瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
今朝のウェブニュースより
山中氏ノーベル賞:新技術開発にも波及 国も集中的に投資 ――ノーベル医学生理学賞を受賞することに決まった京都大iPS細胞研究所の山中伸弥・同大教授(50)によるiPS細胞の開発は、他分野の研究を加速させた。中でも注目されているのは、iPS細胞を介さずに、皮膚細胞などから直接、神経や心臓など必要な細胞を作る「ダイレクト・リプログラミング」と呼ばれる技術だ。/研究の歴史はiPS細胞より古いが、成功例がほとんどなかった。しかし、マウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を導入するというiPS細胞の作成方法が刺激となり、複数の遺伝子を組み入れることで、成功例が相次ぐようになった。/慶応大のチームは今年8月、心筋梗塞(こうそく)を起こしたマウスの心臓に三つの遺伝子を入れて、心筋細胞を再生させる実験に成功したと発表した。チームの家田真樹・特任講師は「iPS細胞の論文は、何度も繰り返し読んだ」と話す。京都大iPS細胞研究所の妻木範行教授らは、ヒトの皮膚細胞から軟骨細胞を作り出した。/iPS細胞研究は、世界をリードできる有望な分野と政府も位置づける。今夏まとめた日本再生戦略では、集中的に支援することを明記し、iPS細胞を含む再生医療分野を新産業の柱に育てる目標を掲げた。/国の予算はここ2年、毎年100億円以上計上している。中でも大きな研究の枠組みが、文部科学省と厚生労働省が進める「再生医療の実現化プロジェクト」だ。京都大を筆頭に、慶応大、東京大、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの4機関を拠点とし、iPS細胞の活用に必要な研究や技術開発を進めている。/患者数が少ないため治療法の研究が進まない難病の原因解明や創薬でも、iPS細胞を使った国のプロジェクトが始まる。病気の種類ごとに4カ所程度の拠点を設置。患者から提供を受けた細胞を使って難病iPS細胞を作り、それを使って創薬を目指す。現在、文科省へ公募のあった研究内容の審査が行われている。 〔毎日新聞 2012年10月09日 07時00分〕
※人工多能性幹細胞(じんこうたのうせいかんさいぼう、Induced pluripotent stem cells)とは、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性 (pluripotency)と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。京都大学教授の山中伸弥らのグループによって、マウスの線維芽細胞(皮膚細胞)から2006年に世界で初めて作られた。英語の頭文字を取り、iPS細胞(アイピーエスさいぼう)と呼ばれ、誘導多能性幹細胞(ゆうどうたのうせいかんさいぼう)とも訳される。
寺田寅彦のエッセーに「ピタゴラスと豆」というのがある。以下に、転記する。
ピタゴラスと豆 寺田寅彦
幾何学を教わった人は誰でもピタゴラスの定理というものの名前ぐらいは覚えているであろう。直角三角形の一番長い辺の上に乗っけた枡形(ますがた)の面積が他の二つの辺の上に作った二つの枡形の面積の和に等しいというのである。オルダス・ハクスレーの短篇『若きアルキメデス』には百姓の子のギドーが木片の燃えさしで鋪道(ほどう)の石の上に図形を描いてこの定理の証明をやっている場面が出て来るのである。また相対性原理を設立したアインシュタインが子供のときに独りでこの定理を見付けたとかいう話が伝えられている。この同じピタゴラスがまた楽音の協和(ハーモニー)と整数の比との関係の発見者であり、宇宙の調和の唱道者であったことはよく知られているようであるが、この同じピタゴラスが豆のために命を失ったという話がディオゲネス・ライルチオスの『哲学者列伝』の中に伝えられている。
このえらい哲学者が日常堅く守っていた色々の戒律の中に「食ってはいけない」というものが色々あった、例えばある二、三の鳥類、それから獣類の心臓、反芻類(はんすうるい)の第一胃、それから魚類ではかながしらなどがいけないものに数えられている外に、豆がいけないことになっている、この「豆」(キュアモス)というのが英語ではビーンと訳してあるのだが、しかしそれが日本にあるどの豆に当るのか、それとも日本にはない豆だか分らないのが遺憾である。それはとにかく、何故その豆がいけないかという理由については色々のことが書いてある。胃の中にガスがたまるからとか、また「生命の呼吸の大部分を分有するから」とか、あるいはまた「食わない方が胃のためによく、安眠が出来るから」とか書いているかと思うと、またアリストテレスの書物を引用して、「豆は生殖器に似ているから、あるいはまた地獄の門のように、ひとりでつがい目が離れて開くから」ともある。何のことかやはりよく分らない。それからまた「宇宙の形をしているから」とか「選挙のときの籤(くじ)に使われる、従って寡頭(かとう)政治を代表するものだから」ともある。
それはさておいて、ピタゴラスの最期についても色々の説があるがその中の一つはこうである。
一日ミロにおける住宅で友人達と会合しあっていたとき誰かがその家に放火した。それは仲間に入れてもらえなかった人の怨恨によるともいわれ、またクロトンの市民等がピタゴラス一派の権勢があまり強すぎて暴君化することを恐れたためともいわれている。とにかくピタゴラスはにげ出して行くうちに運悪く豆畑に行き当った。そこでかれは、戒律を破って豆畑に進入するよりは殺された方がましだといって逃走をあきらめた。そこへ追付いた敵が彼の咽喉(のど)を切開したというのである。
一方ではまた捕虜になって餓死したとか、世の中が厭(いや)になって断食して死んだとか色々の説があるから本当のことは何だか分らない。しかし豆畑へはいるのがいやでわざわざ殺されたというのが本当だとすると、それは胃に悪いとか安眠を害するとかいうだけではなくて、何かしら信仰ないし迷信的色彩のある禁戒であったであろう。
このピタゴラスの話がまるで嘘であるとしても、昔のギリシャかローマに何かそれに類する「禁戒」「タブー」「物忌(ものい)み」といったようなものがあったのではないかという疑いをおこさせるには十分である。
この頃、柳田国男氏の「一つ目小僧その他」を見ると一つ目の神様に聯関して日本の諸地方で色々な植物を「忌む」実例が沢山に列挙されている。その中に胡麻(ごま)や黍(きび)や粟(あわ)や竹やいろいろあったが、豆はどうであったか、もう一度よく読み直してみなければ見落したかもしれない。それはいずれにしても、ピタゴラスの豆に対する話はやはりこうした「物忌み」らしく思われるのである。「嫌う」ともちがうし、「こわがる」ともちがう。
故芥川龍之介君が内田百間(ひゃっけん)君の山高帽をこわがったという有名な話が伝えられている。これは「内田君の山高帽」をこわがったのか「山高帽の内田君」をこわがったのか、そこのところがはっきりと自分にはわからないが、しかしこの話の神秘的なところが何となくピタゴラスの豆を自分に思い出させるのである。
ピタゴラスはイタリーで長い間地下室に籠っていた後に痩せ衰えて骸骨のようになって出て来た。そうして、自分は地獄へ行って見物して来たと宣言して、人々に見て来たあの世のさまを物語って聞かせたら聞くものひどく感動して号泣し、そうして彼はいよいよ神様だということになった。地下室にいた間は母にたのんで現世の出来事に関する詳細なノートをとって、それを届けてもらって読んでいたという話も伝えられている。これではまるで詐欺師であるが、これはおそらく彼の敵のいいふらした作り事であろう。
ピタゴラス派の哲学というものはあるが、ピタゴラスという哲学者は実は架空の人物だとの説もあるそうで、いよいよ心細くなる次第であるが、しかしこのピタゴラスと豆の話は、現在のわれわれの周囲にも日常頻繁に起りつつある人間の悲劇や喜劇の原型(プロトタイプ)であり雛形(モデル)であるとも考えられなくはない。色々の豆のために命を殞(おと)さないまでも色々な損害を甘受する人がなかなか多いように思われるのである。それをほめる人があれば笑う人があり怒る人があり嘆く人がある。ギリシャの昔から日本の現代まで、いろいろの哲学の共存することだけはちっとも変りがないものと見える。 (昭和九年七月『東京日日新聞』)
