ウェブニュースより
翔猿が綱とり大関貴景勝に土つける 土俵際でのはたき込みを鮮やかに決め「自信になります」 ―― <大相撲春場所>◇初日◇12日◇エディオンアリーナ大阪
西小結の翔猿(30=追手風)が、綱とり大関の前に立ちはだかった。
「1人大関」として、看板を背負う貴景勝と対戦。立ち合いから押されたが、土俵際でのはたき込みを鮮やかに決めた。「体が動けたんでよかったです」と振り返り、「(大関に勝ったのは)うれしい。自信になります」と言った。
貴景勝には最近2連勝中だった。対戦成績はこれで4勝4敗と五分にした。「(相手の綱とりは)意識せず。一番一番に集中してます」ときっぱり。通常開催で迎えた声援を「力に変えて頑張ります」と意気込んだ。 [日刊スポーツ 2023年3月12日18時48分]
藤井王将見えた年内8冠!羽生九段を4勝2敗で下し最年少20歳7カ月で王将防衛 ―― 第72期ALSOK杯王将戦第6局第2日 ( 2023年3月12日 佐賀県上峰町「大幸園」 )
藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に羽生善治九段(52)が挑む将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第6局は12日、佐賀県上峰町の「大幸園」で第2日が指し継がれ、88手で後手藤井が勝利した。対戦成績を4勝2敗とし、初防衛に成功。史上最多99期を誇る羽生から、従来の記録を3年以上更新する20歳7カ月での最年少王将防衛を達成した。最年少5冠から1年。全ての防衛に成功し、史上初の全8冠独占を目指す戦いが始まる。
終局後の一礼は、羽生が頭を上げても前傾を保った。そしてその後の取材。いつもの当意即妙な姿はなく、羽生とのタイトル戦初対決の印象を問われ、慎重に言葉を選んだ。
「持ち時間8時間で6局指すことができた。羽生先生の強さ、自分の課題を一番感じた」。タイトルを争った渡辺明名人(38)=棋王との2冠=らと比べても最年長の32歳差。常識を疑い、一手ごとの価値を問い直す姿に感銘を受けた。「今までのタイトル戦と比べても充実感があった」。この日も66手目△4五銀上と強く出た瞬間、攻め合われた▲2一角を「本譜のタイミングは気づかなかった。嫌な形にしたと思った」。反撃の起点にしたのは前日の封じ手後、第2日のポイントに挙げた50手目△7四角だった。
64手目△3六銀、70手目△4五同桂。遠見の角のにらみを生かした進撃を午後から開始する。そして76手目△5六角に「角が働く形になって寄せが見えた」。藤井将棋における角桂の重用を「三次元の読み」としたのが師匠の杉本昌隆八段(54)。常人には気づきづらい異次元の攻めが、羽生陣に突き刺さった。
https://www.youtube.com/watch?v=Mk0CsvfPtVs
強者は強者を知るという。5歳から通った将棋教室で羽生による入門書「羽生の頭脳」を熟読した。戦前、「印象深い」として挙げたその対局が08年竜王戦第1局。羽生が渡辺に挑み、先手渡辺の穴熊を右王から攻略した。「堅い陣形の価値が高かった時代。薄くてもバランスを取って“こういう戦い方ができるんだ”と思った」。くしくも今局、羽生が採用した右王を突破した。第1局から先手が勝利し合い、第6局にして初めて後手でのブレークに成功。持ち時間を1時間35分も残す圧勝だった。
第36期、中村修九段(60)による24歳4カ月の最年少王将防衛を20歳7カ月に更新すると同時に、タイトル戦は初出場から敗退なしの12連勝。通算12期獲得は歴代8位で18世名人の資格保持者・森内俊之九段(52)に20歳で並んだ。
王将奪取で始まった専守防衛の一年は、王将防衛で5冠を堅持し、反転攻勢へ移る。19日は2勝1敗で王手の棋王戦第4局、4月からは名人戦。例年秋開催の王座戦で全8冠独占が視界に入る。開幕前、今期の意気込みを記す揮毫(きごう)を「初心」とした。この日その選択を振り返り、「分からない局面が多く、将棋の奥深さを感じた。盤上に没頭して指すことができたかなと思う」。分からないから分かりたい。分からない限り、その前進は続く。 [Sponicho Annex 2023年3月13日 05:10 ]
【WBC】大谷翔平出た!1号「看板直撃弾」に「少し低めの球だったけどしっかり振り抜けた」 ―― <WBC:日本-オーストラリア>◇1次ラウンドB組◇12日◇東京ドーム
