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クフ王のピラミッド

 
ピラミッドの大きさは、完成時の高さは146m(現在は138m)、底辺は230m、勾配は51.5度で、誤差が非常に少なく正確です。ピラミッド建築の中でも最も優れており、いちばん大きなものです。2.5tの石灰岩を270万~280万個も積み上げて作られており、当時の石積みの技術の高さもうかがい知ることができます。
 
14世紀にイングランドのリンカン大聖堂が建てられるまでは、世界でいちばん大きな建造物でした。
 
クフ王のピラミッドは、紀元前2560年ごろに約20年の歳月を費やして作られました。クフ王は、エジプト古王朝時代の第4王朝のファラオで、彼の墳墓がこのピラミッドになります。しかしクフ王のミイラ自体は、ここから発見されていません。

 
クフ王のピラミッドは、1839年にイギリス軍人のハワード・ヴァイスによって発見されました。彼は、ピラミッド内部にあり、王の間にかかる重量を軽減するために造られたとする「重量軽減の間」にクフ王の名前を見つけ、ここがクフ王のピラミッドであると結論づけたのです。

クフ王の船(通称「太陽の船」)

 
1954年および1987年にギザの大ピラミッドの付近で発見された2隻の船です。クフ王の船は紀元前2500年頃、古代エジプト・古王国時代第4王朝のファラオであったクフのために造られたとされています。
 
クフ王第一の船は全長42.32m、全幅5.66mもの大きさで、古代の、最も古く、大きく、保存状態の良い船の1つです。主に杉板で作られていました。
 
クフ王第一の船は649の断片に分解された状態で、ギーザの台地に掘られた石坑に封をされていたため、船は発見されるまで全く乱されていませんでした。現在では、エジプト考古庁によって28年の歳月を掛けて発掘・復原が行われ、ピラミッド脇の博物館に展示されています。
 
1987年には第一の船が発見された竪坑の西隣から早稲田大学エジプト学研究所が電磁波レーダーを用いた地中探査を行い木材反応を確認、翌1988年アメリカ隊が石坑内部を小型機器で視認、もう1隻の別の船体が発見されました。こちらは「クフ王第二の船」と呼ばれ、発掘・保存・復元はエジプト考古庁と早稲田大学エジプト学研究所が共同で行うこととなり、2011年6月23日より約5年間の予定で発掘が進められています。2012年2月20日より埋設現場から木製部材の採取を開始しており、600以上の木片を回収し木造船を復元する予定です。
 
198710月にはアメリカ隊がファイバースコープを石蓋に開けた穴から挿入することにより船内の様子を撮影することに成功、6年後の1993年1月にはアメリカ隊が開けた穴に早稲田隊がマジックハンドを挿入し、木片を採取することに成功しています。さらに第一の船には無かったマストなどが見つかっています。
 
クフ王の船は何のために造られていたかはわかっていません。太陽の神ラーの元、復活する王を運ぶ儀式の船に似ていたため「太陽の船」と呼ばれています。しかし、実際は水で使用されたと見られる跡がありました。現在の研究では、クフ王が死んだ際、メンフィスからギーザまで王の防腐処置を施した死体を運ぶために使用されたか、クフ王自身が巡礼地を訪問するのに「巡礼の旅船」として使用されたのではないかとされています。また、クフ王が来世で使用するために埋められたのではないかという説もあります。


 

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