※花弁の黒点が死を連想させたため、古代ギリシャ人はソラマメを葬儀に用い、不吉として嫌われることもあった。古代ギリシアの数学者・哲学者ピタゴラスは、ソラマメの中空の茎が冥界(ハーデース)と地上を結んでおり、豆には死者の魂が入っているかも知れないと考えた。現代ギリシアでは "fava" はソラマメでなくエンドウマメを意味するという。古代ローマ人もソラマメを葬儀に用いたが、食べることは厭わず、葬儀の際の食事に供することもした。イタリアでは、現在にいたるまで「甘いそら豆〔fave dolci《ファベド ルチ》〕」 や「死者のそら豆〔fave dei morte《ファーベデイモルテ》〕」 という、細かく刻んだアーモンド、卵白、砂糖で作ったソラマメ形の菓子を死者の日に作って食べる習慣があるという。
※ピタゴラスの最期:ピタゴラスが教団の集会を開いていたところ、教団を憎んでいた者たちが彼らを襲い、集会所に放火した。/ピタゴラスは辛くも集会所から逃亡に成功した。彼は追手から逃れるため、走り続けたのだが、豆畑の前まで来て逃げるのをやめた。ピタゴラス教団は豆を神聖視していたので、豆畑の中に入ることができなかったのである。豆畑を前にして、ピタゴラスはこう言ったという。「豆を踏みつけるより、ここで捕まろう。殺されたほうがましだ。」/こうして彼は追手の手にかかり、のどを斬られて殺された。当時、彼は80歳であったとも、90歳であったともいわれている。
山中氏ノーベル賞:新技術開発にも波及 国も集中的に投資 ――ノーベル医学生理学賞を受賞することに決まった京都大iPS細胞研究所の山中伸弥・同大教授(50)によるiPS細胞の開発は、他分野の研究を加速させた。中でも注目されているのは、iPS細胞を介さずに、皮膚細胞などから直接、神経や心臓など必要な細胞を作る「ダイレクト・リプログラミング」と呼ばれる技術だ。/研究の歴史はiPS細胞より古いが、成功例がほとんどなかった。しかし、マウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を導入するというiPS細胞の作成方法が刺激となり、複数の遺伝子を組み入れることで、成功例が相次ぐようになった。/慶応大のチームは今年8月、心筋梗塞(こうそく)を起こしたマウスの心臓に三つの遺伝子を入れて、心筋細胞を再生させる実験に成功したと発表した。チームの家田真樹・特任講師は「iPS細胞の論文は、何度も繰り返し読んだ」と話す。京都大iPS細胞研究所の妻木範行教授らは、ヒトの皮膚細胞から軟骨細胞を作り出した。/iPS細胞研究は、世界をリードできる有望な分野と政府も位置づける。今夏まとめた日本再生戦略では、集中的に支援することを明記し、iPS細胞を含む再生医療分野を新産業の柱に育てる目標を掲げた。/国の予算はここ2年、毎年100億円以上計上している。中でも大きな研究の枠組みが、文部科学省と厚生労働省が進める「再生医療の実現化プロジェクト」だ。京都大を筆頭に、慶応大、東京大、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの4機関を拠点とし、iPS細胞の活用に必要な研究や技術開発を進めている。/患者数が少ないため治療法の研究が進まない難病の原因解明や創薬でも、iPS細胞を使った国のプロジェクトが始まる。病気の種類ごとに4カ所程度の拠点を設置。患者から提供を受けた細胞を使って難病iPS細胞を作り、それを使って創薬を目指す。現在、文科省へ公募のあった研究内容の審査が行われている。 〔毎日新聞 2012年10月09日 07時00分〕
※人工多能性幹細胞(じんこうたのうせいかんさいぼう、Induced pluripotent stem cells)とは、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性 (pluripotency)と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。京都大学教授の山中伸弥らのグループによって、マウスの線維芽細胞(皮膚細胞)から2006年に世界で初めて作られた。英語の頭文字を取り、iPS細胞(アイピーエスさいぼう)と呼ばれ、誘導多能性幹細胞(ゆうどうたのうせいかんさいぼう)とも訳される。
寺田寅彦のエッセーに「ピタゴラスと豆」というのがある。以下に、転記する。
ピタゴラスと豆 寺田寅彦
幾何学を教わった人は誰でもピタゴラスの定理というものの名前ぐらいは覚えているであろう。直角三角形の一番長い辺の上に乗っけた枡形(ますがた)の面積が他の二つの辺の上に作った二つの枡形の面積の和に等しいというのである。オルダス・ハクスレーの短篇『若きアルキメデス』には百姓の子のギドーが木片の燃えさしで鋪道(ほどう)の石の上に図形を描いてこの定理の証明をやっている場面が出て来るのである。また相対性原理を設立したアインシュタインが子供のときに独りでこの定理を見付けたとかいう話が伝えられている。この同じピタゴラスがまた楽音の協和(ハーモニー)と整数の比との関係の発見者であり、宇宙の調和の唱道者であったことはよく知られているようであるが、この同じピタゴラスが豆のために命を失ったという話がディオゲネス・ライルチオスの『哲学者列伝』の中に伝えられている。
このえらい哲学者が日常堅く守っていた色々の戒律の中に「食ってはいけない」というものが色々あった、例えばある二、三の鳥類、それから獣類の心臓、反芻類(はんすうるい)の第一胃、それから魚類ではかながしらなどがいけないものに数えられている外に、豆がいけないことになっている、この「豆」(キュアモス)というのが英語ではビーンと訳してあるのだが、しかしそれが日本にあるどの豆に当るのか、それとも日本にはない豆だか分らないのが遺憾である。それはとにかく、何故その豆がいけないかという理由については色々のことが書いてある。胃の中にガスがたまるからとか、また「生命の呼吸の大部分を分有するから」とか、あるいはまた「食わない方が胃のためによく、安眠が出来るから」とか書いているかと思うと、またアリストテレスの書物を引用して、「豆は生殖器に似ているから、あるいはまた地獄の門のように、ひとりでつがい目が離れて開くから」ともある。何のことかやはりよく分らない。それからまた「宇宙の形をしているから」とか「選挙のときの籤(くじ)に使われる、従って寡頭(かとう)政治を代表するものだから」ともある。
それはさておいて、ピタゴラスの最期についても色々の説があるがその中の一つはこうである。
一日ミロにおける住宅で友人達と会合しあっていたとき誰かがその家に放火した。それは仲間に入れてもらえなかった人の怨恨によるともいわれ、またクロトンの市民等がピタゴラス一派の権勢があまり強すぎて暴君化することを恐れたためともいわれている。とにかくピタゴラスはにげ出して行くうちに運悪く豆畑に行き当った。そこでかれは、戒律を破って豆畑に進入するよりは殺された方がましだといって逃走をあきらめた。そこへ追付いた敵が彼の咽喉(のど)を切開したというのである。
一方ではまた捕虜になって餓死したとか、世の中が厭(いや)になって断食して死んだとか色々の説があるから本当のことは何だか分らない。しかし豆畑へはいるのがいやでわざわざ殺されたというのが本当だとすると、それは胃に悪いとか安眠を害するとかいうだけではなくて、何かしら信仰ないし迷信的色彩のある禁戒であったであろう。
このピタゴラスの話がまるで嘘であるとしても、昔のギリシャかローマに何かそれに類する「禁戒」「タブー」「物忌(ものい)み」といったようなものがあったのではないかという疑いをおこさせるには十分である。
この頃、柳田国男氏の「一つ目小僧その他」を見ると一つ目の神様に聯関して日本の諸地方で色々な植物を「忌む」実例が沢山に列挙されている。その中に胡麻(ごま)や黍(きび)や粟(あわ)や竹やいろいろあったが、豆はどうであったか、もう一度よく読み直してみなければ見落したかもしれない。それはいずれにしても、ピタゴラスの豆に対する話はやはりこうした「物忌み」らしく思われるのである。「嫌う」ともちがうし、「こわがる」ともちがう。
故芥川龍之介君が内田百間(ひゃっけん)君の山高帽をこわがったという有名な話が伝えられている。これは「内田君の山高帽」をこわがったのか「山高帽の内田君」をこわがったのか、そこのところがはっきりと自分にはわからないが、しかしこの話の神秘的なところが何となくピタゴラスの豆を自分に思い出させるのである。
