瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
なお、Eukleides(エウクレイデス)という名はギリシア語で「よき栄光」を意味する。その実在を疑う説もあり、その説によると『原論』は複数人の共著であり、Eukleides(エウクレイデス)は共同筆名とされる。
確実なのは彼が古代の卓越した数学者で、アレクサンドリアで数学を教えていたこと、またそこで数学の一派をなしたことである。ユークリッド幾何学の祖で、原論では平面・立体幾何学、整数論、無理数論などの当時の数学が公理的方法によって組み立てられているが、これは古代ギリシア数学の一つの成果として受け止められている。
Eukleides(エウクレイデス)の生涯についてはほとんど何もわかっていない。実際、主要な文献はEukleides(エウクレイデス)の数世紀後のProclus〔プロクルス、410~485年、ギリシャの数学・天文・哲学者〕やPappus〔パップス、アレクサンドリア生まれのエジプトの数学者。4世紀の前半に活躍した〕の著作しかない。Proclus(プロクルス)のEukleides(エウクレイデス)についての記述は『ユークリッド原論第1巻注釈』に簡単にあるだけで、これは紀元5世紀に書かれたものである。それによると、Eukleides(エウクレイデス)は『原論』の著者で、Archimedes〔アルキメデス、BC287~212年、古代ギリシアの数学者、物理学者、技術者、発明家、天文学者〕が彼に言及しており、Ptolemaĩos(プトレマイオス)1世が彼に「幾何学を学ぶのに『原論』よりも近道はないか?」と聞いたところ、彼は「幾何学に王道なし」と答えたとされている。Archimedes(アルキメデス)によるProlemaios(プトレマイオス)1世への言及と称されるものは、後世の編集による挿入だと見られているが、Eukleides(エウクレイデス)の著作がArchimedes(アルキメデス)の著作より古いことは確実とされている。「王道」の逸話も、Menaechmus〔メナイクモス、幾何学者〕とAlexandros(アレクサンドロス)3世の逸話にそっくりであり、本当かどうか疑問がある。もうひとつの重要な文献としてPappus(パップス)のものがあるが、こちらにはPerga(ペルガ)のApollonius〔アポロニウス、BC262?~190年頃、ギリシャの数学者・天文学者〕について言及する際に「(彼は)Alexandria(アレクサンドリア)のEukleides(エウクレイデス)の弟子たちと長く一緒に過ごし、そこでそのような科学的思考法を身につけた」とある。
16世紀後半になると、Eukleides(エウクレイデス)の著作はイエズス会を通じて中国の明にも伝えられた。イエズス会士のMatteo Ricci(マテオ・リッチ、 1552から1610年、イタリア人イエズス会員・カトリック教会の司祭)は、徐光啓(じょこうけい、1562~ 1633年、明代末期の中国の暦数学者、有名なキリスト教徒)との共同作業を通じて著作を漢訳し、1607年に『幾何原本』を刊行した。
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