ジャパン大谷翔平投手(28=エンゼルス)が自身の大会1号となる「看板直撃弾」を放った。
3番DH」でスタメン出場。1回無死一、二塁の第1打席、オーストラリア先発の左腕シェリフの2球目、真ん中付近に入ったカーブを振り抜き、右中間席上部に設置された、自身の写る「Salesforce(セールスフォース)」の看板を直撃する特大の先制3ラン。「序盤にチャンスが回ってきて、少し低めの球だったのですけどしっかり振り抜けて良かったです」と喜んだ。
オオタニサンが1次ラウンド最終戦となる4戦目でついに、チームもファンも待望の1発を放った。打った瞬間、それと当たる打球にスタンドからは大歓声。ゆったりと歩き出し、悠然とダイヤモンドを周回した。
この日の試合前練習では、フィールドでは「投手調整」に専念。ファンを沸かせる“プレミアムフリー打撃”は行わず、外野でキャッチボールを行っていたが、打席でキッチリ結果を示した。
大谷は大会初戦の9日中国戦で野手として4打数2安打2打点2四球。投げても先発で4回1安打無失点と「リアル二刀流」で勝利投手となり、チームの白星発進に大きく貢献。
10日韓国戦では「3番DH」で先発し、3打数2安打1打点。前日11日チェコ戦では3試合連続となる二塁打を放つなど、3打数1安打1打点。ここ3試合で10打数5安打の打率5割、4打点と期待通りの大活躍を見せていた。 [日刊スポーツ 2023年3月12日19時20分]
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【WBC】「白旗」報道の中国監督「時間通りにバスに乗ってきた」大谷翔平打てずもユーモア回答 ―― <WBC:日本8-1中国>◇1次ラウンドB組◇9日◇東京ドーム
中国代表のディーン・リロイ監督(75)がユーモアを交え、大谷を打てなかった打線を振り返った。
「残念ながら、時間通りにバスに乗ってきた」
そう言ってニヤリと笑った。4回1安打無得点に抑えられた。6日の強化試合後、日本の警戒する選手について問われ「もし可能なら、大谷が球場入りする時にタクシーやバスが遅れることを祈っているよ」とジョークで答えていた。ところが、その発言が戦う前に「白旗」を揚げたという文脈で報じられた。8日の前日会見では「それ(報道)は正しいことではない。どこに白旗がはためいているかと言えば、日本の国旗だけです。試合の前にギブアップしたことはありません」と怒りを露わにしていた。
そうして迎えた一戦。結果的に大谷を打てなかった。大谷対策は何だったのかを問われ「時間通りにバスに乗ってきた」と、ユーモアを交えた回答だった。
実際には早いカウントから積極的に振ることを指示。「選手たちは忠実に守ってくれたが、彼の力がそれを上回った。大谷に向かっていく姿勢はあった。明日につながる」と大谷の力を認めながら、選手たちの奮闘をねぎらった。 [日刊スポーツ 2023年3月10日1時15分]
ウェブニュースより
藤井聡太竜王、初の名人挑戦決めた「後手玉を寄せる形が見えてきた」プレーオフ制し7冠へ前進 ―― 藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が名人戦の初挑戦を決めた。東京・千駄ケ谷「将棋会館」で8日に行われた、将棋の第81期A級順位戦プレーオフで、午後11時45分、125手で後手の広瀬章人八段(36)を下し、渡辺明名人(棋王=38)への挑戦権を獲得した。10人総当たりのリーグ戦は広瀬と並んで7勝2敗で終えたため、5年ぶりに挑戦者決定戦が開催された。
「攻めがつながるか微妙かと思いました。先手3七桂(115手目)と打って、難しいですけど、後手玉を寄せる形が見えてきたと思いました」。大一番で勝利をつかみ、ホッとした表情を見せた。角換わり腰掛け銀から攻め合いになったが、「相手の急所が見えづらい形で、距離感のつかめない局面が多かったです」とした。
https://www.youtube.com/watch?v=_EP4p2nWU1E
20歳8カ月での初挑戦権獲得は、加藤一二三・九段(引退=83)が1960年(昭35)の第19期で記録した20歳3カ月に次ぐ。1クラス下のB級1組からA級に初昇級即挑戦の例は、藤井で10例目。このうち83年(第41期)谷川浩司、94年(第52期)羽生善治、16年(第74期)佐藤天彦が名人を獲得した。藤井が第7局で獲得したとしても20歳11カ月で、谷川の持つ21歳2カ月の最年少名人記録を更新する。「意識することではないんですけど、谷川先生の記録にチャレンジできるのは光栄なことですし、精いっぱい頑張りたいです」と語った。
