瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 今朝のウェブニュースより
f2a201e0.jpeg 庶民の生活とかけ離れた体質 愛想が尽きました杉本和巳 5日離党する民主議員の言い分 ―― ついに単独過半数割れまでマジック5――。民主党の杉本和巳衆院議員(52・愛知10区)が、5日離党届を提出した。みんなの党に移る意向だ。離党直前に日刊ゲンダイ本紙に語った野田民主党への決別宣言。/「7月19日、野田首相が参院の委員会に出席する前に会いに行き、手紙を渡しました。福島の教訓を生かすためにも『脱原発』を強力に推進して欲しい、といった内容でした。すると、当日の夜に総理から直接携帯電話に連絡があり、総理は『原発はゼロしかない』と、ハッキリ言ったのです。ところが結局、脱原発は曖昧になった。野田首相は『原発ゼロ』を決められなかった。野田さんがやっているのは、足して2で割る『利害調整の政治』。ドイツやスイスが脱原発を決めているのに、なぜ我が国はできないのか。経団連の意向や原子力ムラの言い分を聞いていては、決断できないのです」/野田を筆頭に松下政経塾のメンメンは、雄弁に語っても実行力がない。社会経験不足で現場感覚がない。エリート意識が強く、庶民感覚がない。そう批判されることが多い。
 <身を削る革命を訴えても「余計なこと言うな」>
 「ある政治アナリストが政経塾出身の政治家について『出たがり、目立ちたがり、しゃべりたがり』と言っていましたが、うなずけるところもありますね。3・11の大震災で日本人の意識が変わり始めている時だからこそ改革が必要。しかし、第三極を除く既成政党は変わろうとしていない。代議士会で、『議員報酬削減など身を削る改革をすべき』『政党助成金を被災地に寄付しよう』と言っても誰も賛同しないどころか、終了後に『余計なことを言うな』とブーイングを浴びせる先輩議員が結構います。庶民の政治とかけ離れた体質。これも民主党を離れる理由です」/これで民主党は、衆院であと5人離党すれば単独過半数割れ。/くすぶる離党予備軍に杉本和巳氏は、こう言った。/「離党を口にすると『対立候補を立てられたくないだろう』という脅しがくる。しかし、政治は行動力、有言実行。(離党予備軍の)みなさんも動くと確信しています」  〔日刊ゲンダイ 2012年10月5日 掲載〕
 
 一昨日は、Andersenをアンデルセンという奇妙奇天烈な呼び方をする日本語が定着してしまったたことを述べたが、このような綴り字発音は、外国語を取り入れる際だけでなく、受け入れてから後の仮名書きにまどわされて起こる場合もある。
 Kamchatka〔カムチャッカ、ロシア語〕これは本来はカムチャツカとあるべきところを、「ツ」を詰まる音を表す文字と勘違いしてカムチャッカになったものだという。Vodka(ウォツカ)が「ウォッカ」となったのと似たり寄ったりである。
 fan〔ファン、特定の対象に対する応援者、愛好者)が「フアン」と言われたり、film(フィルム)が「フイルム」と発音されるのはア、イの読み違いから生じた誤りである。Filmなどはむしろフイルムのほうが普通になっている。フランス語のcafé(カフェー)から入ったカフェー〔コーヒーのこと〕とカフェー〔女給のいる酒場風の飲食店〕となると、「エ」一つの読み方で違った内容をさすことになる。
 また、Browning〔ブラウニング、銃〕がブローニング〔銃〕となり、alcohol〔アルコホル、オランダ語〕がアルコールとなり、Europa〔エウロパ、ポルトガル語、オランダ語〕がヨーロッパとなったのは、歴史的仮名遣いの読み方からきた間違いである。
3ac503fe.jpeg 古くは外来語を漢字で表したために、その漢字の誤りから生ずるずれもあった。駝鳥のことを江戸時代には「ホーゴロー」と言ったそうだが、駝鳥の原語はオランダ語のstruisvogel〔ストライスフォーヘル〕といった。当時この言葉を取り入れるに当たって、「鳥」の意味のフォーヘルだけを取り上げて(ホウゴ《-》ル)としたのだが、これに人名のような「鳳五郎」と言う漢字が当てられた。この漢字から「ホーゴロー」というのが一般化したという。
 
