瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 今朝のウェブニュースより
142d7926.JPG パキスタン、ビンラディン急襲で米を批判 ――  【アボタバード(パキスタン)】パキスタン外務省は3日、米国が事前の許可申請や通告をせずに国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディン容疑者をパキスタン国内で急襲して殺害したことを「憂慮」している、との声明を発表した。同省は「許可を得ていない、この一方的な行動は通常認められない」としている。/1000語から成るこの声明は、2日に米軍部隊が中央情報局(CIA)の指揮の下に、ビンラディン容疑者が潜伏していたアボタバードの住宅を急襲して同容疑者を殺害した直後にパキスタン政府が出した短い声明とはトーンを異にしている。/外務省は2日の声明で、この作戦は米国によって実行されたとし、パキスタンはそれまでの情報収集で米国に協力してきたと指摘していた。しかし、3日の声明は、米による急襲は領土の侵犯だとする国内世論の批判を受けて、厳しい姿勢に変わった。英語版の声明は「米国の行動は同国も含むいかなる国の将来の前例となってはならない」と強調した。/3日の声明は、その多くが反米的である中間層の、メンツをつぶされたとする不満を鎮めることを狙ったと見られる。アボタバードの弁護士オワシス・カーン氏は、自分が所属する弁護士協会は米国の一方的行動に抗議するよう求める書簡をザルダリ大統領とパキスタン軍のカヤニ総司令官に送ったと述べた。カーン氏は「米国の行動はパキスタンの主権に反する」としている。/これまでのところパキスタン軍は沈黙を守って、ビンラディン容疑者の殺害への対応を政府に任せている。こうした中で政府当局者は3日、同国は急襲に関して米国に抗議してはいないと言明した。その上で、同日の外務省声明は国内世論があるためパキスタンとして言わなければならないことだと話した。/同当局者はまた、ビンラディン容疑者の殺害につながった情報収集におけるパキスタンの役割は一定限度以上のものではなかったと指摘した。同国の軍隊あるいは情報機関の一部が同容疑者を保護していたかどうかは明らかではない。同当局者は「最善の場合でわれわれの無能力ということになり、最悪の場合は共犯ということになろう」としている。/外務省の声明は、パキスタンの軍隊と情報機関が同国やその他の国にいるアルカイダなどのテロ組織の弱体化に重要な役割を果たしたと称賛している。こうした声明は、同容疑者がアボタバードに潜んでいることをパキスタンが知らなかったはずはないのではないか、という殺害後から浮上している米国などの当局者の疑念を和らげることを狙ったもののようだ。/米国の当局者らは2日、パキスタンの軍隊と情報機関の一部がビンラディン容疑者が捕まらないように協力していなかったかどうか調べていると述べた。同国の3軍統合情報局(ISI)は同日、同容疑者を保護したこともなければその所在についても知らなかったとし、所在を把握できていなかったことに困惑していると述べた。 記者: Tom Wright (ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2011年 5月 4日 11:35 JST)

0d18f992.JPG 本日は5月5日、端午の節句。古来端午の節句には、軒先に菖蒲を飾り、菖蒲を頭にさし、菖蒲湯を飲み、粽(ちまき)や柏餅を食べて、五月人形を飾り、鯉のぼりを揚げて、男の子の成長と出生を祈るのがしきたりになっている。菖蒲は昔から薬効があって万病除けになり、邪気を祓う魔除けの効果があると信じられてきた。平安時代から宮中では、菖蒲鬘を作ってかぶり、菖蒲湯に入り、菖蒲の根を刻んで酒にひたした菖蒲酒を飲んだ。また、麝香(じゃこう)、丁子(ちょうじ)、沈香(じんこう)、竜脳(りゅうのう)などの香料を玉にして錦の袋に入れた「薬玉」に菖蒲や蓬(よもぎ)を刺し、五色の糸を長く垂らして、御殿の柱にかけた。この薬玉が、軒先に魔除けとして飾る風習になったとも、また吹き流しの原型ともいわれている。菖蒲が尚武に結びついて、桃の節句に対して男子の成長、出生を祈る祭となり、現在では「こどもの日」として国民の祝日となっているのだという。邪気を祓(はら)うといわれる菖蒲はサトイモ科に属し、鮮やかな花をつけるアヤメ科に属する花菖蒲とは異なり、花は小さな花が穂状に集まって咲く地味なものである。
3ce184cc.JPG 5月5日の端午の節句に食べる粽はもともと中国の古い古い習俗から来たものであるが、その起源は俗説に依れば屈原に関係がある。屈原が汨羅の淵に身を投げて死んだ日が5月5日とされ、その後楚国の人々が彼に同情して、毎年この日になると、竹の筒に米を入れて淵に投げ入れて彼を祀った。ところが、ある時屈原の麗が現れていうには、こうして毎年粽を投げ入れてもらうのは有り難いが、実は淵の中には恐ろしい龍が居って、それが皆奪って食ってしまう。今後は楝(おうち)の葉で筒を塞いで、五色の糸で縛って投げて欲しい、すると龍は怕(おそ)れて近づかぬから、といったので、5月5日に粽を作って五色の糸と楝の葉を添える習俗になったと伝えられる。今日でも中国で糯米を葦の葉などで三角に結んで蒸した粽を作るが、この習俗が早くから日本にも伝わって、平安朝初期にはもう行われていたらしい。
 こういう話が伝わるほど、屈原の死は楚の国の人々、やがては広く中国の人々に、後世永く悼まれているのである。

