瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
[1560] [1559] [1558] [1557] [1556] [1555] [1554] [1553] [1552] [1551] [1550]

景公出獵,上山見虎,下澤見蛇。歸,召晏子而問之曰:「今日寡人出獵,上山則見虎,下澤則見蛇,殆所謂不祥也?」

晏子對曰:「國有三不祥,是不與焉。夫有賢而不知,一不祥;知而不用,二不祥;用而不任,三不祥也。所謂不祥,乃若此者。今上山見虎,虎之室也;下澤見蛇,蛇之穴也。如虎之室,如蛇之穴,而見之,曷為不祥也!」

晏子春秋-内篇[諫下第二][10]

 

景公出猟(しゅつりょう)す、山に上りて虎を見、澤に下りて蛇を見る。

帰す、晏子を召して之を問ひて曰く、 「今日、寡人(かじん)出猟す、山に上らば則ち虎を見、澤に下らば則ち蛇を見る、殆(ほとん)ど所謂不祥なりや」と。

晏子対へて曰く、「国に三不詳あり、是れ與(あずか)らず。夫れ賢有りて知らざるは一の不詳なり。知りて用ひざるは二の不詳なり。用ひて任せざるは三の不詳なり。所謂不詳とは、乃ち此の若(ごと)き者なり。

今、山に上りて虎を見しは、虎の室なり。澤に下りて蛇を見しは、蛇の穴なり。虎の室に如(ゆ)き、蛇の穴に如(ゆ)き、而して之を見る、曷為(なんす)れぞ不祥ならん、と。

 

景公が出猟した。山に登ると虎と出会い、沢に下ると蛇に出会った。帰って晏子を召して問うて云った。

「今日、吾は狩りをしたが、山に行けば虎に出会い、沢に行けば蛇に出会った。これは何か好ましくないことなのではないか」と。

すると晏子が答えて云った。「国には三つの不詳がありますが、そのような出来事とは違います。野に遺賢ありて知らぬこと、これ一の不詳です。賢あるを知りながら用いない、これ二の不詳です。賢を用いながら任せることができない、これ三の不詳です。いわゆる不詳と申しますのは、このような事をいうのです。

今、山に登って虎に出会うは虎の室であり、沢を下って蛇に出会うは蛇の穴に過ぎません。虎や蛇の棲みかに自ら赴いてこれに出会う、それがどうして好ましくないことになりましょう」と。
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
ハンドルネーム:
目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
自己紹介:
くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


小冊子の紹介
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 9 11
12 14 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[傍若在猫 05/07]
[EugenePum 04/29]
[m1WIN2024Saulp 04/22]
[DavidApazy 02/05]
[シン@蒲田 02/05]
[нужен разнорабочий на день москва 01/09]
[JamesZoolo 12/28]
[松村育将 11/10]
[爺の姪 11/10]
[爺の姪 11/10]
最新トラックバック
ブログ内検索
カウンター
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © 瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り All Rights Reserved
/