 かなり以前には外国人の発音を耳にしたとき、聞き取りにくい音を落とすと言うことが間々あったようだ。abóbora〔ボーブラ、ポルトガル語で南瓜〕やamerican〔メリケン、アメリカの・アメリカ人〕のように、単語の初めの強勢のない母音が落ちた例があるが、cement(セメン)、concrete(コンクリ)、platenum(プラチナ)、lemonade(ラムネ)、handderchief(ハンカチ)、cold meet(コール・ミート) などのように、語尾子音の取れたものは特に多い。外国語に慣れていなかったため、聞き落としたものであろう。
同じ語尾子音の脱落でもiced tea(アイス・ティー)やfour balls(フォア・ボール)となると少々事情が異なる。この場合にも取り入れた当時の日本人が語尾子音を聞き落としたのかもしれないし、あるいはまた、アイスト・ティーとかフォア・ボールズとは言いにくいために、アイス・ティー、フォア・ボールという形にしてしまったのかもしれない。しかし、アイス・ティーの場合には分詞形容詞語尾の-ed を落としてしまっているのだし、フォア・ボールの場合には複数語尾の-s を省いてしまっている。だから問題は発音上の上だけのことではなく文法面にまで及ぶことになるのである。アイス・ティー式に –ed の欠落した例には他にもCorned beef(コーン・ビーフ)、salaried man(サラリー・マン)、condensed milk(コンデンス・ミルク)などかなりあるし、原語の複数語尾sの欠落した例も、stockings(ストッキング)、slippers(スリッパ)、golf links(ゴルフ・リンク)などざらに見られる。この他文法面にまたがる音の脱落としては、frying pan(フライ・パン)やsocial dancing(ソーシャル・ダンス)などに見られる動名詞-ingの脱落や、野球のfelder's choice(フィルダー・チョイス)のような続各語尾 's の脱落などが見られる。
 
 原語があまりに長いと略されてしまうことが間々ある。日本人の家庭でも朝食の定番料理となっている「ハムエッグ」は英語では ham and eggs という。この場合は間のandと単語を落とし、さらに複数語尾のsも捨てたことになる。これを原語のまま「ハム アンド エッグズ」と言ったら、実に長ったらしいではないか。それに口調も悪いし「ハムエッグ」にしてしまえ という心理も働いて、手っ取り早く言い易い形になったのかもしれない。いずれにせよ長ったらしくて発音しにくい言葉にぶつかると、短く切り詰めて言い易くする例は外来語にはかなり多い。これは長々とした複合語や熟語ばかりでなく、普段よく使われる4音節ぐらいの短い単語であっても、さらに調子よく口を突いて出るようにもっと短く切り詰められることもしばしばある。Cutlet(カツレツ)が、しっぽを切り取られてカツとなり、bifteck〔ビフテキ、フランス語〕が頭をちょん切られてテキになる。まあ、日本語でも労組・早大のような略語が用いられているから驚くには当たらないが、外来語でも Central League〔セントラル リーグ〕→ セ、Pacific League(パシフィック リーグ)→ パ、demonstration(デモンストレーション)→ デモ、Building(ビルディング)→ ビル、chocolate(チョコレート)→ チョコ、toilet(トイレト)→ トイレ、inflation(インフレーション)→ インフレ などと後の部分を略した形もあれば、flannel〔フランネルネル、オランダ語〕→ ネル、cosmetic(コスメティック)→ チック、platform(プラットホームホーム)→ ホーム、Arbeit(アルバイト)→ バイト のように前の部分を省いた略語もある。その他にも、staple fibre(ステープル ファイバー)→ スフ、general strike(ゼネラル ストライキ)→ ゼネスト、patrol car (パトロールカー)→ パトカー のような略し方もある。勿論、これらは省略形以外に、インフレならインフレーション、ホームならプラットホームという全うな形も使われている。いったいにslang(スラング)や隠語にはGeld(ゲルト)→ ゲル〔金銭〕や,sister(シスター)→ シス〔同性愛の愛人〕、address(アドレス)→ アド〔隠れ家〕のような略語が多い。
 
 外来語は原語に比べて音節数がずっと多くなる。それだけにこういった略語がどんどん必要なのだろうが、そうなると短い音節の言葉、ことに2音節当たりが大変多くなる。その結果どうしても同音異義語が多くなる。例えば、pro(プロ)見てみよう。
 programme(プログラム)、production(プロダクション)、professional(プロフェショナル)、prolétariat〔プロレタリアート、フランス語〕、promide(プロマイド)、procento〔プロセント、ポルトガル語%〕、prostitute(プロスティチュート、売春婦)、propaganda〔プロパガンダ〕など挙げればきりがない。
※propaganda(プロパガンダ)とは、特定の思想によって個人や集団に影響を与え、その行動を意図した方向へ仕向けようとする宣伝活動の総称。特に、政治的意図をもつ宣伝活動をさすことが多いが、ある決まった考えや思想・主義あるいは宗教的教義などを、一方的に喧伝(けんでん)するようなものや、刷り込もうとするような宣伝活動などを指す。要するに情報による大衆操作・世論喚起と考えてよく、国際情報化社会においては必然的にあらわれるものである。今日その方法は、必ずしも押しつけがましいものではなくなり、戦略化し巧妙なものとなってきている。
 
 さらに、原語の頭文字だけに略してしまう場合もある。S(sister)やM(money)はかなり前から使われているが、PR(public relations)やTV(television)はすでに英語でも使われているものを取り入れたものである。略語はこれからもどんどんあらわれてくるだろうが、同音異義語が増えるばかりだから略語は出来るだけやめて欲しい。といっても、長い言葉を日本人の口に合うように言い易く短くするのを抑える訳にはいかないのである。それに、略語がアメリカ辺りでも盛んに使われていることはご存知の通りである。
 
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