7番勝負第1局は4月5日、東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で開幕する。 [日刊スポーツ 2023年3月8日23時47分]
ウェブニュースより
【棋王戦】渡辺明棋王が後手番ブレーク1勝2敗「負けになっていてもと思ってやっていた」 ―― 将棋の第48期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第3局が5日、新潟市「新潟グランドホテル」で行われ、後手の渡辺明棋王(名人=38)が、挑戦者の藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)を174手で下し、シリーズ対戦成績を1勝2敗とした。
渡辺は、これまで藤井とのタイトル戦での対戦成績は1勝12敗、10連敗中だったが、後手番ブレークで逆襲の1勝を挙げた。「冬将軍」の異名を持つ渡辺が、棋王11連覇を狙う。第4局は19日、栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」で行われる。
藤井のエース戦法「角換わり」を真っ向から受けて立った。変化球なしの“ガチンコ勝負”。藤井が前例のない局面に誘導すると、渡辺は68手目に1時間23分の大長考。深く読み合った終盤戦、粘り強くプレッシャーをかけ続け渡辺が、相手のミスを誘った。
https://www.youtube.com/watch?v=SSTwSuZFWLE
両者とも持ち時間の4時間を使い切って1分将棋となり、超ハイレベルな攻防戦となった。あわやの局面もあったが、最後は渡辺が鋭く寄せきった。
終局後、渡辺は「ちょっとよくなったところはあったが、その後、寄せ合いでドンドンと差を詰められた。だいぶ追い込まれて、ちょっと負けになっていてもと思ってやってました」と振り返った。
王10連覇中。冬の棋王戦の戦い方を熟知している。豊富な経験がここ一番で、発揮された。第4局へ向け「1つ返すことができたので、次からも目の前の一局の気持ちでやっていきたい」と意気込んだ。 [日刊スポーツ 2023年3月5日20時41分]
ウェブニュース
藤井聡太竜王が稲葉陽八段に圧勝「あれは時効にして」文集に書いた「名人をこす」挑戦権は目の前 ―― 藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が2日、静岡市「浮月楼」で行われた将棋の第81期A級順位戦最終9回戦一斉対局で、午後7時52分、91手で後手の稲葉陽八段(34)に圧勝した。角換わり腰掛け銀から積極的に仕掛け、攻め切った。渡辺明名人(38)への挑戦権を争い、 同じ6勝2敗で並走していた広瀬章人八段(36)も菅井竜也八段(30)を下した。10人総当たりのリーグ戦でお互いに7勝2敗で並んだだめ、挑戦者を決めるプレーオフを8日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行う。どちらが勝っても、名人戦には初挑戦となる。
勝つか負けるかで大きく状況が変わるはずだった。「特に意識せず、いつも通り盤に向かいました」と話した。A級初参加でリーグトップの成績は立派だ。「負けた将棋はチャンスを作れなかったのが反省点。最高の舞台は、1局1局が非常に重いと感じました」。
https://www.youtube.com/watch?v=1GhoItwL8fk
ようやく名人への挑戦が手の届く位置まで来た。最も歴史と重みのあるタイトルと思っている。「名人をこす」。小学校低学年時代に文集で書いた。「あれは、そろそろ時効にしてほしいです」。最後は報道陣を笑わせる余裕すらあった。
◆A級順位戦の最終成績
7勝2敗 藤井聡太竜王、広瀬章人八段
6勝3敗 永瀬拓矢王座、豊島将之九段
5勝4敗 斎藤慎太郎八段、菅井竜也八段
4勝5敗 稲葉陽八段
3勝6敗 佐藤天彦九段
1勝8敗 糸谷哲郎八段、佐藤康光九段 [日刊スポーツ 2023年3月2日22時53分]
