ウェブニュースより
御嶽海、大関陥落も10勝で復帰可能 小結4人は丸3年ぶり/九州場所番付アラカルト ―― 日本相撲協会は10月31日、大相撲九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の新番付を発表し、20歳の熱海富士(伊勢ケ浜)が新入幕を果たした。初土俵から所要12場所は、年6場所制となった58年以降では幕下付け出しを除くと、元横綱朝青龍らと並ぶ8位タイのスピード昇進。静岡県出身では同部屋で昨年初場所の翠富士(26)以来、戦後6人目となった。
<九州場所番付アラカルト>
◆熱海富士 初土俵から所要12場所は8位タイのスピード。伊勢ケ浜部屋の幕内力士6人は04年春場所の武蔵川部屋以来。
◆大関 貴景勝は2年前の同じ九州場所以来となる3度目優勝を目指す。正代は5度目のかど番。
◆関脇 御嶽海が大関から陥落も10勝で復帰可能。
◆小結 東西各2人で小結4人は丸3年ぶり。
◆翔猿 東の序列2番目の小結に新三役の翔猿が就く。東京都出身では14年秋場所の常幸龍と千代大龍以来、戦後14人目。日大出身で、所要46場所は学生相撲出身では2位のスロー昇進。3関脇4小結は74年秋場所以来。三役7人は92年九州場所以来。
◆新十両 狼雅は現師匠(元大関雅山)が部屋創設後初の関取で、ロシア出身では12年初場所の阿夢露以来。対馬洋(29=境川)は現師匠(元小結両国)部屋創設後では10人目の関取で、長崎県出身では戦後21人目。 [日刊スポーツ 2022年11月1日7時59分 ]
ウェブニュースより
ソウルの繁華街で149人死亡 ハロウィーンで雑踏事故 ―― ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)の路上で29日夜、ハロウィーンを前に集まった若者らが転倒する事故が発生し、多数の死傷者が出た。消防当局によると149人が死亡し、76人が負傷した。
死者には外国人2人を含むという。在韓国日本大使館は30日午前8時時点で日本人が巻き込まれたとの情報はなく、2人は日本国籍ではないと説明した。
韓国の聯合ニュースによると、事故は29日午後10時過ぎ、道幅の狭い下り坂に大勢の人が殺到して発生した。通行者が次々と折り重なるように転倒し、下敷きになった人が呼吸困難に陥ったとみられる。
事故直後、救急隊員らが負傷者に心臓マッサージをする動画がSNS(交流サイト)に投稿された。土曜日の夜で、新型コロナウイルスの行動制限が緩和されて初めてのハロウィーンを前に普段より多くの若者らが訪れていた。10万人以上が訪問していたとの情報もある。
梨泰院はクラブやバーなどのナイトスポットが多く、若者に人気がある地域の一つだ。世界各国のレストランなどが立ち並ぶ国際色豊かなエリアで、外国人の居住者や観光客の往来も多い。近年は人気ドラマ「梨泰院クラス」の舞台にもなった。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は29日夜、救急や治療に十分にあたるよう緊急の指示を出した。30日未明には保健当局に災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣と近隣病院の病床を確保するよう指示した。大統領府の危機管理センターに登庁し、緊急の会議を開いた。
韓国で死者数が100人を超える大規模な事故は、2014年に304人の死者・行方不明者を出した旅客船セウォル号の沈没事故以来となる。 【日本經濟新聞 2022年10月30日 0:24 (2022年10月30日 8:56更新)】
【竜王戦】広瀬章人八段、終盤に逆転負け「思ったよりも難敵だったというか、認識が甘かった」 ―― 藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が初防衛を目指して挑戦者の広瀬章人八段(35)と1勝1敗で迎えた、将棋の第35期竜王戦7番勝負第3局が28、29の両日、静岡県富士宮市「割烹旅館 たちばな」で行われ、後手の藤井が112手で広瀬を下し、シリーズの対戦成績を2勝1敗とした。
第4局は11月8、9日に京都府福知山市「福知山城天守閣」で行われる。
戦型は相掛かり。広瀬が工夫をこらし、中盤戦でじわじわとリードを広げた。主導権を握った広瀬だったが、終盤に逆転負け。
https://www.youtube.com/watch?v=2OWjGGTCMdg
終局後、広瀬は「きょう(2日目)の午前中ぐらいまではペースだったが、再開後(昼食休憩後)の7五歩(先手85手目)から手順がよくなかった」と振り返り、藤井の勝負手について「7五飛(後手92手目)は見えていたが、思ったよりも難敵だったというか、認識が甘かった」と反省した。
4期ぶりの竜王返り咲きを狙う広瀬は第4局に向けて「本局は悔いが残る結果になってしまった。第4局までに立て直したい」と気持ちを切り替えた。
【第35期竜王戦7番勝負・今後の日程】
◆第4局 11月8・9日、京都府福知山市「福知山城天守閣」
◆第5局 11月25・26日、福岡県福津市「宮地獄神社」
◆第6局 12月2・3日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」
◆第7局 12月14・15日、山梨県甲府市「常磐ホテル」
※対局は2日制。4勝先勝で打ち切り [日刊スポーツ 2022年10月29日18時13分]
ウェブニュースより
