瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
この「贋金の問題」は発表と同時に大きな反響を呼び、多くの数学者や数学愛好者を熱中させた。忽ちの内に、さらに一般化した形の「コイン12枚の問題」が創案されて、《Scripta Mathematical》に発表され、海を渡って、イギリスの《Mathematical Gazette》にも、この種の問題がしばしば掲載されるようになったという。その過熱振りは相当なものであったらしく、ドイツの潜水艦を沈めるために使われるべき多くの頭脳が、この遊戯のために消費されたと書く本もあったということである。
「コイン8枚の問題」がアメリカで発表された時は、不幸にも我が国ではこのアメリカを相手に交戦中であった。我が国で人々がこの問題を知ったのは昭和22(1947)年に『リーダース・ダイジェスト』を通じてであったが、これでは贋金の問題ではなく、ボールの重さの問題になっていた。この問題は我が国でもかなりの問題となったが、以後我が国では贋金の問題が、ボールまたはパチンコ玉の問題として扱われるようになった。
話をアメリカに戻すと、この「コイン8枚の問題」から発展して、「コイン12枚の問題」となったが、こけは《Scripta Mathematica》1945年9~12月号に載ったH.Grossman(グロスマン)という人の問題であるという。曰く、
「見かけは全く同じコインが12枚あるが、そのうち1枚は僅かに重さが異なっている。その重さが重いか軽いかを知らずに、3回天秤を使うだけでそのコインを指摘するには、どうすればよいか。」
この問題は、贋金が本物と重さが違うというだけで、重いか軽いか全くわからないところに難しさがある。
8枚のコインのときと同じように、Lを天秤の左側が軽い時、Hを左側が重いとき、Sを両方がつりあった場合として、コインに1~12まで番号をつけて表わすと、やり方は表1のようにすればよい。
つまり、最初4枚ずつさらに載せて重さを較べ、釣り合ったらその中の3枚と残りのうちの3枚との重さを較べ釣り合ったら、それも釣り合ったら、本物1枚と残り1枚とを較べる。これで贋金の確認と、本物より重いか軽いかが決定できる。……という具合に、各場合についてやっていけばよい。この方法は順に贋金を選(え)り出していく「逐次選別法」である。
「8枚のコインの問題」で述べたと同じように、機械的に3回の試行を行なって、その結果から贋金を判別する「機械的選別法」がある。「逐次選別法」に較べるとパズル的な面白さにはかけるが、この方法でも各自に選別を行うことができる。そのやり方は、まず、つぎのⅠ、Ⅱ、Ⅲ計3回の試行を行なう。
(Ⅰ)(1、2、3、4)――(5、6、7、8)
(Ⅱ)(1、2、3、5)――(4、9、10、11)
(Ⅲ)(1、6、9、12)――(2、5、7、10)
そして、判定は表2によるのであるが、L、H、Sの意味は前述下通りである。
「コイン12枚の問題」のように、贋金が本物より重いか軽いかがわからない場合、N枚のコインがあって、そのNの値が (3ⁿ⁻¹-1)/2≦N<(3ⁿ-1)/2 であれば、n回の試行で贋金を確認することが出来る。もし贋金の重さを確認する必要がなければ、Nの値が、 (3ⁿ⁻¹-1)/2<N≦(3ⁿ-1)/2 の時に、n回の試行で贋金を指摘することが出来る。この場合全く計量されないコインが1枚出来るので、それが贋金の場合は、確認もそれが重いか軽いかの判定はつかないことになる。
「コイン8枚の問題」がアメリカで発表された時は、不幸にも我が国ではこのアメリカを相手に交戦中であった。我が国で人々がこの問題を知ったのは昭和22(1947)年に『リーダース・ダイジェスト』を通じてであったが、これでは贋金の問題ではなく、ボールの重さの問題になっていた。この問題は我が国でもかなりの問題となったが、以後我が国では贋金の問題が、ボールまたはパチンコ玉の問題として扱われるようになった。
話をアメリカに戻すと、この「コイン8枚の問題」から発展して、「コイン12枚の問題」となったが、こけは《Scripta Mathematica》1945年9~12月号に載ったH.Grossman(グロスマン)という人の問題であるという。曰く、
「見かけは全く同じコインが12枚あるが、そのうち1枚は僅かに重さが異なっている。その重さが重いか軽いかを知らずに、3回天秤を使うだけでそのコインを指摘するには、どうすればよいか。」
この問題は、贋金が本物と重さが違うというだけで、重いか軽いか全くわからないところに難しさがある。
8枚のコインのときと同じように、Lを天秤の左側が軽い時、Hを左側が重いとき、Sを両方がつりあった場合として、コインに1~12まで番号をつけて表わすと、やり方は表1のようにすればよい。
つまり、最初4枚ずつさらに載せて重さを較べ、釣り合ったらその中の3枚と残りのうちの3枚との重さを較べ釣り合ったら、それも釣り合ったら、本物1枚と残り1枚とを較べる。これで贋金の確認と、本物より重いか軽いかが決定できる。……という具合に、各場合についてやっていけばよい。この方法は順に贋金を選(え)り出していく「逐次選別法」である。
「8枚のコインの問題」で述べたと同じように、機械的に3回の試行を行なって、その結果から贋金を判別する「機械的選別法」がある。「逐次選別法」に較べるとパズル的な面白さにはかけるが、この方法でも各自に選別を行うことができる。そのやり方は、まず、つぎのⅠ、Ⅱ、Ⅲ計3回の試行を行なう。
(Ⅰ)(1、2、3、4)――(5、6、7、8)
(Ⅱ)(1、2、3、5)――(4、9、10、11)
(Ⅲ)(1、6、9、12)――(2、5、7、10)
そして、判定は表2によるのであるが、L、H、Sの意味は前述下通りである。
「コイン12枚の問題」のように、贋金が本物より重いか軽いかがわからない場合、N枚のコインがあって、そのNの値が (3ⁿ⁻¹-1)/2≦N<(3ⁿ-1)/2 であれば、n回の試行で贋金を確認することが出来る。もし贋金の重さを確認する必要がなければ、Nの値が、 (3ⁿ⁻¹-1)/2<N≦(3ⁿ-1)/2 の時に、n回の試行で贋金を指摘することが出来る。この場合全く計量されないコインが1枚出来るので、それが贋金の場合は、確認もそれが重いか軽いかの判定はつかないことになる。
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プロフィール
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目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
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くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
sechin@nethome.ne.jp です。
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