ウェブニュースより
高安、熱海富士との1敗対決敗れ優勝争いトップから陥落「ちょっと消極的だった。引いてしまった」 ―― <大相撲秋場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館
大関経験者で東前頭7枚目の高安(33=田子ノ浦)が、今場所の優勝を占う1敗対決に敗れ、優勝争いのトップから陥落した。
取組前まで1敗は2人。もう1人の1敗、東前頭15枚目の熱海富士との直接対決で押し倒された。相手は今場所出場している幕内力士で最年少の21歳。5場所ぶりの返り入幕で、幕内2場所目の新鋭との初顔合わせに敗れ、悲願の初優勝に向けて1差を負う展開となった。
低い立ち合いから突いて出たが、一瞬、引いた瞬間に“腰が入った”格好で、バランスを崩し、そこを押し倒された。取組後は付け人の肩に両手を置いて、支度部屋に引き揚げた。
高安 「当たり合って、前に攻めたかった。ちょっと消極的だった。引いてしまった。(1敗対決は)いつもと変わらず、前向きに引かない、いい相撲を取りたかったですけど…。しょうがないですね。弱いから負けたので。また次に」。
この日の午後1時39分。支度部屋に入る前から、腰を気にするように、慎重に階段を下りて館内に入っていた。取組後、支度部屋から引き揚げる際も、取組直後と同様に、付け人の両肩に手を置いて、ゆっくりとした足取りで引き揚げた。
前日9日目の取組後、この日の熱海富士戦に向けて「調子のいい相手。気だけは引き締めて頑張りたい」と、今場所の優勝争いを占う一番への思いの強さをのぞかせていた。大関を15場所務め、その間だけで優勝次点は3度。大関から陥落後も優勝争いに顔を出すことは多く、昨年だけで優勝次点はさらに3度あった。
11日目は関脇大栄翔戦が組まれた。好成績のため、今後は三役以上との対戦が増えると予想され、終盤戦の5日間は試練の連続が予想される。それだけに、勢いで星を伸ばしてきたとはいえ、幕内優勝の重みを知らない、自身よりも番付が低い熱海富士相手に、勝ちきりたかったが敗れた。
この日の朝稽古は、体のケアに充てたため、稽古場には降りていなかった。前日の取組後は「戦える体をつくる」と宣言。33歳を迎え、蓄積しやすくなった疲労の回復に努め、この日に取組に備えていた。残り5日間、苦汁をなめた終盤戦で、今度こそ巻き返しを目指していく。 [日刊スポーツ 2023年9月19日17時46分]
ウェブニュースより
貴景勝かど番脱出あと3勝、小学生時から知る豪ノ山突き落とし「特定の感情になったら良くない」 ―― <大相撲秋場所>◇9日目◇18日◇東京・両国国技館
2連敗中だった大関貴景勝(27=常盤山)が、負ければかど番脱出に暗雲が漂う一番を、攻めきって快勝した。埼玉栄高の後輩、幕内2場所目の前頭豪ノ山との初顔合わせを突き倒し。敗れていれば、昨年春場所以来、1年半ぶりに場所をまたがず3連敗だったが、敗れた7日目正代戦、8日目翔猿戦とは見違えるような動きを見せた。6勝3敗とし、優勝争いも踏みとどまった。
1敗で並ぶ高安、熱海富士の前頭2人がともに勝ち、トップを守った。
◇ ◇ ◇
“恩返し”は、させなかった。貴景勝が立ち合いから突いて、突いて、突きまくった。同じ押し相撲の豪ノ山を手数で圧倒。相手がたまらず引いた一瞬の隙を逃さず、すぐに距離を詰めた。最後は両手を同時に伸ばし、土俵下まではじき飛ばした。前日8日目の翔猿戦は、自身の方が敗れて土俵下に落ちた。その際に顔をしかめていたが、前日は取材に応じず、この日の取組後は負傷の有無について「全く何もない」と断言。「今日は今日の相撲を、しっかり一生懸命やった」。強さ健在を見せつけた。
豪ノ山とは数え切れないほど稽古してきた。豪ノ山の師匠は、貴景勝が尊敬する埼玉栄高の先輩の武隈親方(元大関豪栄道)。武隈部屋には何度も出稽古していた。高校も2学年違い。さかのぼれば、兵庫出身の貴景勝と大阪出身の豪ノ山は、小学生の時から知り合い。ただ「特定の感情になったら良くない。今日は今日で集中した」と思い出封印。心を無にして1人の敵として向き合って勝った。