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【王将戦】羽生善治九段「正確に読み切れなかった」不利な展開で一時逆転思わせる受けの強さ発揮 ―― 藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)が初防衛を国民栄誉賞棋士・羽生善治九段(52)の挑戦を受ける、将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第5局が26日、島根県大田市「さんべ荘」で再開された。25日午前9時から同所で始まった対局は、26日午後6時11分、101手で先手の藤井が激戦を制した。
これで3勝2敗として、初防衛まであと1勝とした。第6局は3月11、12日、佐賀県上峰町「大幸園」で行われる。
◇ ◇ ◇
羽生は最後の最後まで藤井を苦しめた。小学校低学年時代に将棋を覚えた頃から得意としていた横歩取りに誘導する。今期の挑戦者決定リーグ戦で2勝、本年度は後手番で7勝3敗と、結果も出している戦法だ。
中盤、藤井の激しい踏み込みに自玉は押しつぶされそうだった。「対応を誤ると一気に終わってしまうので、止めづらい将棋かなと思っていました」。26日午後の早い段階での終局すら考えられた。
髪の毛をかきむしったり、額に左手を当てて苦慮する。時折、盤の前でうなる。努めてポーカーフェースを装うはずが、苦しい様子が色に出る。それでも、決め手はなかなか与えない。最善を尽くして受けた。4筋の最下段に金を打ち、自陣に手を入れる。「後手4一金(76手目)では、ほかの手も考えたんですけど、しょうがないと思っていました」。
https://www.youtube.com/watch?v=gNBwqg4vB7Q
経験値を生かして局面を複雑化させ、相手の時間を削る勝負術で、1度は逆転したかにみえた。「後手6九飛(84手目)ではなく、何か違う手を選ぶべきだったかもしれません。後手5一銀打(88手目)で、後手5七銀ですか。それは足りないんじゃないかと思ってしまった。正確に読み切れなかった」。寄せ合いで屈したが、見せ場たっぷりの大善戦。後手番ながらチャンスをうかがう指し回しは、藤井も脅威を感じただろう。
次は先手番。第2局は相掛かり、第4局は角換わり腰掛け銀で快勝した。「しっかり調整して、いい将棋を指せるように頑張ります」。第6局でかど番をしのぎ、最終第7局(3月25、26日、栃木県大田原市「ホテル花月」)に望みをつなぎたい。 [ニッカン日刊 2023年2月26日19時14分]
今戸神社の河津桜が咲いています。
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藤井聡太竜王が2年ぶりV 先手番26連勝で頂点 公式棋戦は3冠 朝日杯オープン戦 ―― 藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が渡辺明名人(棋王=38)と対戦する、第16回朝日杯将棋オープン戦決勝が23日、東京都千代田区「有楽町朝日ホール」で行われた。対局は藤井が勝ち、2年ぶり4回目の優勝を果たした。
4年前の決勝と同じ顔合わせで、先手の藤井が攻めきった。午前中に行われた準決勝は豊島将之九段(32)に負け寸前まで追い込まれながら大逆転勝ち。先月、名古屋市で行われた本戦1回戦の阿久津主税八段戦、同準々決勝の増田康宏六段戦でも冷や汗ものの逆転勝利だった。「サーカス相撲」から打って変わっての「横綱相撲」。未放映のテレビ棋戦を除いて準決勝の豊島戦まで先手番25連勝という底力を見せつけ、同26連勝で頂点に立った。
https://www.youtube.com/watch?v=WYcGk7lF-cY
タイトル戦での活躍が目立つが、トップ棋士12人が全国に足を運んで公開対局で戦うJT杯、全棋士参加のテレビ棋戦「銀河戦」に次いで、朝日杯と、出場資格のある公式棋戦はこれで3冠。銀河戦と同じテレビ棋戦の「NHK杯」も現在ベスト4だから、総なめの可能性もある。
今月はこの後、25日からの2日制で行われる王将戦7番勝負第5局(島根県大田市)がある。3月に入れば、名人戦への挑戦権を争うA級順位戦最終9回戦の稲葉陽八段戦(2日、静岡市)、渡辺棋王からタイトル奪取と史上最年少6冠まであと1勝と迫った棋王戦5番勝負第3局(5日、新潟市)と重要な対局が続く。