藤井聡太竜王が勝ちタイ「持ち駒が増え好転」広瀬章人八段の新構想撃破 タイトル戦連敗なし ―― 将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が初防衛を目指して広瀬章人八段(35)の挑戦を受ける、第35期竜王戦7番勝負第2局が21、22日の両日、京都市の仁和寺で行われ、先手の藤井が広瀬を破り、シリーズ対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。第3局は28、29日に静岡県富士宮市「割烹旅館 たちばな」で行われる。
藤井の1敗で迎えた第2局。先手の藤井が角換わりに誘導したのに対し、広瀬は「3三金型早繰り銀」という新戦法を選ぶ。3三金型に構えたあとに速攻型の早繰り銀ではなく、腰掛け銀に構える新構想を披露。意表を突く“変化球”に藤井の長考が増え、時間を使わされた。
https://www.youtube.com/watch?v=KFTMck0GMp8
終局後、藤井は「序盤から経験のない形になり、4五歩から仕掛けていったが、ちょっと自信のない展開にしてしまったのかな」と振り返った。
難解な中盤戦では「少し苦しい展開が続いていた。途中から持ち駒が増え、少し好転してきたのかなと思う」。2日目午後に入り、藤井が反撃する展開となり、勝負手を連発し、鮮やかに寄せきった。
タイトル戦での「不連敗」神話を継続させた。これまでタイトル戦に10度登場し、敗退はなく、1度も連敗がない。これでタイトル戦は36勝7敗。圧倒的な数字は心技体の充実を示す。
今年は、永瀬拓矢王座との棋聖戦5番勝負、豊島将之九段との王位戦7番勝負で、いずれも開幕局を落としたが、両棋戦ではその後、3連勝、4連勝して一気に防衛を果たした。
第3局に向け「内容をしっかり振り返って、次局以降につなげていければと思います」。藤井がシリーズの流れを大きく引き寄せた。 [日刊スポーツ 2022年10月22日16時25分]
ロシアから20万人がカザフに流入 「誰でも動員される」 ――ロシアからは部分動員令を逃れ、多数の市民が出国した。国境を接するカザフスタンには20万人以上が入国し、ロシアのプーチン大統領の政策を口々に批判した。
10月中旬にカザフの首都アスタナで話を聞くと、発令直前の9月20日にロシアを出た弁護士のステパンさんは「(発令後には)軍歴のない人たちも動員された」と指摘。予備役を招集するというロシア政府の説明は信用できないと主張した。
ステパンさんはアスタナ郊外の住宅を借り、これまでに20人以上のロシア市民を無償で泊めた。ロシア市民の流入による需要増で家賃が高騰しているためだ。地元メディアも、カザフ主要都市では家賃が発令前の2、3倍に上昇したケースもあると伝えた。
ニキータさんは9月28日朝、長距離バスでロシア西部を出て、同日夜にカザフ入りした。「(9月21日の)発令後すぐ、5人の友人が招集された」ため、身の危険を感じて近場のカザフを目指した。シェフの仕事を探しているが、ロシアのウクライナ侵攻が終われば帰国するつもりだと話した。
カザフ政府によると、10月上旬までにロシアから計20万人以上が入国した。カザフ経由で第三国に出る例もあるようだ。 【日本經濟新聞 2022年10月21日 18:41】
ウェブニュースより
旧統一教会の違法行為、有無を精査 「質問権」初行使へ ―― 岸田文雄首相は17日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への調査を指示した。宗教法人法に基づく調査は前例がなく、所管する文化庁が質問権を行使する基準作りから取りかかる。政府は早期の調査開始を目標に掲げており、法令違反の有無の判断が焦点となる。
「質問権を行使する場合の基準を速やかに示し、旧統一教会に行使すべく手続きを進める」。永岡桂子文部科学相は17日の衆院予算委員会で述べた。首相は「教団を守ることは全く考えていない」と強調。調査の理由として挙げたのが、教団の組織的な不法行為責任を認めた複数の民事判決だ。
調査に向けた手続きは2段階で進む。まず、質問権を行使する基準や考え方の提示だ。文化庁は宗教や法律の専門家らによる専門家会議を設け、25日から検討を始める。宗教法人法に基づく質問権は、オウム真理教事件などを受けた1995年の同法改正で導入された。解散命令に該当する疑いがある場合などを想定。過去に行使例がないことから、基準を作って論点を絞り込み判断を迅速化する狙いがある。
続いて、実際に教団が基準に該当するかどうかを「宗教法人審議会」(文科相の諮問機関)が具体的に検討する。宗教法人法が調査の際は審議会への諮問を義務付けているためだ。
審議会の委員は現在19人。うち約6割の11人を宗教法人関係者が占める。ポイントとなるのが、審議会の委員が基準を設ける専門家会議の委員も兼ねる見通しであることだ。そもそも基準が旧統一教会に限定したものとなり、他の宗教法人側などから異論が出なければ一連の手続きは短時間で終わる可能性がある。一方で、調査に慎重な意見が相次げば、審議は長引くとみられる。永岡氏は「年内のできるだけ早いうちに」としており、迅速に調査に至るかがカギとなる。
質問権の行使が認められても、調査実施にあたって、なお課題は少なくない。宗教法人法は調査対象となる宗教法人の施設に立ち入る際は「(宗教法人側の)同意を得なければならない」と規定。十分な調査を行うには、教団側の同意を得る必要がある。