負ければ5勝4敗となっており、かど番脱出へ上位戦を含め、残り6日間で3勝が必要となっていた。快勝で3敗を守り、一転して逆転優勝の予感も。「勝てたのは良い方向にとらえたい」。恩返しの白星を許さず壁となり、自信も復活。可能性が消えるまで優勝を追い続ける。 [日刊スポーツ 2023年9月18日21時20分]
今日は敬老の日といいます。
敬老の日の由来については諸説あるとされていますが、その中でも有名な説をご紹介します。
聖徳太子説
聖徳太子593年に聖徳太子は大阪に四天王寺を建設した際に、敬田院・施薬院・療病院・非田院という四箇院の制をとりました。この中の非田院というところが今の老人ホームのような役割を果たし、この建設が9月15日とされることにちなんで敬老の日がこの日になったとされる説。
元正天皇説
その昔、非常に働き者の息子がおり、その息子が美酒の流れる滝を発見しました。親孝行な息子はお酒が好きな父親をその場所へ連れて行き、好きなだけ飲ませてあげたという伝説の話を聞いた元正天皇が717年にそこを訪れた日にちが9月中旬頃だった為という説。
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今場所初の3大関総崩れ 昨年秋場所に貴景勝、正代、御嶽海がそろって敗れて以来1年ぶり ―― <大相撲秋場所>◇8日目◇17日◇東京・両国国技館
今場所初めて3大関が総崩れした。最初に登場した霧島は、隆の勝に土俵下まで突き出された。幕内の隆の勝戦は1勝9敗。苦手なことは明白。「立ち合いは悪くなかったけど、そこから体が起きてしまった」と唇をかんだ。
続く豊昇龍は宇良にはたき込まれ、
結びの一番の貴景勝は、翔猿に押し出され、バランスを崩して土俵下でうずくまった。貴景勝も合口が悪く、翔猿戦はこれで5連敗。
3人以上の大関が総崩れしたのは、昨年秋場所10日目、当時大関の貴景勝、正代、御嶽海がいずれも敗れて以来、1年ぶり。 [日刊スポーツ 2023年9月17日23時37分]
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【若乃花の目】前傾を崩さない熱海富士 一生懸命さが伝わるのが好感を持てます ―― 前日は取り直しの2番を取った熱海富士が、この日も前傾を崩さない、一生懸命な相撲で1敗をキープしました。相手の輝は器用ではないけど当たりが強い。そこをどう対処するかがポイントでしたが、立ち合いできちんと当たったのが勝因です。後は流れのまま、押されても回り込んで冷静に対応し、すぐに押し返しての完勝でした。
期待されての新入幕は、幕内の壁にはね返され4勝止まりでした。ただ陥落した4場所の十両で、どうすれば幕内で通用するかを勉強してきたと思います。立ち合いのスピードや圧力などは確かに十両とは違いますが、立ち合いから最後まで100%の力で行くと、引き技があったりするのも幕内です。力を使う勝負どころがあれば、残すところは辛抱して残す。そんな強弱を、熱海富士は十両でつかんだと思います。まだまだ技術的に勉強することはあり苦労もするでしょう。ここまで悔しい思いをしながら自分の弱点を、すり足のような歩みで少しずつ克服してきたことを忘れないことです。何より一生懸命さが伝わるのが好感を持てます。これからも諦めない気持ちを捨てず、これまで通り怖がらずに突き進んでほしいと思います。 [日刊スポーツ 2023年9月16日21時0分]
高安“アレ”目指し1敗堅持、熱海富士とトップ併走「明日からも自信を持ってやりたい」 ―― <大相撲秋場所>◇7日目◇16日◇東京・両国国技館
高安が翠富士の立ち合い変化に対応し1敗を守った。「相手をよく見て攻めることができた。(上手投げは)流れの中でうまく決まった。明日(8日目)からも自信を持ってやりたい」
[日刊スポーツ 2023年9月17日8時12分 ]
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貴景勝が5連勝 初土俵から通算連続出場1544回で歴代単独2位の鉄人玉鷲から白星勝ち ―― <大相撲秋場所>◇6日目◇15日◇東京・両国国技館
7度目のかど番の大関貴景勝(27=常盤山)が、2日目から5連勝で5勝1敗とし、優勝争いの先頭を守った。対戦相手の前頭玉鷲は、この日が初土俵からの通算連続出場1544回で、元関脇富士桜を抜いて歴代単独2位となった鉄人。圧力のある相手との押し相撲対決を制した。