ピタゴラスはイタリーで長い間地下室に籠っていた後に痩せ衰えて骸骨のようになって出て来た。そうして、自分は地獄へ行って見物して来たと宣言して、人々に見て来たあの世のさまを物語って聞かせたら聞くものひどく感動して号泣し、そうして彼はいよいよ神様だということになった。地下室にいた間は母にたのんで現世の出来事に関する詳細なノートをとって、それを届けてもらって読んでいたという話も伝えられている。これではまるで詐欺師であるが、これはおそらく彼の敵のいいふらした作り事であろう。
ピタゴラス派の哲学というものはあるが、ピタゴラスという哲学者は実は架空の人物だとの説もあるそうで、いよいよ心細くなる次第であるが、しかしこのピタゴラスと豆の話は、現在のわれわれの周囲にも日常頻繁に起りつつある人間の悲劇や喜劇の原型(プロトタイプ)であり雛形(モデル)であるとも考えられなくはない。色々の豆のために命を殞(おと)さないまでも色々な損害を甘受する人がなかなか多いように思われるのである。それをほめる人があれば笑う人があり怒る人があり嘆く人がある。ギリシャの昔から日本の現代まで、いろいろの哲学の共存することだけはちっとも変りがないものと見える。 (昭和九年七月『東京日日新聞』)
※花弁の黒点が死を連想させたため、古代ギリシャ人はソラマメを葬儀に用い、不吉として嫌われることもあった。古代ギリシアの数学者・哲学者ピタゴラスは、ソラマメの中空の茎が冥界(ハーデース)と地上を結んでおり、豆には死者の魂が入っているかも知れないと考えた。現代ギリシアでは "fava" はソラマメでなくエンドウマメを意味するという。古代ローマ人もソラマメを葬儀に用いたが、食べることは厭わず、葬儀の際の食事に供することもした。イタリアでは、現在にいたるまで「甘いそら豆〔fave dolci《ファベド ルチ》〕」 や「死者のそら豆〔fave dei morte《ファーベデイモルテ》〕」 という、細かく刻んだアーモンド、卵白、砂糖で作ったソラマメ形の菓子を死者の日に作って食べる習慣があるという。
※ピタゴラスの最期:ピタゴラスが教団の集会を開いていたところ、教団を憎んでいた者たちが彼らを襲い、集会所に放火した。/ピタゴラスは辛くも集会所から逃亡に成功した。彼は追手から逃れるため、走り続けたのだが、豆畑の前まで来て逃げるのをやめた。ピタゴラス教団は豆を神聖視していたので、豆畑の中に入ることができなかったのである。豆畑を前にして、ピタゴラスはこう言ったという。「豆を踏みつけるより、ここで捕まろう。殺されたほうがましだ。」/こうして彼は追手の手にかかり、のどを斬られて殺された。当時、彼は80歳であったとも、90歳であったともいわれている。
今朝のウェブニュースより
仲麻呂記念碑にペンキ=「尖閣」で嫌がらせか-中国西安 ―― 【北京時事】奈良時代に日本から唐に派遣され、玄宗皇帝に重用された阿倍仲麻呂(698~770)を記念して、中国陝西省西安市の興慶宮公園に設置されている石碑がペンキのようなもので汚されていたことが6日、分かった。ミニブログ「微博」に写真が掲載された。日本政府の尖閣諸島国有化に反発した嫌がらせとみられる。/碑は西安市と奈良市の友好都市提携を記念して1979年に完成。仲麻呂の和歌「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」を漢詩に訳したものが刻まれている。/西安では9月15日に大規模な反日デモがあり、日本車を運転していた中国人男性が暴徒に襲われて重傷を負う事件も起きた。当局は男性を襲った男を拘束し、市中心部でのデモを禁止する通達を出した。 (jiojicom 2012/10/07-00:20)
※陝西省西安市にある興慶宮公園の記念碑と江蘇省鎮江にある北固山の歌碑には、この歌を漢詩の五言絶句の形で詠ったものが刻まれている。
翹首望東天 首(しゅ)を翹(あ)げて東天を望めば
神馳奈良邊 神(こころ)は馳(は)す 奈良の辺
三笠山頂上 三笠山頂の上
思又皎月圓 思ふ 又た皎月(こうげつ)の円(まどか)なるを
Pythagoras(ピタゴラス、BC582~496年)は、三平方の定理などで知られる、古代ギリシアの数学者、哲学者。彼の数学や輪廻転生についての思想はプラトンにも大きな影響を与えた。「サモスの賢人」、「クロトンの哲学者」とも呼ばれた。
彼は、エーゲ海にあるギリシアの植民地サモス島に生まれた。それはギリシアの黄金期の初期、そしてローマ建国の時代であった。東洋では釈迦と孔子がその道を説いていた時代でもあった。PythagorasはThales(ターレス、BC624?~546?年、ギリシアの哲学者)の教えを受けるためミレトスに赴き、Thalesから多くの知識を得た後、Thalesの進めによって、エジプトに留学し、そこに相当長く留まったと信じられている。その間バビロニアを訪れたという説もある。
いずれにしても、相当長い留学生活の後サモス島へ戻って、そこで学校を開いたという。しかし、この学校は成功しなかったようである。そこで南イタリアのギリシアの植民地Croton〔クロトン、イタリア半島の先端部,地図の●〕で学校を開いた。
Pythagorasはこの学校で、外国で学んだ数学、哲学、自然科学を教え、弟子とともにこれらの研究に励んだ。この学校では、弟子達はそこで学んだことを外で口外することを固く禁じられていた。また、この学校では弟子達が発見したことはすべてその師Pythagorasの発見とされたらしい。後世Pythagorasの発見とされるものはむしろPythagoras学派の発見とされるのが正しかろう。この学校は学校というよりは教団または組合の性格を持っていて、学校が盛んになるにつれて、Pythagoras学派の人々は政治にも口を入れるようになっていった。そのため反対派の人達のPythagoras教団に対する反感が高まり、この学校はついに反対派のために焼き討ちされることになった。
Pythagorasは一時この難を避けたが、後Metapontion(メタポンティオン)で死んだといわれている。
Diogenes Laërtius (ディオゲネス・ラエルティオス、3世紀前半頃に活躍した哲学史家)は『ギリシア哲学者列伝』の中でPythagorasの最期に関する4つの説を紹介している。
(1)クロトンの家にいる時に放火されて、逃げ出し、豆畑まで来た時に立ち止まったため、追手に捕らえられて咽喉を切られて殺された。
(2)Metapontion(メタポンティオン)のムゥサの女神たちの神殿に逃げ込み、40日間の断食をした後で死んだ(ディカイアルコスの説)。
(3)メタポンティオンに退き、断食をして死んだ(ヘラクレイトスの説)。
(4)アクラガス人とシュラクサイ人との戦闘に参加し、アクラガス軍の側に味方して戦った。しかし、アクラガス軍が退却したため、豆畑を避けて廻り道をしようとした時に、シュラクサイ軍に捕らえられて殺された(ヘルミッポスの説)。
Pythagorasは、物事の根源、即ち「arkhē〔アルケー、根源〕は数である」と考えた。例えば、男は3、女は2、その和5が結婚を象徴する、といった具合にである。
Pythagoras学派、Pythagoras教団と呼ばれる独自の哲学学派は、哲学界における様々な定理を見出した(そのほとんどは、現在で言う数学のものである)。この学派は五芒星をシンボルマークとしていた。
※五芒星〔ごぼうせい、pentagram《ペンタグラム》)または五芒星形・五角星形・五線星型・星型五角形・正5/2角形は、互いに交差する、長さの等しい5本の線分から構成される図形で星型正多角形の一種である。正五角形に内接し、対称的である。一筆書きが可能。五紡星と誤記されることがある。/5つの要素を並列的に図案化できる図形として、洋の東西を問わず使われてきた。世界中で魔術の記号とされ守護に用いることもあれば、上下を逆向きにして悪魔の象徴になることもある。悪魔の象徴としてとらえる際には、デビルスターと呼ばれることもある。また、外側の5つの三角形が星の光彩を連想させることから、星を表す記号としてよく用いられる。/内側に生じる小さな正五角形を取り除いた形(☆:五光星)もしばしば五芒星と呼ばれることがある。また、この「五光星」には「五稜星(ごりょうせい)」という別名もある。
