瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
町会から回覧が回ってきた。本年の三社祭りが中止になったという。
東日本大地震被災状況に伴い、平成23年度浅草神社例大祭(三社祭)斎行中止決定の御案内(平成23年3月20日)
先ず以て、この度の東日本大地震により犠牲となられた方々の御冥福を心よりお祈り 致しますと共に、被災された皆様に衷心よりお見舞い申し上げ、被災地の一日も早い 復興を切に願う次第でございます。
浅草神社(東京都台東区 宮司:矢野泰良)及び浅草神社奉賛会(会長:鈴木秋雄) と致しましては、平成23年3月11日発生した東北地方太平洋沖地震により東日本全域 に及ぶ被災状況をはじめ、それに伴う福島原発事故の影響、また首都圏に おける電力不足からなる計画停電等々、今後未曾有の事態をも想定される現状とそれ に伴う社会的情勢を鑑み、本年5月20日(金)・21日(土)・22日(日)に予定しておりま した本社神輿渡御を含む浅草神社例大祭(三社祭)の斎行中止を同社総代会及び同社 奉賛会役員会において協議の上、決定させて頂きました。
尚、土曜日午前10時の「例大祭式典」につきましては、被災地早期復興祈願の趣旨を 加え、謹んで斎行致します。
御関係の皆様方に上記の旨を御案内申し上げると共に、諸事御賢察の上、御理解賜りますよう伏してお願い申し上げます。 浅草神社・浅草神社奉賛会
先週末に取上げた数学者 祖冲之の伝記は『南斉書』巻五二に見える。曽祖父の祖台之は東晋の末近くの人で『志怪』という小説を書いている。冲之は劉宋に仕えて謁者僕射(ぼくや)となり、劉宋の滅亡後は斉に仕えて長水校尉に任ぜられた。数学や科学技術に長ずると共に文学のほうでも『述異記』という志怪小説を書いている。『述異記』と題する書は元々2つあって、一つは冲之の作、もう一つは梁の任昉(じんぼう、460~507年)の作であった。前者は普通の志怪小説であるが、後者は主として山川・動植物の奇異についての記録であり地理書的な傾向が強かった。しかし同じ題名なので、昔からしばしば混同されたという。明・清の叢書のなかには『述異記』2巻を収め、任昉の著としたものがあるという。任昉(じんぼう)は梁代第一級の学者・文人であり祖冲之よりもはるかに有名だから、『述異記』といえば任昉の著としてしまう傾向が強いという。魯迅(ろじん)の『古小説鉤沈』には、両者を区別して祖冲之の作のみが集めてある。
金 鶏 (述異記) 祖 冲之 (中国古典文学大系24 六朝・唐・宋小説選 平凡社より)
南康郡雩都県(江西省)は川沿いに西へ突き出しており、県域から三里の所に石室のような形をした洞穴があって、夢口と名付けられている。古くから言い伝えによれば、むかしこの穴の中から、純金のような色をした神鶏が出てきた。そして羽ばたきをしながら飛び回り、よく徹る声で長く鳴いた。人に姿を見られると、穴の中に飛び込んでしまった。そこでこの洞穴を金鶏岩と名付けるようになった。
むかし、ある人がこの山中で畑を耕していたら、はるか向こうに金鶏が出て遊んでいるのが見えた。すると、背の高い男が一人、弾丸(たま)を弓につがえて打った。鶏はそれを見るなり、洞穴の中に飛び込んだ。弾丸は洞穴の真上に命中し、直径六尺ほどの石が落ちてきて、洞穴の入口を塞いだ。隙間はまだ残ったが、人間はもう入れなくなってしまった。
また、ある人が下流から船で県城へ帰る途中、この洞穴のある崖まであと数里という所に来た時、全身に黄色の着物を纏い、貴色の瓜を入れた籠を二つ担いだ男が現れて、船に乗せてくれと言った。乗せてやると、その男は食べ物が欲しいというので、料理と酒を出してやった。
男が食べ終えた時、船は丁度崖の下にさしかかっていた。船の主は瓜をくれと言ったが、男は断わって唾を吐きかけ、さっさと岸へ上がって洞穴の中に入った。船の主は唾を吐かれた時はひどく腹を立てたが、相手が洞穴の中に入ったのを見て、初めて神通力を持つ人と悟り、さっき出した食器を取り寄せて調べた。すると、皿の上の唾はすべて黄金に変わっていた。
壬昉(460~508年)は字を彦昇(げんしょう)といい、南朝・梁の文人。斉の竟陵王・蕭子良(しょう しりょう、460~494年、南朝の斉の武帝の第2子)の文学サロンに参加し、文章家として知られ、人々は競って上奏文の代作を頼んだという。また沈約(しんやく、441~513年)・蕭衍(しょうえん、464~549年、南朝梁の初代皇帝)とも親しく、斉・梁交替の時には禅譲文の執筆を依頼されたという。家に万巻の書を蔵し、宮中の図書校合の任に当たり、著書としては「述異記」の他に「文章縁起」がある。壬昉の散文は長文のものが多いが、「劉先生夫人墓誌」を挙げる。劉先生とは南朝斉の劉瓛(りゅうけん、403~489年)で、博く経書に通じて一世の大儒といわれ、死後詔勅が下って石碑が建立されたという。
