瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
史記 列伝 管・晏列伝 第二 より
太史公曰:吾讀管氏牧民、山高、乘馬、輕重、九府、及晏子春秋、詳哉其言之也。既見其著書、欲觀其行事、故次其傳。至其書、世多有之、是以不論、論其軼事。
管仲世所謂賢臣、然孔子小之。豈以為周道衰微、桓公既賢、而不勉之至王、乃稱霸哉?語曰“將順其美、匡救其惡、故上下能相親也”。豈管仲之謂乎?
方晏子伏莊公尸哭之、成禮然後去、豈所謂“見義不為無勇”者邪? 至其諫說、犯君之顏、此所謂“進思盡忠、退思補過”者哉! 假令晏子而在、余雖為之執鞭、所忻慕焉。
(訳)
太子公曰く ――
わたしは、管仲の著作である牧民・山高・乗馬・軽重・九府の諸篇および晏子の著作である『晏子春秋』を読んだが、その立論はじつに精密である。
著書を見おわると、行ないを観察したいという思いがつのったので、その伝を述べてみた。二人の著書は世間に多く流布されているので論じないことにして、その逸事を論じたのである。
管仲は世にいわゆる賢臣であるが、孔子は小人物だとした。それは、周の政道が衰微していた状況下で、桓公が賢人であったにもかかわらず、大いに励まして王者にまでしたてずに、覇を称(とな)えさせるにとどまったと考えたからであろうか。古語(『孝経』)に、
「君主の美点を助長し、欠点を矯正する臣下であるから、君臣がよく相親しむのだ」
とあるが、まさに管仲のごときを言ったのであろうか。
崔杼に弑殺された荘公の屍に伏して、これを哭礼して立ち去った晏子は、いわゆる「義を見てせざるは勇なき」ものであろうか。君主に面と向かって強諌した晏子は、いわゆる「進んでは忠を尽くそうと思い、退いては過ちを補おうと思う」ものであろうか。もし、いま晏子が生存しているなら、わたしはその御者としてでも仕えたい、とまで慕っている。
太史公曰:吾讀管氏牧民、山高、乘馬、輕重、九府、及晏子春秋、詳哉其言之也。既見其著書、欲觀其行事、故次其傳。至其書、世多有之、是以不論、論其軼事。
管仲世所謂賢臣、然孔子小之。豈以為周道衰微、桓公既賢、而不勉之至王、乃稱霸哉?語曰“將順其美、匡救其惡、故上下能相親也”。豈管仲之謂乎?
方晏子伏莊公尸哭之、成禮然後去、豈所謂“見義不為無勇”者邪? 至其諫說、犯君之顏、此所謂“進思盡忠、退思補過”者哉! 假令晏子而在、余雖為之執鞭、所忻慕焉。
(訳)
太子公曰く ――
わたしは、管仲の著作である牧民・山高・乗馬・軽重・九府の諸篇および晏子の著作である『晏子春秋』を読んだが、その立論はじつに精密である。
著書を見おわると、行ないを観察したいという思いがつのったので、その伝を述べてみた。二人の著書は世間に多く流布されているので論じないことにして、その逸事を論じたのである。
管仲は世にいわゆる賢臣であるが、孔子は小人物だとした。それは、周の政道が衰微していた状況下で、桓公が賢人であったにもかかわらず、大いに励まして王者にまでしたてずに、覇を称(とな)えさせるにとどまったと考えたからであろうか。古語(『孝経』)に、
「君主の美点を助長し、欠点を矯正する臣下であるから、君臣がよく相親しむのだ」
とあるが、まさに管仲のごときを言ったのであろうか。
崔杼に弑殺された荘公の屍に伏して、これを哭礼して立ち去った晏子は、いわゆる「義を見てせざるは勇なき」ものであろうか。君主に面と向かって強諌した晏子は、いわゆる「進んでは忠を尽くそうと思い、退いては過ちを補おうと思う」ものであろうか。もし、いま晏子が生存しているなら、わたしはその御者としてでも仕えたい、とまで慕っている。
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目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
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sechin@nethome.ne.jp です。
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