瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
本日朝から雲が立ちこめ、降るとも降らぬとも判断つかず、お出掛けは止めた。
南北朝時代の劉宋の文人、劉義慶(りゅうぎけい、403~444年)撰の『世説新語』を拾い読み。
華歆と王朗
華歆(か きん、永寿3(157)~太和5(231)年)は、中国後漢末期から三国時代魏にかけての政治家。平原郡高唐県の人。当初孫策と孫権に仕え、後に魏の重臣となった。字は子魚。諡は敬。魏の諸臣の中でも際だって厚く遇されていたが、自身は清貧に甘んじ、俸禄や恩賞は九族に分け与えていたため、家には僅かの貯えもなかった。あるとき、公卿の全員に官婢が下賜されたことがあったが、華歆は彼女らの身分を解放して、他家に嫁がせてやった。文帝(曹操)はこれを賞したという。
王 朗(おう ろう、?- 太和2(228)年)は、中国、後漢末から三国時代の政治家。徐州東海郡郯県(現/江蘇省連雲港市東海県)の人。字は景興。子に王粛。曹操の没後には華歆と共に曹丕に仕え、曹丕が魏王になった後は御史大夫、安陵亭侯となった。王朗は上奏し民への恩愛と寛容を第一にする統治を心がけるよう述べた。
12. 王朗はかねがね見識や度量という点で華歆に敬服していた蜡(さ)の祭り〈年越しの祭り〉の日に、華歆はその一族の若者たちを集めて宴会を開くのを例としていたが、王朗もその真似をした。
ある人が張華にこのことを話したところ、張華は言った。
「王朗が華歆の真似をするのは、すべて外形の末ばかりだ。それでは華歆からいよいよ遠ざかるばかりだよ」
13. 華歆と王朗とが、いっしょに舟に乗って戦乱を避けたことがある。そのとき一人の男が道連れにしてくれと頼んだ。華歆はこれに難色を示したが、王朗は「さいわい、まだ余裕があるから、何も断わる必要はあるまい」と言って、乗せてやった。
その後賊兵が追いつきそうになったとき、王朗はその道連れの男を見捨てようとしたが、そのとき華歆が云った。
「初め私が躊躇ったのは、こういうことになりはしないかと心配していたからだ。だが、一度その頼みを許した以上、危急だからといって見棄てる事はできないではないか」
そこでそのままその男を道連れにしてやった。世間はこのことによって華歆と王朗との人物の優劣を定めるようになった。
南北朝時代の劉宋の文人、劉義慶(りゅうぎけい、403~444年)撰の『世説新語』を拾い読み。
華歆と王朗
華歆(か きん、永寿3(157)~太和5(231)年)は、中国後漢末期から三国時代魏にかけての政治家。平原郡高唐県の人。当初孫策と孫権に仕え、後に魏の重臣となった。字は子魚。諡は敬。魏の諸臣の中でも際だって厚く遇されていたが、自身は清貧に甘んじ、俸禄や恩賞は九族に分け与えていたため、家には僅かの貯えもなかった。あるとき、公卿の全員に官婢が下賜されたことがあったが、華歆は彼女らの身分を解放して、他家に嫁がせてやった。文帝(曹操)はこれを賞したという。
王 朗(おう ろう、?- 太和2(228)年)は、中国、後漢末から三国時代の政治家。徐州東海郡郯県(現/江蘇省連雲港市東海県)の人。字は景興。子に王粛。曹操の没後には華歆と共に曹丕に仕え、曹丕が魏王になった後は御史大夫、安陵亭侯となった。王朗は上奏し民への恩愛と寛容を第一にする統治を心がけるよう述べた。
12. 王朗はかねがね見識や度量という点で華歆に敬服していた蜡(さ)の祭り〈年越しの祭り〉の日に、華歆はその一族の若者たちを集めて宴会を開くのを例としていたが、王朗もその真似をした。
ある人が張華にこのことを話したところ、張華は言った。
「王朗が華歆の真似をするのは、すべて外形の末ばかりだ。それでは華歆からいよいよ遠ざかるばかりだよ」
13. 華歆と王朗とが、いっしょに舟に乗って戦乱を避けたことがある。そのとき一人の男が道連れにしてくれと頼んだ。華歆はこれに難色を示したが、王朗は「さいわい、まだ余裕があるから、何も断わる必要はあるまい」と言って、乗せてやった。
その後賊兵が追いつきそうになったとき、王朗はその道連れの男を見捨てようとしたが、そのとき華歆が云った。
「初め私が躊躇ったのは、こういうことになりはしないかと心配していたからだ。だが、一度その頼みを許した以上、危急だからといって見棄てる事はできないではないか」
そこでそのままその男を道連れにしてやった。世間はこのことによって華歆と王朗との人物の優劣を定めるようになった。
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目高 拙痴无
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