初日こそ同体取り直しの末、前頭北勝富士に敗れたが、その後は無敗を守っている。持ち前の突き、押しで2日目は小結錦木、3日目からはいずれも前頭の明生、朝乃山、阿炎と難敵を次々と退けてきた。先場所は両膝のけがで全休したが、連勝で勢いに乗ってきた。 [日刊スポーツ 2023年9月15日17時46分]
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【阪神】岡田監督「来年はやるわ」66歳2年目も意欲 さらなる高み38年ぶり日本一へ気力十分 ―― <阪神4-3巨人>◇14日◇甲子園
甲子園の夜空に6度、舞った。
阪神が今季最多4万2648人のファンの声援を受けて、18年ぶり6度目のリーグ優勝を決めた。2リーグ制後、9月14日に決定するのは03年の同15日を抜いて球団最速で、11連勝でのフィニッシュはリーグ初。圧倒的な力で独走した。阪神岡田彰布監督(65)が復帰1年目で「アレ(=優勝)」に導いた。同監督は来季についても「来年はやるわ」と明言。さあ、次はさらなる高み。気力十分の12球団最年長監督が、虎を38年ぶりの日本一に押し上げる。
◇ ◇ ◇
「岡田コール」の中、甲子園の夜空に向かって笑顔で宙を舞った。6回だったのは球団6度目の優勝を意味した。最後は11連勝の独走。「まさかこんな9月に強くなると思わなかったので、ちょっと勝ち過ぎましたね」とドヤ顔で虎党を沸かせた。
12球団最年長監督がぶっちぎりでゴールテープを切った。「せめて、あと5年早よしといてくれたらのお。もうちょっと体力もあったのに」。08年歴史的V逸で阪神監督を辞任。オリックスでの悔しい3年間から11年後、65歳でようやく現場に復帰。「そら歯がゆいよ」。評論家としてネット裏から愛する猛虎を見続け湧き上がる思いを1年目から爆発させた。
選手を知るため前回監督時より炎天下でもグラウンドに立ち練習を見る時間が増えた。練習態度などに戦う姿勢が見えなければ主力でも容赦なかった。6月24日、DeNA戦後には、佐藤輝を2軍降格。誰よりも厳しく接したが「使わなあかん選手」と思いはブレなかった。最適な距離感になり、心も成長した佐藤輝の打棒が9月に火を噴いた。
若い選手に自分で考えさせるのではなく、状況判断や作戦面など、岡田監督が責任を取る形で、決まり事もシンプルに「普通の野球」を教えた。プロに横一線はない。昨年11月からふるいにかけ、厳しく線引きし、役割を与えた。
開幕前には自ら球団に掛け合い四球の査定をアップ。開幕前日のミーティングでナインに伝え、選んだ四球452は12球団トップだ。昨年の358個から激増した。勝つ喜びを覚えたナインは岡田野球にのめり込んだ。指揮官は「理解したからこういう成績なんやろ」と胸を張った。
夏場にはスーツがぶかぶかになった。陽子夫人は「苦労しないでダイエットできてよかった」と笑う。体重が4キロ減っていた。ナイター後に外食に出ることもほぼなくなり、帰宅しても枝豆をつまむくらい。食事量が減りスリムになった。ストレスと過労。ただグラウンドでは若いナインに乗せられた。指揮官のベンチでの笑顔、ガッツポーズが増え、気持ちも若返った。
3月に岡田監督の自宅に実家の仏壇が移され、86年に55歳で亡くなった父勇郎(いさお)さんと再び同じ屋根の下で暮らす形となった。幼少期から阪神愛を育んだ父は、快進撃を喜んでいるはずだ。旧知の阪急阪神ホールディングスの角和夫会長から、球団の体質改善も含め、再建の切り札として監督要請を受け、優勝で応えた。
14日はリーグ優勝では03年星野阪神の15日より早い最速V。出陣した自宅周辺ではまだセミが鳴き続けていた。18年間優勝していないから簡単に「優勝」と言うなという意味の「アレ」が、流行語のようになった。陽子夫人は「何か『アレ』がギャグのようになって、どんどん広まっていったのも主人らしいですよね」と笑う。指揮官は「今日でアレは封印して優勝で。アレは優勝までだったんで、日本一は決めてない。何かいい言葉があったら教えてほしいですね」と笑わせた。「来年はやるわ」と、66歳の2年目もやる気満々。85年以来2度目の日本一で、さらなる喜びを若虎に伝える。 [日刊スポーツ 2023年9月15日7時0分]
