ウェブニュースより
正岡子規の未発表句、見つかる 「子規庵」で9月展示へ ―― 俳人・正岡子規(1867~1902)が詠んだ句を含む小冊子2冊が、新たに見つかった。東京都台東区の子規庵(あん)保存会が22日、発表した。写実を是としていた子規が、句作でだじゃれに興じるのは珍しく、ユーモラスな一面が垣間見える。
2冊はいずれも和とじの小冊子。表紙にはそれぞれ子規の自筆で「丁酉遺珠(ていゆういしゅ)」「福引」と書かれている。
1897(明治30)年の正月、子規は東京・根岸の自宅に年始のあいさつに訪れた高浜虚子や河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)ら弟子を連れ、人力車で上野の貸席に出向いて新年会を催した。福引を引き、景品に合わせてその場で句を詠むという遊びに興じたが、そのときに子規が詠んだ2句のうち、未発表だった1句が「福引」の方に掲載されていた。
新年や昔より窮す猶(なお)窮す
同じページに「福引にキウス(急須)を得て発句に窮す」という詞書(ことばがき)が、子規自身の筆で添えられている。子規はこの前年、病状が悪化し、脊椎(せきつい)カリエスの手術を受けている。しかしこの時期は病も小康状態だったようで、久しぶりにはしゃいでいたとみられる。調査にあたった復本一郎・神奈川大学名誉教授(国文学)は、「病床の貧しい生活を即興で詠んだ、滑稽で遊びのある作風。写生の人である子規の、別の側面が見られて興味深い」と話す。
新発見の2冊には、虚子や碧梧桐を含む11人の弟子たちの句もそれぞれ真筆で残されており、多くが新出と見られる。
ふんどしと蜜柑(みかん)と袂(たもと)ふくれたる 虚子
貧(ひん)かつ愚(ぐ)福引引いてさりつ古暦 碧梧桐
これらは同じく新たに見つかった、子規が友人のジャーナリスト古島一雄に宛てた書簡とともに、東京都台東区根岸2丁目の「子規庵」で9月1~30日に展示される。
(朝日新聞DEGETAL 2018年8月22日19時24分)
菅井きんさん死去 92歳 必殺シリーズ義母役「ムコ殿!」で人気 ―― 「必殺」シリーズの姑役や黒澤映画などで知られる女優の菅井きん(本名佐藤キミ子)さんが10日午後2時、心不全のため都内で亡くなっていたことが23日、分かった。家族にみとられたという。92歳。東京都出身。通夜・密葬は近親者ですませ、しのぶ会を催す予定はない。
菅井さんは1926年2月28日生まれ。46年に東京芸術研究所に入所し、47年に初舞台を踏んだ。劇団解散後は59年まで俳優座に所属した。
50年に東映「風そよぐ葦」で映画デビュー。「生きる」、「天国と地獄」、「赤ひげ」などの黒澤明作品をはじめ、「幕末太陽傳」、「豚と軍艦」、「キューポラのある街」、「人斬り与太・狂犬三兄弟」、「砂の器」など数々の歴史的な名作に出演した。
テレビでは大ヒット時代劇「必殺」シリーズで、故藤田まことさん演じる主人公・中村主水の義母せん役を快演。主水を「ムコ殿」と呼び、妻のりつ(白木万里)とのコンビでいびる姑役が当たり役となった。大河ドラマ「いのち」「功名が辻」、連続テレビ小説「あぐり」「瞳」、ビートたけし主演の「刑事ヨロシク」など多くのドラマに出演し、お茶の間に愛された。
2008年、82歳の時に映画「ぼくのおばあちゃん」で初主演。「史上最高齢映画主演女優」としてギネス世界記録にも認定された。同作の舞台あいさつでは「生涯現役で続けていきたい」と力強く宣言したが、10年の大河ドラマ「龍馬伝」の武市智役が最後のドラマ出演となった。
著書に「わき役 ふけ役 いびり役」(90年)がある。
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