瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
暦法における月齢(げつれい)とは、直前の朔の瞬間からの経過時間を日を単位として表したものである。特に、ある日の正午の月齢をその日の月齢と呼ぶこともある。概ね、月の満ち欠け(月相)と連動するが、必ず一致するわけではない。例えば、望(満月)の瞬間の月齢は13.8から15.8の間で変動する。すなわち、月齢14の日が満月とは限らない。これは月の軌道が楕円であるため、満ち欠けの速度が一定にはならないからである。また、朔の瞬間を含む日が旧暦の月始め(1日)だったので、月齢の値と旧暦の日付は関連があることになる。
月齢(数字)と月名、月相(写真)
1:朔(さく)/新月(しんげつ) | 2:既朔(きさく) | 3:三日月(みかづき) | 7/8:上弦(じょうげん) | 13:十三夜(じゅうさんや) | 14:小望月(こもちづき)/幾望(きぼう) | 15:望(ぼう)/満月(まんげつ)/望月(もちづき) | 16:十六夜(いざよい)/既望(きぼう) | 17:立待月(たちまちづき) | 18:居待月(いまちづき) | 19:寝待月(ねまちづき)/臥待月(ふしまちづき) | 20:更待月(ふけまちづき) | 22/23:下弦(かげん) | 29/30:晦(つごもり)
時間単位の「月」は、日次経過を知る際に天体の月の相(満ち欠け)の様子を見ることで容易に認識できることから生じた。新月から次の新月までの周期を指す1朔望月である約29.53日から30日(大の月)もしくは29日(小の月)を1か月としていた。この周期単位を用いる太陰暦では、1年は約354.4日となってしまい、季節の循環を司る太陽が天球を一巡する周期である365.2422日と、三年で1か月程度ずれが積み重なるため、閏月を適宜加える太陰太陽暦が作られたのである。
日本では伝統的に、現代暦の各月に太陰暦で使われた呼称を引き継いだ和名(和風月名)が置かれている。一方で、「一月」「二月」という表記も古代から使用され、最古の例は奈良時代の720年に編纂された『日本書紀』(神武紀)に見られる漢字「二月」に片仮名の訓で「キサラギ」など、数字表記と和風月名が併記された部分がある。なお11月は「十有一月(シモツキ)」、12月は「十有二月(シハス)」である。また、各月には様々な異称がある。
太陰暦で使われた呼称の語源について、調べてみた。ちなみに、暦の語源は「日読み(かよみ)」が転じた言葉であるという。「日」を「か」と読むのは、「二日(ふつか)」「三日(みっか)」などと同じ「ひ」の交替形。「読み」は「数える」を意味し、「日読み」で「日を追って数える」ことを意味する。「かよみ」から「こよみ」の転は、「よ」の母音が「か」の母音に影響を与えたことによるものだという。720年の『日本書紀』には、朝鮮半島から渡来した暦博士によって暦が初めて作られ、持統四年の勅令で暦法が公式に採用されたと記されている。
睦月とは、陰暦正月(1月)をさす。/睦月は、親類知人が互いに往来し、仲睦まじくする月からとする説が有力とされる。/その他、稲の実をはじめて水に浸す月で、「実月(むつき)」が転じたとする説。/元になる月で、「もとつき」が「むつき」に転じたとする説がある。/英語のJanuaryは、ローマ神話の出入り口とドアの神Janus(ヤヌス)にちなむ。年の入り口にあたることから、Janusの月となった。
如月とは、陰暦2月をさす。/寒さで着物を更に重ねて着ることから、「着更着(きさらぎ)」とする説が有力とされる。/その他、気候が陽気になる季節で「気更来(きさらぎ)」「息更来(きさらぎ)」とする説。
草木が生えはじめる月で「生更木(きさらぎ)」とする説。/草木の芽が張り出す月で「草木張り月(くさきはりづき)」が転じたとする説がある。/Februaryはローマ神話のFebruus〔フェブルウス、古代ローマにおいて、毎年2月に執り行われた慰霊祭Februaria(フェブルアーリア) の主神〕をまつる祭りから取ったと言われている。
弥生とは、陰暦3月をさす。/「弥生(いやおい)」が変化したものとされる。「弥(いや)」は、「いよいよ」「ますます」などの意味。「生(おい)」は、「生い茂る」と使われるように草木が芽吹くことを意味する。/
草木がだんだん芽吹く月であることから、弥生となった。/英語のMarchはローマ神話のMars〔マルス、戦と農耕の神〕の月を意味するMartius(マルティウス)から取ったもの。