調査の態勢が整っていないとの指摘もある。宗教法人法を所管する文化庁宗務課の人員は10人前後。調査の前例はなくノウハウもない。法令違反の有無を判断できるだけの調査結果が得られるかは未知数だ。
「寄付金」返還、実効性に課題
消費者庁の有識者検討会が17日に公表した報告書は、消費者契約法で霊感商法に基づく寄付を取り消せる「対象範囲の拡大」と「契約取り消し期間の延長」を求めた。今後は高額な寄付・献金を取り戻す「救済」の実効性や、新たな被害を「予防」する規制のあり方が問われる。
法改正に向けた課題の一つが、高額とされる金額の基準だ。検討会では年収の一定額以上などの案が浮上したが、年収を明かすことへの懸念などから結論は出なかった。基準を示せれば迅速な救済につながった可能性があり、線引きの曖昧さが残ったといえる。
課題の第2が家族などからの取り消しの申し出を認めるかどうかだ。霊感商法の被害は本人以外からの相談が多い。親の多額の寄付で子どもが困窮する「宗教2世」の問題もある。個人の権利の制約につながりかねないとして法改正では実現困難との意見が根強く、委員からは継続的な議論を求める声もあった。
第3が不安への「つけ込み型」の扱いだ。海外ではフランスやオランダなどが相手の不安や脆弱性へのつけ込みを取り消しの要件とする。日本では既に不安な状態で締結された契約は現行法の適用対象外。一般の経済活動に影響しない規定のあり方を巡り、消費者庁が引き続き検討する。
報告書は被害の予防措置として、新たな規制の導入も求めた。参考になるのが公益法人法だ。同法は寄付しないと意思表示した相手への継続的な勧誘や、乱暴な言動などによる要求を禁じる規定がある。
霊感商法の場合、明確に意思を示せないケースが足かせになる。寄付を強要され、断り切れない場合は同法改正では不十分だ。新法で規制する場合、どのような条文にするかの検討に時間を要することも想定される。 【日本經濟新聞 2022年10月18日 0:00 (2022年10月18日 5:09更新)】
【棋王戦】藤井聡太5冠初のベスト4「次局も集中して指したい」年度内の最年少6冠へ大きく前進 ―― 将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が渡辺明棋王(名人=38)への挑戦権獲得を目指す、第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント準々決勝が17日、大阪市の関西将棋会館で行われ、先手の藤井が豊島将之九段(32)を107手で下し、同棋戦初のベスト4に進出した。年度内の6冠へ前進した。
戦型は角換わり。昼食休憩までに65手と、速いペースで進んだ。豊島の厳しい攻めを手厚い受けで応じ、終盤にリードを広げ、鮮やかに寄せきった。
熱戦を制した藤井は「受けに回る展開が続き、悪い形をうまくほぐせるかどうか、難しいのかなと思っていた」と振り返った。
https://www.youtube.com/watch?v=Kv2NWTc7S4c
これまで棋王戦は過去5回の参加で予選敗退が2回と“鬼門”だった。デビューした17年は予選を突破したものの、挑戦者決定トーナメントで敗退。19、20年は予選落ちした。今回はタイトル保持者のため予選シードから登場し、中川八段、久保九段に勝ち、初のベスト8に進出していた。
5冠を保持する藤井は本年度、叡王、棋聖、王位と防衛を果たし、広瀬章人八段の挑戦を受ける、第35期竜王戦7番勝負では2連覇を目指す。
ベスト4は連敗の少ない藤井にとって有利とも言える「権利」を得た。棋王戦は「ベスト4以上は2敗失格システム」を採用し、敗者復活戦がある。準決勝では名人3期の実績を持つ佐藤天彦九段と対戦する。「ベスト4は初めてなので、次局も集中して指したい」。年度内の最年少6冠へ大きく前進した。 [日刊スポーツ 2022年10月17日20時33分]
ウェブニュースより
ウクライナ軍、南部へルソンで一部地域を奪還 ―― ロシアから大規模なミサイル攻撃を受けたウクライナが、同国南部で反撃に出ている。ウクライナメディアなどは12日、ウクライナ軍が南部ヘルソン州で5つの集落を奪還したと伝えた。
ウクライナ軍は夏以降、ロシアが占領していた東部や南部の地域の奪還作戦を展開していた。今回の反撃も一連の作戦に沿った動きとみられる。
一方、ウクライナのシュミハリ首相は12日、自国の国民や企業に向けて夜間の電力消費を控えるよう要請した。ロシアのミサイル攻撃により電力システムが傷ついたため、停電を避けるには午後5時から10時までの消費量を25%削減する必要があるとした。屋外広告の照明を消すことや、暖房に電気ではなく石炭や天然ガスを使うことを奨励した。
AP通信によると東部ドネツク州の都市リマンではロシア軍による被害の調査が続いている。共同墓地ではこれまでに32人の兵士の遺体が発掘された。その他の墓地でも22人の民間人の遺体が見つかったという。 【日本經濟新聞 2022年10月13日 6:00】
【順位戦】藤井聡太竜王、最年少名人獲得に前進 斎藤慎太郎八段破り3勝1敗で暫定トップタイ ―― 将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が12日、名古屋市の名古屋将棋対局場で指された第81期順位戦A級4回戦で、斎藤慎太郎八段(29)を94手で破り、今期成績3勝1敗とし、暫定トップタイに立った。最年少名人獲得に前進した。
型は「角換わり」。序盤は早いペースで進んだが、中盤戦以降はお互い、読みを深め、長考合戦となった。夕食休憩後、藤井が少しずつリードを奪い、優位に立ってからは正確な指し回しで、先手玉を討ち取った。