かど番大関貴景勝、阿炎を押し出し2日目から4連勝「力士は勝つことが仕事なんで」 ―― <大相撲秋場所>◇5日目◇14日◇東京・両国国技館
かど番の大関貴景勝(27=常盤山)が、阿炎を押し出し、2日目から4連勝とした。
引きやいなしも怖い相手だが「集中していけた。しっかり準備していたからじゃないですかね」と手応えを隠さない。連勝にも「自分というか力士は勝つことが仕事なんで」ときっぱり。黒星スタートも、序盤戦を終えて三役以上で1敗は1人だけ。「準備することが大事。また明日、集中してやります」と気合を入れなおした。 [日刊スポーツ 2023年9月14日21時6分]
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貴景勝、懸賞旗31本の2年半ぶり朝乃山戦に快勝「力を出し切れば責任を果たすことにつながる」 ―― <大相撲秋場所>◇4日目◇13日◇東京・両国国技館
かど番の大関貴景勝(27=常盤山)が、ともに人気と実力を備えた、西前頭2枚目の朝乃山との注目対決を制し、3連勝を飾った。大関経験者を立ち合いではじき飛ばし、最後ははたき込み。互いに大関だった21年春場所以来、2年半ぶりの顔合わせで快勝した。幕内出場500回の節目を飾り、3大関で唯一、1敗を守った。勢いに乗って、優勝争いに名乗りを上げる。
◇ ◇ ◇
立ち合いのぶちかましで貴景勝が主導権を握った。175センチの自身よりも、13センチも大きな朝乃山を1発で吹っ飛ばした。相手の上体を起こし、二の矢はさらに下から突き上げた。バランスを崩して右に回り込み、体勢を立て直そうとする相手を土俵際まで押し込む。右をねじ込まれそうになりながらも、うまく振りほどき、頭を下げたところをはたき込んだ。休まず攻め続けて快勝。「しっかり圧力をかけられた。手応えは別にない。一生懸命やっただけ」。冷静に振り返った。
2年半ぶりの対戦に、取組前から場内は大盛り上がり。通常、結びの一番が圧倒的に多い懸賞の数は、結びの1つ前の注目対決に31本。37本の結びに6本差まで迫る懸賞旗が、次々と土俵を回ると大歓声が起きた。ともに人気と実力を備え、先に貴景勝が19年春場所後、1年遅れで朝乃山が20年春場所後に大関昇進。“将来の横綱候補”と期待されて大関に昇進した2人の久々の顔合わせだった。
実は2人のプライベートな会話は「ほとんどない」(朝乃山)という。朝乃山が大関に昇進したのはコロナ禍。大関同士でイベントや巡業に出る機会がなかった。貴景勝は取組後、朝乃山戦について「別に」と、意識はしなかったと強調。だが20年春場所千秋楽で、7勝7敗から朝乃山に敗れてかど番となった経験もある。ただの一力士という認識でないのは間違いない。
全勝は平幕3人だけに、1敗の貴景勝が終盤まで優勝を争う可能性は十分だ。「大関は優勝か、それ以外しかない」が持論で、この日は「力を出し切れば責任を果たすことにつながる」と力説。優勝の芽が徐々に育ってきた。 [日刊スポーツ 2023年9月13日21時16分]
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北勝富士が大関3連破 先場所V決定戦黒星も糧「緊張感の中でやれたのはすごい経験」冷静さ得る ―― <大相撲秋場所>◇3日目◇12日◇東京・両国国技館
7月の名古屋場所で優勝決定戦に敗れて初優勝を逃した東前頭筆頭の北勝富士(31=八角)が、雪辱の3日連続大関撃破を果たした。
霧島のお株を奪う豊富な運動量と粘りで、最後は寄り切り。初日の貴景勝、2日目の豊昇龍に続き、3日連続の大関戦白星は19年初場所で栃ノ心、豪栄道、高安の3大関に勝って以来、自身2度目となった。またこの日、日本相撲協会は幕内優勝1度で東幕下37枚目の徳勝龍(37=木瀬)の引退、年寄「千田川」襲名を発表。現役力士から別れを惜しむ声が相次いだ。
◇ ◇ ◇
