瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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  欧米では「図形の分割」といわれているが、わが国では中根彦循の『勘者御伽双紙』に「裁合物(たちあわせもの)の事」として載っているので、「裁ち合せの問題」と呼ばれている。
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 裁ち合わせの問題には円形を2つの卵形に、また正方形を二つの正方形に裁ち合わせる問題などもある(左図参照)が、やはり、多角形を切って別の多角形を作る問題が多いようである。
 
 多角形ならばどんなものでも、裁ち合わせによって面積の等しいどんな多角形にでも作り直すことが出来る。このことは、1832~33年にハンガリーの数学者Farkas Wolfgang Bolyai(ファルカッシ・ボヤイ、1775~1856年)とドイツの数学愛好家Gerwien(ゲルビン、詳細不詳)によって証明されている(ボヤイ=ゲルヴィンの定理)という。
※ボヤイ=ゲルヴィンの定理:面積の等しい二つの多角形A、Bが存在した時、Aを有限回分割し組みなおすことで、Bと合同な図形を作ることが出来る
 
 しかし、ある図形を別の図形に変える方法は、実際にやってみなくては判らない。また、切り方が「最小の片数」であるという証明は大抵の場合う不可能である。
9fa6beeb.jpeg 正方形を2つの同面積の正方形にしたり、平行四辺形を三角形にする問題(左図)なら、小学生でも出来るだろう。


92bac5fd.jpeg 『勘者御伽双紙』では 1×n の長方形を立ち合わせて正方形にする問題が中心に扱われている。





461e1bde.jpeg 他にいろいろな凸多角形、星型多角形、十字架、ポリオミノ形、文字や記号の形をした多角形の問題がある。(左図参照)



 

e5b883a0.jpeg 数学的にも興味深いのは、正多角形を別の正多角形に変えることである。「正三角形⇔正方形」「正方形⇔正五角形」「正方形⇔正六角形」の最小片数の解は、デュードニーがパズル・ブックで発表している。このうち正三角形⇔正方形」の解を左図に示しておく。
 
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