松を詠める歌6
巻6-0952:韓衣着奈良の里の嶋松に玉をし付けむよき人もがも
巻6-0990:茂岡に神さび立ちて栄えたる千代松の木の年の知らなく
◎跡見(とみ) 奈良県桜井市東方 大伴家の荘園がありました。
「跡見庄」は所在が不明ですが、奈良県桜井市の外山(とび)付近や、同じく奈良県桜井市の吉隠(よなばり)にある鳥見山(とみやま)山麓の地あたりでしょうか。
巻6-1030:妹に恋ひ吾の松原見わたせば潮干の潟に鶴鳴き渡る
◎四日市市に大層な万葉故地があります。この歌の作者は聖武天皇です。
奈良の大仏を創建、大仏の開眼法要を行いました。律令制時代の天皇として絶大な権威を持ち、死後も偉大な聖王として民衆の崇敬を集めました。
そんな聖武天皇が東国への行幸の際に、この地に行宮を設けてお泊りになったのです。美しい松原を見ながら、遠く都に残してきた皇后を懐かしく思い、詠んだ歌だといわれています。
巻6-1041:我がやどの君松の木に降る雪の行きには行かじ待にし待たむ
◎744(天平16)年1月5日に安倍虫麻呂の邸宅で行われた宴席での歌です。作者の家には松の木があったのでしょう。その松と待つ、雪と行きを掛けているのは、「掛詞《かけことば》」とよばれる和歌の修辞方法の一つです。
巻6-1042:一つ松幾代か経ぬる吹く風の音の清きは年深みかも
※市原王(いちはらのおおきみ、生没年不詳)
奈良時代の歌人です。『万葉集』に短歌8首を残します。曽祖父(そうそふ)志貴皇子(しきのみこ)、祖父春日王(かすがのおおきみ)、父安貴王(あきのおおきみ)も万葉歌人です。玄蕃頭(げんばのかみ)、備中守(びっちゅうのかみ)、治部大輔(じぶのたいふ)その他を歴任しています。位は正五位下、生存は763年(天平宝字7)まで確認できます(続日本紀(しょくにほんぎ))。作歌は733年(天平5)ごろから758年(天平宝字2)までのものです。全体に宴席などでの身辺に題材をとった穏やかな歌風ですが、ひとりっ子であることを悲しむ歌や、平安朝には多いが『万葉集』では唯一の、梅の香を歌った歌など、特異な素材の作もあります。なお「市原」と署名のある自筆の書状が正倉院に残っています。
巻6-1043:たまきはる命は知らず松が枝を結ぶ心は長くとぞ思ふ
ウェブニュースより
東京で想定外の大雪 うっすら積雪→1センチ→5センチ→大雪警報 「予想できなかった」と気象庁 ―― 南関東の6日の雪は、予想を大幅に超えて警報級の大雪となった。気象庁によると、本州の南方沖を通った低気圧に加え、より陸域に近い伊豆諸島付近に気圧の谷(周囲より気圧の低い部分)ができた影響で、雪雲が予想以上に北へ大きく広がったのが原因という。
気象庁は5日夕の時点で6日の降雪量を平地で1センチと予想。東京23区の積雪は1センチに満たず「うっすら積もる」程度とみていた。6日朝には予想降雪量を平地で3センチ、23区の積雪を1センチに上方修正。状況が悪化した場合は大雪注意報を出す可能性もあるとした。
東京都心では6日午前10時半、予想より早く雪が降り始めた。気象庁は同11時前には大雪注意報を発表し、平地の予想降雪量と23区の積雪を5センチへさらに上方修正。都心の実際の積雪が5センチを超えた6日夕には、実況を追いかけるように大雪警報を発表した。
気象庁によると、本州の南海上を東進した低気圧は、陸からかなり離れた所を通り、それだけなら雪雲が陸に掛かる程度も弱いため、これほどの雪の降り方にはならなかった。「低気圧の前面に気圧の谷が発生するのは分かっていたが、それによって湿った空気が北側へこれだけ広がるとは予想できなかった」(同庁天気相談所)という。
天気キャスターで気象予報士の森朗さんは「この気圧の谷は小さな低気圧のようなものだが、5日の段階では発生しておらず、6日のいつ、どこにできるか、どれほど影響が出るのかなど、局地的な現象なので予想は非常に難しい。こんなに予想が難しい雪もあった、と後々語られるケースになるのでは」と話している。 (東京新聞 2022年1月6日 19時46分)
大相撲夏巡業再開に暗雲…コロナ第6波に戦々恐々、力士や親方は基礎疾患持ちが多い―― 不穏な空気が漂い始めた。
日本相撲協会は4日、田子ノ浦部屋で師匠(元前頭隆の鶴)をはじめ、力士2人、床山1人が新型コロナに感染したと発表。元大関の高安(31)など所属力士全員が1月場所(9日初日)を休場することになった。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「陽性者はもっと増える可能性もある」と警鐘を鳴らしているし、こうなると角界はかなりのダメージを受けるのではないか。
「コロナを完全に防ぐことは不可能だが、相撲部屋は力士や親方が不用意な外出をしない限り、ある程度は感染を防げる。本場所が中止になるほど感染者が増えるとは思えない。問題は今年夏に再開が検討されている巡業ですよ。夏巡業は近畿、中部、北陸、北海道、関東と移動範囲が広く、同じバスに大勢の力士が長時間乗り合わせる。1人が感染したら瞬く間に全員アウトになりかねない。さらにオミクロン株は『感染力は高いが重症化リスクは低い』と言われているものの、力士や親方は基礎疾患持ちが多い。感染力の高さは何よりも危険です」(ある親方)
まさに戦々恐々……。 (日刊ゲンダイ 公開日:2022/01/06 11:15 更新日:2022/01/06 11:15)
松を詠める歌5
巻4‐0588:白鳥の飛羽山松の待ちつつぞ我が恋ひわたるこの月ごろを
◎「白鳥の」は「鳥羽山」にかかる枕詞です。鳥羽山の所在は不明です。
※笠郎女(かさのいらつめ、生没年不詳)
奈良時代中期の歌人です。一説には笠金村の娘といいます。大伴家持とかかわりのあった十余人の女性のひとりで、同時代では大伴坂上郎女とならび称される女性歌人です。『万葉集』巻三、巻四、巻八に計29首の歌が収載されています。内訳は、譬喩歌3首、相聞歌24首、春および秋の相聞各1首で、いずれも家持に贈った歌です。
巻4‐0593:君に恋ひいたもすべなみ奈良山の小松が下に立ち嘆くかも
◎「奈良山・平山(ならやま)」とは現在の奈良市佐保町のあたりで大伴家持の家もこのあたりにあったと言われています。あるいは家持に逢いたい一心で遠く明日香の里から奈良まで出向いてきたとも考えられますが…
そんな奈良山の小松の下から家持の邸宅を眺めてひとり立ち尽くすしかない嘆きがなんとも切ない一首です。笠女郎ほどの情熱と一途な思いを持っている女性でも、自分からはこれ以上は家持に近づくことは出来なかったのでしょう。
巻4-0623:松の葉に月はゆつりぬ黄葉の過ぐれや君が逢はぬ夜ぞ多き
◎この歌は実際には池辺王が作った歌ではなく、どうやら有名な伝誦歌を宴の場の雰囲気に合わせて誦んだもののようです。もとの歌の作者は誰なのか不明なようです。きっと宴席の庭の松の木の上に綺麗な月の移ってゆくのが見える、そんな夜だったのでしょう。
※池邊王(いけへのおおきみ、生没年不詳)
葛野王(かどののおおきみ)の子で、大友皇子・十市皇女の孫です。額田王の曾孫で、淡海三船の父です。神亀元年(724)一月、従五位下に初叙。天平九年(737)十二月、内匠頭。万葉集に一首だけ載ります。
巻5-0895:大伴の御津の松原かき掃きて我れ立ち待たむ早帰りませ
◎この歌は山上憶良(やまのうへのおくら)が遣唐使として唐へ渡る丹比広(たぢひのひろなり)に贈った送別歌で、先の巻五(八九四)の長歌に付けられた二首の反歌のうちのひとつです。「大伴の御津(みつ)」は、難波の御津のことで、ここから遣唐使船が出航するのでしょう。
憶良がこれらの歌を詠んだのは天平五年三月一日のことで、前年に憶良は筑前の守の任を終えて奈良の都に帰京していたようです。そんな奈良の都の憶良の屋敷を訪ねて来た丹比広成に贈った歌ですが、憶良が歌に込めた言霊のおかげかこの年の四月に出航した広成はその後、唐での任を終えて荒れた帰路の航海に苦慮しながらも無事大和に帰って来ることが出来たようです。
ただし、残念ながらその頃にはすでに憶良は亡くなっていて、広成の帰りを出迎えるというこの歌の約束は果たせなかったようですが…
ウェブニュースより
内感染、3カ月ぶり2000人超 沖縄623人、東京390人―新型コロナ ―― 国内では5日、新たに2638人の新型コロナウイルス感染が確認された。1日当たりの新規感染者が2000人を超えたのは昨年9月26日以来、約3カ月ぶりで、4日(1268人)から倍増した。死者は1人、重症者は前日比6人増の60人だった。
沖縄県で623人、東京都で390人など、変異株「オミクロン株」の市中感染の広がりを背景に新規感染者の拡大ペースが加速している。
沖縄県の新規感染者が600人を超えたのは昨年8月28日以来。同11月上旬~12月20日は一桁で推移していたが、同月下旬に米軍基地従業員のオミクロン株感染が判明してから急増し、今月4日には225認確認されていた。20~40代を中心に感染が広がり、5日時点での病床使用率は23.5%に上昇した。