終局後、藤井は中盤戦での長考について「7四歩を見せられて、忙しい局面なったので、どう指すか難しかった」と振り返った。
https://www.youtube.com/watch?v=IuA6bGRIaDw
順位戦最上位のA級は10人が総当たりで、挑戦権を懸けて争う。暫定トップは広瀬章人八段の3勝1敗だが、藤井も挑戦権争いの先頭に立った。これまでの4戦を振り返り「内容的に厳しい戦いになっているかなと思っています。少しでも星を伸ばせるようにやっていきたい」。
今期、藤井が挑戦権を獲得し、来年4~6月に開催予定の名人戦で渡辺名人から名人位を奪取すれば、谷川浩司17世永世名人の21歳2カ月の史上最年少名人獲得記録を更新する。 [日刊スポーツ 2022年10月12日23時46分]
ウェブニュースより
クリミア・ロシアつなぐ橋で爆発 物流の動脈 ウクライナ関与か ―― ウクライナ南部のクリミア半島とロシアを結ぶ「クリミア橋」で8日朝、爆発が発生し一部が崩落した。橋はロシアが2014年に同半島の併合を一方的に宣言した後で建設し、18年に開通した。ウクライナ南部に展開するロシア軍への補給が制限され、戦局にも影響を与えそうだ。
橋はクリミアとロシアの間のケルチ海峡を接続し、全長約19キロメートルで道路と鉄道が並行する。ロシア捜査当局の発表によると、トラックが爆発し、燃料を積んだクリミアに向かう貨物列車に引火、炎上した。少なくとも3人が死亡した。刑事事件として捜査を始めた。
クリミア半島では8月以降、ロシア軍の施設への攻撃や爆発が相次いでいた。橋の爆発もウクライナ側による破壊工作の一環の可能性がある。米紙ワシントン・ポストは爆発にウクライナ情報機関が関与したと同国政府高官の話として報じた。
ロシアのプーチン大統領は併合を宣言した地域を自国領と主張し、核兵器の使用も示唆して威嚇を強めている。爆発で緊張が一段と高まることも予想される。プーチン氏は8日、政府に原因究明を指示した。
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「これが始まりだ。違法なものはすべて壊されなければならない」とツイッターに投稿した。同氏は橋が違法に建設されたとして、攻撃対象になり得ると示唆していた。
橋はロシアにとって物流の動脈で、ウクライナ侵攻でも同国南部のロシア軍への補給路だった。開通時にはプーチン氏が自らトラックを運転して渡り、クリミアの実効支配をアピールした。 【日本經濟新聞 2022年10月9日 2:00】
【竜王戦】藤井聡太竜王が黒星発進「思っていた以上に形勢が悪く」広瀬章人八段の指し回しに屈す ―― 藤井聡太竜王(20)が初防衛を目指して広瀬章人八段(35)の挑戦を受ける、将棋の第35期竜王戦7番勝負第1局が8日、東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で行われた。8日午前9時からの2日制で始まった対局は、この日午後6時2分、107手で先手の広瀬が先勝した。初防衛を目指す藤井は広瀬の緩急自在な指し回しに屈し、黒星スタートとなった。第2局は今月21、22日、京都市「総本山仁和寺」で行われる。
藤井は何度も天井を見上げては、うつむいたり、腕組みをしていた。敗勢を意識する時に見せるしぐさだ。角換わり腰掛け銀からミスなく冷静に手を進める広瀬の前に、局面はどんどん悪くなる。相手陣を攻略するにも、自陣を守るにも駒が不足している。投了もやむを得なかった。
「▲2五桂と飛ばれた手で、自信を持てる変化がありませんでした。▲8七玉で、思っていた以上に形勢が悪くなってしまいました。攻め合いで何とかできればと思っていましたが、分からなくなってしまいました」と振り返った。
https://www.youtube.com/watch?v=x8pBCkiVafM
6日の前夜祭では、「広瀬八段は終盤が非常に鋭く、そこに至るまでの中盤の組み立てが素晴らしい」と、分析していた。結果的にその術中にはまった。
これで今年のタイトル戦のうち、ストレート勝ちした出口若武六段との叡王戦5番勝負を除けば、永瀬拓矢王座との棋聖戦5番勝負、豊島将之九段との王位戦7番勝負、今回と、いずれも開幕局を落としている。ただし、棋聖戦はそこから3連勝、王位戦は4連勝して一気に防衛した。修正能力は高い。
昨年9月に叡王を獲得した際、タイトル戦について「何回か負けることができる」とも話していた。これまでタイトル戦での連敗はない。巻き返しは可能だ。「早い段階で形勢を損ねてしまって、きわどい勝負に持ち込めなかった。内容を良くして熱戦に持ち込みたいと思います」と、第2局に向けて抱負を語った。
次は先手番。自分のやりたい作戦に誘導できる。渡辺明現名人が2005年(平17)の第18期で21歳7カ月の史上最年少で達成した竜王初防衛記録に向け、反撃に転じる。
【第35期竜王戦7番勝負・今後の日程】
◆第2局 10月21・22日、京都市「総本山仁和寺」
◆第3局 10月28・29日、静岡県富士宮市「割烹旅館 たちばな」
◆第4局 11月8・9日、京都府福知山市「福知山城天守閣」
◆第5局 11月25・26日、福岡県福津市「宮地獄神社」
◆第6局 12月2・3日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」
◆第7局 12月14・15日、山梨県甲府市「常磐ホテル」