Pythagorasは、線は極小の点の有限個の集合であると考えた。そのため、無理数の存在を否定していた。しかし、彼の学派が見付けた三平方の定理によっても算出される√2によって、無理数が存在しないという考えは後に修正された。皮肉な事に、シンボルマークの五芒星に現れる黄金比も無理数であった。ちなみに、無理数の存在を否定するがあまり、無理数について口外した仲間を溺死させたことさえあるとされる。
彼はオルペウス教の影響を受けてその思想の中で輪廻を説いていたとされている。
※Orphism〔オルフィズム、またはOrphicism《オルフィシズム》、オルペウス教〕は、古代ギリシャ世界における密儀教である。Hādēs〔ハーデース、冥界〕を往還した伝説的な詩人Orpheus(オルペウス)を開祖と見なしている。また、冬ごとに冥界に降り、春になると地上に戻るPersephone(ペルセポネー)、同じく冥界を往還したDionȳsos(ディオニューソス)もしくはBakkhos(バッコス)も崇拝された。その歴史的起源は紀元前6世紀、または、少なくとも紀元前5世紀にまでさかのぼり得るかもしれない。Eleusis(エレウシス)の秘儀と同じく、 オルペウス教は来世における優位を約束した。/一般的な古代ギリシャ宗教と比較して、オルペウス教の特徴とされる点は以下の通りである。
・人間の霊魂は神性および不死性を有するにもかかわらず、輪廻転生(悲しみの輪)により肉体的生を繰り返す運命を負わされている、という教義。・「悲しみの輪」からの最終的な解脱、そして神々との交感を目的として、秘儀的な通過儀礼(入信儀式)および禁欲的道徳律を定めていた点。 ・生前に犯した特定の罪に対し、死後の罰則を警告した点。・教義が、神と人類の起源に関する神聖な書物に基づいている点。
仲麻呂記念碑にペンキ=「尖閣」で嫌がらせか-中国西安 ―― 【北京時事】奈良時代に日本から唐に派遣され、玄宗皇帝に重用された阿倍仲麻呂(698~770)を記念して、中国陝西省西安市の興慶宮公園に設置されている石碑がペンキのようなもので汚されていたことが6日、分かった。ミニブログ「微博」に写真が掲載された。日本政府の尖閣諸島国有化に反発した嫌がらせとみられる。/碑は西安市と奈良市の友好都市提携を記念して1979年に完成。仲麻呂の和歌「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」を漢詩に訳したものが刻まれている。/西安では9月15日に大規模な反日デモがあり、日本車を運転していた中国人男性が暴徒に襲われて重傷を負う事件も起きた。当局は男性を襲った男を拘束し、市中心部でのデモを禁止する通達を出した。 (jiojicom 2012/10/07-00:20)
※陝西省西安市にある興慶宮公園の記念碑と江蘇省鎮江にある北固山の歌碑には、この歌を漢詩の五言絶句の形で詠ったものが刻まれている。
翹首望東天 首(しゅ)を翹(あ)げて東天を望めば
神馳奈良邊 神(こころ)は馳(は)す 奈良の辺
三笠山頂上 三笠山頂の上
思又皎月圓 思ふ 又た皎月(こうげつ)の円(まどか)なるを
Pythagoras(ピタゴラス、BC582~496年)は、三平方の定理などで知られる、古代ギリシアの数学者、哲学者。彼の数学や輪廻転生についての思想はプラトンにも大きな影響を与えた。「サモスの賢人」、「クロトンの哲学者」とも呼ばれた。
彼は、エーゲ海にあるギリシアの植民地サモス島に生まれた。それはギリシアの黄金期の初期、そしてローマ建国の時代であった。東洋では釈迦と孔子がその道を説いていた時代でもあった。PythagorasはThales(ターレス、BC624?~546?年、ギリシアの哲学者)の教えを受けるためミレトスに赴き、Thalesから多くの知識を得た後、Thalesの進めによって、エジプトに留学し、そこに相当長く留まったと信じられている。その間バビロニアを訪れたという説もある。
いずれにしても、相当長い留学生活の後サモス島へ戻って、そこで学校を開いたという。しかし、この学校は成功しなかったようである。そこで南イタリアのギリシアの植民地Croton〔クロトン、イタリア半島の先端部,地図の●〕で学校を開いた。
Pythagorasはこの学校で、外国で学んだ数学、哲学、自然科学を教え、弟子とともにこれらの研究に励んだ。この学校では、弟子達はそこで学んだことを外で口外することを固く禁じられていた。また、この学校では弟子達が発見したことはすべてその師Pythagorasの発見とされたらしい。後世Pythagorasの発見とされるものはむしろPythagoras学派の発見とされるのが正しかろう。この学校は学校というよりは教団または組合の性格を持っていて、学校が盛んになるにつれて、Pythagoras学派の人々は政治にも口を入れるようになっていった。そのため反対派の人達のPythagoras教団に対する反感が高まり、この学校はついに反対派のために焼き討ちされることになった。
Pythagorasは一時この難を避けたが、後Metapontion(メタポンティオン)で死んだといわれている。
Diogenes Laërtius (ディオゲネス・ラエルティオス、3世紀前半頃に活躍した哲学史家)は『ギリシア哲学者列伝』の中でPythagorasの最期に関する4つの説を紹介している。
(1)クロトンの家にいる時に放火されて、逃げ出し、豆畑まで来た時に立ち止まったため、追手に捕らえられて咽喉を切られて殺された。
(2)Metapontion(メタポンティオン)のムゥサの女神たちの神殿に逃げ込み、40日間の断食をした後で死んだ(ディカイアルコスの説)。
(3)メタポンティオンに退き、断食をして死んだ(ヘラクレイトスの説)。
(4)アクラガス人とシュラクサイ人との戦闘に参加し、アクラガス軍の側に味方して戦った。しかし、アクラガス軍が退却したため、豆畑を避けて廻り道をしようとした時に、シュラクサイ軍に捕らえられて殺された(ヘルミッポスの説)。
Pythagorasは、物事の根源、即ち「arkhē〔アルケー、根源〕は数である」と考えた。例えば、男は3、女は2、その和5が結婚を象徴する、といった具合にである。
Pythagoras学派、Pythagoras教団と呼ばれる独自の哲学学派は、哲学界における様々な定理を見出した(そのほとんどは、現在で言う数学のものである)。この学派は五芒星をシンボルマークとしていた。
※五芒星〔ごぼうせい、pentagram《ペンタグラム》)または五芒星形・五角星形・五線星型・星型五角形・正5/2角形は、互いに交差する、長さの等しい5本の線分から構成される図形で星型正多角形の一種である。正五角形に内接し、対称的である。一筆書きが可能。五紡星と誤記されることがある。/5つの要素を並列的に図案化できる図形として、洋の東西を問わず使われてきた。世界中で魔術の記号とされ守護に用いることもあれば、上下を逆向きにして悪魔の象徴になることもある。悪魔の象徴としてとらえる際には、デビルスターと呼ばれることもある。また、外側の5つの三角形が星の光彩を連想させることから、星を表す記号としてよく用いられる。/内側に生じる小さな正五角形を取り除いた形(☆:五光星)もしばしば五芒星と呼ばれることがある。また、この「五光星」には「五稜星(ごりょうせい)」という別名もある。
Pythagorasは、線は極小の点の有限個の集合であると考えた。そのため、無理数の存在を否定していた。しかし、彼の学派が見付けた三平方の定理によっても算出される√2によって、無理数が存在しないという考えは後に修正された。皮肉な事に、シンボルマークの五芒星に現れる黄金比も無理数であった。ちなみに、無理数の存在を否定するがあまり、無理数について口外した仲間を溺死させたことさえあるとされる。
彼はオルペウス教の影響を受けてその思想の中で輪廻を説いていたとされている。
※Orphism〔オルフィズム、またはOrphicism《オルフィシズム》、オルペウス教〕は、古代ギリシャ世界における密儀教である。Hādēs〔ハーデース、冥界〕を往還した伝説的な詩人Orpheus(オルペウス)を開祖と見なしている。また、冬ごとに冥界に降り、春になると地上に戻るPersephone(ペルセポネー)、同じく冥界を往還したDionȳsos(ディオニューソス)もしくはBakkhos(バッコス)も崇拝された。その歴史的起源は紀元前6世紀、または、少なくとも紀元前5世紀にまでさかのぼり得るかもしれない。Eleusis(エレウシス)の秘儀と同じく、 オルペウス教は来世における優位を約束した。/一般的な古代ギリシャ宗教と比較して、オルペウス教の特徴とされる点は以下の通りである。
