真弓(まゆみ)を詠んだ歌1
真弓はニシキギ科の落葉低木です。葉は楕円形で対性です。6月頃に黄緑色の花を咲かせます。実は秋になりますが、裂けて赤くなります。枝がしなるので、昔は弓の材料として使ったそうです。「檀(まゆみ)」とも書きます。
万葉集には12首に登場しますが、真弓の木そのものよりは、弓のことを指しているものがほとんどです。「梓弓(あづさゆみ)」と同様に、弓を張ることから、「春」などを導く枕詞(まくらことば)として使われる場合もあります。
また、「白真弓(しらまゆみ)」は、真弓(まゆみ)の白木で作った弓のことです。
巻2-0096:み薦刈る信濃の真弓我が引かば貴人さびていなと言はむかも
※久米禅師(くめのぜんじ、生没年不明)
久米は氏で、禅師は法師のこととも、人の名ともいわれます。「万葉集」巻2に天智(てんじ)天皇の時代に石川郎女(いらつめ)に求婚しておくった短歌3首がのっています。その実在を疑問視する説もあります。
巻2-0097:み薦刈る信濃の真弓引かずして強ひさるわざを知ると言はなくに
※石川郎女(いしかわのいらつめ、生没年不明)
『万葉集』の歌人です。集中、石川郎女(女郎)と表記される人物が多く、それぞれ同一かどうか古来論議の的となってきましたが、(1)天智(てんじ)朝(661~671)に久米禅師(くめのぜんじ)と贈答した人、(2)持統(じとう)朝(686~697)に大津(おおつ)皇子、草壁皇子と贈答した人、(3)文武(もんむ)朝(697~707)に大伴田主(おおとものたぬし)、大伴宿奈麻呂(すくなまろ)と贈答した人、の3人に分ける説が穏当でしょう。
(1)には恋の掛け合いの巧みさがみられ、(2)には政治的な抗争を背景とする両皇子への恋物語的な興味が寄せられ、(3)には歌のやりとり自体の社交的なおもしろみが込められています。(1)(2)(3)はそれぞれの時代の恋歌表現の典型を示しているとみられる。
◎木梨軽皇子(きなしのかるのおうじ、生没年不明)
允恭(いんぎょう)天皇の第1皇子です。母は忍坂大中姫(おしさかのおおなかつひめ)。允恭天皇23年6月皇太子となりますが、天皇没後、即位する前に、同母妹軽大郎女(かるのおおいらつめ)との相姧(そうかん)(正規の手続によらない婚姻関係の罪)が発覚し、群臣・百姓らが背いて穴穂皇子(あなほのおうじ)(安康(あんこう)天皇)についたので、物部大前宿禰(もののべのおおまえすくね)の家に逃れて兵をあげようとしましたが、逆に穴穂皇子の兵に包囲されて自殺しました。記および紀所引の一つでは、このとき捕らえられて伊予(いよ)(愛媛県)に流されたともいい、『万葉集』に、伊予において辞世のとき詠まれたと伝える長歌(3263番歌)がみえます。なお、紀は前記の罪の際、皇子は皇太子であったため罰しえず、軽大郎女のみ伊予に流したとしますが、記紀ともに歌謡を盛り込んだ創作性に富む文脈を構成しており、史実の抽出は簡単ではうりません。
巻3-0289:天の原振り放け見れば白真弓張りて懸けたり夜道はよけむ
※間人大浦(はしひとのおおうら、生没年不明)
伝未詳。文武朝頃の人か。間人宿禰は、天皇と臣下、または異国人との間をとりつぐ職掌をもったかとされる伴造氏族です。天武十三年、連より宿禰に改姓されました。
ウェブニュースより
緊急事態延長不可避か 5連休明け判断 厳しい感染状況 ―― 政府が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京など4都府県に発令した緊急事態宣言は11日の期限まで残り10日程度となった。現時点では人流抑制の効果も限定的で、一連の対策が感染状況の改善に十分な効果をあげるかは不透明だ。政府は5連休明けにも宣言を期限通り解除するか、延長するかの判断を下す見通しだが、延長は不可避との見方が強まっている。
菅義偉(すが・よしひで)首相は4月30日、宣言延長の可能性について問われ、「今、まさに短期集中で(対策を)お願いしている。効果が出るよう取り組みたい」と述べるにとどめた。政府は経済への影響を考慮し、もともと延長には消極的だ。5月11日まで17日間という期間設定は東京五輪・パラリンピックへの影響を避けるためとの見方もある。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が17日に来日することも念頭にありそうだ。
一方、専門家には当初から期間が不十分だとの見方が強い。新型コロナ対策分科会の尾身茂会長も解除基準について「新規感染者数がかなり下がるか、下げ止まりの期間を長く維持することを考慮すべきだ」と話す。
日本医師会の中川俊男会長は、東京都では「100人以下」が解除の目安だとの認識を表明している。
対策分科会のメンバーは「政府は東京なら1日600人でも『下がる方向が見えた』と宣言を解除したい思いを持っているだろう。ただ、とても容認できない」と打ち明ける。
足元の感染状況は厳しい。1日の新規感染者は都が1050人、大阪府は過去最多の1262人に上った。 (産経新聞 2021.5.1 21:28)
宇宙飛行士の野口さん、半年ぶり地球に帰還 ―― 【ワシントン=共同】宇宙航空研究開発機構(JAXA)の野口聡一飛行士(56)は1日(日本時間2日)、約半年滞在した国際宇宙ステーションを米宇宙船クルードラゴン1号機で出発し、2日午前3時ごろ(同午後4時ごろ)米南部フロリダ州沖のメキシコ湾に着水、地球に帰還した。JAXAによると、野口さんら4人は全員無事で、約1時間後に宇宙船から下船した。
野口さんのステーション滞在は通算335日余りとなり、日本人最長を更新した。ステーション以外も含めた宇宙滞在の最長は若田光一飛行士。
4つのパラシュートを広げた宇宙船がゆっくりと暗闇の空を降りて静かに海上に着水すると、中継放送を見守っていたJAXA関係者から拍手や歓声が上がった。
野口さんは下船直後に健康状態の確認を受けた。ヘリコプターで近くの飛行場に向かい、米南部テキサス州ヒューストンにあるNASAのジョンソン宇宙センターに移動。宇宙に長期滞在した影響を考慮して、身体のリハビリを受ける予定だ。
野口さんは昨年11月、フロリダ州のケネディ宇宙センターをドラゴン1号機で出発し、ステーションでの滞在を始めた。今年2月にロボットアームを操作して補給船をキャッチしたほか、3月には4度目の船外活動で太陽電池の架台の取り付け工事などをこなした。
宇宙滞在中にはツイッターやユーチューブなどで積極的に情報発信し、宇宙の美しさや、飛行士の日常を伝えた。
米スペースシャトルやロシアのソユーズ宇宙船は滑走路や草原に着陸したが、今回は海に着水するため、波の揺れが飛行士に与える影響を懸念する声もあった。
クルードラゴンは民間初の有人宇宙船で、日本人としては野口さんが初めて搭乗。2号機には4月24日にステーション滞在を始めた星出彰彦飛行士(52)が搭乗した。 【日本經濟新聞 2021年5月2日 16:21 (2021年5月2日 20:49更新)】
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