この日、誕生日会見を行った天皇陛下から昨年、王将を獲得して史上最年少5冠を達成したことに触れられた。「若い人々が日々の努力を積み重ねながら、新たな世界を切り拓(ひら)いていく姿が見られることから今後とも楽しくしております」とのお言葉もちょうだいした。
朝日杯Vから気持ちを切り替え、タイトル戦線へと向かう。 [日刊スポーツ 2023年2月24日7時17分]
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バイデン氏、17日にキーウ訪問決断 ロシアへ事前通告 ―― バイデン米大統領は20日のウクライナ訪問を数カ月前から極秘に計画してきた。不測の事態への緊急対応計画を練り、17日に訪問を決断した。ロシア側に事前通告したが訪問中に防空サイレンが鳴り響き、安全へのリスクを物語った。
ジョン・フィナー大統領副補佐官は20日、記者団にウクライナの首都キーウ(キエフ)訪問に関し、バイデン氏に同行したのは「極めて少数だった」と説明した。安全に配慮し、側近の数人と医療チーム、カメラマン、警護隊に限定した。
ホワイトハウスや国防総省、シークレットサービス(大統領警護隊)、情報機関のごく一部で数カ月前から訪問計画や緊急時の対応計画を作成した。バイデン氏は17日に安全保障担当の高官らと協議し、キーウ訪問を最終決定した。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はウクライナ訪問をロシアに事前通告していたと明らかにした。「衝突回避の目的だった」と話し、ロシア側の反応に関してはコメントを控えた。
米大統領は米軍が駐留するアフガニスタンやイラクなどを予告せずに訪問してきたが、ウクライナに米軍は駐留していないため治安を管理しにくい。バイデン政権は最悪の事態を避けるためロシアへ事前通告が必要だと判断したとみられる。
ホワイトハウスは同行記者を通常の10人以上から2人に限定した。同行記者に送った訪問予定を記したメールの件名は「ゴルフ大会の到着案内」と偽装。首都ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地で記者から携帯電話を回収し、情報漏洩に細心の注意を払った。
バイデン氏は米東部時間19日午前4時15分(日本時間19日午後6時15分)に同空軍基地を出発した。ドイツのラムシュタイン空軍基地での給油を経て、ポーランド西部のジェシュフ・ヤションカ空港に到着した。そこから車で1時間の距離にあるウクライナ国境付近の駅に向かった。
電車に乗り換えて暗闇のなかを約10時間かけてキーウに移動し、現地時間20日午前8時(日本時間20日午後3時)ごろに着いた。バイデン氏は80歳と最高齢の米大統領で、同紙は「骨の折れる旅路だった」と指摘した。
バイデン氏はキーウ市内でゼレンスキー氏と握手を交わすと、記者団からキーウ訪問の意義を問われた。今回が8回目の訪問だと触れて「来るたびにその意義は大きくなっている」と強調した。「(米国は)ここにいる。我々は離れない」と語り、ウクライナとの連帯をアピールした。キーウ滞在は約5時間だった。
サリバン氏は記者団に対し、会談について「今後数カ月の戦闘や戦闘で勝利するために必要な能力について議論した」と語った。国防総省は20日、ウクライナへ4億6000万ドル(620億円)相当の武器を追加供与すると発表した。高機動ロケット砲システム「ハイマース」に搭載する弾薬や防空偵察レーダーを含んでいる。
バイデン氏のキーウ滞在中にも防空警報が鳴り響いた。隣国ベラルーシからロシア軍の戦闘機が飛び立ったためという。ベラルーシからミサイルが発射されると20分以内にキーウへ届く距離とされ、ウクライナが戦時下であることを象徴した。CNNテレビによると、ウクライナ東部では20日も断続的にロシアの砲撃が続いた。
バイデン氏は再び電車でポーランド国境まで戻り、首都ワルシャワに着いたのは現地時間20日午後11時10分(日本時間21日午前7時10分)ごろだった。
バイデン氏は21日、ワルシャワで侵攻をめぐる包括演説に臨む。侵攻から1年の節目を控え、ウクライナ支援の機運を再び盛り上げ、民主主義陣営の結束を固める狙いがある。バイデン氏は世界が民主主義と強権主義の競争に直面していると公言する。ウクライナ侵攻の結末は民主主義の行方も左右すると位置づける。 【日本經濟新聞 2023年2月21日 1:17 (2023年2月21日 9:27更新)】