・人間の霊魂は神性および不死性を有するにもかかわらず、輪廻転生(悲しみの輪)により肉体的生を繰り返す運命を負わされている、という教義。・「悲しみの輪」からの最終的な解脱、そして神々との交感を目的として、秘儀的な通過儀礼(入信儀式)および禁欲的道徳律を定めていた点。 ・生前に犯した特定の罪に対し、死後の罰則を警告した点。・教義が、神と人類の起源に関する神聖な書物に基づいている点。
今朝のウェブニュースより。
解散めぐり攻防激化へ=政局シミュレーション ―― 民主、自民両党が党首選を終え、新布陣を整えたことを受け、衆院解散の時期をめぐる与野党の攻防が本格化する。解散の行方をシミュレーションした。
◇年内、不信任案可決:自民党の安倍晋三総裁は6日、近く行われる野田佳彦首相との党首会談に関し、山口県下関市で記者団に「『近いうち』に解散し、信を問うという国民との約束を果たしてほしい。基本的には(解散は)年内というのが常識だ」と強調した。公明党の山口那津男代表も5日、「(投開票の)タイムリミットは遅くとも12月9日だ」と指摘した。首相が年内解散に応じない場合、自公両党は臨時国会の全面審議拒否も辞さない構えだ。/一方、首相は先の通常国会で自民党が首相問責決議に同調したことを理由に、谷垣禎一前総裁と合意した「近いうち解散」の見直しを示唆。党首会談に関しても「私から解散の時期に言及することはない」と予防線を張っている。/民主党は離党の動きに歯止めがかからず、実質的な衆院勢力は243議席まで落ち込んだ。8人が同党を離れれば、3議席を持つ国民新党と合わせても与党勢力は過半数割れとなり、内閣不信任決議案を否決できなくなる。年内解散が不信任案可決という形で実現する展開も想定され、民主党では「成果がない臨時国会なら開かない方がいい」(若手)との声も上がる。当初は10月下旬とみられていた臨時国会の召集時期が定まらないのはこのためだ。
◇特例公債で「話し合い」:与野党の対立から、通常国会では赤字国債発行に必要な特例公債法案は廃案となった。財務省によると11月末にも財源が枯渇する。民主党と自公両党のつばぜり合いが続いて、臨時国会で政府が再提出する同法案が通らなければ、地方自治体の運営に支障を来すほか、国債市場に悪影響が出るとの指摘もある。法案成立と引き換えに首相が解散を決断する「話し合い解散」の可能性もゼロではない。首相のグループのある中堅議員は年内解散に備え、地元に選挙事務所を開設することを決めた。/解散時期で自公と折り合う場合、首相は衆院選の「1票の格差」是正を含む選挙制度改革の同時決着も狙うとみられる。関連法案の成立後に一定の周知期間は必要とされており、解散の時期が通常国会が召集される来年1月ごろになる可能性もある。
◇来年に先送り:ただ、首相は代表再選に伴う新執行部人事で、早期解散に否定的な輿石東幹事長を続投させた。自公両党が解散先送りへの警戒を強める一方、民主党内でも「年内解散はなくなった」との受け止めが広がっている。/民主党内では、与党の実績をアピールする狙いから、2013年度予算案が成立した後の来年4月ごろの解散が取り沙汰されている。07年改選の参院議員の任期が来年7月に、衆院議員の任期が同8月に切れることから、輿石氏は来年夏の衆参ダブル選挙の可能性に言及したこともある。/支持率低迷から抜け出せない民主党にとっては9月に旗揚げした新党「日本維新の会」の存在も脅威。選挙時期をぎりぎりまで遅らせて、維新の「賞味期限切れ」を待ちたいという空気も強い。(jijicom 2012/10/06-17:42)
解散めぐり攻防激化へ=政局シミュレーション ―― 民主、自民両党が党首選を終え、新布陣を整えたことを受け、衆院解散の時期をめぐる与野党の攻防が本格化する。解散の行方をシミュレーションした。
◇年内、不信任案可決:自民党の安倍晋三総裁は6日、近く行われる野田佳彦首相との党首会談に関し、山口県下関市で記者団に「『近いうち』に解散し、信を問うという国民との約束を果たしてほしい。基本的には(解散は)年内というのが常識だ」と強調した。公明党の山口那津男代表も5日、「(投開票の)タイムリミットは遅くとも12月9日だ」と指摘した。首相が年内解散に応じない場合、自公両党は臨時国会の全面審議拒否も辞さない構えだ。/一方、首相は先の通常国会で自民党が首相問責決議に同調したことを理由に、谷垣禎一前総裁と合意した「近いうち解散」の見直しを示唆。党首会談に関しても「私から解散の時期に言及することはない」と予防線を張っている。/民主党は離党の動きに歯止めがかからず、実質的な衆院勢力は243議席まで落ち込んだ。8人が同党を離れれば、3議席を持つ国民新党と合わせても与党勢力は過半数割れとなり、内閣不信任決議案を否決できなくなる。年内解散が不信任案可決という形で実現する展開も想定され、民主党では「成果がない臨時国会なら開かない方がいい」(若手)との声も上がる。当初は10月下旬とみられていた臨時国会の召集時期が定まらないのはこのためだ。
◇特例公債で「話し合い」:与野党の対立から、通常国会では赤字国債発行に必要な特例公債法案は廃案となった。財務省によると11月末にも財源が枯渇する。民主党と自公両党のつばぜり合いが続いて、臨時国会で政府が再提出する同法案が通らなければ、地方自治体の運営に支障を来すほか、国債市場に悪影響が出るとの指摘もある。法案成立と引き換えに首相が解散を決断する「話し合い解散」の可能性もゼロではない。首相のグループのある中堅議員は年内解散に備え、地元に選挙事務所を開設することを決めた。/解散時期で自公と折り合う場合、首相は衆院選の「1票の格差」是正を含む選挙制度改革の同時決着も狙うとみられる。関連法案の成立後に一定の周知期間は必要とされており、解散の時期が通常国会が召集される来年1月ごろになる可能性もある。
◇来年に先送り:ただ、首相は代表再選に伴う新執行部人事で、早期解散に否定的な輿石東幹事長を続投させた。自公両党が解散先送りへの警戒を強める一方、民主党内でも「年内解散はなくなった」との受け止めが広がっている。/民主党内では、与党の実績をアピールする狙いから、2013年度予算案が成立した後の来年4月ごろの解散が取り沙汰されている。07年改選の参院議員の任期が来年7月に、衆院議員の任期が同8月に切れることから、輿石氏は来年夏の衆参ダブル選挙の可能性に言及したこともある。/支持率低迷から抜け出せない民主党にとっては9月に旗揚げした新党「日本維新の会」の存在も脅威。選挙時期をぎりぎりまで遅らせて、維新の「賞味期限切れ」を待ちたいという空気も強い。(jijicom 2012/10/06-17:42)
今朝のウェブニュースより
庶民の生活とかけ離れた体質 愛想が尽きました杉本和巳 5日離党する民主議員の言い分 ―― ついに単独過半数割れまでマジック5――。民主党の杉本和巳衆院議員(52・愛知10区)が、5日離党届を提出した。みんなの党に移る意向だ。離党直前に日刊ゲンダイ本紙に語った野田民主党への決別宣言。/「7月19日、野田首相が参院の委員会に出席する前に会いに行き、手紙を渡しました。福島の教訓を生かすためにも『脱原発』を強力に推進して欲しい、といった内容でした。すると、当日の夜に総理から直接携帯電話に連絡があり、総理は『原発はゼロしかない』と、ハッキリ言ったのです。ところが結局、脱原発は曖昧になった。野田首相は『原発ゼロ』を決められなかった。野田さんがやっているのは、足して2で割る『利害調整の政治』。ドイツやスイスが脱原発を決めているのに、なぜ我が国はできないのか。経団連の意向や原子力ムラの言い分を聞いていては、決断できないのです」/野田を筆頭に松下政経塾のメンメンは、雄弁に語っても実行力がない。社会経験不足で現場感覚がない。エリート意識が強く、庶民感覚がない。そう批判されることが多い。
<身を削る革命を訴えても「余計なこと言うな」>
