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ウェブニュースより
 ロシア、ウクライナ「併合」強行 1930年代と酷似 ―― ロシアのプーチン大統領が30日、ウクライナ東・南部4州の併合を宣言した。国際法に違反し、戦後秩序を根底から覆す一方的な併合。勢力圏とみなす地域を力ずくで従わせようとする「プーチン・ドクトリン」は1930年代の欧州と酷似する。

 国際秩序の安定に責任を持つべき国連安全保障理事会の常任理事国。それが「ロシア系住民の保護」を口実に隣国を侵略し、領土の割譲を迫る。
 1938年、ナチス・ドイツがチェコのズデーテン地方を併合した際、「弾圧されたドイツ系住民の保護」を大義名分に掲げた。英仏は戦争を回避するため、併合を認めたものの、ドイツは翌年ポーランドに侵攻し、世界を戦火に巻き込んだ。
 一方、ソ連の指導者スターリンはナチスと一時的に手を組み、東欧分割に動く。1940年、「現地の自発的な意思」があったとしてバルト3国を強制併合した。

 領土の拡大を「勝利」と喧伝(けんでん)し、求心力を高める手口は当時と似る。周辺では、ほかにも併合構想がある。ジョージアからの「独立」を宣言した南オセチアはロシア編入を問う住民投票を探る。モルドバ東部の親ロシア派地域、自称「沿ドニエストル共和国」でも併合案が浮かぶ可能性がある。
 欧州は全体主義に覆われていた時代に戻ったかのようだ。国連のグテレス事務総長は29日、ロシアのウクライナ領併合は「国連憲章と国際法に反する」との声明を出したが、プーチン大統領は動じない。30日の演説で「(併合地域の)住民は我々と同じ未来を進むことを決めた」として併合を正当化した。
 ロシアの展望が開けるわけではない。「併合」でウクライナの東西分断を固定化するには停戦が不可欠だが、ウクライナのゼレンスキー大統領は29日の演説で「クレムリン(ロシア大統領府)が望むようなことにはならないだろう」と語った。併合地域への攻撃を緩めないというメッセージだ。
 いまのところウクライナに欧米諸国は寄り添う。「我々はプーチン氏が戦争で負けることを保証する」。30日、トラス英首相は声明を出した。ドイツ与党・社会民主党のシュミート連邦議会議員(外交担当)も日本経済新聞に対し、「ウクライナへの人道・経済・軍事支援を続ける」と答えた。戦争の長期化は避けられない。
 「戦闘が続き、併合地域の復興は難しい。経済的にはロシアの重荷」と政治評論家セルゲイ・スムレニー氏(元ロシア反体制派ジャーナリスト)はみる。
 戦場での劣勢を挽回するために部分動員令を発令し、領土を「併合」し、核兵器をちらつかせて西側をけん制する。焦るロシアが望みをつなぐのが敵失、つまり民主主義陣営の混乱だ。
 欧州経済は疲弊し、大黒柱のドイツはスタグフレーション(景気後退とインフレの併存)入りが確実視される。イタリアでは近く極右政権が生まれ、米国は「トランプ復活」のうねりが増す。
 「ロシアは民主主義国家における亀裂を見つけ、油を注ぐ。世界の民主主義を弱めようとしている」。ロシアの隣国ラトビアのカリンシュ首相は警鐘を鳴らす。
 2014年のクリミア半島併合の際、日米欧は甘い態度に終始した。もう失敗は繰り返せない。
 「景気が悪くなったから」といって足踏みするのではなく、むしろ天然ガスの全面禁輸など思い切った制裁に踏み込むべきだろう。むろん来年、主要7カ国(G7)議長国となる日本も無関係ではいられない。
 冷戦期、西側陣営は核戦争のリスクを抱えながら対共産圏輸出統制委員会(ココム)規制という貿易制限を課した。「抜け穴だらけ」との批判もあったが、40年かけて共産独裁を崩壊に追い込んだ。
 いまロシアに歯止めをかけなければ中国を含めた強権国家に誤ったシグナルを発し、将来の極東情勢にも禍根を残す。時代錯誤の帝国主義に染まるロシアの暴挙を許してはならない。民主主義陣営は今回こそ毅然と対峙すべきだ。    【日本經濟新聞 2022101 2:00

 「みっともないけど死ぬまでやります」毒舌全う 三遊亭円楽さん死去 「円生」襲名の願いは叶わず ―― 「残念でした。生きてるよ」。今年7月22日、三遊亭円楽さんは脳梗塞の手術の後、約半年ぶりに公の場に姿を見せた。襲名に並々ならぬ意欲を見せた江戸時代からの大名跡「三遊亭円生」の初代の遺徳をしのぶ一門の会。毒舌ジョークは健在、目が合った時のまなざしは「これからだよ」と訴えているようにも見えたのだが…。

 折に触れ、私に語っていたのが「『円生』の名前をつなぎでもいいから、もう1回世に出したい」だった。昨年末、今年の新年企画のために取材した際も「『円生』の名前を1回世に出せば、跡を継ぎやすくなる。それが三遊一門や落語界への恩返し」と強調。そして、「誰が? 生意気なことをいうようだけど、今は僕しかいないかな」と自信に満ちた表情で言い切った。願いはかなわず、さぞ無念だったろう。
 芸では緻密さに定評があった。「芝浜」「明烏あけがらす」「禁酒番屋きんしゅばんや」などが得意で、自然体の語り口で魅了した。幅広い人脈を生かしたプロデュース力も抜群。スタートから15年になる福岡の「博多・天神落語まつり」に加えて、19年から札幌で同様のイベントを催し、今年3月には東京都内各所で「江戸東京落語まつり」を開いた。これらをつなげて「全国を落語家が回る仕組みをつくりたい」という壮大な構想を描き、落語を広め、文化の高みに引き上げる—と夢は大きかった。
 「笑点」では毒舌、腹黒が売りだったが、前座時代から先へ先へと気が回り、師匠方らのお茶の好みを覚えて後輩に申し送りしたなど、気配り上手で面倒見の良い人だった。8月11日に東京・国立演芸場で高座復帰を果たし、涙ながらに「みっともないけど死ぬまでやります」と宣言、古典落語「猫の皿」を熱演した。満場の拍手に見せた穏やかな表情は、紛れもなく「いい人」だった。    (東京新聞 2022930 2205分)


 

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