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ウェブニュースより
 旧統一教会の違法行為、有無を精査 「質問権」初行使へ ―― 岸田文雄首相は17日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への調査を指示した。宗教法人法に基づく調査は前例がなく、所管する文化庁が質問権を行使する基準作りから取りかかる。政府は早期の調査開始を目標に掲げており、法令違反の有無の判断が焦点となる。

 「質問権を行使する場合の基準を速やかに示し、旧統一教会に行使すべく手続きを進める」。永岡桂子文部科学相は17日の衆院予算委員会で述べた。首相は「教団を守ることは全く考えていない」と強調。調査の理由として挙げたのが、教団の組織的な不法行為責任を認めた複数の民事判決だ。

 調査に向けた手続きは2段階で進む。まず、質問権を行使する基準や考え方の提示だ。文化庁は宗教や法律の専門家らによる専門家会議を設け、25日から検討を始める。宗教法人法に基づく質問権は、オウム真理教事件などを受けた1995年の同法改正で導入された。解散命令に該当する疑いがある場合などを想定。過去に行使例がないことから、基準を作って論点を絞り込み判断を迅速化する狙いがある。
 続いて、実際に教団が基準に該当するかどうかを「宗教法人審議会」(文科相の諮問機関)が具体的に検討する。宗教法人法が調査の際は審議会への諮問を義務付けているためだ。
 審議会の委員は現在19人。うち約6割の11人を宗教法人関係者が占める。ポイントとなるのが、審議会の委員が基準を設ける専門家会議の委員も兼ねる見通しであることだ。そもそも基準が旧統一教会に限定したものとなり、他の宗教法人側などから異論が出なければ一連の手続きは短時間で終わる可能性がある。一方で、調査に慎重な意見が相次げば、審議は長引くとみられる。永岡氏は「年内のできるだけ早いうちに」としており、迅速に調査に至るかがカギとなる。
 質問権の行使が認められても、調査実施にあたって、なお課題は少なくない。宗教法人法は調査対象となる宗教法人の施設に立ち入る際は「(宗教法人側の)同意を得なければならない」と規定。十分な調査を行うには、教団側の同意を得る必要がある。
 調査の態勢が整っていないとの指摘もある。宗教法人法を所管する文化庁宗務課の人員は10人前後。調査の前例はなくノウハウもない。法令違反の有無を判断できるだけの調査結果が得られるかは未知数だ。
「寄付金」返還、実効性に課題
 
消費者庁の有識者検討会が17日に公表した報告書は、消費者契約法で霊感商法に基づく寄付を取り消せる「対象範囲の拡大」と「契約取り消し期間の延長」を求めた。今後は高額な寄付・献金を取り戻す「救済」の実効性や、新たな被害を「予防」する規制のあり方が問われる。
 法改正に向けた課題の一つが、高額とされる金額の基準だ。検討会では年収の一定額以上などの案が浮上したが、年収を明かすことへの懸念などから結論は出なかった。基準を示せれば迅速な救済につながった可能性があり、線引きの曖昧さが残ったといえる。
 課題の第2が家族などからの取り消しの申し出を認めるかどうかだ。霊感商法の被害は本人以外からの相談が多い。親の多額の寄付で子どもが困窮する「宗教2世」の問題もある。個人の権利の制約につながりかねないとして法改正では実現困難との意見が根強く、委員からは継続的な議論を求める声もあった。
 第3が不安への「つけ込み型」の扱いだ。海外ではフランスやオランダなどが相手の不安や脆弱性へのつけ込みを取り消しの要件とする。日本では既に不安な状態で締結された契約は現行法の適用対象外。一般の経済活動に影響しない規定のあり方を巡り、消費者庁が引き続き検討する。
 報告書は被害の予防措置として、新たな規制の導入も求めた。参考になるのが公益法人法だ。同法は寄付しないと意思表示した相手への継続的な勧誘や、乱暴な言動などによる要求を禁じる規定がある。
 霊感商法の場合、明確に意思を示せないケースが足かせになる。寄付を強要され、断り切れない場合は同法改正では不十分だ。新法で規制する場合、どのような条文にするかの検討に時間を要することも想定される。    【日本經濟新聞 20221018 0:00 (20221018 5:09更新)

【棋王戦】藤井聡太5冠初のベスト4「次局も集中して指したい」年度内の最年少6冠へ大きく前進 ―― 将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が渡辺明棋王(名人=38)への挑戦権獲得を目指す、第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント準々決勝が17日、大阪市の関西将棋会館で行われ、先手の藤井が豊島将之九段(32)を107手で下し、同棋戦初のベスト4に進出した。年度内の6冠へ前進した。

 戦型は角換わり。昼食休憩までに65手と、速いペースで進んだ。豊島の厳しい攻めを手厚い受けで応じ、終盤にリードを広げ、鮮やかに寄せきった。
 熱戦を制した藤井は「受けに回る展開が続き、悪い形をうまくほぐせるかどうか、難しいのかなと思っていた」と振り返った。
https://www.youtube.com/watch?v=Kv2NWTc7S4c
 これまで棋王戦は過去5回の参加で予選敗退が2回と“鬼門”だった。デビューした17年は予選を突破したものの、挑戦者決定トーナメントで敗退。1920年は予選落ちした。今回はタイトル保持者のため予選シードから登場し、中川八段、久保九段に勝ち、初のベスト8に進出していた。
 5冠を保持する藤井は本年度、叡王、棋聖、王位と防衛を果たし、広瀬章人八段の挑戦を受ける、第35期竜王戦7番勝負では2連覇を目指す。
 ベスト4は連敗の少ない藤井にとって有利とも言える「権利」を得た。棋王戦は「ベスト4以上は2敗失格システム」を採用し、敗者復活戦がある。準決勝では名人3期の実績を持つ佐藤天彦九段と対戦する。「ベスト4は初めてなので、次局も集中して指したい」。年度内の最年少6冠へ大きく前進した。    [日刊スポーツ 202210172033]


 

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