瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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63a32475.jpeg  Tangram(タングラム)に先がけて、同じ正方形を別のやり方で七つの小片を使って、全く同じように形合わせの遊びに使うパズルが、日本では寛保2(1742)年に『清少納言智恵の板』という名で作られていた。
 清少納言知恵の板の発祥に関して詳しいことは分かっていないが『枕草子』の作者で才女として知られた平安時代の女流歌人・清少納言が女児(上東門院小馬命婦か)の知能テストを目的に考案したとの民間伝承が残されているという。この「智恵の板」の原本は縦11㎝、横15.5㎝、全部でわずか32頁の和綴じ本で、現存するものは東北大学、東京都立中央図書館、上田市立図書館、西尾市立図書館の四ヶ所にしか見つかっていないとのことである。
 
 始めに序文(清少納言智恵板 序 参照)があり、
54c380a8.jpeg〔上段原文〕:清少納言の記せる古き書を 見侍るに智ふかふして人の 心目をよろこばしむこと多し 其中に智恵の板と名づけ 図をあらわせるひとつの巻 あり是を閲するに幼稚の児女 智の浅深によって万物の形 を自然にこしらへもろもろの器 の図はからずも作り出すこと/ 誠に微妙のはたらき有しかれ ども其図は往昔の器物の形
(上段訳文):清少納言が書いた古い文を見ると、彼女は智恵が豊かで、人々を楽しませることが多く書かれている。その中に、智恵の板と名付けて、図を描いた一冊がある。これを見てみると、幼い子どもたちが智恵の程度によって万物の形を自然に作ったり、いろいろな器物の形を偶然にも作り出しているのは、まったくその(智恵の板の)不思議な作用である。しかし、その図は昔の器物の形だったり、
〔中段原文〕:又は雲上の御もてあつかひの品 ゆへ今の児女その心を得がた/ し故にあらたに図を作り 当用の器物まぢかき形を 記せり人々智の至るところ にしたがひ板のはこびによって品かわりたる形あらはれ ずといふことなしこゝに手引のために百分の壱つを示すものなり初に諸物の図を出し奥に板のならべ様の図を載すされども奥のならべ様を
(中段訳文):または宮中で使われていたものだったりするので、今の子どもたちにはその意味がわかりにくい。よって、ここに新しく図を起こし、今風の器物の形を描いた。皆さんの智恵の発達具合に従って、板の置き方次第で、変ったおもしろい物の形が出現するに違いない。この本は、例題としてその百分の一を示したものだ。初めにいろいろな物の図を描き、後に板の置き方の図を載せた。だが、後の置き方を 
〔下段原文〕:見ずして初めの図のごとく 人々の作意にて七つ板のならべ/ はこびを考へ給はゞ不測の はたらきありて一座の興を 催すべきものならし
(訳文):見ないで、初めの図のように皆さんの頭を働かせて七つの板の並べ方をお考えくだされば、思いがけぬ形ができあがったりして、一座も盛り上がることだろう。
    寛保二年 戌八月   含霊軒述
  秘伝の巻に残らず顕はすといへども爰に壱つを出し板のならべ様を見す
  八角かがみ 七つ板 ならべ様 


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