東京都で300人を超えたのは昨年9月26日以来。前日4日(151人)の2倍以上、前週水曜日(76人)の5倍以上に拡大した。直近1週間平均も135.6人と、前週の3倍を超えた。
大阪府では244人の感染が確認され、4日(124人)から倍増した。200人を超えたのは昨年10月6日以来。
米軍岩国基地(山口県岩国市)は、1日当たりで過去最多となる182人の感染を発表。これとは別に、同県で104人の感染が確認され、うち70人が岩国市だった。100人を超えたのは昨年8月19日以来。県は米軍関係者の影響の可能性が高いとみている。隣接する広島県でも138人が陽性となった。
空港検疫では過去最多の147人の感染が判明した。
国内のオミクロン株感染者は累計で1400人を超えた。5日には栃木県、鹿児島県で同株の市中感染とみられる事例が初確認された。青森県では初の同株感染者が発生。米軍三沢基地(同県三沢市)の陽性者から感染した可能性があるという。 (JIJI.COM 2022年01月05日21時00分)
トラが職員用通路に、女性飼育員と鉢合わせ…叫び声聞いて駆け付けた2人も襲われる ―― 栃木県那須町高久乙の「那須サファリパーク」で5日、飼育員の男女3人がトラに襲われた事故では、獣舎の中にいるはずのトラが職員用通路に出ていた。安全管理に問題があった可能性もあり、那須塩原署が当時の詳しい状況を調べている。
同署によると、けがをした飼育員3人は、いずれも20歳代。頭部などをかまれ大けがを負った。
同施設によると、襲ったのは11歳の雄のベンガルトラ「ボルタ」。開園前、屋外の展示スペースにトラを移動させようと、女性飼育員が職員用通路に入った際、トラと鉢合わせした。叫び声を聞いて駆け付けた2人も襲われ、トラは別の職員が麻酔銃で眠らせた。
4日午後、トラを屋外から戻す際、別の担当者が獣舎に入ったことを確認しなかったという。葛原直人支配人(46)は報道陣に「非常に重く受け止めている。原因を追究し、再発防止策を取っていく」と述べた。当面は休園するという。
同施設は、ライオンやトラなどの肉食動物を含め約70種700頭を飼育。1997年と2000年にも、職員がライオンに襲われて重傷を負う事故があり、約3か月前にも安全マニュアルの確認を行っていた。 (読売新聞オンライン 2022/01/06 07:22)
松を詠める歌4
巻3-0309: 石室戸に立てる松の木汝を見れば昔の人を相見るごとし
◎「三穂の石室」は和歌山県日高郡美浜町の三尾湾付近の岩屋です。
美浜町には、顕宗・仁賢天皇の父が、久米若子であるという次のような伝承が残っているそうです。
◆安康天皇は履中天皇の第一皇子市辺押磐皇子(いちのへのおしはのみこ)にその位を譲ろうとした。しかし、安康天皇の弟で、市辺押盤皇子の従兄弟にあたる大泊瀬皇子(後の雄略天皇)が近江国、来田綿(くたわた)の蚊屋野(かやの、滋賀県蒲生郡蒲生町)に市辺押盤皇子を狩りに誘い出し、猪と見誤ったふりをして暗殺してしまい、自分が天皇の位についた。
市辺押磐皇子の子である久米若子は、雄略天皇の迫害から逃れるため、母と臣下を伴い、丹波国に身を隠し、ここで億計(おけ)、弘計(をけ)の二人の皇子をもうけた。久米若子は心の動揺を癒すため神術習得のため愛し子、億計、弘計を臣下に託し、放浪の旅に出て消息を絶った。その後、二人の皇子は播磨国の志染(しじみ)の岩屋に隠れ住みついた。やがて成人した二人の皇子は、伊予来目部小楯(いよのくめべのおたて)によって見つけ出され、顕宗天皇(弟、弘計、23代天皇)、仁賢天皇(兄、億計、24代天皇)として即位する。それにつけても思い出されるのは幼くして別れた父、久米若子のことであった。
臣下を諸国に遣わし探し求めた。苦心の末、三穂の岩屋におられるという情報を得て使者を遣わしたところ、既に若子の姿はなく、松が生繁り、庵の後の草の根は枯れはて、岩に砕ける波しぶきに交じって白い磯つつじが風に揺らいでいるばかりであったという。
※博通法師(はくつふうほふし、生没年不詳)
奈良時代の僧です。「万葉集」巻3に紀伊(きい)三穂(みほ)(和歌山県)の石室(いわや)でよんだ歌3首があります。
巻3-0394: 標結ひて我が定めてし住吉の浜の小松は後も我が松
◎住吉の小松を詠っていますが、これも当然そのままの意味ではなく住吉の少女を松に譬えた譬喩歌で相聞の一首と言えるでしょう。おそらくは難波の宮などへ行く途上で住吉を訪れたときに出会った少女(遊女でしょうか)と関係を持ち、「君は成人した後も私のものだよ」と将来の婚姻を誓った歌なのでしょう。
※余明軍(よ みょうぐん、生没年不詳)
奈良時代の歌人です。百済(くだら)(朝鮮)王族系の余氏の渡来人と推定されます。「万葉集」巻3に天平(てんぴょう)3年(731)大伴旅人(おおともの-たびと)が死去したときの挽歌(ばんか)5首があり、その註に旅人の資人(つかいびと)(従者)とあります。ほかに譬喩(ひゆ)歌、相聞(そうもん)歌がおさめられています。新羅(しらぎ)(朝鮮)王族系の金氏の金明軍(こんの-みょうぐん)とする説もあります。
巻3-0431:いにしへにありけむ人の倭文幡の.......(長歌)
標題:過勝鹿真間娘子墓時山部宿祢赤人作歌一首[并短歌] [東俗語云可豆思賀能麻末能弖胡]
標訓:勝鹿(かづしか)の真間娘子(ままのをとめ)の墓を過ぎし時に、山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)の作れる歌一首并て短歌 〔東(あづま)の俗語(よのこと)に云はく、かづしかのままのてご〕
原文:古昔 有家武人之 倭<文>幡乃 帶解替而 廬屋立 妻問為家武 勝壮鹿乃 真間之手兒名之 奥槨乎 此間登波聞杼 真木葉哉 茂有良武 松之根也 遠久寸 言耳毛 名耳母吾者 不<可>忘
万葉集 巻3‐0431
作者:山部赤人
よみ:古(いにしへ)に 在(あ)りけむ人の 倭文幡(しつはた)の 帯解(おびと)きかへて 伏屋(ふせや)立て 妻問(つまど)ひしけむ 葛飾(かづしか)の 真間(まま)の手児名(てこな)が 奥(おく)つ城(き)を こことは聞けど 真木(まき)の葉や 茂(しげ)りたるらむ 松の根や 遠く久しき 言(こと)のみも 名のみもわれは 忘らえなくに
意訳:昔居たという男が倭文幡の帯を解き合い、妻屋を立てて愛を交し合ったという葛飾の真間の手児名の墓はここだと聞いたけれど、真木の葉が茂ってしまったのだろうか。松の根のように遠く久しい出来事になってしまったのだろうか。墓はなくとも、言い伝えだけでも、その名前だけでも、私は忘れることはないよ。
◎伝説によると、手児奈は現在の市川市真間の地に暮らしていました。その容姿がとても美しかったため、多くの男性が手児奈に恋心を抱き、それが原因で男性たちの争いがたえなかったほどでした。男性たちが醜い争いを続けるなか、手児奈は次のような感慨を抱きます。「自分の心は幾つにでも分けることができる。しかし、身体は一つしかない。もしも、自分が誰かのもとに嫁げば、ほかの人を不幸にしてしまう」。夕陽が海の下へと沈んでいくのを目にした手児奈は我が身に絶望し、海に身を投げてしまったのでした。
手児奈の悲劇は遠く都にまで届き、都人はその話に涙したといいます。『万葉集』に手児奈の恋物語を題材にした歌が複数収録されていることは、その証であるといえるでしょう。『万葉集』を代表する歌人の一人・山部赤人は以上のような挽歌を詠んだのです。
巻3-0444:昨日こそ君はありしか思はぬに浜松の上に雲にたなびく
◎丈部 竜麻呂(はせつかべ の たつまろ、生年不- 天平元〈729〉年)は、奈良時代の官人。官職は摂津国班田使史生。
彼の自殺した要因ですが、
1.この時の班田使は、神亀6年(729年)3月の太政官奏により、全国の口分田を収公して再班給するという性格で、かなり厳しい状況の中で行われたものであったことが推定される。その激務の中で心身を消耗し、自殺に追い込まれたものと思わます。
2.この歌が詠まれた年は天平元年(729年)で、同年初め(神亀6年2月)に長屋王の変で長屋王・吉備内親王一家が自殺に追い込まれています。『万葉集』にも同年に倉橋部女王が詠んだとされる歌と、その息子の膳夫王を悲傷した詠み人知らずの歌が直前に収録されていることより、竜麻呂も長屋王と何かの縁があった可能性があります。
※大伴三中(おおとものみなか、生没年不詳)
奈良時代の貴族。大納言・大伴御行の子。名は御中とも記されます。
天平8年(736年)遣新羅副使に任ぜられて、同年秋頃に新羅に渡る。往路の対馬国竹敷浦(対馬島浅茅湾内)で和歌2首を詠んでいます。しかし、当時新羅との関係は悪化しており、使節としての使命は果たせませんでした。さらに、伝染病に感染してしまい、大使の阿倍継麻呂は帰途の対馬で病死、三中は病気が回復するまで入京を許されず、翌天平9年(737年)3月になって拝朝を行っています。なお、遣新羅副使としての功労により、従六位下から三階昇進して正六位上に叙せられています。