「ある政治アナリストが政経塾出身の政治家について『出たがり、目立ちたがり、しゃべりたがり』と言っていましたが、うなずけるところもありますね。3・11の大震災で日本人の意識が変わり始めている時だからこそ改革が必要。しかし、第三極を除く既成政党は変わろうとしていない。代議士会で、『議員報酬削減など身を削る改革をすべき』『政党助成金を被災地に寄付しよう』と言っても誰も賛同しないどころか、終了後に『余計なことを言うな』とブーイングを浴びせる先輩議員が結構います。庶民の政治とかけ離れた体質。これも民主党を離れる理由です」/これで民主党は、衆院であと5人離党すれば単独過半数割れ。/くすぶる離党予備軍に杉本和巳氏は、こう言った。/「離党を口にすると『対立候補を立てられたくないだろう』という脅しがくる。しかし、政治は行動力、有言実行。(離党予備軍の)みなさんも動くと確信しています」 〔日刊ゲンダイ 2012年10月5日 掲載〕
一昨日は、Andersenをアンデルセンという奇妙奇天烈な呼び方をする日本語が定着してしまったたことを述べたが、このような綴り字発音は、外国語を取り入れる際だけでなく、受け入れてから後の仮名書きにまどわされて起こる場合もある。
Kamchatka〔カムチャッカ、ロシア語〕これは本来はカムチャツカとあるべきところを、「ツ」を詰まる音を表す文字と勘違いしてカムチャッカになったものだという。Vodka(ウォツカ)が「ウォッカ」となったのと似たり寄ったりである。
fan〔ファン、特定の対象に対する応援者、愛好者)が「フアン」と言われたり、film(フィルム)が「フイルム」と発音されるのはア、イの読み違いから生じた誤りである。Filmなどはむしろフイルムのほうが普通になっている。フランス語のcafé(カフェー)から入ったカフェー〔コーヒーのこと〕とカフェー〔女給のいる酒場風の飲食店〕となると、「エ」一つの読み方で違った内容をさすことになる。
また、Browning〔ブラウニング、銃〕がブローニング〔銃〕となり、alcohol〔アルコホル、オランダ語〕がアルコールとなり、Europa〔エウロパ、ポルトガル語、オランダ語〕がヨーロッパとなったのは、歴史的仮名遣いの読み方からきた間違いである。
古くは外来語を漢字で表したために、その漢字の誤りから生ずるずれもあった。駝鳥のことを江戸時代には「ホーゴロー」と言ったそうだが、駝鳥の原語はオランダ語のstruisvogel〔ストライスフォーヘル〕といった。当時この言葉を取り入れるに当たって、「鳥」の意味のフォーヘルだけを取り上げて(ホウゴ《-》ル)としたのだが、これに人名のような「鳳五郎」と言う漢字が当てられた。この漢字から「ホーゴロー」というのが一般化したという。
かなり以前には外国人の発音を耳にしたとき、聞き取りにくい音を落とすと言うことが間々あったようだ。abóbora〔ボーブラ、ポルトガル語で南瓜〕やamerican〔メリケン、アメリカの・アメリカ人〕のように、単語の初めの強勢のない母音が落ちた例があるが、cement(セメン)、concrete(コンクリ)、platenum(プラチナ)、lemonade(ラムネ)、handderchief(ハンカチ)、cold meet(コール・ミート) などのように、語尾子音の取れたものは特に多い。外国語に慣れていなかったため、聞き落としたものであろう。
同じ語尾子音の脱落でもiced tea(アイス・ティー)やfour balls(フォア・ボール)となると少々事情が異なる。この場合にも取り入れた当時の日本人が語尾子音を聞き落としたのかもしれないし、あるいはまた、アイスト・ティーとかフォア・ボールズとは言いにくいために、アイス・ティー、フォア・ボールという形にしてしまったのかもしれない。しかし、アイス・ティーの場合には分詞形容詞語尾の-ed を落としてしまっているのだし、フォア・ボールの場合には複数語尾の-s を省いてしまっている。だから問題は発音上の上だけのことではなく文法面にまで及ぶことになるのである。アイス・ティー式に –ed の欠落した例には他にもCorned beef(コーン・ビーフ)、salaried man(サラリー・マン)、condensed milk(コンデンス・ミルク)などかなりあるし、原語の複数語尾sの欠落した例も、stockings(ストッキング)、slippers(スリッパ)、golf links(ゴルフ・リンク)などざらに見られる。この他文法面にまたがる音の脱落としては、frying pan(フライ・パン)やsocial dancing(ソーシャル・ダンス)などに見られる動名詞-ingの脱落や、野球のfelder's choice(フィルダー・チョイス)のような続各語尾 's の脱落などが見られる。
原語があまりに長いと略されてしまうことが間々ある。日本人の家庭でも朝食の定番料理となっている「ハムエッグ」は英語では ham and eggs という。この場合は間のandと単語を落とし、さらに複数語尾のsも捨てたことになる。これを原語のまま「ハム アンド エッグズ」と言ったら、実に長ったらしいではないか。それに口調も悪いし「ハムエッグ」にしてしまえ という心理も働いて、手っ取り早く言い易い形になったのかもしれない。いずれにせよ長ったらしくて発音しにくい言葉にぶつかると、短く切り詰めて言い易くする例は外来語にはかなり多い。これは長々とした複合語や熟語ばかりでなく、普段よく使われる4音節ぐらいの短い単語であっても、さらに調子よく口を突いて出るようにもっと短く切り詰められることもしばしばある。Cutlet(カツレツ)が、しっぽを切り取られてカツとなり、bifteck〔ビフテキ、フランス語〕が頭をちょん切られてテキになる。まあ、日本語でも労組・早大のような略語が用いられているから驚くには当たらないが、外来語でも Central League〔セントラル リーグ〕→ セ、Pacific League(パシフィック リーグ)→ パ、demonstration(デモンストレーション)→ デモ、Building(ビルディング)→ ビル、chocolate(チョコレート)→ チョコ、toilet(トイレト)→ トイレ、inflation(インフレーション)→ インフレ などと後の部分を略した形もあれば、flannel〔フランネルネル、オランダ語〕→ ネル、cosmetic(コスメティック)→ チック、platform(プラットホームホーム)→ ホーム、Arbeit(アルバイト)→ バイト のように前の部分を省いた略語もある。その他にも、staple fibre(ステープル ファイバー)→ スフ、general strike(ゼネラル ストライキ)→ ゼネスト、patrol car (パトロールカー)→ パトカー のような略し方もある。勿論、これらは省略形以外に、インフレならインフレーション、ホームならプラットホームという全うな形も使われている。いったいにslang(スラング)や隠語にはGeld(ゲルト)→ ゲル〔金銭〕や,sister(シスター)→ シス〔同性愛の愛人〕、address(アドレス)→ アド〔隠れ家〕のような略語が多い。
外来語は原語に比べて音節数がずっと多くなる。それだけにこういった略語がどんどん必要なのだろうが、そうなると短い音節の言葉、ことに2音節当たりが大変多くなる。その結果どうしても同音異義語が多くなる。例えば、pro(プロ)見てみよう。
programme(プログラム)、production(プロダクション)、professional(プロフェショナル)、prolétariat〔プロレタリアート、フランス語〕、promide(プロマイド)、procento〔プロセント、ポルトガル語%〕、prostitute(プロスティチュート、売春婦)、propaganda〔プロパガンダ〕など挙げればきりがない。
※propaganda(プロパガンダ)とは、特定の思想によって個人や集団に影響を与え、その行動を意図した方向へ仕向けようとする宣伝活動の総称。特に、政治的意図をもつ宣伝活動をさすことが多いが、ある決まった考えや思想・主義あるいは宗教的教義などを、一方的に喧伝(けんでん)するようなものや、刷り込もうとするような宣伝活動などを指す。要するに情報による大衆操作・世論喚起と考えてよく、国際情報化社会においては必然的にあらわれるものである。今日その方法は、必ずしも押しつけがましいものではなくなり、戦略化し巧妙なものとなってきている。
