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900d4636.jpeg  昨日、西宮のYK氏より、第64回正倉院展の図録が送られてきた。これは毎年、正倉院展が開かれるたびに送っていただいているものだ。文化庁の月報に第64回正倉院展の紹介記事が出ていたので、ここに転載しておく。

 
 奈良国立博物館「第64回正倉院展」 会期:平成24年10月27日(土)~11月12日(月)全17日 ―― 奈良国立博物館学芸部情報サービス室長 吉澤悟
 本年の正倉院展は、数ある正倉院宝物の中から北倉23件、中倉23件、南倉14件、聖語蔵(しょうごぞう)4件の総計64件が出陳されます。例年通り正倉院宝物の全体像が展望される構成となっており、初出陳も9件ございます。/本年の特色を摘記すると、まず特筆されるのは聖武天皇ゆかりの北倉の宝物が多数出陳される事です。分けても、紫檀(したん)の黒い地に螺鈿(らでん)の白さが映える螺鈿紫檀琵琶(らでんしたんのびわ)とこれに附属する紅牙撥鏤撥(こうげばちるのばち)は華麗な天平時代の宮廷生活を想像させるのに充分な美しさと品格を兼ね備えています。また木画紫檀双六局(もくがしたんのすごろくきょく)をはじめ双六の玉や賽子(さいころ)等がまとめて出陳され、音楽とあわせて宮廷での遊びや楽しみの世界が展示室に甦ります。
 次いで注目されるのは平成6年以来18年ぶりの出陳となる瑠璃坏(るりのつき)です。コバルトブルーのうっとりするような輝きやワイングラスを思わせる器形は、シルクロードの果てにある遠い異国を想い起こさせます。碧瑠璃小尺(へきるりのしょうしゃく)・黄瑠璃小尺(きるりのしょうしゃく)のようなガラスを使ったアクセサリーやガラスの原料となった丹(たん)、同じ素材を釉薬(ゆうやく)に用いる磁瓶(じへい)などとともに古代ガラスの世界に浸っていただければ幸いです。
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30f6b14e.jpeg この他、銀平脱八稜形鏡箱 (ぎんへいだつはちりょうがたのかがみばこ)や密陀彩絵箱(みつださいえのはこ)、紫檀小架(したんのしょうか)など華麗な装飾が施された調度品、紫地亀甲仏殿文錦(むらさきじきっこうつぶでんもんのにしき)や赤地鴛鴦唐草文錦大幡脚端飾(あかじおしどりからくさもんにしきのだいばんのきゃくたんかざり)などの華やかな染織品、珍しいところでは古代の書見台(しょけんだい)である紫檀金銀絵書几(したんきんぎんえのしょき)といった宝庫を代表する宝物が出陳されます。
 さらには、先日福岡県太宰府市の国分松本(こくぶまつもと)遺跡で戸籍に関する最古と思われる木簡が出土し話題を集めましたが、伝世されてきた最古の戸籍の一つである大宝2(702)年御野国(みののくに)山方郡(やまがたぐん)三井田里(みいだり)戸籍(こせき)が出陳される事、最近の正倉院事務所の調査研究により新たな事実が明らかとなった神護景雲2(768)年称徳天皇(しょうとくてんのう)勅願経(ちょくがんきょう)、宝亀5~7(774~776)年頃の書写である今更一部一切経(いまこういちぶいっさいきょう)と推定される経巻が出陳される事も話題を呼ぶ事でしょう。
 
瑠璃坏(るりのつき) (ガラスのさかづき)口径8.6cm 高11.2cm 重262.5g
c7f66f85.jpeg 紺色のガラス容器で、坏身の外側に環形の飾りを計22個貼りつけています。材質はアルカリ石灰ガラス、紺色の発色はコバルトによるもので大変あざやかです。銀製の台脚を備えており、その姿は後世のワイングラスを見るようです。これとよく似たガラス容器は、韓国・慶尚北道の松林寺磚(せん)塔(とう)(統一新羅時代)から発見されたものや、中国・西安市郊外の何家村(かかそん)から出土した平底のもの(唐時代)があります。シルクロードの交流を想像させる美しいガラス容器です。
 
螺鈿紫檀琵琶(らでんしたんのびわ)(弦楽器)全長99.6cm 胴幅41.5cm
e55c15ee.jpeg 『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』に記されている、聖武天皇ご遺愛の品の一つです。背面と側面はシタン製で、背面には全面にヤコウガイを用いた螺鈿(らでん)と玳瑁(たいまい)(ウミガメの甲羅をスライスしたもの)をはめこみ、宝相華唐草文(ほうそうげからくさもん)を表しています。背面の中ほど左右には花にのる迦陵頻伽(かりょうびんが)が見え、唐草の蔓の間には鳥や雲も見ることができます。天平の宮廷生活を今に伝える逸品です。   以上 文化庁月報10月号より
 
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cd673f2d.jpeg 硯友会〔福岡県立門司高校同窓会〕から、会誌「硯の海」が送られてきた。総会に出席したわが同期の面々が10人ほど小さな写真に納まっていたので、拡大スキャンしてみた。名前を入れて、パソコン乃至携帯で送信できる友人に送っておいた。
 
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