天平12年(740年)外従五位下に昇叙され、翌天平13年(741年)刑部少輔兼大判事に任ぜられます。兵部少輔を経て、天平17年(745年)大宰少弐に遷ると、天平18年(746年)長門守と一時地方官を務め、同年内位の従五位下に叙せられています。天平19年(747年)刑部大判事として京官に復しました。
ウェブニュースより
箱根駅伝、青学大が2年ぶり6回目の総合優勝 ―― 第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は3日、神奈川・箱根町―東京・大手町の復路5区間109.6キロで行われ、青学大が10時間43分42秒の大会新記録で、2年ぶり6回目の総合優勝を果たした。
復路スタート時点で2位に2分37秒差を付けていた青学大は、リードをそのまま維持。7区で岸本大紀(3年)がチームで初めて区間賞を獲得すると、9区で中村唯翔(3年)が1時間7分15秒の区間新記録をマーク。アンカーが独走状態でフィニッシュテープを切った。
2位は順大。2年連続の総合優勝を狙った駒大は3位。東洋大、東京国際大が4、5位と続いた。中央大は6位に入った。(記録は速報値) 【毎日新聞 2022/1/3 13:21(最終更新 1/3 13:40)】
コロナ、全国で新たに673人 東京大神宮でクラスター、参拝中止に ―― 新型コロナウイルスの感染者は3日、全国で新たに673人確認された。600人を超えるのは10月14日以来。東京都で103人、沖縄県でも130人が感染しており、いずれも約3カ月ぶりに100人を超えた。新型コロナの変異株「オミクロン株」の感染確認も相次いだ。
東京都では20、30代の若い世代が計54人で過半数を占めた。オミクロン株の感染者は25人で、うち11人が市中感染とみられる。また、千代田区の東京大神宮では3日までに11人のクラスター(感染者集団)が発生し、参拝を中止した。
大阪府では79人の感染が確認された。オミクロン株の感染は16人で、うち15人が市中感染とみられる。
一方、沖縄県は130人が新型コロナに感染したと発表した。オミクロン株の感染者は24人。キャンプ・ハンセン(金武(きん)町)など在沖米軍からは3日に16人の新規感染者が報告され、昨年12月15日以降の在沖米軍基地内の感染者数は9施設で計832人となった。県は米軍基地由来でオミクロン株の市中感染が始まり、若い世代を中心に感染が拡大したとみている。
大阪府では79人の感染が確認された。オミクロン株の感染は16人で、うち15人が市中感染とみられる。
一方、沖縄県は130人が新型コロナに感染したと発表した。オミクロン株の感染者は24人。キャンプ・ハンセン(金武(きん)町)など在沖米軍からは3日に16人の新規感染者が報告され、昨年12月15日以降の在沖米軍基地内の感染者数は9施設で計832人となった。県は米軍基地由来でオミクロン株の市中感染が始まり、若い世代を中心に感染が拡大したとみている。
また、山口県も56人が新型コロナに感染したと明らかにした。そのうち44人は米軍岩国基地がある岩国市在住だった。同県の村岡嗣政知事は「米軍関係者の影響の可能性が高い」との見方を示した。昨年末には基地の司令官に感染対策の徹底を電話で要請したという。米軍岩国基地は3日、同日までの3日間で計50人の感染を確認したと発表した。
そのほか、埼玉、神奈川、岐阜の各県でオミクロン株の市中感染が初めて確認された。岡山県では2人のオミクロン株の感染が初確認された。 【毎日新聞 2022/1/3 20:03(最終更新 1/4 00:40)】
松を詠める歌3
巻3-0257: 天降りつく天の香具山霞立つ春に至れば.......(長歌)
標題:鴨君足人香具山謌一首并短謌
標訓:鴨君(かものきみ)足人(たりひと)の香具山の謌一首并せて短謌
原文:天降付 天之芳来山 霞立 春尓至婆 松風尓 池浪立而 櫻花 木乃晩茂尓 奥邊波 鴨妻喚 邊津方尓 味村左和伎 百礒城之 大宮人乃 退出而 遊船尓波 梶棹毛 無而不樂毛 己具人奈四二
万葉集 巻3-0257
作者:鴨足人(かものたるひと)
よみ:天降(あも)りつく 天(あめ)の香具山(かぐやま) 霞(かすみ)立つ 春(はる)に至れば 松風(まつかぜ)に 池波(いけなみ)立ちて 桜花(さくらばな) 木(こ)の暗茂(くれしげ)に 沖辺(おきへ)には 鴨妻(かもつま)呼ばひ 辺(へ)つ辺に あぢ群(むら)騒き ももしきの 大宮人(おほみやひと)の 退(まか)り出て 遊ぶ船には 楫棹(かぢさを)も なくて寂しも 漕(こ)ぐ人なしに
意訳:天から降ってきた天(あめ)の香具山(かぐやま)は、霞(かすみ)が立つ春(はる)になると、松風(まつかぜ)に池が波立ち、桜花(さくらばな)は木陰が暗くなるほど茂り、池の沖には鴨(かも)が妻を呼び、岸にはあぢが群がって騒ぎ、大宮人が退出して、彼らが遊んでいた舟には梶(かじ)も棹(さお)もなくて、漕ぐ人が居なくて寂しいことです。
◎歌の内容としては前半部分で天の香具山に桜は木の下が暗くなるほど満開に咲き、埴安の池には鴨が妻を呼び鳴いているなど、その美しさが讃えられています。しかし、後半部分を読むとそこには宮殿から退出して池に遊ぶはずの大宮人の姿はなく、船には梶も棹も無しに荒れていることだと、その荒廃ぶりを悲しんでいます。このことから、この歌が詠まれたのはおそらくは都が奈良に遷ってからのもので、祭祀の氏族である鴨君足人が荒んでしまった藤原京の土地の神を憐れみ慰めた鎮魂歌なのでしょう。
※鴨君足人(かもの-たるひと、生没年不詳)
奈良時代の歌人です。長歌1首と短歌2首が「万葉集」巻3におさめられている。名は「たりひと」ともよみます。
巻3-0260: 天降りつく神の香具山うち靡く春さり来れば.......(長歌)
標題:鴨君足人香具山謌一首并短謌/或本謌云
標訓:鴨君(かものきみ)足人(たりひと)の香具山の謌一首并せて短謌/
或る本の謌に云はく
原文:天降就 神乃香山 打靡 春去来者 櫻花 木暗茂 松風丹 池浪飆 邊都遍者 阿遅村動 奥邊者 鴨妻喚 百式乃 大宮人乃 去出 榜来舟者 竿梶母 無而佐夫之毛 榜与雖思
万葉集 巻3-0260
作者:鴨足人(かものたるひと)
よみ:天降(あも)りつく、神の香具山(かぐやま)、うち靡(なび)く、春さり来れば、桜花(さくらばな)、木(こ)の暗茂(くれしげ)に、松風に、池波立ち、辺(へ)つ辺(へ)には、あぢ群(むら)騒き、沖辺(おきへ)には、鴨妻(かもつま)呼ばひ、ももしきの、大宮人(おほみやひと)の、退(まか)り出て、漕(こ)ぎける船は、棹楫(さをかぢ)も、なくて寂(さぶ)しも、漕(こ)がむと思へど
意訳:天から降ってきたとされている神の香具山(かぐやま)、春がやってくると桜花(さくらばな)が木陰を暗くするほどに咲き、松風に池は波を立て、岸辺にはあぢ群(むら)が騒いで、沖では鴨(かも)が妻を呼び、大宮人(おほみやびと)が出てきて漕いだ舟は、棹(さお)も舵(かじ)もなくて寂しいことです。漕ごうと思っても。
左注:右今案、遷都寧樂之後怜舊作此歌歟
注訓:右は今案(かむが)ふるに、都を寧樂(なら)に遷(うつ)しし後に舊(ふる)きを怜(あはれ)びて此の歌を作れるか。
巻3-0279: 我妹子に猪名野は見せつ名次山角の松原いつか示さむ
◎「猪名野(ゐなの)」は兵庫県伊丹市一帯の猪名川を中心とする地帯。
「名次山(なつぎやま)」は兵庫県西宮市名次町の丘陵。
「角の松原」は武庫川の河口一帯に広がる松原。
巻3-0295:住吉の岸の松原遠つ神我が大君の幸しところ
※角兄麻呂( つぬのえまろ、生没年不詳)
飛鳥(あすか)-奈良時代の官吏です。僧侶で恵耀と称し、大宝(たいほう)元年(701)還俗(げんぞく)しました。神亀(じんき)元年羽林連(はねばやしのむらじ)の氏姓をあたえられ丹後守(かみ)に任じられますが、同年流罪となります。「万葉集」巻3に4首の歌がのる角麻呂と同一人か。觮(ろくの)兄麻呂ともいいます。
ウェブニュースより
青学大が2年ぶり5度目の箱根往路優勝…2位に帝京大、3分28秒差の3位に駒大 ―― 第98回箱根駅伝は2日、東京・大手町の読売新聞社前から神奈川県箱根町の芦ノ湖駐車場入り口までの5区間107.5キロで往路が行われ、青学大が5時間22分6秒で2年ぶり5度目の往路優勝を果たした。
1区を5位でスタートした青学大は、2区の近藤幸太郎(3年)が2位に順位を上げると、3区の1年生・太田蒼生が区間2位の快走を見せてトップに。4区、5区でも危なげなく首位を守り続けた。
2位は帝京大で2分37秒差、3位は総合連覇を狙う駒大で3分28秒差だった。
4位は国学院大、順大、中大と続いた。出雲駅伝優勝の東京国際大は7位、昨年の大会で往路を制した創価大は8位だった。9位東洋大、10位東海大、11位早大。 (読売新聞オンライン 2022/01/02 13:36)
沖縄知事「激しい怒り」米軍を非難 オミクロン市中感染 日米地位協定の改定訴える ―― 新型コロナウイルスの感染が在沖米軍内で急速に拡大していることを受け、沖縄県の玉城デニー知事は2日、県庁で記者会見し「米軍の陽性者が再び急増したことは感染防止対策と管理体制の不十分さを示すものと言わざるを得ず、激しい怒りを覚える」と述べ、米軍の感染症対策に対して強い憤りを表明した。その上で、米軍に地位的な特権を与えている「日米地位協定」の改定を改めて日米両政府に訴えた。