※対局は2日制。4勝先勝で打ち切り [日刊スポーツ 2022年10月8日19時10分]
ポリーブ除去のため6日・7日と、浅草寺病院に入院しました。大腸に大きなポリープが2つとその間に小さなポーリプがあり、これらを除去したとのことでした。
ウェブニュースより
謹慎処分明けの玉川徹氏動向に注目…MC羽鳥氏の命運を握る“異色コメンテーター”の決断 ―― テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」の生放送中の事実誤認発言で出勤停止となった、同局社員でコメンテーターの玉川徹氏(59)の動向に注目が集まっている。
玉川氏は9月28日の番組で、安倍晋三元首相の国葬をめぐる菅義偉前首相の弔辞について「電通が入ってます」などと発言。翌29日、「事実ではありませんでした」と謝罪したものの、同局は玉川氏の謹慎処分を発表し、10日間の出勤停止が決まった。
ところがその後もネットを中心に賛否の声はやまず、自民党の西田昌司参院議員(64)が「国政の場でも提起したい」と発言したと報じられるなど、19日にも番組復帰するとみられる玉川氏の言動に世間の関心は高まるばかりだ。
テレ朝は1月、「羽鳥慎一モーニングショー」が年間視聴率(2021年1月~12月)で、民放トップを獲得したと発表(個人全体5.6%、世帯10.6%)。同番組は17年から5連続で年間視聴率民放トップを維持している(いずれもビデオリサーチ調べ/関東地区)。
高視聴率の背景にあるのは、MCを務める羽鳥氏の尽力はもちろんだが、歯に衣着せぬ物言いで政権批判する玉川氏という“異色”の存在があったのは言うまでもない。一部では、玉川氏が復帰した番組内で「降板」を表明するのではないか、などとささやかれているが、こうした見方に対しても賛否の声が上がっている。
《現場主義を貫いてきた玉川さんだから、今後、自由に発言できなくなるのであれば潔く降板するのでは》
《降板は当たり前。きっちりとけじめをつけてほしい》
《降板したら、長嶋一茂さんの暴走を止める人がいなくなるし、天気予報の後の楽しい体操姿が見られなくなる》
《玉川さん辞めたらどうなるの? 石原さんやスシローさんが岸田政権バンザイと叫ぶだけ? もう見ないな》
今後の羽鳥氏の「命運」も左右しかねない玉川氏の決断やいかに……。 (日刊ゲンダイ 公開日:2022/10/07 06:00 更新日:2022/10/07 06:00)
ノーベル平和賞、ウクライナ・ロシアの人権団体などに ―― ノルウェーのノーベル賞委員会は7日、2022年のノーベル平和賞をウクライナとロシアの人権団体と、ベラルーシの人権活動家アレシ・ビャリャツキ氏に授与すると発表した。ロシアによるウクライナ侵攻で多くの人命が失われ、世界の安全保障が脅かされる中、平和と民主主義を追求する活動が評価された。
受賞が決まったのはビャリャツキ氏のほか、ウクライナの人権団体「市民自由センター(CCL)」とロシア人権団体「メモリアル」。レイスアンデルセン委員長は「平和と民主主義のための市民社会の重要性を体現した。アルフレッド・ノーベルがめざし、今の世界で最も求められている平和と友愛に再び活力を与えた」と述べた。
ノーベル賞委員会によると、ビャリャツキ氏はロシアの友好国であるベラルーシで1980年代に起きた民主化運動のリーダー的存在。政治犯に対する当局の拷問を記録し、抗議するなどの活動を続けてきた。当局に度々逮捕されており、現在も裁判を受けずに拘束されているという。レイスアンデルセン氏は同氏の早期釈放を強く求めた。
CCLは07年にウクライナの首都キーウ(キエフ)で設立された。レイスアンデルセン氏はCCLについて「22年2月のウクライナ侵攻後、ウクライナが国際刑事裁判所に加盟するよう積極的に働きかけた」と紹介した上で「ロシアのウクライナ市民に対する戦争犯罪の特定や記録に取り組んだ」と評価した。
メモリアルはソ連末期の87年に創設され、30年代の最高指導者スターリンによる大粛清で死亡した何百万人もの証拠を収集、記録する活動を出発点とする。人権擁護や政治弾圧の調査・告発で知られる。
ロシアの検察当局が21年、外国の資金援助を得て政治活動に携わるための義務を履行していないとしてメモリアルを起訴し、最高裁が解散を命じた。
授賞式は12月10日にノルウェーの首都オスロで開かれる。賞金1千万スウェーデンクローナ(約1億3千万円)は、2団体1個人で分ける。ノーベル賞委員会によると、22年の平和賞候補には251人と92団体の推薦があった。 【日本經濟新聞 2022年10月7日 18:11】
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ウクライナ、併合地域の一部奪還か ロシア部隊が撤退 ―― ウクライナ軍が東部ドネツク州で反攻を進めている。同州北部にあるロシア軍の拠点を包囲し、奪還に向けて攻撃を続けている。ロシアは30日にウクライナ東・南部4州の併合を一方的に宣言したが、ウクライナ側は強く反発している。米国などの軍事支援のもとで「併合地域」の切り崩しをめざす。
ウクライナメディアによると、東部ドネツク州の要衝リマン周辺で30日、ウクライナ軍によるロシア軍の包囲がほぼ完了した。ロシア国防省は1日、リマンのロシア軍部隊が包囲から逃れるため撤退し、部隊を再配置したと通信アプリで表明した。
リマンは隣接するルガンスク州のリシチャンスクにも近い。米シンクタンクの戦争研究所は30日、「ウクライナ軍は今後72時間以内にリマンを奪還あるいは包囲する可能性が高い」との分析を公表していた。
