諏訪大社で言い伝えられている七不思議のことです。単に「諏訪の七不思議」とも言われます。一般に七不思議と言うと怪談話がイメージされる場合があるが、あくまで不思議な現象や事柄を扱った内容で怪談とは区別されます。
基本的には諏訪大社の行事・神事に関わる不思議な現象を指しますが(特に諏訪大社の神事は数が多いことと、奇異なことで有名です。)、蛙狩神事のように行事自体を指す物もあります。そして信憑性の低い物もあれば、御神渡(おみわたり)のように現代において科学的に説明ができる物まで様々な物が存在します。一般に諏訪大社の七不思議と言うと以下の7つを指します。
●御神渡
●元朝の蛙狩り
●五穀の筒粥
●高野の耳裂け鹿
●葛井の清池
●御作田の早稲
●宝殿の天滴
しかし、実際には上社と下社で重複を含め別々に七不思議が存在し、計11個が存在します。
上社 (かみしゃ)
〇元朝の蛙狩り
蛙狩神事において、御手洗川の氷を割ると必ず2、3匹のカエルが現れます。蛙狩神事そのものを指すこともあります。
〇高野の耳裂鹿
御頭祭では神前に75頭の鹿の頭を供えましたが、毎年必ず1頭は耳の裂けた鹿がいたといいます。
〇葛井の清池
茅野市・葛井神社の池に、上社で1年使用された道具や供物を大晦日の夜に沈めると、元旦に遠州(静岡県)の佐奈岐池に浮くといいます。また、この池には池の主として片目の大魚がいるとされています。
〇宝殿の天滴
どんなに晴天が続いても上社宝殿の屋根の穴からは1日3粒の水滴が落ちてくるといわれます。日照りの際には、この水滴を青竹に入れて雨乞いすると必ず雨が降ったと言われています。
〇御神渡(おみわたり)
長野県諏訪(すわ)湖に伝わる伝承です。冬季、湖面が全面氷結したあと、寒気のため収縮すると、割れ目を生じます。そこに下の水が上ってきて結氷するが、朝になって気温が上昇すると氷が膨張し、両側からこの割れ目を圧縮して、その部分の氷を持ち上げます。この盛り上がった一大亀裂(きれつ)に沿って、諏訪大社の祭神が上社から下社に渡って行かれたと考え、御神渡りとよばれたのです。またその亀裂の形から吉凶を占うようなことも行われました。諏訪湖の御神渡りの起日の記録はおよそ500年にわたって保存されており、気候変動の資料として世界的にも有名です。
〇御作田の早稲
藤島社の御作田は6月30日に田植えをしても7月下旬には収穫できたと言います。6月30日の田植え神事そのものを指すこともあります。下社とは厳密には違います。
●穂屋野の三光
御射山祭の当日は、必ず太陽・月・星の光が同時に見えると言います。
下社 (しもしゃ)
●根入杉
秋宮境内の大杉。丑三つ時になると、枝を垂らして鼾を掻いて寝たという。
●湯口の清濁
八坂刀売命が下社に移る時、化粧用の湯を含ませた綿を置いた場所から温泉が湧き出したという伝承。現在の下諏訪温泉。この湯に邪悪人が入ると湯口が濁ると伝えられている。
〇五穀の筒粥
春宮境内筒粥殿で行われる行事。1月14日から15日にかけ、炊いた小豆粥で1年の吉兆を占う。
●浮島
たびたび氾濫した砥川にあって、決して土が流れて無くならなかった島のこと。
〇御神渡
上社を参照。
〇御作田の早稲
御作田社における上社と同様の伝承。
〇穂屋野の三光
上社を参照
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