瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
梓(あづさ)を詠んだ歌2
巻2-0098: 梓弓引かばまにまに寄らめども後の心を知りかてぬかも
※石川郎女(いしかわのいらつめ)
『万葉集』の歌人です。集中、石川郎女(女郎)と表記される人物が多く、それぞれ同一かどうか古来論議の的となってきましたが、
(1)天智(てんじ)朝(661~671)に久米禅師(くめのぜんじ)と贈答した人、
(2)持統(じとう)朝(686~697)に大津(おおつ)皇子、草壁皇子と贈答した人、
(3)文武(もんむ)朝(697~707)に大伴田主(おおとものたぬし)、大伴宿奈麻呂(すくなまろ)と贈答した人、の3人に分ける説が穏当であろうといわれる。
(1)には恋の掛け合いの巧みさがみられ、(2)には政治的な抗争を背景とする両皇子への恋物語的な興味が寄せられ、(3)には歌のやりとり自体の社交的なおもしろみが込められています。(1)(2)(3)はそれぞれの時代の恋歌表現の典型を示しているとみられます。
巻2-0099: 梓弓弦緒取りはけ引く人は後の心を知る人ぞ引く
※久米禅師(くめのぜんじ、生没年不詳)
飛鳥(あすか)時代の歌人です。久米は氏で、禅師は法師のこととも、人の名ともいわれています。「万葉集」巻2に天智(てんじ)天皇の時代に石川郎女(いらつめ)に求婚しておくった短歌3首がのっています。その実在を疑問視する説もあります。
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目高 拙痴无
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sechin@nethome.ne.jp です。
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