一方、南部ザポロジエ州では郊外で30日に市民の乗った車の列がロシア軍の発射とみられるミサイル攻撃を受けた。少なくとも30人が死亡、100人程度が負傷したもようだ。英国防省は1日、「ロシア軍の長距離防空ミサイルが地上攻撃に使われたとみられる」と指摘、ロシア軍でミサイルなどの兵器不足が深刻になっていると分析した。
国際原子力機関(IAEA)は30日、同州のザポロジエ原子力発電所付近で29日に地雷による爆発が発生し、電線や変圧器の一部に損傷が発生したと発表した。原発の安全性に直接的な影響はないとしている。地雷による爆発が原発近くで続いており、グロッシ事務局長は「深刻な懸念」を表明した。
原子力企業エネルゴアトムは1日、同原発のムラショフ所長がロシア軍に拘束されたと通信アプリで公表した。ムラショフ氏は30日夕に発電所から市街地に向かう途中で拘束され、消息が不明だという。IAEAは「ロシア当局と連絡をとり、説明を求めている」としている。同原発はロシア軍が占拠している。
ロシア大統領府は30日、プーチン大統領が秋の徴兵に関する大統領令に署名したと発表した。徴兵は年2階で、今回は11月1日~12月末にかけて予備役ではない18~27歳の12万人を徴兵する。ロシア側は徴兵者は国内で兵役に就き、ウクライナの戦線には動員されないとしている。
ロシアが21日に発令した部分動員令は特別な軍事技術・経験などを持つ予備役が対象で、約30万人を動員するとした。だが、実際には対象者でない国民も招集されていると伝わり、ロシア国民に動揺が広がっている。
欧米諸国はウクライナへの支援を継続する方針を打ち出している。米政府は28日、ウクライナ向けに11億ドル(約1600億円)相当の武器を追加供与する方針を決めた。高機動ロケット砲システム「ハイマース」を18基供与するほか、ロシア軍の無人機に対処するためのシステムも増強する。米政府は「長期間にわたってウクライナ支援を続けていく米国の決意を示すものだ」と強調した。 【日本經濟新聞 2022年10月1日 20:00 (2022年10月1日 23:44更新)
【猪木さん死去】元妻・倍賞美津子、新日本旗揚げ直前に結婚 17年支えた同志としての絆 ―― 元プロレスラーで参議院議員も務めたアントニオ猪木さんが1日午前7時40分、都内の自宅で心不全のため亡くなった。79歳だった。
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新日本プロレス旗揚げからの17年間、妻として猪木さんを支えたのが女優の倍賞美津子(75)だった。
千恵子(81)との倍賞姉妹は、今で言えば広瀬アリス・すず姉妹のような存在だったので、猪木さんとの「1億円挙式」は文字通りのトップニュースだった。
「寅さん」でおなじみの姉が庶民的なイメージなら、今村昌平、黒澤明ら多くの巨匠に重用された美津子は対照的にグラマラスで「情念の女」の印象が強く、夫妻そろってあふれるようなエネルギーを感じさせた。
倍賞はマスコミに私生活のことはほとんど語っていないが、猪木への愛はその行動が示している。71年11月の挙式から2カ月余りの72年1月に新日旗揚げ。宣伝カーのナレーションを吹き込んだり、融資先にも足を運ぶなど、内助の功もエネルギッシュだった。猪木さんもこれに応えるように「彼女は明るくて、人を喜ばせることが上手だった。人がいるとワーッと楽しく振る舞い、周りにいる人の心が明るくなる」と語り、76年6月のムハマド・アリとの「格闘技世界一決定戦」に突き進んでいく。
この一戦で猪木さんの存在は世界的に知られるようになる。その勢いで行われた半年後のパキスタン遠征にも倍賞は同行した。同国の英雄アクラム・ペールワンとの試合では、死闘の末アームロックでギブアップしないペールワンの腕を脱臼させてしまう。
暴動寸前のような会場で倍賞は「新間(寿・新日専務=当時)さん、私はいいからアントンを頼むわ」と肝の据わったところをみせた。猪木さんがほれ込んだきっぷの良さだった。
88年、結婚17年目の離婚もメディアの注目を集めた。原因は猪木さんの不倫騒動だったが、倍賞の方にも後に萩原健一との熱愛が伝えられた。猪木さんも倍賞も非難めいたことはいっさい口にしなかった。夫婦関係にはピリオドを打っても、世界を舞台に戦った同志としての絆は切れなかった。
倍賞の弟鉄夫さん(17年死去)は長年新日のリングアナを務め、猪木事務所社長にも就いた。夫妻の娘で元女優の寛子さんと当時の夫サイモン・ケリー氏(新日社長=当時)のはからいで、倍賞は03年5月の「新日30周年記念東京ドーム大会」にサプライズゲストとして登場。猪木さんとともに「1、2、3、ダー!」を披露して、その絆を印象づけた。 [日刊スポーツ 2022年10月2日5時0分]
ウェブニュースより
ロシア、ウクライナ「併合」強行 1930年代と酷似 ―― ロシアのプーチン大統領が30日、ウクライナ東・南部4州の併合を宣言した。国際法に違反し、戦後秩序を根底から覆す一方的な併合。勢力圏とみなす地域を力ずくで従わせようとする「プーチン・ドクトリン」は1930年代の欧州と酷似する。
国際秩序の安定に責任を持つべき国連安全保障理事会の常任理事国。それが「ロシア系住民の保護」を口実に隣国を侵略し、領土の割譲を迫る。
1938年、ナチス・ドイツがチェコのズデーテン地方を併合した際、「弾圧されたドイツ系住民の保護」を大義名分に掲げた。英仏は戦争を回避するため、併合を認めたものの、ドイツは翌年ポーランドに侵攻し、世界を戦火に巻き込んだ。