労を惜しまない北勝富士が、泥くさく“銀星”を3つ並べた。立ち合いから低い体勢を維持し、霧島にまわしを与えなかった。相手のいなしに、土俵際まで体を泳がされても、相手の突進をひらりとかわした。直後に頭をつけて、じりじりと攻めると、根負けした相手が土俵を割った。「我慢して、しぶとく取れた。大振りしない、細かく攻めることを心がけた」。隙を見せたら逃さない4歳下の大関に、運動量で上回った。
先場所は幕内では自己最多を1勝更新する12勝を挙げ、初めて優勝決定戦に進んだ。だが大一番で当時関脇の豊昇龍に敗れ、初優勝はまた1人、先を越された。「一生の悔い」。新大関となった豊昇龍に雪辱した前日2日目に、先場所後にそう思っていたと明かした。それが今場所には新たな発見に変わった。「あの緊張感の中でやれたのはすごい経験」。同体取り直しの末に勝った初日貴景勝戦も冷静に2番取り切った。
土俵外でも労を惜しまない。「土俵に上がれば北勝富士、家に帰ればパパ」。東京場所は起床と同時に2歳の長男のおむつを替え、帰宅すれば風呂に入れる。「昔は“常に相撲”だったけど、家でストレッチしていても息子が寄りかかってきてパパになる。オンとオフの切り替えができる」。8月20日、栃木・小山市での巡業で「夢だった」長男との土俵入りも果たした。
最近は長男も、自身が力士であることが分かってきているという。年を重ね、けがも増えた。それでも名古屋での経験を経て、自宅に戻って思った。「もうちょっと現役で頑張ろう」。3日連続大関撃破は序章。家族の力を借り、大輪の花を咲かせる。 [日刊スポーツ 2023年9月12日20時44分]
【ひふみんEYE】藤井竜王の「入玉してしまえば戦える」と逃げてしまうあたり、さすがでした ―― <ひふみんEYE>
将棋の藤井聡太7冠(竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=21)が全8冠制覇を目指して永瀬拓矢王座(31)に挑戦する、将棋の第71期王座戦5番勝負第2局が12日、神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われ、後手の藤井が214手で勝ち、シリーズ対戦成績を1勝1敗のタイに持ち込んだ。タイトル戦での連敗「0」も継続。史上初の全8冠制覇へあと2勝とした。
本紙「ひふみんアイ」でおなじみ、加藤一二三・九段(83)が対局を振り返ります。
◇ ◇ ◇
藤井竜王はホント、タイトル戦で連敗しませんね。尊敬に値します。慎重な試合運びでした。特に、右玉に構えながら、「入玉してしまえば戦える」とばかりにさっさと逃げてしまうあたり、さすがでした。
https://www.youtube.com/watch?v=1nSz93I7E2o
後手番で角換わりは、棋聖戦と王位戦で佐々木大地七段と戦った時の作戦を改良し、盤上でうまく表現していました。特に永瀬王座が1筋から長距離砲の角を自陣に打ったのに対し、後手5二金(102手目)とした受けが光りました。
対する永瀬王座は、先手4一金(121手目)が敗着です。見応えのある大熱戦でしたが、これで攻めが続かなくなりました。先手4四馬と引いて後手3三金と、藤井竜王が攻めに使いたいはずの金を受けに使わせれば、戦えたと思います。
改めての3番勝負。開幕局は不覚を取りましたが、藤井竜王は気合が入ると思います。引き続き熱戦に期待しましょう。(加藤一二三・九段) [日刊スポーツ 2023年9月12日23時23分]
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貴景勝が108日ぶりの白星「力があれば大関に残るし、なければ落ちる。結果が全て」 ―― <大相撲秋場所>◇2日目◇11日◇東京・両国国技館
7度目のかど番の大関貴景勝(27=常盤山)が、復活を印象づける108日ぶりの白星を挙げた。先場所で、関脇以上を総なめにした新三役の小結錦木を突き落とし。身上とする突き、押しで攻め続け、5月26日の夏場所13日目、明生戦以来の白星で1勝1敗と星を戻した。先場所全休の要因となった、両膝のけがからの復調とともに、気迫全開の取り口も戻ってきた。まずはかど番脱出。その先に4度目の賜杯も見据える。
◇ ◇ ◇