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【棋王戦】藤井聡太竜王6冠王手 3・5の次局に勝てば羽生九段の最年少記録を29年ぶり更新 ―― 日刊スポーツ将棋の第48期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第2局が18日、石川県金沢市「北國新聞会館」で行われ、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が渡辺明棋王(名人=38)を下し、棋王奪取と史上最年少6冠にあと1勝とした。
第3局は3月5日、新潟市「新潟グランドホテル」で行われる。藤井が勝てば、羽生善治九段(52)の24歳2カ月の最年少記録を29年ぶりに更新する。棋王11連覇を目指す渡辺はかど番に追い込まれた。
戦型は第1局と同じ角換わり。先手の渡辺が深い研究手に誘導すると、藤井は堂々と受けて立った。午前中、46手目に藤井が4段目へ銀を進出させると、渡辺は約1時間30分の長考に沈んだ。午後に入ると、藤井が62手目に約1時間50分、長考した。構想力が問われる中、お互いが深く読み合ってねじり合いの中盤に進み、終盤にわずかにリードを広げた藤井が一気に持ち前の終盤力を発揮し、鮮やかに寄せきった。
https://www.youtube.com/watch?v=CLNLsrFY8YI
午前9時から始まった対局は午後6時になっても、AIの評価値はほぼ互角の大熱戦だった。中盤のねじり合いに藤井は「決め手を与えないように粘れかどうかかなと思っていた」と話し、ファンの見守る大盤解説会では「最後まで難しい将棋だった」と振り返った。
これでシリーズ2連勝。対渡辺戦は6連勝。タイトル戦での渡辺戦は10連勝とし、一気に史上最年少6も冠獲得に王手をかけた。これまでに唯一、6冠を達したのは羽生だけ。羽生は当時24歳だったが、20歳の藤井が達成すれば、最年少で史上2人目の快挙となる。
第3局に向け「スコアを気にせず、全力を尽くして指したい」と意気込んだ。
◆棋王戦 将棋の8大タイトル戦の1つ。序列は竜王、名人、王位、叡王、王座に次いで6番目(以下王将、棋聖)。全棋士と女流棋士、アマ名人が参加できる。予選トーナメントの通過者とシード者で本戦トーナメントを行って、挑戦者を決める。本戦ベスト4以上は棋王戦独自の「2敗失格制」というルールで、敗者復活戦がある。挑戦者決定戦は変則2番勝負。勝者組優勝者は2局のうち1回勝てば挑戦権を得られるが、敗者復活戦優勝者は連勝が条件となる。5番勝負は例年2~3月に開催。1990年(平2)の第15期では南芳一棋聖(当時)に3連敗したが、故大山康晴十五世名人が66歳11カ月の史上最年長で挑戦している。
【第48期棋王戦コナミグループ杯5番勝負・第3局以降の日程】
◆第3局 3月5日 新潟市「新潟グランドホテル」
◆第4局 3月19日 栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」
◆第5局 3月29日 東京都渋谷区「東郷神社」2023年2月18日19時32分]
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トルコ、耐震基準未満の建物1000万棟超か 運用緩く ―― 6日にトルコ南部で起きた地震による死者は、トルコ・シリア両国で10日までに2万2000人を超えた。犠牲者の数では東日本大震災(1万5900人)を超え、トルコ史上でも有数の惨事となった。専門家は被害が拡大した要因として耐震基準の運用が緩く、建物の半数以上の1000万棟超が基準を満たさない可能性を指摘する。
トルコ当局によると、10日午後までに同国内で確認された死者は1万8991人となった。内戦下のシリアでは、アサド政権側の国営メディアが1347人が死亡したと報じた。政権の支配が及ばない北西部の反体制派地域では、現地の団体によると少なくとも2030人が死亡した。
トルコの人的被害としては1999年のイズミット地震(約1万7000人)を上回った。当局によると、1万2000棟以上の建物が崩れるか重大な被害を受けた。
