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【王位戦】藤井聡太王位「苦しい時間が長い将棋だった」先勝も長考重ね疲労にじむ ―― 将棋の最年少7冠、藤井聡太王位(竜王・名人・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が佐々木大地七段(28)の挑戦を受ける、「伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦7番勝負第1局」が7、8の両日、愛知県の豊田市能楽堂で行われ、先手の藤井が97手で先勝した。藤井は王位4連覇、佐々木は初タイトル獲得を目指す。第2局は13、14日に有馬温泉(神戸市北区)の老舗旅館「中の坊瑞苑(ずいえん)」で行われる。
静寂が包む能楽堂の「本舞台」。最終盤、ウエットティッシュでふいた顔には疲労がにじんだ。1日目から佐々木の「隠し球」に長考を重ねた藤井は「早い段階から経験のない形になり、どう指せばいいのか分からないところが多かった」と振り返った。
佐々木が藤井のエース戦法「角換わり」を外し、横歩取りの戦型に誘導。右側を制圧する新構想を見せた。17手目には前例を外れる未知の戦いになり、難解な中盤で水面下の激しい駆け引きが続いた。
検討陣の勝又清和七段(54)は「両者ともに“苦戦”の戦い」と分析した。藤井は「苦しい時間が長い将棋だった」としながらも7筋、8筋の攻防では、緻密な読みでペースを握り、際どい攻め合いを、持ち前の終盤力で押し切った。
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小学校時代に大会連覇など「伝説」を作った豊田市での初のタイトル戦。王位戦では過去2年連続して黒星だったが、「苦手」を払拭(ふっしょく)した。
これで佐々木との対戦成績は5勝3敗。佐々木とは並行して行われている棋聖戦5番勝負でも熱戦を繰り広げており、藤井が2勝1敗と棋聖4連覇に王手をかけている。王位戦、棋聖戦で最大で「12番勝負」を戦うことになる。
前人未到の全冠制覇へ残すタイトルは王座のみだが、佐々木から棋聖と王位の2冠を死守することが前提だ。第2局へ向け「修正して臨みたい」。8冠ロードへ、真夏の戦いが始まる。 [日刊スポーツ 2023年7月8日20時44分]
sechin@nethome.ne.jp です。
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