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ウェブニュースより
 熱海富士が単独首位で千秋楽へ「いやぁ~、勝ってうれしいですね」朝乃山に勝てば記録ずくめV ―― <大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館
 初優勝の機運が高まってきた。東前頭15枚目の熱海富士(21=伊勢ケ浜)が、阿炎を寄り切り3敗を守った。結びで大関貴景勝が新大関豊昇龍の上手投げに屈して4敗に後退したため、再び単独トップに立った。1差で追う4敗は貴景勝、大栄翔、平幕の高安、北青鵬の4人。千秋楽で熱海富士-朝乃山が組まれ、熱海富士は勝てば優勝が決まる。敗れた場合、最大4人による決定戦となる。
 執念だった。負ければ優勝争いから後退する大一番。熱海富士は阿炎の立ち合い変化に大きく泳いだが、徳俵にかかった左足で踏ん張る。素早い動きで立て直すと右四つに組み止めた。186センチ、181キロの大きな体でがっちり組めば、押し相撲得意の相手は苦にならない。冷静に寄り切って3敗を死守。勝ち名乗りを受けたときにしたたり落ちた鼻血が激闘を物語る。「自分から落ち着いて出ようと思った。いやぁ~、勝ってうれしいですね」と素直に喜んだ。

 この日、NHKのテレビ中継で師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が解説を務めていた。「目の前で変な相撲はできない」と余計に気合が入った。師匠の前で鼻血を出すほどの熱戦を制した後、3敗で並んでいた大関貴景勝が豊昇龍に敗れたために再び単独トップに浮上。優勝へのカウントダウンが始まった。
 千秋楽の本割で対戦する朝乃山に勝てば、記録ずくめの初優勝が決まる。初土俵から所要18場所となれば貴花田(後の貴乃花)と朝青龍の24場所を大幅に更新し、年6場所制となった1958年(昭33)年以降初土俵の力士では最速(付け出しを除く)。21歳0カ月は白鵬を抜き、58年以降で3番目の年少。十両、幕内と連続Vとなれば1914年(大3)年1、5月場所の両国以来、109年ぶり2人目。静岡県出身力士としても初の快挙だ。
 千秋楽には後援会主催で地元静岡・熱海市役所でパブリックビューイングを開催し、地元総出で待望の瞬間を見届ける準備が整った。さらに今場所から熱海富士の化粧まわしに採用された地元静岡・熱海市の人気店「熱海プリン」からは300個のプリンの提供を約束された。
 泣いても笑ってもあと1日。地元の期待を背負う中で熱海富士は「やることは変わらない」と朝乃山戦へと気持ちを引き締めた。    [日刊スポーツ 20239232116]


 

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1932/02/04
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