卯月とは、陰暦4月をさす。/卯の花が咲く季節なので、「卯の花月」の略とする説が有力とされ、卯月の「う」は「初」「産」を意味する「う」で、一年の循環の最初を意味したとする説もある。/その他、稲を植える月で「植月」が転じたとする説もあるが、皐月の語源と近く、似た意味から別の月名が付けられたとは考え難い。/また、十二支の四番目が「卯」であることから、干支を月に当てはめ「卯月」になったとする説もあるが、他の月で干支を当てた例がないため不自然である。仮に、卯月だけに干支が当てらたとしても、月に当てられる十二支は一月から順ではなく、陰暦の四月が「巳」、「卯」は陰暦の二月である。/英語での月名、Aprilはラテン語のAprilis 〔Venus(ウェヌス)相当するギリシャの女神Aphrodītē(アフロディーテ)のエトルリア名Apruより〕に捧げられた月。
皐月は陰暦5月をさす。耕作を意味する古語「さ」から、稲作の月として「さつき」になった。/早苗を植える月「早苗月(さなえづき)」が略され、「さつき」になったとする説もあるが、「早苗」の「さ」も耕作の「さ」が語源とされる。/漢字「皐」には「神に捧げる稲」の意味があるため、皐月が当てられたと思われる。/英語名などのMayはローマ神話で豊穣を司る女神Maia (マイア) の名に因むといわれている。12か月で唯一英語名に略称が存在しない(英語名の略称は3文字で表すため、もともと3文字の5月は略称が無い)。
水無月は陰暦6月をさす。水の無い月と書くが、水が無いわけではない。水無月の「無」は、神無月の「な」と同じく「の」にあたる連体助詞「な」で、「水の月」という意味である。陰暦六月は田に水を引く月であることから、水無月と言われるようになった。/旧暦の六月は梅雨が明けた時期になるため、新暦に当てはめて解釈するのは間違いで、水無月は「水の無い月」とするものもある。/しかし、「水の月」説は新暦以前から伝えられており、新暦に合わせたものではない。/「水の無い月」の説は梅雨を基準にされているが、梅雨の時期である旧暦五月「皐月」が梅雨に関係していないため不自然で考え難い。/英語名であるJuneはローマ神話のJuppiter(ユピテル、ジュピター)の妻Juno(ユノ、ジュノー)から取られた。Junoが結婚生活の守護神であることから、6月に結婚式を挙げる花嫁を「June bride」(ジューン・ブライド、6月の花嫁)と呼び、この月に結婚をすると幸せになれるといわれる。
月齢(数字)と月名、月相(写真)
1:朔(さく)/新月(しんげつ) | 2:既朔(きさく) | 3:三日月(みかづき) | 7/8:上弦(じょうげん) | 13:十三夜(じゅうさんや) | 14:小望月(こもちづき)/幾望(きぼう) | 15:望(ぼう)/満月(まんげつ)/望月(もちづき) | 16:十六夜(いざよい)/既望(きぼう) | 17:立待月(たちまちづき) | 18:居待月(いまちづき) | 19:寝待月(ねまちづき)/臥待月(ふしまちづき) | 20:更待月(ふけまちづき) | 22/23:下弦(かげん) | 29/30:晦(つごもり)
時間単位の「月」は、日次経過を知る際に天体の月の相(満ち欠け)の様子を見ることで容易に認識できることから生じた。新月から次の新月までの周期を指す1朔望月である約29.53日から30日(大の月)もしくは29日(小の月)を1か月としていた。この周期単位を用いる太陰暦では、1年は約354.4日となってしまい、季節の循環を司る太陽が天球を一巡する周期である365.2422日と、三年で1か月程度ずれが積み重なるため、閏月を適宜加える太陰太陽暦が作られたのである。
日本では伝統的に、現代暦の各月に太陰暦で使われた呼称を引き継いだ和名(和風月名)が置かれている。一方で、「一月」「二月」という表記も古代から使用され、最古の例は奈良時代の720年に編纂された『日本書紀』(神武紀)に見られる漢字「二月」に片仮名の訓で「キサラギ」など、数字表記と和風月名が併記された部分がある。なお11月は「十有一月(シモツキ)」、12月は「十有二月(シハス)」である。また、各月には様々な異称がある。
