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羽生永世七冠の震える指 魂震わす偉業 茂木健一郎さん ――  将棋の羽生善治竜王(47)が竜王通算7期の条件を満たして「永世竜王」の資格を獲得し、史上初の「永世七冠」を達成した。

 同じ勝負の世界に生きるプレーヤーや将棋界をよく知る著名人らに、その凄さなどについて聞いた。
◆     脳科学者・茂木健一郎さん

 
羽生善治さんが永世七冠を達成されたこと、まことに素晴らしい。
 将棋でも囲碁でも、人工知能が人間を上回るようになった。しかし、本来、条件が違うので比較するのがおかしい。生身の人間が闘う姿にこそ意義がある。
 100m走で人間と自動車を比較するのは意味がない。アスリートが練習を重ね、走り方を工夫し、精神力を鍛えて記録を更新するからこそ感動がある。
 将棋も同じことだ。人工知能は処理速度が速く、記憶容量も大きい。集中力にも限界がなく、何十時間でも膨大な計算を繰り返すことができる。人間は体調も変動するし、生活の苦労や心配もある。それでも将棋という目標に傾注する姿こそが、見る者の心を動かす。
 ログイン前の続き羽生さんがプロになったのは15歳。19歳で初タイトルの竜王獲得。七冠達成が19歳で25歳。以来、25歳47歳になる現在まで、将棋界のトップを走ってきた。今回の竜王獲得でタイトルは通算47歳に99期となった。くしくも、初タイトルと同じ竜王を28年後に獲得し、永世七冠となったのである。99期とかくも長きにわたる、日々の鍛錬と継続する意思。羽生さんの偉業は、人類にとっての誇りである。勝利を確信した時の羽生さんは、駒を置く指が震えることがある。今回の永世七冠達成の報に、私は魂が震えた。(寄稿)
◆七冠の囲碁棋士・井山裕太名人


 
  私が初めて囲碁の名人に挑戦した2008年からまだ10年もたっていないが、振り返って自分自身、ここまでよくタイトル戦を重ねてやってこられたと思う。人間なので波もある。下の世代も力をつけてくる。その中で四半世紀以上にわたりタイトルホルダーであり続ける羽生さんは、プロ棋士の目標となる理想像だ。
 一つの時期に集中的にパフォーマンスを上げることはもちろん大事だが、どちらかというと長く第一線で活躍し続けることのほうがたいへんなことだと思う。羽生さんとは何度か対談する機会をいただいた。あれだけの実績を重ねてこられ、その時々の自分を完成形として満足してもおかしくないのに、常に進歩をめざす姿勢を感じた。それがあってこその永世七冠なのだと思う。
 羽生さんは20代の自分と今の自分のどちらが強いか、対局してみなければわからないとも言っておられた。衰えた部分もあるかもしれないが、年を重ねて成長した部分もあるということなのだろう。
 羽生さんが七冠を同時制覇したのは21年前。私が初めて七冠を独占したのは昨年。21年前20年後の自分がどうなっているのか想像もできないが、羽生さんはやればできることをわれわれ後輩に示してくれた。
◆作家・柚木裕子さん


 
  永世七冠はすごい。柔和な眼差(まなざ)しのなかに、勝負師としての鋭い眼光を確として秘めた羽生さんだからこそ、成し得た偉業であろう。
 そもそも、七つのタイトルをそれぞれ五回、七回、十回と保持するのは、私に言わせれば気の遠くなるような話だ。前人未到どころか、空前絶後ではないか、とすら思えてくる。
 ご承知のように、全国の神童が集う棋士の養成機関、奨励会を経てプロになれるのは、熾烈(しれつ)な競争を勝ち抜いた一握りの天才だけだ。その天才同士がしのぎを削る棋界でタイトルを手にすることが、どれほど至難の業であるか。まして、棋界のタイトル七冠をすべて制覇することがどれほどの快挙であるか。将棋界を舞台にした拙著『盤上の向日葵(ひまわり)』を執筆するうち、その厳しさ、峻烈(しゅんれつ)さを、嫌というほど思い知らされた。
 AIがいくら強くなろうとも、劣勢の局面で形勢を逆転せんとする、手の善悪を超えた「勝負手」は指せない。人間だからこそ、観(み)る者の魂を揺さぶる勝負を盤上に映し出せるのだ。敗れても幾度となく立ち上がり、勝負手を繰り出して歴史に名を刻んだ羽生善治永世七冠の偉業に、人間の素晴らしさを改めて教えていただいた気がする。
 AIが心から、おめでとうございます、そしてありがとうございます、と申し上げたい。 (寄稿)   (朝日新聞DIGITAL 2017年12月6日20時02分)

 将棋・藤井聡太四段、順位戦Ⅽ級2組で無傷の7連勝!一期抜けへあと3勝 ―― 将棋の中学生棋士・藤井聡太四段(15)が127日、順位戦Ⅽ級2組7回戦で高野智史四段(24)に勝利し、同級で無傷の7連勝を飾った。2人とも持ち時間6時間を使いきり、終局が深夜に及ぶ熱戦となったが、勝負どころを逃さなかった藤井四段が白星をもぎ取った。同級初参加の藤井四段が一期抜けを果たすには、10戦全勝が必要な状況だけに、この日も負けられない対局だった。


 
 C級2組は棋士50人が参加。Ⅽ級1組に昇級できるのは3人。勝敗数が並んだ場合には、前年度の成績などをもとにした「順位」が上の棋士から昇級する。藤井四段は50人中45位。1敗グループには、藤井四段より順位が上の棋士が多数いるために、1つでも星を落とせば一期抜けはかなり苦しくなる。
 藤井四段の今期の成績は、この日を終えて通算60局で、52勝8敗(勝率0.867)。年度成績では、50対局、42勝、勝率0.84029連勝(年度またぎ)で、部門四冠を独占している。 (YAHOOニュース 12/7() 23:56配信)


https://www.youtube.com/watch?v=EP0xEfB23Xs


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