瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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0f8b9e52.jpeg 吉田光由によって書かれた『塵劫記』(1627年)に載っている数当てゲームに「薬師算」というのがある
  遊びながら和算の基礎を学ぶことを目的としたものであるが、現代の我々にとっても数学教育上魅力ある教材であると思われる。以下にその遊び方と、仕組みを説明しよう。
 薬師算とは、相手が正方形を作って、その正方形の一辺にそって並べ替えたときの端数を聞いて、正方形を作るのに使った碁石の総数を術者が当てるというゲームである。

e3e4a15d.jpeg ① はじめに碁石(白)を多数用意して相手に渡しておく。
 ② 術者が後ろ向きになっている間に、①で渡された碁石を使って、[図1]で示すような、一辺が4個以上の正方形を相手に作ってもらう。(なお、[図1]の ◎ は正方形の四隅の碁石を表わしている。)
 ③ 相手に、②で作った正方形の一辺だけを残して、その一辺に沿って右の[図2]のように碁石を並べ替えてもらう。
 ④ 最後の列の碁石の個数(これを端数と呼ぶことにします)を相手に教えてもらうだけで、術者が使用されている碁石の総数を術者が当てる遊びなのである。 (これらの操作 ②~④ の間は術者はつねに後ろ向きのままなので、術者は[図1]と[図2]を見ることはできない)
 相手が[図1]のような正方形を作って、それを[図2]のように並べ替え、そして、『端数は3』と術者に答えたとすると、術者はそれを聴いて簡単な計算をしてから、『碁石の総数は24』 と見事に当てて見せるのである。
 相手から端数を教えてもらっただけで、どうして、術者は相手が使用した碁石の個数を当てることができるのだろうか。つぎに、その仕組みを説明しよう。
 一辺の碁石の個数がm(m≧4) であるような正方形を作るのに必要な碁石の総数を s 、碁石を並べ直したときの端数を n としよう。正方形の四隅の碁石 ◎ は二つの辺に属しているので
  s=4(m-1)=4m-4 …… ①
が成り立ち、碁石を正方形の一辺に沿って並べ替えると、4列目はかならず4個 の不足が生じるので
  m=n+4 …… ②
が成り立つ。ここで、② を ① に代入して整理すると s=4(n+4)-4=4n+12 すなわち
  s=4n+12 …… ③  が得られるのである。
 すなわち、相手の答えた端数を4倍して 4×4+12=24  と応ずることが出来る。
 
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目高 拙痴无
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1932/02/04
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