瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 4時30分から、桜橋~水神大橋間を徘徊。微風あり、肌に心地よい。カメラの持参を忘れる。

6098e220.JPG 燕の国のある男が、燕の国で生まれて楚の国で育った。彼は年老いてから生国の燕の国に帰ろうとして、その途中、晋の国に立ち寄った。ところが一緒に旅をしていた男が彼を騙し、晋の国の都城を指さして、
「これが燕の国の都城だよ」と言った。すると、その男はさっと居ずまいを正してかしこまった。さらにまた土地神を祭った社を指さして、
「これが君の郷里の社だよ」というと、かれはふうっと溜息をついて感じ入った。それからまた、ある屋舎を指さして、
「これがきみの先祖の住居だよ」と言うと、彼ははらはらと涙をこぼして泣き、小高い丘を指さして、
「これが君の先祖の墓だよ」と言うと、その男は声をあげて泣き、泣き止めることが出来なかった。
 一緒に旅をしていた男が、からからと打ち笑い、「私はさっき君を騙したのだ。ここは晋の国でしかない」と言うと、その男、すっかり感じ入った。
 さていよいよ燕の国について、本当の都城や社を見、本当に祖先の住居や墓を見たが、そのときには彼の悲しみの感情は、もはや一段と薄れていた。
 

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文意
 『列子』はもともと道家に近い学問なので、どうしても文章の含意を理解するには難しいところがありますね。この文の言おうとしているのは、人間の感情なども、その時の条件によるもので、客観的な絶対性などというものは無いということでしょうね^^
シン 2011/06/15(Wed) 編集
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1932/02/04
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