一方、ソ連の指導者スターリンはナチスと一時的に手を組み、東欧分割に動く。1940年、「現地の自発的な意思」があったとしてバルト3国を強制併合した。
領土の拡大を「勝利」と喧伝(けんでん)し、求心力を高める手口は当時と似る。周辺では、ほかにも併合構想がある。ジョージアからの「独立」を宣言した南オセチアはロシア編入を問う住民投票を探る。モルドバ東部の親ロシア派地域、自称「沿ドニエストル共和国」でも併合案が浮かぶ可能性がある。
欧州は全体主義に覆われていた時代に戻ったかのようだ。国連のグテレス事務総長は29日、ロシアのウクライナ領併合は「国連憲章と国際法に反する」との声明を出したが、プーチン大統領は動じない。30日の演説で「(併合地域の)住民は我々と同じ未来を進むことを決めた」として併合を正当化した。
ロシアの展望が開けるわけではない。「併合」でウクライナの東西分断を固定化するには停戦が不可欠だが、ウクライナのゼレンスキー大統領は29日の演説で「クレムリン(ロシア大統領府)が望むようなことにはならないだろう」と語った。併合地域への攻撃を緩めないというメッセージだ。
いまのところウクライナに欧米諸国は寄り添う。「我々はプーチン氏が戦争で負けることを保証する」。30日、トラス英首相は声明を出した。ドイツ与党・社会民主党のシュミート連邦議会議員(外交担当)も日本経済新聞に対し、「ウクライナへの人道・経済・軍事支援を続ける」と答えた。戦争の長期化は避けられない。
「戦闘が続き、併合地域の復興は難しい。経済的にはロシアの重荷」と政治評論家セルゲイ・スムレニー氏(元ロシア反体制派ジャーナリスト)はみる。
戦場での劣勢を挽回するために部分動員令を発令し、領土を「併合」し、核兵器をちらつかせて西側をけん制する。焦るロシアが望みをつなぐのが敵失、つまり民主主義陣営の混乱だ。
欧州経済は疲弊し、大黒柱のドイツはスタグフレーション(景気後退とインフレの併存)入りが確実視される。イタリアでは近く極右政権が生まれ、米国は「トランプ復活」のうねりが増す。
「ロシアは民主主義国家における亀裂を見つけ、油を注ぐ。世界の民主主義を弱めようとしている」。ロシアの隣国ラトビアのカリンシュ首相は警鐘を鳴らす。
2014年のクリミア半島併合の際、日米欧は甘い態度に終始した。もう失敗は繰り返せない。
「景気が悪くなったから」といって足踏みするのではなく、むしろ天然ガスの全面禁輸など思い切った制裁に踏み込むべきだろう。むろん来年、主要7カ国(G7)議長国となる日本も無関係ではいられない。
冷戦期、西側陣営は核戦争のリスクを抱えながら対共産圏輸出統制委員会(ココム)規制という貿易制限を課した。「抜け穴だらけ」との批判もあったが、40年かけて共産独裁を崩壊に追い込んだ。
いまロシアに歯止めをかけなければ中国を含めた強権国家に誤ったシグナルを発し、将来の極東情勢にも禍根を残す。時代錯誤の帝国主義に染まるロシアの暴挙を許してはならない。民主主義陣営は今回こそ毅然と対峙すべきだ。 【日本經濟新聞 2022年10月1日 2:00】
「みっともないけど死ぬまでやります」毒舌全う 三遊亭円楽さん死去 「円生」襲名の願いは叶わず ―― 「残念でした。生きてるよ」。今年7月22日、三遊亭円楽さんは脳梗塞の手術の後、約半年ぶりに公の場に姿を見せた。襲名に並々ならぬ意欲を見せた江戸時代からの大名跡「三遊亭円生」の初代の遺徳をしのぶ一門の会。毒舌ジョークは健在、目が合った時のまなざしは「これからだよ」と訴えているようにも見えたのだが…。
折に触れ、私に語っていたのが「『円生』の名前をつなぎでもいいから、もう1回世に出したい」だった。昨年末、今年の新年企画のために取材した際も「『円生』の名前を1回世に出せば、跡を継ぎやすくなる。それが三遊一門や落語界への恩返し」と強調。そして、「誰が? 生意気なことをいうようだけど、今は僕しかいないかな」と自信に満ちた表情で言い切った。願いはかなわず、さぞ無念だったろう。
芸では緻密さに定評があった。「芝浜」「明烏あけがらす」「禁酒番屋きんしゅばんや」などが得意で、自然体の語り口で魅了した。幅広い人脈を生かしたプロデュース力も抜群。スタートから15年になる福岡の「博多・天神落語まつり」に加えて、19年から札幌で同様のイベントを催し、今年3月には東京都内各所で「江戸東京落語まつり」を開いた。これらをつなげて「全国を落語家が回る仕組みをつくりたい」という壮大な構想を描き、落語を広め、文化の高みに引き上げる—と夢は大きかった。
「笑点」では毒舌、腹黒が売りだったが、前座時代から先へ先へと気が回り、師匠方らのお茶の好みを覚えて後輩に申し送りしたなど、気配り上手で面倒見の良い人だった。8月11日に東京・国立演芸場で高座復帰を果たし、涙ながらに「みっともないけど死ぬまでやります」と宣言、古典落語「猫の皿」を熱演した。満場の拍手に見せた穏やかな表情は、紛れもなく「いい人」だった。 (東京新聞 2022年9月30日 22時05分)
ウェブニュースより
ロシア、「併合」強行へ ウクライナ4州で全土の14% ―― ロシアはウクライナ東・南部4州の一方的な併合に踏み切る。親ロ派勢力が実施した27日までの「住民投票」で賛成が多数だったと正当化する。4州の占領地域の面積はウクライナ全土の約14%を占める。2014年3月のクリミア半島併合に続く武力での国境変更の暴挙に、国際社会はロシアへの非難を一段と強めている。欧州連合(EU)は28日、追加の制裁案を発表した。