太陰暦で使われた呼称の語源について、調べてみた。ちなみに、暦の語源は「日読み(かよみ)」が転じた言葉であるという。「日」を「か」と読むのは、「二日(ふつか)」「三日(みっか)」などと同じ「ひ」の交替形。「読み」は「数える」を意味し、「日読み」で「日を追って数える」ことを意味する。「かよみ」から「こよみ」の転は、「よ」の母音が「か」の母音に影響を与えたことによるものだという。720年の『日本書紀』には、朝鮮半島から渡来した暦博士によって暦が初めて作られ、持統四年の勅令で暦法が公式に採用されたと記されている。
睦月とは、陰暦正月(1月)をさす。/睦月は、親類知人が互いに往来し、仲睦まじくする月からとする説が有力とされる。/その他、稲の実をはじめて水に浸す月で、「実月(むつき)」が転じたとする説。/元になる月で、「もとつき」が「むつき」に転じたとする説がある。/英語のJanuaryは、ローマ神話の出入り口とドアの神Janus(ヤヌス)にちなむ。年の入り口にあたることから、Janusの月となった。
如月とは、陰暦2月をさす。/寒さで着物を更に重ねて着ることから、「着更着(きさらぎ)」とする説が有力とされる。/その他、気候が陽気になる季節で「気更来(きさらぎ)」「息更来(きさらぎ)」とする説。
草木が生えはじめる月で「生更木(きさらぎ)」とする説。/草木の芽が張り出す月で「草木張り月(くさきはりづき)」が転じたとする説がある。/Februaryはローマ神話のFebruus〔フェブルウス、古代ローマにおいて、毎年2月に執り行われた慰霊祭Februaria(フェブルアーリア) の主神〕をまつる祭りから取ったと言われている。
弥生とは、陰暦3月をさす。/「弥生(いやおい)」が変化したものとされる。「弥(いや)」は、「いよいよ」「ますます」などの意味。「生(おい)」は、「生い茂る」と使われるように草木が芽吹くことを意味する。/
草木がだんだん芽吹く月であることから、弥生となった。/英語のMarchはローマ神話のMars〔マルス、戦と農耕の神〕の月を意味するMartius(マルティウス)から取ったもの。
卯月とは、陰暦4月をさす。/卯の花が咲く季節なので、「卯の花月」の略とする説が有力とされ、卯月の「う」は「初」「産」を意味する「う」で、一年の循環の最初を意味したとする説もある。/その他、稲を植える月で「植月」が転じたとする説もあるが、皐月の語源と近く、似た意味から別の月名が付けられたとは考え難い。/また、十二支の四番目が「卯」であることから、干支を月に当てはめ「卯月」になったとする説もあるが、他の月で干支を当てた例がないため不自然である。仮に、卯月だけに干支が当てらたとしても、月に当てられる十二支は一月から順ではなく、陰暦の四月が「巳」、「卯」は陰暦の二月である。/英語での月名、Aprilはラテン語のAprilis 〔Venus(ウェヌス)相当するギリシャの女神Aphrodītē(アフロディーテ)のエトルリア名Apruより〕に捧げられた月。
皐月は陰暦5月をさす。耕作を意味する古語「さ」から、稲作の月として「さつき」になった。/早苗を植える月「早苗月(さなえづき)」が略され、「さつき」になったとする説もあるが、「早苗」の「さ」も耕作の「さ」が語源とされる。/漢字「皐」には「神に捧げる稲」の意味があるため、皐月が当てられたと思われる。/英語名などのMayはローマ神話で豊穣を司る女神Maia (マイア) の名に因むといわれている。12か月で唯一英語名に略称が存在しない(英語名の略称は3文字で表すため、もともと3文字の5月は略称が無い)。
水無月は陰暦6月をさす。水の無い月と書くが、水が無いわけではない。水無月の「無」は、神無月の「な」と同じく「の」にあたる連体助詞「な」で、「水の月」という意味である。陰暦六月は田に水を引く月であることから、水無月と言われるようになった。/旧暦の六月は梅雨が明けた時期になるため、新暦に当てはめて解釈するのは間違いで、水無月は「水の無い月」とするものもある。/しかし、「水の月」説は新暦以前から伝えられており、新暦に合わせたものではない。/「水の無い月」の説は梅雨を基準にされているが、梅雨の時期である旧暦五月「皐月」が梅雨に関係していないため不自然で考え難い。/英語名であるJuneはローマ神話のJuppiter(ユピテル、ジュピター)の妻Juno(ユノ、ジュノー)から取られた。Junoが結婚生活の守護神であることから、6月に結婚式を挙げる花嫁を「June bride」(ジューン・ブライド、6月の花嫁)と呼び、この月に結婚をすると幸せになれるといわれる。
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