瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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  無題  李商隠
相見時難別亦難、 相見る時難く別(わか)れるも亦難し、
東風無力百花残。 東風は力無く百花 残(そこ) なう。
春蚕到死絲方盡、 春蚕 死に到たりて、糸方に尽き、
蝋炬成灰涙始乾。 蝋炬 灰と成り、涙 始めて乾く。
暁鏡但愁雲鬢改、 暁鏡に 但 愁 雲鬢を改め、
夜吟應覚月光寒。 夜に吟ず 応に覚える、月光の寒
蓬山此去無多路、 蓬山 此より去ること多路無し、
青鳥殷勤為探看。 青鳥 殷勤 探り看ることう為さん。
 
fa1db4fb.JPG〈訳〉 顔をあわせる機会も容易にもつことのできない間柄、会えば別れが一層つらい。だけど、どんなに別れ難くても、やはり別れることになる。春の風は力無く、けだるく吹き、どの花すべてが、盛りを過ぎて来て、形骸をとどめるだけだ。恋の終末にふさわしい風景なのだろう。
 春の蚕が死ぬその時まで細く美しい絹糸を吐き続けるように、私の思いはいつまでも細細と続いている、
 たらたらと雫を垂れる蝋燭が、燃え尽きてすっかり灰になりきるまで、蝋の涙を流しつづけるように、別れの悲しみはこの身の果てるまで続けてく。
 あなたはどうしているのか? 朝の化粧をしようとして、鏡に姿をうつしながら、雲鬢の黒髪をきちんと整える。
 夜には、私の贈った詩を吟じながら、月光の寒々とした景色に、秋を感じて悲しむことだろう。
 蓬莱山の仙人の住む至楽の園は、私のいまいる所から、何ほどの距離もない。別れねばならぬとはいえ、
あなたは同じ都の中にいる。
 恋の使いをするという青い鳥よ。せめて彼女と情を交わしたい、どうか誰にもきづかれず看さだめてきてくれないか。
 
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ありがとう
 李商隠のようなロマン派の詩人にとって、恋することは感傷的ものみたいですね。これは古来より中国の伝統的女性の保守的性格に関連する部分ですね。
シン 2011/08/24(Wed) 編集
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目高 拙痴无
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1932/02/04
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