今朝のウェブニュースより
修正4党 公約になし 秘密保護法案 国民審判経ず成立へ猛進 ――
自民党は二つの国政選挙の公約に、外交・安全保障政策を協議する日本版「国家安全保障会議(NSC)」の設置は明記したものの、安倍政権がNSCと一体と位置付ける秘密保護法案は盛り込まなかった。/自民党が公約に合わせて発表した総合政策集には「情報保全・公開に関する法整備」と抽象的な表現はあるが、秘密保護法案という言葉はなく、具体的に何をしようとしているのか分からない。そもそも、自民党は総合政策集が公約なのかどうか曖昧にしている。/選挙戦でも、安倍晋三首相をはじめ党幹部が秘密保護法案に言及することはほとんどなく、そのため争点にならなかった。参院選後の秋になって、唐突に法案を提出したことから、選挙を有利に進めようと、世論の反発を招きかねない法案を意図的に隠したとの見方もできる。
法案に賛成する公明党に至っては、秘密保護法案だけでなく、NSCの設置も公約していない。選挙で有権者に説明しなかった法案の成立を急いでいることについて、説得力のある説明はない。/与党と法案の修正で合意したみんなと維新のうち、維新も公約に秘密保護法案を入れていない。/みんなは「政府全体の情報収集能力、情報漏えい防止策を強化」と、秘密保護法案に近い公約を掲げた。ただ、強化策が新しい法律をつくるのか、既存の法律の運用を厳しくするのかすら分からず、秘密保護法案をイメージすることは難しい。/十月十五日に始まった今国会でも安倍首相は開会時の所信表明演説で秘密保護法案に触れなかった。直後の各党代表質問でも「検討を進めている」と述べただけで、今国会での成立どころか、提出さえ明言しなかった。 (2013年12月2日 東京新聞 朝刊)
※日本版NSC〔国家安全保障会議、National Security Council〕とは
日本における設置が検討されている「国家安全保障会議」(NSC)の通称。第一次安倍内閣および第二次安倍内閣において設置に向けた取り組みが推進され、2013年11月27日に参議院本会議で可決、成立した。
日本版NSCの正式名称は「国家安全保障会議」であり、略して「NSC」であるが、報道などでは通称「日本版NSC」と呼ばれている。これは米国のNSCなどが念頭に置かれた表現といえる。
NSCは、国家の安全保障を統括的に管理するための専門機関である、ということができる。国防、安全保障などについて専任スタッフが分析し、為政者に適切に助言を与えると共に、各省庁間の連携を手助けする役割などを担う。
日本の従来の機関としては、1986年に設置された「安全保障会議」が、位置づけ上NSCに近い。安全保障会議は国防に関する方針の決定や、安全保障に関する審議などを行う場として機能するが、議長や議員は非常勤となっており、緊急時に招集される審議会といった性格が強い。
日本版NSCは2006年、第一次安倍内閣において提唱され、検討が開始された。安倍晋三の首相退陣に伴い一旦は廃案となっている。2012年末に第二次安倍内閣が発足し、再度、日本版NSCの検討が開始された。2013年1月には、アルジェリアでイスラム武装勢力による人質殺害事件が発生し、日本人が複数名巻き込まれて殺害された。このとき日本が武力による邦人奪還を行うことができなかったという点も、日本版NSCの再検討の流れに拍車をかけることなったとされる。
日本版NSCの設置にかかる法案は、2013年11月半ばまでに衆議院を通過した。11月27日に開かれた参議院本会議で審議され、与党側の自民党・公明党、および野党側の民主党・日本維新の会・みんなの党などの賛成を得て、法案が成立した。投票数は231、うち賛成213、反対18であった。
ちなみに、2013年11月14日には中国で第18回となる中国共産党中央委員会が開かれたが、ここで中国共産党が「中国版NSC」を設置すると決定した、と報じられている。
日本版NSCが成立に至った第185回国会では、「特定秘密保護法案」の審議も進められている。
sechin@nethome.ne.jp です。
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