在沖米軍は、昨年12月初旬に米本国から移動してきた部隊から感染が広がり、同31日に98人、1月1日に235人、同2日に70人の陽性者が確認されている。一方、沖縄県は、米側から人数についての情報提供を受けているものの、どの基地で何人の陽性者が確認されているのかなど、詳細な情報提供を受けていない。こうした状況に対して、玉城知事は「軍に地位的な特権を与え、十分な感染予防対策に関する情報の提供も、共有も、ままならないなどの状況をつくり出している。日米地位協定がもたらす構造的な問題だ」と指摘した。
玉城知事は新変異株「オミクロン株」が米軍から基地外の市中に広がっているとの認識を示し、「米国の状況を日本に持ち込むな。そして沖縄に持ち込むな」と強調。全国知事会や渉外知事会などを通して、政府へ対策を働き掛けていく考えを示した。オミクロン株は県内で2日までに65人の陽性者、90人の疑い事例が確認されている。 (琉球新報 2022年1月2日 17:43)
松(まつ)を詠める歌2
巻2‐0113:み吉野の玉松が枝ははしきかも君が御言を持ちて通はく
◎この時、額田王はすでに六十歳を過ぎていて当時としてはかなりの高齢だったようです。松の枝に込められた「この苔の生えた松のように貴女も長生きをしてくださいね」との弓削皇子の心の言葉を、この美しい松の枝が運んできてくれました、といった感じのお礼の意味の歌ですが、かつての天武天皇の妻でもあった額田王に対する弓削皇子の深いいたわりの心が伝わってくるようですね。
巻2‐0141:磐白の浜松が枝を引き結びま幸くあらばまた帰り見む
◎有間皇子(ありまのみこ)は孝徳天皇の皇子です。父の孝徳天皇は中大兄皇子と不仲になり、遷都した難波宮で失意のうちに亡くなります。その後、斉明天皇と中大兄皇子が紀の湯へ行幸の留守中に、蘇我赤兄(そがのあかえ)が中大兄皇子の失政をあげて有間皇子に謀反をすすめます。仲間を得たと信じた有間皇子は自身の謀反の企みを赤兄に話し、ともに中大兄皇子を倒そうと誓い合いました。ところが数日の謀議が終わった直後、蘇我赤兄が突如、有間皇子を謀反の罪で逮捕してしまいます。じつはこの一件は、蘇我赤兄が中大兄皇子から自分の留守中に有間皇子が謀反を起こすようにしむけよとの命を受けていた謀略だったのだといわれています。
この歌は、そんな謀反の罪で捕えられた有間皇子が、中大兄皇子の尋問を受けるために天皇の行幸先まで移送される際に詠んだものと思われます。この時代、旅ゆくものは旅人の運命を左右する道の神々のご加護にすがるために、道の松の枝などに供え物を結び付けて旅の安全を祈るの風習がありました。
旅路はともかくその先の中大兄皇子の尋問を受けて生き残れるはずはないとのほぼ諦めの気持ちの中で、それでも道の神に祈らずにはいられなかった有間皇子の不安な気持ちが現在に生きる我々にも伝わってくるようですね。
有間皇子はこの後、中大兄皇子の尋問を受けた帰り道に藤白の坂に至っとところで絞殺され、ふたたびこの松の枝の供え物を見たかどうかは定かではありません。
しかしその無念の気持ちがこの場所に宿っていると信じて、後世、長意吉麿や山上憶良などの多くの者がこの地を通るときには有間皇子の魂を慰める歌を詠んで通ることになります。
巻2‐0143:磐代の岸の松が枝結びけむ人は帰りてまた見けむかも
※長意吉麻呂(ながのおきまろ、生没年不詳)
《万葉集》第2期(壬申の乱後~奈良遷都)、藤原京時代の歌人です。姓(かばね)は長忌寸(ながのいみき)で渡来系でしょうか。名は奥麻呂とも記します。柿本人麻呂と同時代に活躍、短歌のみ14首を残します。699年(文武3)のおりと思われる難波行幸に従い、詔にこたえる歌を作り、701年(大宝1)の紀伊国行幸(持統上皇・文武天皇)、翌年の三河国行幸(持統上皇)にも従って作品を残しています。これらを含めて旅の歌6首があります。ほかの8首はすべて宴席などで会衆の要望にこたえた歌で、数種のものを詠み込む歌や滑稽な歌などを即妙に曲芸的に作るのを得意としました。
巻2‐0144:磐代の野中に立てる結び松心も解けずいにしへ思ほゆ
巻2‐0145:鳥翔成あり通ひつつ見らめども人こそ知らね松は知るらむ
巻2‐0146:後見むと君が結べる磐代の小松がうれをまたも見むかも
巻2‐0228:妹が名は千代に流れむ姫島の小松がうれに蘿生すまでに
◎「河辺宮人」は飛鳥の「河辺の宮人」の意味で名前ではないという説があります。
「姫島」は所在は不明ですが、摂津のあたりでしょうか。
※河辺宮人(かわべのみやひと、生没年未詳)
伝不詳。和銅四年(711)、姫島の松原で娘子の屍を見て作ったという歌が万葉集に六首載ります。「河辺宮人」は人名でなく、飛鳥の河辺宮の宮人の意とする説があります(萬葉集全注釋)。また物語上の作者で、架空の人物の匂いが強いとも言います(萬葉集釋注)。
ウェブニュースより
ホンダが初優勝 新春の上州路を快走―全日本実業団駅伝 ―― 新春の上州路をたすきでつなぐ元日恒例の第66回全日本実業団対抗駅伝競走(ニューイヤー駅伝)は1日、前橋市の群馬県庁を発着点とする7区間100キロのコースで37チームが出場して行われ、ホンダが4時間51分4秒で初優勝を果たした。
SUBARU(スバル)が1分5秒差で過去最高の2位に入り、2年ぶりの制覇を狙った旭化成はトップと1分43秒差の3位。前回覇者の富士通は12位だった。
ホンダは3位でたすきを受けた6区の中山顕が区間賞の快走で首位に浮上。アンカーの土方英和がリードを守った。 (JIJI COM 2022年01月01日18時44分)
原子力・天然ガスは「持続可能」 欧州委が方針 ―― 欧州連合(EU)の欧州委員会は、原子力と天然ガスを地球温暖化対策に貢献するエネルギーと位置づける方針だ。両エネルギーを一定の条件をつけた上で持続可能と分類し、関連事業への投資にEUとしてのお墨付きを与える。決定されれば投資家の判断基準となり、世界のマネーの流れに影響を与える可能性がある。
「EUタクソノミー」は、どんな事業が持続可能(サステナブル)かを分類する制度だ。EUが掲げる「2050年までに域内の温暖化ガスの排出を実質ゼロにする」ことを柱とする環境関連の目標に、貢献する経済活動かどうかを示す基準と言える。
この基準に沿った事業には投資家は安心して投資できる一方、EUには民間マネーを呼び込み、排出削減目標の達成を後押しする狙いがある。欧州委は排出削減目標の達成には30年までの毎年、官民合わせて少なくとも3500億ユーロ(約46兆円)の追加投資が必要とはじく。
持続可能と分類されない事業が禁止されるわけではないが、資金集めなどで不利になる可能性が高い。EUは企業や金融機関にタクソノミーの基準を満たす事業や商品の売上高に占める割合などの情報開示を求める構えで、同制度を前提としたルール作りがすでに始まっている。環境配慮をうたっているにもかかわらず、実態は伴っていない「グリーンウオッシュ」を排除する狙いもある。
自動車の二酸化炭素(CO₂)排出など気候変動関連の基準は公表済みで、一部は適用が始まった。だが原子力と天然ガスは関係者の対立から合意に至っていなかった。原子力発電は稼働中にCO2を排出しないが、有害な放射性廃棄物が出る。天然ガスは石炭に比べればクリーンだが、CO₂を出すのには変わりない。
欧州委は1日の発表文で未来へのエネルギー移行を促進する手段として「天然ガスと原子力の役割がある」として、両エネルギーを持続可能と位置づける考えをにじませた。
日本経済新聞が入手した原案によると、原子力は生物多様性や水資源など環境に重大な害を及ぼさないのを条件に、2045年までに建設許可が出された発電所を持続可能と分類する方針を示した。
天然ガスは①1キロワット時あたりのCO₂排出量が270グラム未満②CO₂排出の多い石炭の代替とする③30年までに建設許可を得る――などを条件に持続可能と認める。
原子力依存度の高いフランスやフィンランドに加え、石炭への依存度が高い東欧諸国が原子力やガスをタクソノミーに含めるよう訴えていた。ポーランドは電源構成に占める石炭の割合が約7割を占め、排出減には原子力とガスが欠かせないと主張していた。
欧州委は昨年12月31日から加盟国や専門家との協議を始め、1月中にも欧州委案を公表する考えだ。その後、加盟各国との議論や欧州議会での審議を経て成立する流れだが、曲折がありそうだ。
例えば脱原発を決めたドイツやオーストリアなどが原子力を持続可能と分類することに反対しているほか、欧州議会でも緑の党を中心に根強い反発がある。欧州では環境系の非政府組織(NGO)の発言力も大きい。
EUタクソノミーは域内で事業をする企業などが対象になる。だが影響は日本を含む世界に及ぶ可能性がある。EUの基準を満たさない事業や商品はEUでは価値が下がるのは確実で、EUに売り込みにくくなるばかりか、EUの投資家からの資金を集めにくくなる。 【日本經濟新聞 2022年1月2日 10:18】
明けましておめでとうございます