イズミット地震後、耐震基準はたびたび改正されてきた。トルコで10年以上、防災講演を続ける安藤ハザマのトルコ代表、森脇義則氏は最新の2018年基準について「日本と同等かそれ以上」と評する。ただ実際は基準に満たず、地震などに弱い建物が多いという。
森脇氏によると、設計や完成段階で行政による適切なチェックが行われないことが多いうえ、一定の金額を支払えば基準未満でも認められる「恩赦」という仕組みの存在がある。賄賂ではなく、これまで何度も成立した時限法に基づく制度だ。
不動産評価会社IGDのトップ、アフメト・ビュユクドゥマン氏は「建物完成後も、所有者や入居者が不法な改築を繰り返すのが実態だ」と指摘する。今回の地震でも、店舗面積を増やすために柱を除去した建物が崩れたなどとする証言が多く報じられている。
22年時点の政府高官の発言によると、危険度の高い建物は少なくとも全国に670万棟ある。これに対し、ビュユクドゥマン氏は全国に2000万棟超ある建物のうちの半数以上が一定の耐震性を保証する1998年の基準すら満たしていないと指摘する。
今回の地震では、建物が垂直に潰れるように崩れる「パンケーキクラッシュ」と呼ばれる現象で、被害が拡大したと指摘されている。2000年代から急速な経済成長で都市化が進んだトルコでは住宅や商業施設の量の確保が優先され、防災設備など質の担保が後回しされた可能性がある。
最大都市イスタンブールの公共施設でも、非常階段に鍵がかかっていてエレベーター以外に移動経路がない例は多い。
一方で、日ごろの備えで九死に一生を得たという人もいる。
「日本で学んだ防災知識に感謝したい」。南東部アドゥヤマンの大学教員、オズギュル・チェビクさんは、京都に留学した時の体験から用意していた防災バッグ中の懐中電灯の明かりを頼りに、ただちに家族と一緒に自宅アパートを出た。室内で避難路が確保できたのも、家具を固定していたからだという。既に3階分が潰れていたアパートは、チェビクさんらが脱出した直後にさらに1階分が潰れた。
日本では震度5強程度を想定していた旧耐震基準について、1981年に震度6強〜7程度でも倒壊・崩壊しないよう規定が強化された。2013年施行の改正耐震改修促進法は、旧基準に基づく「要緊急安全確認大規模建築物」の店舗や小中学校、病院などに定期的な耐震診断を義務化した。
耐震化が進められてきたが、国土交通省によると、22年3月末時点で全国1万1071棟のうち約1100棟が震度6強以上で倒壊する恐れがあるという。 【日本經濟新聞 2023年2月10日 19:08 (2023年2月10日 21:54更新)】
羽生善治九段、持ち時間2時間近く残して完勝!それでも「勝因は調べないと分からない」 ―― 将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第4局は、9、10の両日、東京都立川市の「SORANO HOTEL」で指され、羽生善治九段(52)が藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に107手で勝利した。史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決で、羽生が2勝目。2勝2敗と再びタイに戻した。
持ち時間を1時間56分残しての完勝。羽生九段はそれでも「駒損してるので何ともいえない局面なのかなと思って指していた。ゆっくりしちゃうと駒損が響くので攻めるしかないんですけど、形勢そのものははっきりしないかなと」と攻め続けた2日目を振り返った。手応えを感じたのは4二銀不成だったとし、「あの辺りで流れがよくなったかなと思ってました」。勝因を聞かれると「まだ調べてみないと分からないですけど…そうですね、どこかよかったかは調べないと分からないと思います」と答えた。
https://www.youtube.com/watch?v=IMElQt05Nio
2勝2敗のタイに戻し、「負けてしまうとカド番になるのでタイに戻せてよかったなと思います」と話した羽生九段。第5局は2月25、26日に島根県太田市の「さんべ荘」で行われるが、「調整していい将棋が指せるように頑張りたい」と意気込んだ。 [Sponichi Annex 2023年2月10日 16:37 ]
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