劉先生夫人の墓誌 壬 昉 (中国古典文学大系23 漢・魏・六朝・唐・宋散文選 平凡社より)
老莱子の妻かと称され、梁鴻の嫁かとも言われ、また美徳を備えて、生涯を踏み外すことなし。まこと背の君の、蒿(よもぎ)の簪(かんざし)、藜(あかざ)の杖の貧窮生活をたすけ、嘻々として薪を背負うて夫に随い、夫と共に耕作に従いたもう。嫁入り前も嫁入り後も、速やかに謙譲の徳を身に付け、丹陽尹(たんよういん、夫君の祖先)の訓を守り、宰相(夫人の祖先)の威風を広めて、両家の名声を高め、風雅の名は遠くに及んだ。初めはまことに貞淑な才女、のちには真の婦徳を身につけたもう。学者鄭玄(じょうげん)の村も今は草叢に没し、文人揚雄の墓もひっそりと物寂しい。孔子の墓の樹々は枝を交え、老子の謂う如くささやかの木もひとかかえの大樹となった。まずは草生す墓道の門を開き、とこしえに小暗い塚に閉ざされたもう。夫の身分が高ければ、妻も尊ばれるというが、婦人が尊ばれたのは、爵位の高さの故ではない。
東日本大地震被災状況に伴い、平成23年度浅草神社例大祭(三社祭)斎行中止決定の御案内(平成23年3月20日)
先ず以て、この度の東日本大地震により犠牲となられた方々の御冥福を心よりお祈り 致しますと共に、被災された皆様に衷心よりお見舞い申し上げ、被災地の一日も早い 復興を切に願う次第でございます。
浅草神社(東京都台東区 宮司:矢野泰良)及び浅草神社奉賛会(会長:鈴木秋雄) と致しましては、平成23年3月11日発生した東北地方太平洋沖地震により東日本全域 に及ぶ被災状況をはじめ、それに伴う福島原発事故の影響、また首都圏に おける電力不足からなる計画停電等々、今後未曾有の事態をも想定される現状とそれ に伴う社会的情勢を鑑み、本年5月20日(金)・21日(土)・22日(日)に予定しておりま した本社神輿渡御を含む浅草神社例大祭(三社祭)の斎行中止を同社総代会及び同社 奉賛会役員会において協議の上、決定させて頂きました。
尚、土曜日午前10時の「例大祭式典」につきましては、被災地早期復興祈願の趣旨を 加え、謹んで斎行致します。
御関係の皆様方に上記の旨を御案内申し上げると共に、諸事御賢察の上、御理解賜りますよう伏してお願い申し上げます。 浅草神社・浅草神社奉賛会
先週末に取上げた数学者 祖冲之の伝記は『南斉書』巻五二に見える。曽祖父の祖台之は東晋の末近くの人で『志怪』という小説を書いている。冲之は劉宋に仕えて謁者僕射(ぼくや)となり、劉宋の滅亡後は斉に仕えて長水校尉に任ぜられた。数学や科学技術に長ずると共に文学のほうでも『述異記』という志怪小説を書いている。『述異記』と題する書は元々2つあって、一つは冲之の作、もう一つは梁の任昉(じんぼう、460~507年)の作であった。前者は普通の志怪小説であるが、後者は主として山川・動植物の奇異についての記録であり地理書的な傾向が強かった。しかし同じ題名なので、昔からしばしば混同されたという。明・清の叢書のなかには『述異記』2巻を収め、任昉の著としたものがあるという。任昉(じんぼう)は梁代第一級の学者・文人であり祖冲之よりもはるかに有名だから、『述異記』といえば任昉の著としてしまう傾向が強いという。魯迅(ろじん)の『古小説鉤沈』には、両者を区別して祖冲之の作のみが集めてある。
金 鶏 (述異記) 祖 冲之 (中国古典文学大系24 六朝・唐・宋小説選 平凡社より)
南康郡雩都県(江西省)は川沿いに西へ突き出しており、県域から三里の所に石室のような形をした洞穴があって、夢口と名付けられている。古くから言い伝えによれば、むかしこの穴の中から、純金のような色をした神鶏が出てきた。そして羽ばたきをしながら飛び回り、よく徹る声で長く鳴いた。人に姿を見られると、穴の中に飛び込んでしまった。そこでこの洞穴を金鶏岩と名付けるようになった。
むかし、ある人がこの山中で畑を耕していたら、はるか向こうに金鶏が出て遊んでいるのが見えた。すると、背の高い男が一人、弾丸(たま)を弓につがえて打った。鶏はそれを見るなり、洞穴の中に飛び込んだ。弾丸は洞穴の真上に命中し、直径六尺ほどの石が落ちてきて、洞穴の入口を塞いだ。隙間はまだ残ったが、人間はもう入れなくなってしまった。
また、ある人が下流から船で県城へ帰る途中、この洞穴のある崖まであと数里という所に来た時、全身に黄色の着物を纏い、貴色の瓜を入れた籠を二つ担いだ男が現れて、船に乗せてくれと言った。乗せてやると、その男は食べ物が欲しいというので、料理と酒を出してやった。