184キロを1発ではじき飛ばす、貴景勝の力強い立ち合いが戻ってきた。距離を詰めたい錦木を二の矢、三の矢で突き放した。最後は左から、相手を根こそぎ引っ張り込むような突き落とし。同体取り直しで敗れた初日北勝富士戦の2番、この日の取組と、いずれも足運びはスムーズ。先場所全休を招いた、両膝の負傷を感じさせなかった。「100点満点の相撲なんてない。力を出し切るだけだった」。堂々とした話しぶりが、状態の良さを物語る。
目標はかど番脱出ではない。この日の取組後に「かど番」という言葉が出ると「かど番はそっち(メディア)が言っていること。こっちは何も思っていない。力があれば大関に残るし、なければ落ちる。結果が全て」と力説。持論は「大関は優勝か、それ以外しかない」。優勝への思いを問われると「1日1日、淡々と相撲を取った人についてくるのが優勝。3日目の相撲に集中するだけ」と、優勝への思いをにじませた。
師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は初日の時点で「内容は申し分ない」と太鼓判。貴景勝も「(膝の)状態はいい」という。土俵内外で“貴景勝らしさ”が戻ってきた。 [日刊スポーツ 2023年9月11日20時33分]
四苦八苦
苦とはサンスクリット語のduhkha(ドウクハ)に由来し、「ドウクハ」の「ドウ」は「悪い」という意味で、「クハ」は「運命」「状態」を表します。直訳すると苦とは、悪い運命、悪い状態となりますが、阿毘達磨(あびだるま)(紀元前2世紀頃の仏教文献)によると苦とは逼悩(ひつのう)と定義され、「圧迫して悩ます」という意味をもちます。つまり苦とは、自分ではどうにもならないことをいうのです。
四苦八苦の四苦ですが、原始仏教や部派仏教の経典によると、四苦とは「人間として逃れられない必然的な苦しみ」である
生苦(しょうく)(生まれてくる苦しみ)、
老苦(ろうく)(老いていく苦しみ)、
病苦(びょうく)(病気になる苦しみ)、
死苦(しく)(死ぬ苦しみ)
をいい、さらに「人間として味わう精神的な苦しみ」である、
怨憎会苦(おんぞうえく)(嫌いな人との出会いによる苦しみ)、
愛別離苦(あいべつりく)(愛する人との別れによる苦しみ)、
求不得苦(ぐふとっく)(求めても得られない事を求めてしまう欲から生じる苦しみ)、
五蘊盛苦(ごうんじょうく)(人の存在そのものからくる苦しみ)
の四つの苦を加えて四苦八苦といいます。
以上のように本来は四苦と八苦で合計八種類の苦しみを表していましたが、やがて、一般的に人間のあらゆる苦しみを指す言葉として用いられるようになりました。
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7度目かど番の貴景勝、手痛い黒星発進 取り直しの末、高校の先輩・北勝富士に敗れる ―― <大相撲秋場所>◇初日◇10日◇東京・両国国技館
両膝のけがで先場所は全休し、7度目のかど番で迎えた大関貴景勝(27=常盤山)は取り直しの末、北勝富士に敗れて黒星発進となった。
取組前までの対戦成績は13勝10敗。埼玉栄高の先輩でもある北勝富士は、もともと得意とはいえない相手だった。先場所は優勝決定戦の末に初優勝を逃した難敵に敗れ、かど番脱出へ手痛い黒星先行となった。
夏巡業には途中から合流した。朝稽古では相撲を取る稽古こそ行わなかったが「巡業に出れば、他の力士の相撲も見ることができる。見ることも稽古」と、連日、土俵下で四股、すり足などで大粒の汗を流した。さらに、金沢市での巡業ではぶつかり稽古で、ご当所の新十両大の里に胸を出すなど、会場を盛り上げつつ土俵の感覚を養った。
今場所に向けては「勝ち越せなければ、大関の力がないというだけ。変に自分で緊張する必要はない。大関は優勝か、それ以外しかない」と話していた。場所前に時津風部屋に出稽古した際には、同じく出稽古に来ていた平幕高安に4連敗するなど両膝の不安を感じさせることもあった。それでも「だいぶ戻っている感覚はある」と話すなど、両膝を言い訳にすることは一切なかった。気力を高め、かど番脱出の勝ち越しへ巻き返しを狙う。 [日刊スポーツ 2023年9月10日17時57分]
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