さらに、原語の頭文字だけに略してしまう場合もある。S(sister)やM(money)はかなり前から使われているが、PR(public relations)やTV(television)はすでに英語でも使われているものを取り入れたものである。略語はこれからもどんどんあらわれてくるだろうが、同音異義語が増えるばかりだから略語は出来るだけやめて欲しい。といっても、長い言葉を日本人の口に合うように言い易く短くするのを抑える訳にはいかないのである。それに、略語がアメリカ辺りでも盛んに使われていることはご存知の通りである。
庶民の生活とかけ離れた体質 愛想が尽きました杉本和巳 5日離党する民主議員の言い分 ―― ついに単独過半数割れまでマジック5――。民主党の杉本和巳衆院議員(52・愛知10区)が、5日離党届を提出した。みんなの党に移る意向だ。離党直前に日刊ゲンダイ本紙に語った野田民主党への決別宣言。/「7月19日、野田首相が参院の委員会に出席する前に会いに行き、手紙を渡しました。福島の教訓を生かすためにも『脱原発』を強力に推進して欲しい、といった内容でした。すると、当日の夜に総理から直接携帯電話に連絡があり、総理は『原発はゼロしかない』と、ハッキリ言ったのです。ところが結局、脱原発は曖昧になった。野田首相は『原発ゼロ』を決められなかった。野田さんがやっているのは、足して2で割る『利害調整の政治』。ドイツやスイスが脱原発を決めているのに、なぜ我が国はできないのか。経団連の意向や原子力ムラの言い分を聞いていては、決断できないのです」/野田を筆頭に松下政経塾のメンメンは、雄弁に語っても実行力がない。社会経験不足で現場感覚がない。エリート意識が強く、庶民感覚がない。そう批判されることが多い。
<身を削る革命を訴えても「余計なこと言うな」>
「ある政治アナリストが政経塾出身の政治家について『出たがり、目立ちたがり、しゃべりたがり』と言っていましたが、うなずけるところもありますね。3・11の大震災で日本人の意識が変わり始めている時だからこそ改革が必要。しかし、第三極を除く既成政党は変わろうとしていない。代議士会で、『議員報酬削減など身を削る改革をすべき』『政党助成金を被災地に寄付しよう』と言っても誰も賛同しないどころか、終了後に『余計なことを言うな』とブーイングを浴びせる先輩議員が結構います。庶民の政治とかけ離れた体質。これも民主党を離れる理由です」/これで民主党は、衆院であと5人離党すれば単独過半数割れ。/くすぶる離党予備軍に杉本和巳氏は、こう言った。/「離党を口にすると『対立候補を立てられたくないだろう』という脅しがくる。しかし、政治は行動力、有言実行。(離党予備軍の)みなさんも動くと確信しています」 〔日刊ゲンダイ 2012年10月5日 掲載〕
一昨日は、Andersenをアンデルセンという奇妙奇天烈な呼び方をする日本語が定着してしまったたことを述べたが、このような綴り字発音は、外国語を取り入れる際だけでなく、受け入れてから後の仮名書きにまどわされて起こる場合もある。
Kamchatka〔カムチャッカ、ロシア語〕これは本来はカムチャツカとあるべきところを、「ツ」を詰まる音を表す文字と勘違いしてカムチャッカになったものだという。Vodka(ウォツカ)が「ウォッカ」となったのと似たり寄ったりである。
fan〔ファン、特定の対象に対する応援者、愛好者)が「フアン」と言われたり、film(フィルム)が「フイルム」と発音されるのはア、イの読み違いから生じた誤りである。Filmなどはむしろフイルムのほうが普通になっている。フランス語のcafé(カフェー)から入ったカフェー〔コーヒーのこと〕とカフェー〔女給のいる酒場風の飲食店〕となると、「エ」一つの読み方で違った内容をさすことになる。
また、Browning〔ブラウニング、銃〕がブローニング〔銃〕となり、alcohol〔アルコホル、オランダ語〕がアルコールとなり、Europa〔エウロパ、ポルトガル語、オランダ語〕がヨーロッパとなったのは、歴史的仮名遣いの読み方からきた間違いである。
古くは外来語を漢字で表したために、その漢字の誤りから生ずるずれもあった。駝鳥のことを江戸時代には「ホーゴロー」と言ったそうだが、駝鳥の原語はオランダ語のstruisvogel〔ストライスフォーヘル〕といった。当時この言葉を取り入れるに当たって、「鳥」の意味のフォーヘルだけを取り上げて(ホウゴ《-》ル)としたのだが、これに人名のような「鳳五郎」と言う漢字が当てられた。この漢字から「ホーゴロー」というのが一般化したという。
かなり以前には外国人の発音を耳にしたとき、聞き取りにくい音を落とすと言うことが間々あったようだ。abóbora〔ボーブラ、ポルトガル語で南瓜〕やamerican〔メリケン、アメリカの・アメリカ人〕のように、単語の初めの強勢のない母音が落ちた例があるが、cement(セメン)、concrete(コンクリ)、platenum(プラチナ)、lemonade(ラムネ)、handderchief(ハンカチ)、cold meet(コール・ミート) などのように、語尾子音の取れたものは特に多い。外国語に慣れていなかったため、聞き落としたものであろう。
同じ語尾子音の脱落でもiced tea(アイス・ティー)やfour balls(フォア・ボール)となると少々事情が異なる。この場合にも取り入れた当時の日本人が語尾子音を聞き落としたのかもしれないし、あるいはまた、アイスト・ティーとかフォア・ボールズとは言いにくいために、アイス・ティー、フォア・ボールという形にしてしまったのかもしれない。しかし、アイス・ティーの場合には分詞形容詞語尾の-ed を落としてしまっているのだし、フォア・ボールの場合には複数語尾の-s を省いてしまっている。だから問題は発音上の上だけのことではなく文法面にまで及ぶことになるのである。アイス・ティー式に –ed の欠落した例には他にもCorned beef(コーン・ビーフ)、salaried man(サラリー・マン)、condensed milk(コンデンス・ミルク)などかなりあるし、原語の複数語尾sの欠落した例も、stockings(ストッキング)、slippers(スリッパ)、golf links(ゴルフ・リンク)などざらに見られる。この他文法面にまたがる音の脱落としては、frying pan(フライ・パン)やsocial dancing(ソーシャル・ダンス)などに見られる動名詞-ingの脱落や、野球のfelder's choice(フィルダー・チョイス)のような続各語尾 's の脱落などが見られる。
原語があまりに長いと略されてしまうことが間々ある。日本人の家庭でも朝食の定番料理となっている「ハムエッグ」は英語では ham and eggs という。この場合は間のandと単語を落とし、さらに複数語尾のsも捨てたことになる。これを原語のまま「ハム アンド エッグズ」と言ったら、実に長ったらしいではないか。それに口調も悪いし「ハムエッグ」にしてしまえ という心理も働いて、手っ取り早く言い易い形になったのかもしれない。いずれにせよ長ったらしくて発音しにくい言葉にぶつかると、短く切り詰めて言い易くする例は外来語にはかなり多い。これは長々とした複合語や熟語ばかりでなく、普段よく使われる4音節ぐらいの短い単語であっても、さらに調子よく口を突いて出るようにもっと短く切り詰められることもしばしばある。Cutlet(カツレツ)が、しっぽを切り取られてカツとなり、bifteck〔ビフテキ、フランス語〕が頭をちょん切られてテキになる。まあ、日本語でも労組・早大のような略語が用いられているから驚くには当たらないが、外来語でも Central League〔セントラル リーグ〕→ セ、Pacific League(パシフィック リーグ)→ パ、demonstration(デモンストレーション)→ デモ、Building(ビルディング)→ ビル、chocolate(チョコレート)→ チョコ、toilet(トイレト)→ トイレ、inflation(インフレーション)→ インフレ などと後の部分を略した形もあれば、flannel〔フランネルネル、オランダ語〕→ ネル、cosmetic(コスメティック)→ チック、platform(プラットホームホーム)→ ホーム、Arbeit(アルバイト)→ バイト のように前の部分を省いた略語もある。その他にも、staple fibre(ステープル ファイバー)→ スフ、general strike(ゼネラル ストライキ)→ ゼネスト、patrol car (パトロールカー)→ パトカー のような略し方もある。勿論、これらは省略形以外に、インフレならインフレーション、ホームならプラットホームという全うな形も使われている。いったいにslang(スラング)や隠語にはGeld(ゲルト)→ ゲル〔金銭〕や,sister(シスター)→ シス〔同性愛の愛人〕、address(アドレス)→ アド〔隠れ家〕のような略語が多い。