ウクライナ外務省は28日の声明で住民の意思表示とは何の関係もない「偽り」だと非難した。「占領地域を解放する」と強調し、国際社会に軍事支援と厳しい対ロ制裁発動を訴えた。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は28日、ロシアへの追加制裁案を発表した。航空機や化学関連などの部品・物質の輸出規制を拡大する一方、70億ユーロ(約1兆円)規模のロシア産品の輸入制限を科す。EU市民がロシア国営企業の幹部に就くのを禁じ、輸入する石油価格には上限を設ける。
フォンデアライエン氏は「ウクライナでの偽りの住民投票やいかなる種類の併合も受け入れない」と訴えた。制裁は加盟国の全会一致をへて実施される。
米国のブリンケン国務長官も27日「ロシアにさらなる厳しい代償を迅速に科す用意がある」と述べた。
ロシア編入の是非を問う住民投票は、東部のルガンスク、ドネツクと南部のザポロジエ、ヘルソン4州の占領地域で23~27日に行われた。親ロ派は即日開票の結果、賛成票が87~99%を占めたと主張した。クリミア併合時の住民投票での賛成票は97%だった。
ルガンスク、ヘルソン、ザポロジエ州の親ロ派は28日、プーチン大統領にロシアへの編入を正式に要請した。各州は「条約」と呼ぶ合意文書を締結する見通しだ。ロシアのメドベージェフ前大統領は27日夜、住民投票の結果についてSNS(交流サイト)に「ロシアにお帰りなさい」と投稿した。
クリミア併合では住民投票から、5日後に手続きを完了していた。ロシアメディアによると、30日にプーチン氏が併合を宣言する演説を行う可能性がある。
米戦争研究所の地図データをもとに計算すると、4州の占領地域は27日時点で約8.6万平方キロメートル。ウクライナ国土の約14%に当たりクリミア半島(2.7万平方キロメートル)の約3.2倍の広さだ。
軍事侵攻に加えて、占領地の併合は「武力による威嚇または武力の行使」によって「領土保全」を侵すことを禁じた国連憲章2条に違反する。
ウクライナの国内法にも明白に反しており、住民投票や一方的な併合は米欧日だけでなく中印などの支持も得られず、ロシアの国際的孤立が一段と深まるのは確実だ。
それでも、プーチン政権が4州の併合を急ぐ背景には戦況の悪化がある。米欧の軍事支援を受けたウクライナ軍の攻勢で、占領地域の維持が難しくなった。深刻な兵力不足を補うため併合地域での動員を強化し、「自国領」だとして核兵器の使用もちらつかせながら、ウクライナ軍の勢いを食い止めたい考えだ。
14年のクリミア併合時とも大きく状況は異なる。クリミア侵攻は短期で死者もほぼ出さず、国民の愛国心に訴えてプーチン政権への支持率は大きく上昇した。
2月に開始した今回の侵攻は短期で首都キーウ(キエフ)を制圧するシナリオが、早々に崩れた。戦況悪化と経済制裁でプーチン政権は苦境に追い込まれている。21日に発令した部分的な動員令では、大規模な国外脱出の動きが表面化。徴兵事務所への放火も相次ぐ。
在ロシア米大使館は28日までに、ロシアに居住、滞在する全ての米国人に国外退避勧告を出した。米ロの二重国籍者については、部分動員令の対象となる可能性があると指摘した。
住民投票でウクライナのゼレンスキー政権は態度を硬化させており、停戦協議の再開はさらに遠のきそうだ。 【日本經濟新聞 2022年9月28日 20:53 (2022年9月29日 4:22更新)】
高橋治之元理事は3度目の逮捕…“人質司法”で五輪汚職捜査は「無限ループ」なのか ―― 27日は国葬の喧騒の裏で、安倍元首相も関わった東京五輪をめぐる汚職事件の捜査が進展した。
東京地検特捜部は27日、広告大手「大広」から電通の販売協力代理店に選ばれるよう依頼され、計約1500万円の賄賂を受領したとして、受託収賄容疑で大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)、知人のコンサルタント会社社長・深見和政容疑者(73)を再逮捕した。大広についても贈賄容疑で執行役員の谷口義一容疑者(57)を逮捕した。
高橋容疑者は「AOKIルート」「KADOKAWAルート」に続く3度目の逮捕だ。五輪に絡む口利きで高橋容疑者が受け取ったとされる賄賂は総額で約1億4200万円となった。
高橋容疑者は27日がKADOKAWAルートでの勾留期限だったので、再逮捕の可能性がささやかれていた。贈賄側のKADOKAWAの元専務と元五輪担当室長は27日起訴された。同社会長の角川歴彦容疑者(79)の勾留期限は10月4日だ。
「高橋容疑者は20日後にまた勾留期限を迎えることになるが、早くも『次はADKルート』で再逮捕だろうとみられています」(大会関係者)
広告大手「ADKホールディングス」にも大広同様に、高橋容疑者が販売協力代理店に選ばれるよう便宜を図った疑いが出ている。すでに特捜部の家宅捜索を受けた駐車場大手「パーク24」のスポンサー契約に関するもので、ADKは8年半にわたり高橋容疑者にコンサルタント料計5000万円を支払った疑惑だ。パーク24の社外取締役には日本オリンピック委員会の竹田恒和前会長が名を連ねている。
五輪汚職の闇は底なしだ。捜査はいつまで続くのか。 【日刊ゲンダイ 公開日:2022/09/29 06:00 更新日:2022/09/29 06:00】
sechin@nethome.ne.jp です。
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