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 夢渓筆談巻3より 芸香(うんこう)
 古人藏書辟蠹用蕓。蕓、香草也、今人謂之七裏香者是也。葉類豌豆、作小叢生、其葉極芬香、秋間葉間微白如粉汙、辟蠹殊驗。南人采置席下、能去蚤虱。余判昭文館時、曾得數株於潞公家、移植秘閣後、今不復有存者。香草之類、大率多異名、所謂蘭蓀、蓀、即今菖蒲是也;蕙、今零陵香是也;茞、今白芷是也。
448ba486.JPG〔訳〕古人は蔵書の虫除けに芸(うん)を用いた。芸は香草であって、いまいわゆる七里香がこれである。葉は豌豆(えんどう)のそれに似ており、小じんまりと群って生える。その葉はきわめて香りがよく、秋過ぎて葉の間は白粉をまぶしたように少し白くなり、虫除けの効果が特に顕著である。南方人はこれを採集して席(しきもの)の下に置き、蚤や虱除けにする。私が昭文館で書籍の編修校訂の職に任じられた時、数株の芸を潞公(ろこう)の家からもらい、秘閣〔ひかく、貴重な文書などを所蔵する宮中の書庫〕に移植したが、今はもうない。
 香草の類は、おおむね異名が多いものだ。いわゆる「蘭蓀〔らんそん、香り草〕の蓀は菖蒲(しょうぶ)のこと、蕙(けい)はいまの零陵香(ふじばかま)のこと、茝(さい)はいまの白芷(よろいぐさ)のことである。
※ 沈括は仁宗の嘉祐8(1063)年に進士となり、館閣すなわち宮中の図書館の一つである昭文館で書籍の編修校訂にあたった。そのあと彼は史館・集賢院などの館閣に数年勤務したが、その頃蘇軾も館閣にいて同僚であった。
※ 潞公(ろこう):宋の仁宋の時に潞国公に封じられた文彦博(1006~97年)のこと。彼は四川から帰任した時にこの芸草を持ってきたという。
 
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寒いですね。
いつもお元気で何よりです。メールを表記のアドレスに送信しましたが、出目でした。アドレス変更なさいましたか?
ブランカ 2012/01/30(Mon) 編集
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