男が食べ終えた時、船は丁度崖の下にさしかかっていた。船の主は瓜をくれと言ったが、男は断わって唾を吐きかけ、さっさと岸へ上がって洞穴の中に入った。船の主は唾を吐かれた時はひどく腹を立てたが、相手が洞穴の中に入ったのを見て、初めて神通力を持つ人と悟り、さっき出した食器を取り寄せて調べた。すると、皿の上の唾はすべて黄金に変わっていた。
壬昉(460~508年)は字を彦昇(げんしょう)といい、南朝・梁の文人。斉の竟陵王・蕭子良(しょう しりょう、460~494年、南朝の斉の武帝の第2子)の文学サロンに参加し、文章家として知られ、人々は競って上奏文の代作を頼んだという。また沈約(しんやく、441~513年)・蕭衍(しょうえん、464~549年、南朝梁の初代皇帝)とも親しく、斉・梁交替の時には禅譲文の執筆を依頼されたという。家に万巻の書を蔵し、宮中の図書校合の任に当たり、著書としては「述異記」の他に「文章縁起」がある。壬昉の散文は長文のものが多いが、「劉先生夫人墓誌」を挙げる。劉先生とは南朝斉の劉瓛(りゅうけん、403~489年)で、博く経書に通じて一世の大儒といわれ、死後詔勅が下って石碑が建立されたという。
劉先生夫人の墓誌 壬 昉 (中国古典文学大系23 漢・魏・六朝・唐・宋散文選 平凡社より)
老莱子の妻かと称され、梁鴻の嫁かとも言われ、また美徳を備えて、生涯を踏み外すことなし。まこと背の君の、蒿(よもぎ)の簪(かんざし)、藜(あかざ)の杖の貧窮生活をたすけ、嘻々として薪を背負うて夫に随い、夫と共に耕作に従いたもう。嫁入り前も嫁入り後も、速やかに謙譲の徳を身に付け、丹陽尹(たんよういん、夫君の祖先)の訓を守り、宰相(夫人の祖先)の威風を広めて、両家の名声を高め、風雅の名は遠くに及んだ。初めはまことに貞淑な才女、のちには真の婦徳を身につけたもう。学者鄭玄(じょうげん)の村も今は草叢に没し、文人揚雄の墓もひっそりと物寂しい。孔子の墓の樹々は枝を交え、老子の謂う如くささやかの木もひとかかえの大樹となった。まずは草生す墓道の門を開き、とこしえに小暗い塚に閉ざされたもう。夫の身分が高ければ、妻も尊ばれるというが、婦人が尊ばれたのは、爵位の高さの故ではない。
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『桃花源記』(桃源郷)
三社祭りは今年こそ見に行こうかなと思っていましたがほんとうに残念ですネ。
祖沖之は小学生がだれでも知っている数学家です。彼には、数学を教えられた経験のある瘋癲爺はたいへん親近感を持っているのでは?
ところで、金鶏の物語をはじめて拝見しました。なんだか雰囲気的には、陶淵明の『桃花源記』に似ているような気がします。
ちなみに、最近スーパーでの野菜購入は躊躇したりしています。杞憂でしょうかね^^。
祖沖之は小学生がだれでも知っている数学家です。彼には、数学を教えられた経験のある瘋癲爺はたいへん親近感を持っているのでは?
ところで、金鶏の物語をはじめて拝見しました。なんだか雰囲気的には、陶淵明の『桃花源記』に似ているような気がします。
ちなみに、最近スーパーでの野菜購入は躊躇したりしています。杞憂でしょうかね^^。
放射線濃度なんて気にしない
陶淵明の帰去来の辞・桃花源記は高校のときに漢文で習った記憶があります。少々長文ですが、そのうちブログでも取り上げるかもしれません。
1945年8月6日、原爆投下直後の広島市でさ迷い歩いた少年が80歳近くまで大病もせずに生きているのだから、どうということはありません。昨日も金町上水道の放射線濃度が高まったという報道がありましたが、余り気にしていません。もし、それによって障害を受けることがあっても、まあ、運命だとして受け入れるしかないでしょう。ハハハ…
1945年8月6日、原爆投下直後の広島市でさ迷い歩いた少年が80歳近くまで大病もせずに生きているのだから、どうということはありません。昨日も金町上水道の放射線濃度が高まったという報道がありましたが、余り気にしていません。もし、それによって障害を受けることがあっても、まあ、運命だとして受け入れるしかないでしょう。ハハハ…
プロフィール
ハンドルネーム:
目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
自己紹介:
くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
sechin@nethome.ne.jp です。
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