4ee2a98f.JPG   漁父(ぎょほ)  読み下し文
 屈原(くつげん)既に放たれて、江潭(こうたん)に游び、行(ゆくゆ) く沢畔(たくはん)に吟ず。顔色憔悴し、形容枯槁(ここう) せり。漁父(ぎょほ)見て之に問うて曰く、「子は三閭大夫(さんりょたいふ) に非ずや。何の故に斯(ここ) に至れるか」と。屈原曰く、「世を挙げて皆濁り、我独り清めり。眾人(しゅうじん)皆酔ひ、我独り醒めたり。是を以て放たれたり」と。
漁父曰く、「聖人は物に凝滞(ぎょうたい) せずして、能く世と推移す。世人皆濁らば、何ぞ其の泥を淈(にご) して、其の波を揚げざる。眾人皆酔はば、何ぞ其の糟を餔(くら) ひて、其の釃(しる)を歠(すす) らざる。何の故に深く思ひ高く挙がり、自ら放たれしむるを為すや」と。
屈原曰く、「吾之を聞けり。『新たに沐(もく) する者は必ず冠を弾き、新たに浴する者は必ず衣を振ふ』と。安んぞ能く身の察察たるを以て、物の汶汶(もんもん) たる者をうけんや。寧ろ湘流に赴いて江魚の腹中に葬らるとも、安んぞ能く晧晧(こうこう) の白きを以てして世俗の塵埃を蒙(こうむ) らんや」と。
漁父莞爾(くわんじ)として笑ひ、枻(えい) を鼓して去る。乃ち歌つて曰く、
 滄浪の水清まば、以て吾が纓を濯ふべし。
滄浪の水濁らば、以て吾が足を濯ふべしと。
遂に去つて、復た与に言はず。

   漁父   訳
 屈原は放逐されて後/江や淵をさまよい/澤のほとりを行きつつ詠っていた/顔色はやつれ/その姿は痩せ衰えていた/漁父がそれを見て尋ねて曰った/貴方は三閭(さんりょ)大夫さまではございませぬか/何でまたこのような処に
 屈原は曰った/世間はみな濁っているのに/私ばかりが住んでいた/人々はみな酔っ払っているのに/私ばかりが醒めていた/だからこそ放逐されたのだ
 漁父は曰った/聖人は物事に拘らず/世間につれて移るという/世の人がみな濁っていれば/何故ご自分もその泥を掻き濁し/その波を揚げようとされませぬ/衆人がみな酔っていれば/なぜご自分もその糟を喰らい/その糟汁を啜られませぬ/なぜそのように深く考え高尚に振る舞い/みすみす放逐を招かれたのか
 屈原は曰った 私はきいている/髪を洗ったばかりの者は必ず冠を弾いてかむり/湯浴みを下ばかりの者は必ず着物を振って着ると/どうして清らかな身体をして/汚塵をこの身に受けられようか/いっそ湘水の流れに身を投げて/魚の餌食になろうとも/どうしてこの潔白な身体に/世俗の塵埃を受けられよう
 漁父はにっこりと打ち笑い/船端を叩いて歌って去った/「滄浪の水が澄めば/冠の纓が洗えよう/滄浪の水が濁れば/それで足を洗えばよい」と/そのまま行ってもう語らなかった
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