紅花を詠める歌7
巻19-4156: あらたまの年行きかはり春されば.......(長歌)
標題:潜鵜謌一首并短謌
標訓:鵜を潜けたる謌一首并せて短謌
原文:荒玉能 年徃更 春去者 花耳尓保布 安之比奇能 山下響 墜多藝知 流辟田乃 河瀬尓 年魚兒狭走 嶋津鳥 鵜養等母奈倍 可我理左之 奈頭佐比由氣波 吾妹子我 可多見我氏良等 紅之 八塩尓染而 於己勢多流 服之襴毛 等寳利氏濃礼奴
万葉集 巻19-4156
作者:大伴家持
よみ:あらたまの 年行きかはり 春されば 花のみにほふ あしひきの 山下響み 落ち激ち 流る辟田の 川の瀬に 鮎子さ走る 島つ鳥 鵜養伴なへ 篝さし なづさひ行けば 我妹子が 形見がてらと 紅の 八しほに染めて おこせたる 衣の裾も 通りて濡れぬ
意訳:年が代わって春になると花々が咲きにおう。山のふもとを轟かして、激しく落下して流れくだる辟田(さきた)川。その川の瀬では鮎がすいすいと走る。鵜飼いの人々を伴って、篝火をかざして難渋しながら川を行くと、我が妻が形見と思って下さいと、紅色に幾度も染めて送ってくれた着物、その着物が水に濡れる
巻19-4157: 紅の衣にほはし辟田川絶ゆることなく我れかへり見む
原文:紅<乃> 衣尓保波之 辟田河 絶己等奈久 吾等眷牟
よみ:紅の衣にほはし辟田川絶ゆることなく我れかへり見む
意訳:紅の着物を美しく染める辟田(さきた)川、幾度もまたやってこよう。
ウェブニュースより
核禁止条約21年発効も… 保有国含まれず実効性疑問視 ――核兵器の保有や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約(TPNW)の発効が決まった。歓迎する声がある一方で、核保有国は核戦力を安全保障の中核に据えており、核兵器廃絶への道のりは遠いのが実情だ。日本は唯一の戦争被爆国だが、安保環境は厳しさを増しており、批准には慎重だ。
同条約を推進してきたオーストリアのクルツ首相は25日、大量破壊兵器によるリスクと永続的な脅威は容認できないとし、「私たちは核兵器のない世界という目標に近づく重要な一歩を踏み出した」とのコメントを発表した。
17年に同条約採択への功績でノーベル平和賞を受賞した非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のベアトリス・フィン事務局長も「条約の発効で核保有国に核軍縮と将来の枠組み参加への圧力をかけられる」と期待を示す。
しかし、条約を批准した50カ国・地域には核保有国は1つも含まれず、実効性を疑問視する意見もある。
世界の核兵器の大半を保有する米国とロシアのほか、中国と英国、フランスの5カ国は現状の核拡散防止条約(NPT)の枠組みの中で核軍縮を進めるべきだとの立場だ。
AP通信によると、米国は批准国に送った書簡で、改めて同条約に反対する立場を表明し、核保有5カ国と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国が「(条約の)潜在的な影響への反対で一致している」と懸念を示した。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の推定によると、20年1月時点の核兵器保有数は約1万3千発と前年比で3%減ったものの、中国は前年より30発多い320発となった。インドも10~20発多い150発となり、北朝鮮も保有数を増やしたとみられる。
日本政府は核兵器の廃絶という目標には共感を示すものの、同条約への参加には慎重姿勢を崩していない。北朝鮮の核開発や中国の軍備増強など、安保環境が厳しさを増すなか、米国の「核の傘」による抑止力を維持・強化していくことが現実的だとの立場だ。
日本政府は、同条約には「安全保障の観点が踏まえられていない」と説明する。加藤勝信官房長官は「核兵器保有国のみならず、非核兵器国からも必ずしも支持を得ている状況ではない」と指摘する。
核兵器を保有しない国や地域では、既存の核保有国が核兵器を独占しているとの批判が根強い。中東ではイランの核開発疑惑を巡り、周辺諸国が核兵器の開発に乗り出す「核ドミノ」が起きるとの懸念も浮上している。
2月には米国とロシアの軍縮枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)の期限が切れる。米大統領選の前に合意を目指すトランプ大統領と、軍拡競争につながる条約失効を避けたいロシアのプーチン政権との交渉が大詰めだ。条約を1年延長し、その間の核弾頭保有数の凍結で合意する見通しだ。中国の軍縮参加や制限対象拡大などの問題は棚上げされる可能性が大きい。 (日本經濟新聞 2020/10/25 22:00)
sechin@nethome.ne.jp です。
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