力ある教材であると思われる。以下にその遊び方と、仕組みを説明しよう。
 薬師算とは、相手が正方形を作って、その正方形の一辺にそって並べ替えたときの端数を聞いて、正方形を作るのに使った碁石の総数を術者が当てるというゲームである。

e3e4a15d.jpeg ① はじめに碁石(白)を多数用意して相手に渡しておく。
 ② 術者が後ろ向きになっている間に、①で渡された碁石を使って、[図1]で示すような、一辺が4個以上の正方形を相手に作ってもらう。(なお、[図1]の ◎ は正方形の四隅の碁石を表わしている。)
 ③ 相手に、②で作った正方形の一辺だけを残して、その一辺に沿って右の[図2]のように碁石を並べ替えてもらう。
 ④ 最後の列の碁石の個数(これを端数と呼ぶことにします)を相手に教えてもらうだけで、術者が使用されている碁石の総数を術者が当てる遊びなのである。 (これらの操作 ②~④ の間は術者はつねに後ろ向きのままなので、術者は[図1]と[図2]を見ることはできない)
 相手が[図1]のような正方形を作って、それを[図2]のように並べ替え、そして、『端数は3』と術者に答えたとすると、術者はそれを聴いて簡単な計算をしてから、『碁石の総数は24』 と見事に当てて見せるのである。
 相手から端数を教えてもらっただけで、どうして、術者は相手が使用した碁石の個数を当てることができるのだろうか。つぎに、その仕組みを説明しよう。
 一辺の碁石の個数がm(m≧4) であるような正方形を作るのに必要な碁石の総数を s 、碁石を並べ直したときの端数を n としよう。正方形の四隅の碁石 ◎ は二つの辺に属しているので
  s=4(m-1)=4m-4 …… ①
が成り立ち、碁石を正方形の一辺に沿って並べ替えると、4列目はかならず4個 の不足が生じるので
  m=n+4 …… ②
が成り立つ。ここで、② を ① に代入して整理すると s=4(n+4)-4=4n+12 すなわち
  s=4n+12 …… ③  が得られるのである。
 すなわち、相手の答えた端数を4倍して 4×4+12=24  と応ずることが出来る。
 
プロフィール
ハンドルネーム:
目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
自己紹介:
くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


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