今年もブログを宜しく
松(まつ)を詠める歌1
マツ科の常緑高木です。代表的なものに、海岸付近に見られるクロマツと山に見られるアカマツがあります。花は4月頃に咲き、松ボックリと呼ばれる実が(翌年の)秋になりますね。
松は昔から、神の憑(よ)り代(しろ)、つまり神様が天から降りてこられる木として考えられてきました。今でも、お正月の門松として残っていますね。
万葉集には萩や梅についで多く登場します。「松」を「待つ」に掛けた歌も数多くありますね。
巻1-0011:我が背子は仮廬作らす草なくは小松が下の草を刈らさね
※中皇命(なかつすめらみこと、生没年不詳)
飛鳥時代の歌人です。「万葉集」に長歌1首と短歌4首がおさめられています。中皇命は皇女の身分をあらわす呼称とも、「中立ち」を意味するともいわれ、斉明(さいめい)天皇(594-661)説と間人皇女(はしひとのひめみこ)(?-665)説とが有力です。
巻1-0034:白波の浜松が枝の手向けぐさ幾代までにか年の経ぬらむ
◎「白波の浜松が枝」とありますが、これは有間皇子(有馬皇子)が謀反の疑いで捕えられ紀伊国に移送されるときに松の枝を結んで旅の無事を祈った磐代の浜松と同じ場所でしょう。川島皇子たちが通ったときにも旅の者たちが無事を祈った手向けの幣などが結ばれていたのでしょうが、おそらくはそれを見て有間皇子事件を思い出し皇子の魂を慰める鎮魂歌としてこの歌を詠んだものと思われます。有間皇子の無念の魂を鎮める呪文としての鎮魂歌であるので別段、実作者は誰でもよく、魂を鎮めるためにその場の皆が口ずさんで唱えることが出来ればよかったわけですね。このように、有間皇子の無念の想いは、後の世の人々の心に深く刻まれてこの地を訪れたときにはその無念の魂を慰める歌を詠んで通ったようです。
※川島皇子(かわしまのおうじ、657‐691〈斉明3‐持統5〉)
天智天皇の第2皇子です。母は忍海小竜(おしぬみのおたつ)の女で宮人の色夫古娘(しこぶこのいらつめ)です。681年(天武10)《帝紀及び上古諸事》の編纂に参与し,685年浄大参を授けられました。はじめ天武天皇の子大津皇子と親しかったのですが、686年(朱鳥1)大津が謀反を計画していると密告し、持統天皇らから忠誠をたたえられましたが、友人は情誼のうすいことを非難したといいます。《懐風藻》にその伝と詩1首が収められています。
巻1-0063:いざ子ども早く日本へ大伴の御津の浜松待ち恋ひぬらむ
◎「御津」は難波の港のことで、遣唐使船はここから出向しました。「大伴」とあるのは、御津の港のある地域一帯が大伴氏の領地であったことから。
億良が遣唐使として唐に渡ったのは粟田真人が派遣された702年の時のことで、三野連岡麿(みののむらじおかまろ)も一緒でした。
この時代の唐は遠く中央アジア、ベトナムまでその勢力を広げ、唐の都「長安」はインドや東ヨーロッパの文化が集まる最先端の国際都市のひとつでした。
遣唐使はそんな唐の最先端の技術や文化を学ぶために送られた使節団(形式は日本から絹や水晶などを献上する朝貢)で、この時の遣唐使は二年間を唐で過ごし多くの技術や文化を学んで帰国します。
この歌ではそんな二年の唐での暮らしを経て懐かしき故郷に帰国できることになった喜びが素直な形で表現されていますね。
同時に、「御津の浜松」も待ってくれているだろうと、御津の土地の精霊の加護のあるだろうことも詠い帰国の航海の不安を打ち消す内容にもなっているように思います。そんなご加護もあってか、無事に日本に帰国した一行。
山上憶良はもともとはそれほど高い身分の出ではなかったようですが、帰国後は唐で学んだ知識を活かして官人として活躍し最後は筑前の守などの国主の地位まで出世しました。
巻1-0065:霰打つ安良礼松原住吉の弟日娘女と見れど飽かぬかも
◎「あられ松原」は現在の大阪府住吉区安立町との説が有力です。
おそらくは文武天皇が難波宮に行幸された時に従駕したときのものなのでしょう。「弟日娘(おとひをとめ)」は住吉にいた遊女でしょうか。この時代の遊女は地方を訪れた官人などをもてなすために歌などの教養にも優れた女性が多かったようです。そんな弟日娘とともに見る「あられの降るあられ松原はいつまで見ていても飽きないものだなあ」との、この歌も土地の神の呪いを避けご加護を得ようとした土地讃めの一首ですね。(ちなみに「あられ降る」は「あられ松原」という地名を引き出すための修飾の序詞で、実際に目の前にあられが降っているわけではありません。)
このように、万葉集の時代の人々は旅先でその土地や道々の神々が住むとされる場所を通ったときには、必ず幣をささげたり土地賞めの鎮魂歌を詠ったりして神々に祈りを捧げて通りました。
※長皇子(ながのおうじ、?-715年)
飛鳥(あすか)-奈良時代,天武天皇の第4皇子です。母は天智(てんじ)天皇の娘大江皇女です。弓削(ゆげの)皇子の同母兄となります。栗栖(くりす)王、長田(ながた)王、智努(ちぬ)王、大市(おおいち)王、広瀬女王らの父であります。和歌をよくし「万葉集」巻1・2に5首のせられている。和銅8年6月4日死去しました。長親王、那我親王ともいいます。
巻1-0066:大伴の高師の浜の松が根を枕き寝れど家し偲はゆ
◎「大伴(おほとも)の高師(たかし)の浜」は、現在の大阪府泉北郡高石町一帯にあった浜。
巻1-0073:我妹子を早見浜風大和なる我を松椿吹かざるなゆめ
ウェブニュースより
欧州でコロナ猛威、伊・ギリシャ感染者過去最多 仏は連日20万人超 ―― 欧州で新型コロナウイルスの猛威が続いている。多くの国で新規感染者数が過去最多を更新するなど、感染拡大は収まる様子を見せていない。
イタリアでは30日、新型コロナ新規感染者が12万6888人と、これまでの最多を記録。死者は156人だった。
イタリアではパンデミック(世界的大流行)開始後、新型コロナ感染症による死者は累計13万7247人と、欧州では英国いに次いで2番目、世界では9番目に多い。
フランスは、過去24時間に確認された新規感染者が20万6243人と、連日で20万人を超えた。29日は過去最多の20万8099人だった。今月初めには1日当たりの感染者は5万人を下回っていた。
英保健当局のデータによると、新型コロナ感染症による入院者は1万1452人と、前日から約10%(990人)増加した。
ギリシャでは1日当たりの感染者が3万5580人と、3日連続で過去最多を更新。感染者数は週初から3倍以上増加している。
ガガ保健相は「オミクロン変異株の感染は非常に激しいようだ」とし、オミクロン株が新規感染の60%超を占めると述べた。
ギリシャでは30日夜から、レストランやバー、ナイトクラブなどの営業時間が午前0時までに制限される。大晦日の31日は特例で午前2時まで許可されるという。
またトルコでは、30日の新規感染者が3万9681人と、4月28日以来の高水準となった。 (朝日新聞DIGITAL 2021年12月31日05時45分)
ほよを詠める歌
「ほよ」はヤドリギ科の常緑低木のヤドリギのことです。榎(えのき)、栗、桜、欅(けやき)やブナの木などに寄生します。
冬の間にも鮮やかな緑色を示すので、万葉の人々は強い生命力を感じたようです。万葉集には1首だけに登場します。
巻18-4136:あしひきの山の木末のほよ取りてかざしつらくは千年寿くとぞ
ウェブニュースより
米ロ首脳、ウクライナ巡り電話協議 軍事緊張の緩和焦点 50分間で終了 ―― バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は30日、電話協議した。ホワイトハウスによると、50分ほどで終了した。ロシア側からの要請に基づく対話で、軍事的緊張が高まるウクライナ情勢をめぐり首脳間の対話で緊張緩和の糸口を見いだせたかが焦点になる。
バイデン氏とプーチン氏は今月7日にオンライン形式で2時間ほど話し合ったばかりで、月内に2回目となる首脳協議は異例だ。2022年1月10日には米ロ高官がジュネーブで会談する予定だ。
米国はロシアが隣国ウクライナとの国境付近に軍を集結し、14年に続き再び侵攻すると警戒を強めている。ロシアは17日に北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大停止や東欧からの事実上の軍撤収などを求める案を提示したが、米国が受け入れを拒む考えをにじませる。
バイデン氏はプーチン氏に改めて外交的な進展をめざすべきだとの考えを示すとともに、ウクライナに侵攻すれば経済制裁を含めた対抗策を準備していると伝える見通しだ。これまでも米政府は再侵攻すれば経済・金融面でロシアに打撃を与える「強力な措置で対抗する」(バイデン氏)構えを示してきた。 【日本經濟新聞 2021年12月31日 6:42】
<新型コロナ>フランスの新規感染者20万人超え「1秒間に2人感染している」 31日からマスク着用義務化 ―― フランスの29日の新型コロナウイルス新規感染者が20万8000人となり、初めて20万人を超えた。10万人を超えてから4日で倍増したことになり、爆発的な感染拡大が続いている。
