苔(こけ)を詠める歌3
巻11-2516:敷栲の枕は人に言とへやその枕には苔生しにたり
巻11-2630:結へる紐解かむ日遠み敷栲の我が木枕は苔生しにけり
巻11-2750:我妹子に逢はず久しもうましもの安倍橘の苔生すまでに
◎阿部橘
万葉歌に詠まれている阿倍橘(あべたちばな)は 現在の橙(だいだい)のことです。平安時代の漢和辞典「和名抄」・ 本草書「本草和妙」に、「橙、阿倍多知波奈(だいだい、あべたちばな)」と出ていることから、現在の橙とされているそうです。
橙は落果しにくく、新旧代々の果実が同一樹上になること。また果実が黄金色をしていることから、家が代々続き繁栄することを願い、正月に鏡餅の上に飾ったり、しめ飾り などに使われます。
橙は、インドのアッサムを中心とする地域が原産地といわれます。世界的に広く栽培されますが、陸路を西進したものがサワーオレンジといわれます。
東進したものが橙の品種群に分化したそうで、日本には中国から伝来。最も古くに導入された かんきつは、橙であるといわれます。
ウェブニュースより
瀬戸内寂聴さん死去 99歳、文化勲章受章 ―― 女性の業を描いた小説や文学者・宗教者の評伝、「源氏物語」の現代語訳など幅広い作品で知られる作家で、文化勲章受章者の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)さんが11月9日午前6時3分、心不全のため京都市内の病院で死去した。99歳だった。お別れの会を予定しているが日取りなどは未定。
徳島市生まれ。北京時代の結婚生活を基とした「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞を受賞した。妻子ある不遇な作家との恋愛を題材とした自伝的小説「夏の終り」で女流文学賞を受賞。自我に目覚める戦後の新しい女性の先駆者として幅広い人気を集めた。
流行作家の多忙さと恋愛関係のもつれから1973年に得度、法名寂聴を名乗る。京都に「寂庵(じゃくあん)」を構え、法話などに取り組み、岩手県の天台寺住職も務めた。2014年にがんを患うなどして療養生活を送ったが、晩年まで精力的に活動を続けた。
日本経済新聞に71~72年に小説「京まんだら」、97~98年に小説「いよよ華やぐ」、92年5月に「私の履歴書」、07~11年に評伝エッセー「奇縁まんだら」を連載した。 【日本經濟新聞 2021年11月11日 13:07 (2021年11月11日 17:06更新)】
COP26・米中共同宣言は「手打ち」の意味も ―― 「米中が気候変動問題への協力で共同宣言を出すらしい」。現地時間の10日午後6時前、第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)のメディアセンター近くの記者会見場周辺が、にわかに騒がしくなった。この時間は中国が会見を開く予定だったが、会見者や内容は不明だった。中国側の担当者が持っていたスマートフォンをのぞくと、中国の解振華担当特使が出席すると書いてある。場内はみるみる記者で埋まった。
共同宣言を発表するために解氏が出て来るのなら、米国のケリー大統領特使(気候変動問題担当)も出席するのではないか。そんな期待が高まった。ところが、同じ部屋を使いながらも、両国の会見は時間をずらして開かれた。普通なら、こんなときには2人が壇上に並び、ポーズをとるものだが、そうした機会は一切なし。見解の相違が露呈するのを避けたかったのか、不自然な会見だった。
解氏、20年目標「前倒し達成」の真意
最初に会見した解氏は「これから重大なメッセージを発表する」と仰々しく共同宣言の中身を説明した。そして、記者の質問に答える形で強調したのは「我々は気候変動対策に関する2020年の目標を、すべて前倒しで達成した」ということだ。「その結果として、30年までに温暖化ガス排出のピークを迎え、60年までに実質排出ゼロという目標を設定できた」と胸を張った。
これは、中国が条約事務局に提出している「30年にピーク」という現行目標も、結果として前倒しできる可能性が高いと示唆したかったのではないか。米国がしっかり協力してくれて、ピークの前倒しが視野に入ってくれば、もっと思い切った削減計画も示せるようになる。そんな意図がありそうだ。逆に言えば、「将来は頑張るが、今の目標は変えない」と受け取れる。
ケリー氏のジョークにみる中国への諦め
一方、ケリー特使の会見では、会場内で笑いが起きた場面があった。中国が30年ピークの目標を前倒ししないことに関して聞かれ、「30年ピークの話は中国と散々してきたが、ピークアウトした」と答えたときだ。もう、中国にこの目標の見直しを迫るのは諦めた、と言っているようにも聞こえた。
さらに、ケリー氏の言葉で注目されたのは、「両国はいくつもの分野で相違点があるが、気候対策は一緒に取り組む」と語った部分だ。米政府はかねて中国政府に対し、政治・経済的な対立と気候問題は切り分けるべきだと指摘してきた。しかし中国はこれを拒む姿勢を見せていた。
今回、中国が譲歩して切り分けの受け入れを明確にし、米国は中国に削減目標を今すぐ改めるよう求めるのを断念した。そうした一種の手打ちが成立し、このタイミングで共同宣言を出すことになったのではないか。両国がいつまでもにらみ合ったままでは、COP26の交渉全体が滞る。一つの障害が取り除かれたのは交渉を進めるうえでプラスだが、課題を先送りしただけでもある。 【日本經濟新聞 2021年11月11日 16:58】
EU難民問題で制裁強化へ ベラルーシ、ガス停止警告 ―― 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は10日、ベラルーシが意図的に中東などからの難民や移民をEU側に送り込んでいるとして来週初めに制裁を強化すると発表した。米政府に関しても12月初めに新たな対ベラルーシ制裁を発動する見通しだと述べた。バイデン米大統領とホワイトハウスで会談後、記者団に語った。
これに対し、ベラルーシのルカシェンコ大統領は11日、EUが制裁を強化した場合、ロシア産天然ガスを自国経由で欧州に送っているパイプラインを止める可能性があると警告した。インタファクス通信が伝えた。
難民らの流入はルカシェンコ政権がEUの制裁に報復したとの見方が強い。同政権を支える隣国ロシアは10日、ベラルーシ上空に戦略爆撃機を飛ばし国境付近の共同パトロールを実施したと発表しており、米欧が新たな制裁に踏み切れば、緊張がさらに高まりそうだ。
ベラルーシとポーランドの国境では、EU入りを狙う難民ら数千人が立ち往生。夜は氷点下の寒さとなり、死者も複数に上ると報じられ、対応が急務になっている。国連のドゥジャリク事務総長報道官は10日、人道上の原則や国際法に基づく解決を呼び掛け、「政治利用すべきでない」と懸念を示した。
フォンデアライエン氏は記者団に「独裁主義政権が近隣の民主国家を不安定化させようとする試みだ」とベラルーシを非難した。EUの新たな制裁対象については、難民らの輸送を支援する航空会社を検討していると説明した。ロイター通信はEU高官の話として、ベラルーシの外相や航空会社など約30の個人・団体が新たな制裁対象となると伝えた。
バイデン氏は会談でEUへの難民らの流入に「深い懸念」を表明。難民らの母国に対してベラルーシに利用されないように働き掛けることなどでフォンデアライエン氏と一致した。 【日本經濟新聞 2021年11月11日 17:15 (2021年11月11日 20:22更新)】
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