瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
晏子春秋 内篇 雑下六 より
靈公好婦人而丈夫飾者。國人盡服之。公使吏禁之曰、女子而男子飾者、裂其衣斷其帶。裂衣斷帶、相望而不止。晏子見。公問曰、寡人使吏禁女子而男子飾、裂斷其衣帶、相望而不止者何也。晏子對曰、君使服之於内、而禁之於外。猶懸牛首于門而賣馬肉於内也。公何以不使内勿服。則外莫敢爲也。公曰、善。使内勿服。踰月而國莫之服。
〈訳〉
斉の霊公は男装を好み宮廷内の女性に男装をさせていた。するとこれが国内の民衆にまで広まってしまった。 霊公は之を禁じて御触れを出した。女子にして男子の飾りをする者は、その衣を裂きその帯を断つ、と。実際に衣を裂かれ帯を断たれる者が続出したがそれでも止むことがなかった。そこに晏子が謁見した。困っていた霊公は晏子に問うた。
「我は官吏に女子にして男子の飾りをするを禁ずる御触れを出させた。そして実際に違反した者の衣帯を裂断した。それにも関わらず、一向に止むことがないのはどういうわけだろうか」と。
晏子が答えて云う。
「君は内では之を許し、外では之を禁じています。例えるならば、牛首を門に懸けて馬肉を売っているようなものです。なぜ内に男装を禁じないのでしょうか。そうでなければ外に禁ずるなどはできません」と。
霊公は善し、と言って宮廷内の男装も禁止した。すると一ヶ月にして国内に男装する者はいなくなったという。
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