ベラン保健相は同日の国会審議で「私たちは、いまだ消えていないデルタ株と新たなオミクロン株という2つの敵と直面している」と指摘。「1秒間に2人が感染している計算だ」として警戒を呼びかけた。
パリ警視庁は同日、パリ市内の屋外でのマスク着用を31日から義務化することを発表した。
欧州での感染拡大は激化している。AFP通信によると、29日の新規感染者が過去最多2万3000人を超えたデンマークは、約580万人の人口に対する新規感染者の比率が世界でも最も高くなった。ギリシャでは新年を祝う人出を防ぐために、飲食店内での音楽演奏が禁止された。 (東京新聞 2021年12月30日 18時20分)
大阪ビル放火 61歳容疑者が死亡 真相究明は極めて困難に ―― 大阪市北区の雑居ビルに入るクリニックで院長の西沢弘太郎さん(49)らが死亡した放火殺人事件で、意識不明の重体だった谷本盛雄容疑者(61)=職業不詳=が30日夜、大阪市内の病院で死亡した。大阪府警が発表した。煙を吸い込んだことに伴う重度の一酸化炭素(CO)中毒が死因とみられる。容疑者への取り調べが不可能になったことで、事件の真相究明は極めて困難になる。事件の死者は計26人になった。
大阪府警は今後、客観的な証拠の収集で動機などの解明を目指すとともに、谷本容疑者を現住建造物等放火と殺人の疑いで書類送検する方針。
府警によると、クリニックの患者だった谷本容疑者は事件後、院内で心肺停止状態で見つかった。谷本容疑者は救急搬送された大阪市内の医療機関の集中治療で蘇生したが、CO中毒の影響で脳に重大な障害を負い、意識不明の状態になった。顔などの重度のやけど治療も続いていたが、30日午後7時5分に入院先で死亡が確認された。31日に遺体を司法解剖して詳しい死因を調べる。
谷本容疑者は17日午前10時20分ごろ、雑居ビル4階の「西梅田こころとからだのクリニック」の出入り口付近で、ガソリンにライターで火を付けて放火。西沢さんら25人を殺害した疑いが持たれている。
谷本容疑者は放火後、患者らが避難できないよう院内の奥に追い込み、出入り口に比較的近い場所で倒れたとされる。このため救急隊に最も早く搬送されたとみられている。
事件では、4階から運ばれた被害者26人は全て院内奥の診察室周辺で心肺停止状態で見つかり、うち25人がCO中毒で死亡したとされる。残る30代くらいの女性1人は今も重篤な状態が続いている。
府警は19日未明、院内の防犯カメラ映像などから谷本容疑者が関与した疑いが固まったと判断。健康であれば逮捕が可能として、逮捕状請求前の異例の氏名公表に踏み切った。自宅とされる大阪市西淀川区の民家からは「大量殺人」と手書きされたメモや、36人が死亡した「京都アニメーション」放火殺人事件関連の新聞紙面も押収された。
この民家には事件の約1カ月前から滞在していたとされ、谷本容疑者は11月下旬、付近で約10リットルのガソリンを購入。事件当日は民家から自転車で出発し、ガソリン入りの紙袋を積んでクリニックに向かったとされることも判明している。事件の綿密な計画性や強烈な殺意をうかがわせる物証などはそろいつつあるが、動機は今も浮かんでいない。 【毎日新聞 2021/12/30 19:50(最終更新 12/30 22:43)】
ひかげのかづらを詠んだ歌
「日陰(ひかげ)の蔓(かづら)」はヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属の多年生のつる性の常緑草です。古代から神事の際に襷(たすき)にしたり、髪飾りにしたりして用いられてきました。
万葉集には、山縵(やまかづら)、玉縵(たまかづら)、単に「かづら」などと6首に詠まれています。歌にみられるように、ひかげのかづらは蔓(つる)のように伸びるので、飾りとして頭に巻いたりしたようです。
巻13⁻3229:斎串立てみわ据ゑ奉る祝部がうずの玉かげ見ればともしも
◎古代の祭祀具に、斎串(いぐし)と呼ばれる道具があります。名前のとおり串状の形をしたもので、平らな板や細い棒を加工して作られています。祭祀で使用される「神聖な木」のひとつとして使われていたと考えられています。
斎串は、様々な形や加工を施したものがあります。平らな板を加工して作られたものでは、両端を斜めに切り落としたもの(①:長さ14.3㎝)や、両端を尖らせたものがあります。両端を尖らせたものでは、側面上部などに切り込みを1回から複数回入れたもの(②:長さ12.3㎝)や、側面を三角形に小さく連続して切り欠いたもの(③:長さ30.2㎝以上)があります。また、先端を尖らせた棒状のもの(④:長さ16.4㎝以上)があり、これにも側面や上端に切り込みの加工が施されています。
◎祝部(はふりべ)
古代の下級神職。「はふり」は罪穢(けがれ)を放(はふ)る意です。令(りょう)制では国司が神戸(かんべ)のなかから簡定してあたらせ、適材がないか、または神戸がない場合は公戸(こうこ)から採用し、太政官(だいじょうかん)に申告する規定でした(職員令、神祇(じんぎ)官条)。なお簡定には神祇官が遣使して卜定(ぼくてい)する場合もありました(集解(しゅうげ)、古記)。祝部は大社には神主(かんぬし)・禰宜(ねぎ)の下に多くいましたが、神戸を有しない小社には、公戸から臨時に簡定された祝部が1人だけで司祭する場合もありました。
巻14-3573:あしひきの山かづらかげましばにも得がたきかげを置きや枯らさむ
巻16-3789:あしひきの山縵の子今日行くと我れに告げせば帰り来ましを
標題:或曰 有三男 同娉一女也 娘子嘆息曰 一女之身易滅如露 三雄之志難平如石 遂乃彷徨池上沈没水底 於時其壮士等不勝哀頽之至 各陳所心作謌三首 (娘子字曰縵兒也)
標訓:或は曰はく「三(みたり)の男(をのこ)有りき、同(とも)に一(ひとり)の女(をみな)を娉(よば)ふ。 娘子(をとめ)嘆息(なげ)きて曰はく『 一の女の身は滅(めつ)し易く露の如く、三(みたり)の雄(をのこ)の志(こころ)は平(にき)び難く石(いはほ)の如く』といふ。 遂に池の上(ほとり)に彷徨(たもとほ)り、水底(みなそこ)に沈没(しづ)みき。時に其の壮士(をのこ)等、哀頽(かなしび)の至(きはみ)に勝(あ)へずして、各(おのおの)所心(おもひ)を陳(の)べて作れる謌三首 (娘子、字(な)を「縵兒(かづらこ)」と曰ふ)
標訳:或は云うには「三人の男がいた、おのおのに一人の女に求婚した。 娘子が嘆息をつきながら云うには『 一人の女の命は儚く露のようです、三人の雄者の想いを調停し難く、まるで岩のようです』といった。 そこで池の辺を彷徨い、水底に身を投げた。その時に其の壮士たちが、悲嘆の想いに勝てなくて、おのおのの想いを陳べて作った謌三首 (娘子、名を「縵兒」と云った)
おのおのの想いを陳べて作った歌とは
3788:耳成の池し恨めし我妹子が来つつ潜かば水は涸れなむ
(耳成山の池が恨めしい。あの娘が水に沈んだら、枯れてくれれば良かったのに。〈そうしたら、あの娘は死ななくてすんだのに〉)
3789:あしひきの山縵の子今日行くと我れに告げせば帰り来ましを
(山縵〈やまかづら〉の子が、きょう逝(い)ってしまうと私に告げてくれたのなら、帰ってきたのに。)
3790: あしひきの玉縵の子今日のごといづれの隈を見つつ来にけむ
次の歌で説明します。
巻16-3790:あしひきの玉縵の子今日のごといづれの隈を見つつ来にけむ
巻18-4120:見まく欲り思ひしなへにかづらかけかぐはし君を相見つるかも
巻19-4278:あしひきの山下ひかげかづらける上にやさらに梅をしのはむ
ウェブニュースより
国内新たに501人感染 空港検疫100人超―新型コロナ ―― 国内では29日、新たに501人の新型コロナウイルス感染が確認された。1日当たりの感染者が500人を上回ったのは10月16日以来。空港検疫で過去最多となる103人の陽性が判明した。全国の重症者は前日比3人増の49人、死者は4人確認された。
東京都では新たに76人の感染が判明。都内の新規感染者が50人を超えたのは10月16日以来で、前週の水曜日から36人増えた。死者は確認されなかった。
都によると、新規感染者の直近1週間平均は44.9人で、前週比157%。都基準による重症者は前日から1人減り、1人となった。
厚生労働省は29日、17~25日に日本へ到着した113人のオミクロン株感染が空港検疫で新たに確認されたと発表した。 (JIJI.COM 2021年12月29日21時30分)
日本海側中心に30日から元日にかけて大雪に 気象庁が警戒呼びかけ ―― 上空に強い寒気が流れ込み、強い冬型の気圧配置になる影響で、30日から1月1日ごろにかけて、北日本から西日本の日本海側を中心に大雪や荒れた天気になる、と気象庁が29日発表した。積雪や路面凍結による交通障害、落雪、強風、高波などに警戒するよう呼びかけている。
