瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 荀子 賦篇 第二十六 ―佹詩-
 天下不治、請陳佹詩:天地易位、四時易鄉。列星殞墜、旦暮晦盲。幽闇登昭、日月下藏。公正無私、見謂從橫。志愛公利、重樓疏堂。無私罪人、憼革貳兵。道德純備、讒口將將。仁人絀約、敖暴擅彊。天下幽險、恐失世英。螭龍為蝘蜓、鴟梟為鳳凰。比干見刳、孔子拘匡。昭昭乎其知之明也、郁郁乎其遇時之不祥也、拂乎其欲禮義之大行也、闇乎天下之晦盲也、皓天不復、憂無疆也。千歲必反、古之常也。弟子勉學、天不忘也。聖人共手、時幾將矣。與愚以疑、願聞反辭。
 其小歌曰:念彼遠方、何其塞矣、仁人絀約、暴人衍矣。忠臣危殆、讒人服矣。

 天下乱れて 治まらず 変調詩にて 具陳せん。
 天地の位 入れかわり 四時のめぐりは さかしまに 多くの星も おちおちに 朝夕すべて うす暗し。闇愚の者の 栄え居り 明知の君子 下にかくるる。公正無私を 縦横〔合従連衡のこと、権謀術策をもってするひと〕といい 公利はかるも 高楼作り なすという〔私慾をはかって高い大きな邸宅を構えていると言われる〕。罪人に私す ことなきに 甲兵備え いましめる〔罪人に対して公平に刑罰に処しているのに帰って人に憎まれて、武器を調え自ら警備している〕。道徳専ら 修むるも 讒言多く 来るなり。仁者屈して 困窮し 傲暴意を得 専擅(せんぜん)す〔人をあなどった乱暴者が得意になって、わがまま勝手なことをする〕。天下の暗危 かくならば 何ぞ用いん 賢人を。螭竜をみなし 蝘蜓とし〔螭竜のような高貴な神獣を蝘蜓(ヤモリ)だとおもう〕 鴟梟かえって 鳳凰ぞ〔いやしい鴟梟(ふくろう)を尊い鳳凰と思う――善悪の分らないことをいう〕。比干は心(むね)を 開かれて 孔子は 匡(きょう)に 捕わるる。昭昭として 明知なる 輝き見んと 願いしに 遂に不詳の 時に遇う。郁郁として 礼義こそ 大行せんと 望みしに かえって天下 くろぐろし。皓たる天は かえり来ず 憂いは常に 限りなし。千年経(ふ)れば 反えるとは 古よりの 常の道。弟子学のみ 勉めなば 天も忘れじ たすくらん。聖人手をば こまぬけど 時世再び めぐりこん。我れ愚かにて 疑えり。こい願わくは 更に反辞を いざ聞かん。小歌に曰く、
 彼の遠方を 念えば何ぞ 険難ぞ 仁人屈して 困窮し 暴人意を得て はびこりぬ 忠臣常に 危殆にて 讒人のみが たのしめり。
 
 琁、玉、瑤、珠、不知佩也、雜布與帛、不知異也。閭娵子奢、莫之媒也;嫫母力父、是之喜也。以盲為明、以聾為聰、以危為安、以吉為凶。嗚呼!上天!曷維其同!
3027d709.JPG 琁玉瑤珠(せんぎょくようしゅ)佩(お)ぶるを知らず 布錦混じるも 分くるを知らず。閭娵(りょしゅ)と子奢(ししゃ)には 媒(ばい)なすなくて 嫫母(ぼぼ)・刀父に 意を用う。盲者(めくら)を以て 明となし 聾者(つんぼ)を以て 聡となし 危険を以て 安しとし 吉事を以て 凶となす。ああ 上天 如何ぞこれに 讃同せんや。
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