気象庁によると、30日午後6時までの24時間の降雪量は多い所で、東海地方が40センチ、北陸地方が30センチ、関東甲信地方が25センチ。31日午後6時までの24時間では多い所で、北陸地方が70~100センチ、関東甲信地方が60~80センチ、東北地方が50~70センチ、東海、近畿、中国地方が40~60センチと予想されている。太平洋側も山地を中心に大雪となり、平地でも積もる所があるという。
大みそかの31日午後6時からの24時間の降雪量は多い所で、関東甲信地方が50~70センチ、東北、北陸地方が40~60センチ、近畿が20~40センチとなる見込み。 (朝日新聞DIGITAL 2021年12月29日 18時05分)
安倍元首相の捜査終結 桜を見る会、再び不起訴 検察と市民感覚に温度差 ―― 安倍晋三元首相側が主催した「桜を見る会」前夜祭を巡り、検察審査会の議決を受け再捜査してきた東京地検特捜部は28日、公職選挙法違反などの容疑について安倍氏を再び不起訴とした。「桜」を巡る安倍氏への捜査は終結した。「政治とカネ」の問題では検察捜査と、市民で構成する検察審との温度差が目立つ。専門家は「検察は不起訴の理由を丁寧に説明すべきだ」と話す。
焦点になったのは2018、19年の前夜祭での安倍氏側の支出が、有権者への「違法な寄付」にあたるかどうかだった。特捜部は最初の捜査の結果、20年12月に安倍氏をいったん不起訴としたが、告発者が検察審に審査を申し立て、東京第1検察審査会が今年7月に「不起訴不当」と議決。特捜部が再捜査していた。
特捜部は再捜査で、18年の前夜祭は時効が成立したと判断。19年の前夜祭では(1)参加者が寄付を受けた認識がない(2)安倍氏が有権者らに寄付をしたと認識していた証拠がない――などの理由から、改めて不起訴(嫌疑不十分)と結論づけた。
安倍氏は28日、「厳正な捜査の結果、不起訴と決定されたものと受けとめています」とのコメントを出した。
司法分野でも市民感覚を生かすため、裁判員制度の導入と同時に検察審に「強制起訴」権限が新設されたのは09年だ。市民で構成する検察審が2回「起訴すべきだ」と判断すれば強制起訴でき、これまで少なくとも10件の強制起訴が行われた。強制起訴に至らなくても、「不起訴不当」として再捜査を求めることもできる。今回のように「政治とカネ」を巡り、検察側の不起訴に検察審が異を唱える例が目立つ。
もっとも、政治家が刑事責任を負う結果につながることは少ない。小沢一郎元民主党代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件では、検察審が「取り調べは不十分」と強制起訴を議決したが、裁判の結果、小沢氏は無罪が確定した。甘利明衆院議員の元秘書2人をあっせん利得処罰法違反容疑で不起訴不当とした事案でも、特捜部は不起訴とした。
背景にあるのが、有罪立証に高いハードルを課される検察と、疑惑の真相解明を求める「市民代表」としての検察審の立場の違いだ。
安倍氏の事案でも、検察審は「総理大臣であった者が、秘書がやったことだと言って関知しない姿勢は国民感情として納得できない」として不起訴不当を選んだ。一方、検察内部からは「政治生命を絶つ起訴を道義的責任や国民感情では判断できない」(幹部)との声があがった。
温度差の背景には検察側の説明不足もある。刑事訴訟法は「訴訟に関する書類は公判の前に公にしてはならない」と規定する。不起訴の場合は公判が開かれないため、検察は理由の開示に対してより消極的だ。
ただ同法は「不起訴処分は告発人の請求があれば理由を告げなければならない」とも定める。関西学院大の川崎英明名誉教授(刑事訴訟法)は、現状では国会の自浄作用が期待しづらいとして「政治とカネを巡る疑惑の捜査結果は、刑訴法や検察審制度の趣旨からも、理由や判断の経緯を国民により丁寧に説明すべきだ」と訴えている。 【日本經濟新聞 2021年12月29日 2:00】
橘(たちばな)を詠める歌19
巻20-4341:橘の美袁利の里に父を置きて道の長道は行きかてのかも
※丈部足麿(はせつかべの-たりまろ、生没年不詳)
奈良時代の防人(さきもり)。駿河(するが)(静岡県)の人です。天平勝宝7年(755)筑紫におもむく途中よんだ歌1首が「万葉集」巻20におさめられています。
巻20-4371:橘の下吹く風のかぐはしき筑波の山を恋ひずあらめかも
※占部広方(うらべの-ひろかた、生没年不詳)
奈良時代の防人です。天平勝宝7年(755)常陸(ひたち)(茨城県)から筑紫に派遣されました。そのときの歌が「万葉集」巻20におさめられています。
ウェブニュースより
新型コロナの新規感染、世界で最高に 死者数は横ばい ―― 世界で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。米ジョンズ・ホプキンス大学によると、27日の新規感染者数は7日間の移動平均で1カ月前に比べて5割増の約84万人となり、過去最高となった。一方、死者数は横ばいで、新型コロナワクチンの接種といった対策をとれば重症化する割合が低い傾向も鮮明となった。
27日だけでみると、世界の新規感染者数は1カ月前の3倍強の約144万9000人と急増した。新型コロナウイルスが変異した「オミクロン型」の感染が増えているためだ。同型は従来の「デルタ型」などに比べウイルスの増殖の速さが70倍以上との香港大学の研究もある。
一方、世界の新規死者数の7日間の移動平均は約6400人で、1カ月前に比べて約8%減った。「オミクロン型」は、肺では比較的ウイルスが増えにくいとする香港大学の研究もあるほか、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究によると「デルタ型」に比べて入院リスクが40~45%低いといった特性がある。新型コロナワクチンの3回目の接種(ブースター)が有効とされ、欧米などではブースター接種も始まった。
新規感染が特に拡大しているのは欧米で、米国での1日あたりの新規感染者数は約51万3000人で最多となった。
米疾病対策センター(CDC)は28日、12月19~25日の米国の新規感染者に占めるオミクロン型の割合は58.6%、デルタ型は41.1%との推計を公表した。米国でオミクロン型が確認されたのは12月1日で、1カ月足らずで急速に広がった。バイデン大統領は27日、対策チームや州知事らと協議し、新型コロナの検査体制を強化する方針を示した。
欧州でも感染が拡大しており、英国では連日10万人以上の感染者を記録している。ジョンソン政権はクリスマス関連のイベントを禁止しなかったが、英BBCによると、規制強化を検討している。ギリシャでは28日、過去最多となる2万1000人の新規感染者を確認し、前日から倍増した。
重症化のリスクが低いとはいえ、感染が拡大すれば病床の逼迫や医療現場などの人手不足につながるため、各国は感染予防対策を強化している。
英オックスフォード大学の研究者らが運営するデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」によると、米国の新型コロナの入院患者は7日間の移動平均で1カ月前に比べ4割増えて約6万7000人となった。
まだ21年1月のピークの半分の水準だが、オハイオ州のデワイン州知事は27日、新規感染者数よりも入院患者数に注目していると語った。同州では5000人以上が入院していると報じられており、上昇傾向だ。うち9割超がワクチンを未接種だったという。
米国の大学は22年1月からの春学期の開始日を延期する動きも相次いでいる。ニューヨーク州のシラキュース大学は1週間ずらして1月24日とした。首都ワシントンのハワード大学やヒューストンのライス大学も延期を決めたほか、ニューヨーク大学は1月の授業を対面からオンラインに切り替えた。
欧州ではフランスのカステックス首相は28日、集中治療にあたる看護師に対して1月から月100ユーロの手当を支給すると表明。新規感染者数が過去最悪の水準で、医療スタッフの不足が懸念されている。
これに先立ち27日からは屋内の集会の人数を2000人、屋外では5000人までに限るなどの対策も打ち出した。カステックス氏はコロナ関連の規制について「終わりのない映画のようにみえるとは思う」と述べ、ワクチンの接種を促した。
フィンランドは28日から、域内の移動の自由を保障する「シェンゲン協定」加盟国からの入国者に対して、国境での審査を復活させた。1月16日まで継続する。外国人の入国にはワクチン接種証明に加え、PCR検査などの陰性証明書も求める。
医療や交通機関などで人手不足が深刻になっているため、感染後の隔離期間を短縮する動きも浮上している。ギリシャでは無症状の人の隔離期間を10日から5日間に短縮する方向で検討中している。米国のCDCも27日、隔離の推奨期間を5日に短縮した。新型コロナワクチンの普及や比較的症状が軽いとされるオミクロン型の特性を考慮し、経済を正常に回すための現実的な方策を探っている。 【日本經濟新聞 2021年12月29日 4:21 (2021年12月29日 7:21更新)】
遠山清彦元衆院議員ら4人を在宅起訴 無登録で融資仲介 ―― 日本政策金融公庫の融資を巡り、貸金業登録のない業者が行った仲介に公明党の元衆院議員秘書らが関与したとされる事件で、東京地検特捜部は28日、遠山清彦元衆院議員(52)ら4人を貸金業法違反(無登録営業)の罪で在宅起訴した。
遠山元議員は2019~20年、公庫を所管する財務副大臣を務めていた。特捜部は認否を明らかにしていないが、関係者によると、任意の事情聴取で事実関係を認めた。特捜部は証拠隠滅や逃亡の恐れはなく、逮捕の必要性はないと判断した。
ほかに在宅起訴されたのは別の元公明党衆院議員の秘書だった渋谷朗元秘書(61)と、環境関連会社の牧厚元顧問(74)と川島裕元顧問(78)。
起訴状によると、遠山被告は20年3月~21年6月、計111回にわたり、貸金業登録を受けずに、企業からの融資希望を日本政策金融公庫に伝え、企業側に公庫の担当者らを紹介するなどして融資を仲介したとされる。うち29回分は牧被告と共謀した。渋谷被告と川島被告は19年6月~21年4月、計87回にわたり、融資を仲介したとされる。
新型コロナウイルス関連の融資を巡る違法な仲介は、遠山元議員と渋谷元秘書の2ルートで実行された。関係者によると、遠山元議員は融資先企業などから総額1000万円超の謝礼を受け取り、渋谷元秘書も同様に謝礼を受け取っていたとみられる。
遠山元議員は28日、「厳粛に受け止め、猛省するとともに、公職の身にあった者として心よりお詫び申し上げる」とコメントした。
特捜部は遠山元議員の元秘書2人についてもほう助の疑いで調べたが、従属的な立場だったなどとして不起訴(起訴猶予)とした。
特捜部は8月に貸金業法違反容疑で関係先を家宅捜索。遠山元議員の元秘書らが勤務していた東京・永田町の衆院第1議員会館内にある議員事務所のほか、元議員が代表を務めていた東京都千代田区のコンサルタント会社、福岡市内の元議員の自宅なども捜索した。
遠山元議員は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言期間中の深夜、東京・銀座のクラブを訪れていたことが今年1月に発覚し、翌2月に議員辞職した。 【日本經濟新聞 2021年12月28日 10:20 (2021年12月28日 12:49更新)】
橘(たちばな)を詠める歌18
巻19-4207:ここにしてそがひに見ゆる我が背子が.......(長歌)
標題:廿二日贈判官久米朝臣廣縄霍公鳥怨恨謌一首并短謌
標訓:廿二日に、判官久米朝臣廣縄に贈れる霍公鳥(ほととぎす)を怨恨(うらみ)たる謌一首并せて短謌
原文:此間尓之氏 曽我比尓所見 和我勢故我 垣都能谿尓 安氣左礼婆 榛之狭枝尓 暮左礼婆 藤之繁美尓 遥々尓 鳴霍公鳥 吾屋戸能 殖木橘 花尓知流 時乎麻多之美 伎奈加奈久 曽許波不怨 之可礼杼毛 谷可多頭伎氏 家居有 君之聞都々 追氣奈久毛宇之
万葉集 巻19-4207
作者:大伴家持
よみ:ここにして 背向(そがひ)に見ゆる 吾が背子が 垣内(かきつ)の谷に 明(あ)けされば 榛(はり)しさ枝に 夕されば 藤し繁みに 遥遥(ほろほろ)に 鳴く霍公鳥(ほととぎす) 吾が屋戸(やと)の 植木橘 花に散る 時をまだしみ 来鳴かなく そこは恨みず しかれども 谷片付きて 家(いへ)居(を)れる 君し聞きつつ 告げなくも憂(う)し
意訳:ここに居て背後に見える私が尊敬する貴方の屋敷の垣の内にある谷に、夜が明けてくると榛の枝先に、夕べになると藤の茂みに、遥かに鳴くホトトギス、私の屋敷の植木の橘の花散る時期が、まだ、早いと、飛び来て鳴かない。それは恨みはしないが、しかしながら、その谷間に近くに家を構えて住んでいる貴方がホトトギスの鳴き声を聞きながら、私にそれを告げないのが、気に掛ります。
巻19-4266:あしひきの八つ峰の上の栂の木の.......(長歌)
標題:為應詔儲作謌一首并短謌
標訓:詔(みことのり)に応じるために儲(あらか)じめ作れる謌一首并せて短謌
原文:安之比奇能 八峯能宇倍能 都我能木能 伊也継々尓 松根能 絶事奈久 青丹余志 奈良能京師尓 万代尓 國所知等 安美知之 吾大皇乃 神奈我良 於母保之賣志弖 豊宴 見為今日者 毛能乃布能 八十伴雄能 嶋山尓 安可流橘 宇受尓指 紐解放而 千年保伎 伎吉等餘毛之 恵良々々尓 仕奉乎 見之貴者
万葉集 巻19-4266
作者:大伴家持
よみ:あしひきの 八峯(やつを)の上の 樛(つが)の木の いや継々(つぎつぎ)に 松し根の 絶ゆることなく あをによし 奈良の都に 万代(よろづよ)に 国知らさむと やすみしし 吾(わ)が大皇(おほきみ)の 神ながら 思ほしめして 豊(とよ)し宴(ほあかり) 見(め)す今日(けふ)は 物部(もののふ)の 八十(やそ)伴(とも)の男(を)の 島山に 明(あか)る橘 うずに刺し 紐解き放けて 千年(ちとせ)寿(ほ)き 寿(ほ)き響(とよ)もし ゑらゑらに 仕へまつるを 見るが貴さ
意訳:足を引く険しいたくさんの峰の頂に生える樛の木、その言葉のひびきではないが、一層に継ぎ継ぎに、松の根のように絶えることなく、青葉が照り輝く奈良の都は、万代に国を統治されると、平穏に治められる吾等の先の天皇は、神でありながら、民を慰撫されて、立派な宴を披きご覧になる今日は、朝廷に仕えるたくさんの男たちの、庭園にある光り輝く橘を髪飾りに刺し、上着の紐を解きくつろいで、千年を寿ぎ、寿ぎ歌や楽曲を響かせて、皆が笑顔で御奉仕するのを、このように眺めることは貴いことです。
左注:右二首、大伴宿祢家持作之
注訓:右の二首は、大伴宿祢家持の之を作れり
巻19-4276:島山に照れる橘うずに刺し仕へまつるは卿大夫たち
※藤原朝臣八束〈ふじわらのあそみやつか、715(霊亀1)~766(天平神護2)〉
奈良時代の貴族です。藤原房前と美努王の娘牟漏女王の子で、初め八束といい、天平宝字4(760)年ごろ真楯の名を賜りました。右衛士督、式部大輔、治部卿などを務め、参議、以後中務卿、大宰府(太宰府市)の長官、宮中の警護を担当する授刀衛の大将などを歴任します。天平神護2(766)年、兄永手が左大臣になると、大納言に昇任して式部卿を兼ねます。公平で度量広く、十分大臣の重責に耐える人物と評され、聖武天皇から寵遇を受けたといいます。和歌を好み、『万葉集』に作歌が収められています。
ウェブニュースより
安倍元首相“ねっちり反撃”に隠しきれない焦燥感…岸田首相に路線継続強要の悪あがき ―― 世論が真相解明を求める数々の疑惑にはダンマリ。そのくせ、岸田首相に対して異様に多弁なのが安倍元首相だ。安倍離れを加速させる岸田首相にあれこれ注文をつけ、路線継続を強要。見ている方が恥ずかしくなるほど、存在感の誇示に躍起だ。
安倍元首相は今月上旬に出演したBSフジを皮切りに、各局の報道番組をハシゴ。26日放送のBSテレ東番組では、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」をコキ下ろした。弱肉強食の新自由主義から転換し、「成長と分配」を目指す方針について、「根本的な方向はアベノミクスから変えるべきではない。市場もそれを期待している」「社会主義的と捉えられると市場もマイナスに反応する。成長から目を背けると思われないようにしないといけない」などと、持論を展開。安倍政権の7年8カ月は成長と無縁だったのに、よく言うよ、だ。
安倍元首相が大見えを切った「GDP600兆円」という無理筋の目標を実現するため、国の基幹統計である厚労省の「毎月勤労統計」や国交省の「建設工事受注動態統計」の書き換えや二重計上が横行。アベノミクスのマヤカシを「成長」と信じ込んでいるのは安倍元首相だけだ。
北海道新聞(26日付朝刊)のインタビューでは、デタラメな北方領土返還交渉を正当化。4島返還を棚上げして2島に後退させた揚げ句、状況を1ミリも動かせなかったにもかかわらず、「(2島返還の)路線を考え直せば、日ロ関係は100%後退すると思います。日本は信用できない、また元の主張に戻ったのかということになりますよ」と強弁だ。
“安倍封じ”で内閣支持率上昇
憲政史上最長政権を率いた元首相の威厳もヘッタクレもなく、ギャンギャン騒ぎ立てているのは、岸田首相が“安倍封じ”にカジを切ったからだ。
「安倍政治とは異なる方向性を示すと、内閣支持率が上昇する。この傾向は顕著ですから、利用しない手はないでしょう。岸田総理が憲法改正や敵基地攻撃能力の保有に意欲を見せているのは、米国を意識してのこと。安倍元総理とは別次元の話です」(与党関係者)
官邸も自民党も牛耳ろうとした「萩生田官房長官-高市幹事長」という安倍元首相の人事案は蹴られ、森友学園をめぐる公文書改ざん訴訟はマサカの「認諾」で終結。世紀の愚策と揶揄されるアベノマスクも廃棄の運命となった。岸田首相から事前に電話で処分を伝えられた安倍元首相は、「ああ、そう」と言葉少なに応じたという。
イライラと焦燥がにじみ出ている。来年はついにアベノオワリの始まりかもしれない。 【日刊ゲンダイ 公開日:2021/12/27 13:40 更新日:2021/12/27 13:40】
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