外来語は原語に比べて音節数がずっと多くなる。それだけにこういった略語がどんどん必要なのだろうが、そうなると短い音節の言葉、ことに2音節当たりが大変多くなる。その結果どうしても同音異義語が多くなる。例えば、pro(プロ)見てみよう。
programme(プログラム)、production(プロダクション)、professional(プロフェショナル)、prolétariat〔プロレタリアート、フランス語〕、promide(プロマイド)、procento〔プロセント、ポルトガル語%〕、prostitute(プロスティチュート、売春婦)、propaganda〔プロパガンダ〕など挙げればきりがない。
※propaganda(プロパガンダ)とは、特定の思想によって個人や集団に影響を与え、その行動を意図した方向へ仕向けようとする宣伝活動の総称。特に、政治的意図をもつ宣伝活動をさすことが多いが、ある決まった考えや思想・主義あるいは宗教的教義などを、一方的に喧伝(けんでん)するようなものや、刷り込もうとするような宣伝活動などを指す。要するに情報による大衆操作・世論喚起と考えてよく、国際情報化社会においては必然的にあらわれるものである。今日その方法は、必ずしも押しつけがましいものではなくなり、戦略化し巧妙なものとなってきている。
さらに、原語の頭文字だけに略してしまう場合もある。S(sister)やM(money)はかなり前から使われているが、PR(public relations)やTV(television)はすでに英語でも使われているものを取り入れたものである。略語はこれからもどんどんあらわれてくるだろうが、同音異義語が増えるばかりだから略語は出来るだけやめて欲しい。といっても、長い言葉を日本人の口に合うように言い易く短くするのを抑える訳にはいかないのである。それに、略語がアメリカ辺りでも盛んに使われていることはご存知の通りである。
今朝のウェブニュースより
民主党は死屍累々 小沢一郎が繰り出す刺客戦略 野田も菅も生き残れない ―― 民主党が「国民の生活が第一」の小沢一郎代表の動きに神経をとがらせている。大分県では先週、民主党中津支部の党員約100人全員が離党届を突きつけ、小沢新党に入党する動きもあった。「小沢は水面下で何をしているのか。不気味だ」というのだ。/ある民主党関係者がこう話す。「表に出ずに潜伏しているときの小沢さんは怖い。ダブル党首選や内閣改造でメディアがバカ騒ぎしている間、小沢さんは雑音から逃れて自由に動いていた。『連合』など民主党の支持団体や組織にも手を突っ込んでいるといわれる。想像もつかないような選挙戦略を練っているのではないか」/小沢は次の衆院選では100人近い候補を擁立する方針だ。/注目されるのが今月下旬にも発表される第2次公認。小沢は候補者の選定について、「政治のプロでなくてもいい。国民を裏切らない誠実で信頼できる人間でないといけない」と周囲に話しているらしい。/「小沢さんは『生活』の政党名が示すように、主婦やサラリーマン、さらには、お年寄りや子供の暮らしを理解し、共感できる“生活者”に焦点を合わせて候補者を人選しているようです。有権者は野田政権の口先エリートにウンザリしていますからね。意外な候補者を出してくるかもしれません」(政界事情通)/野田首相は小沢新党に刺客を送り込むと息巻いていたが、民主党は「選挙になれば50議席」の惨敗予測が飛び交うテイタラク。刺客を立てる余裕はないし、逆に当落線上の民主党議員は、小沢が送り込むともっぱらの「逆刺客」に戦々恐々だ。/イの一番に“標的”になるのは、ほかでもない、野田自身と前首相の菅直人だという。/「小沢さんは、国民を裏切った両首相を許さないでしょう。野田さんへの刺客には、ヤワラちゃんこと谷亮子参院議員のクラ替え出馬説が浮上しています。首相のお膝元の千葉4区では、消費増税や原発再稼働に反対するデモが繰り返され、『野田ノーだ』の怒号が渦巻いている。谷亮子が相手では勝ち目はありません。菅さんの東京18区には元リポーターの青木愛(同12区)の名前がささやかれています。青木は保育士でもあり、子育て世帯の支持もある。もともと落選危機の菅さんは、討ち死に必至です」(政界ジャーナリスト)
<玄葉、安住もターゲット>:小沢は北海道の「新党大地」、東海の「減税日本」などと選挙協力するつもりだ。主戦場は東日本、とくに東北で、岩手、宮城、福島の被災3県では全選挙区に候補者を立てるとみられる。/「刺客のターゲットになるのは、中韓との関係を悪化させた玄葉外相(福島3区)や、財務官僚の言いなりで増税に走った前財務相の安住幹事長代行(宮城5区)といったハレンチ漢の面々です。青木愛は安住代行への刺客も考えられます。元小沢グループの階猛(岩手1区)ら寝返り組も例外ではないでしょう」(前出のジャーナリスト)/小沢事件で司法権力の暴走を追及し、知名度を上げた森ゆうこ参院議員の衆院クラ替え説も取りざたされている。/「議員になるまで普通の肝っ玉母チャンだった森さんは、主婦からの人気が高い。地元・新潟では『田中真紀子の新潟5区から出てくれ』という声もあります。消費増税に反対していた真紀子文科相の裏切り入閣に怒っている県民は多いですからね。可能性は薄いかもしれないが、森さんなら、どこから出馬しても強力な刺客になり得ますよ」(地元関係者)/驚くなかれ、小沢に怯える議員からは、こんな声まで聞かれる。/「ロンドン五輪中、小沢さんは珍しく、女子サッカーを熱心に見ていたそうです。『なでしこジャパン』の佐々木則夫監督の一本釣りを狙っているんじゃないか、なんて臆測も流れています」/当落線上の民主党議員は夜も眠れない日が続きそうだ。 〔日刊ゲンダイ2012年10月4日 掲載〕
「日本維新の会」橋下代表と国会議員団ギクシャク!早くも分裂含み? ―― 国政進出で注目の「日本維新の会」で、代表の橋下大阪市長と国会議員団の間が早くもギクシャクしている。松野頼久衆院議員らは「国会のことは国会議員が決める」と言い、橋下は「重要政策決定は代表が行なう」と不愉快そうだ。
「方針・戦略は僕の方が長けてる。松浪さんは維新じゃなければブログも読まれない」
先月9日(2012年9月)の公開討論会で、「同じ方向性」「基本部分では一致」「価値観が一緒」と確認、さらに次の討論会を経て9人の国会議員が合流した結果、政党要件を満たして国政に出る体制が整った。しかし、その後に松浪健太議員がブログで「橋下独裁にはしない」「外交・安保では国会議員が議論すべき」などと書いた。橋下の「竹島は共同管理しかない」という発言を批判的に受け止めたものだった。/松浪は3回目の討論会でも、国会議員と代表の意見が食い違ったときはどうしたらいいのかと提起し、橋下が「執行部で方針は決めるべきだ」と述べると、松浪は「橋下独裁とかいわれるので、そういうことはないんだといっていただきたい」と食い下がった。/これには橋下がカチンとした。「(国会議員主導で)有権者がついてきてくれるのであれば、日本維新の会に所属しなくてもいい。松浪氏だって維新の会でなければブログのチェックなんかされなかったんですから。松浪議員もいろいろ考えてもらわないと」と、イヤなら出ていけば…と言わんばかりだった。さらに、「大きな方針とか戦略については、いまの国会議員であれば、ボクの方が長けてます。(政策の)大きな方針を決めるのがボクの役割。国政課題の一つひとつは国会議員が決めていきます。解散といわないとかは、ボクの立場でないと」ともいった。/国会議員が決める云々についても、「変なパフォーマンスに走らないように」と言ったことについても、「議員はすぐ解散とか、政局とか、過半数割れだ、不信任だとかそんな話をするんで、ボクはクギを刺したんです」と強気だ。 〔J-cast テレビウォッチ 2012/10/ 4 13:19〕
橋下代表のひとっ叩きで松浪議員シュン!「日本維新の会」じゃれあい ―― 永田町の第三極を狙う「日本維新の会」(橋下徹代表)から、国会運営をめぐる不協和音が聞こえてくる。国会議員団の一人が「橋下独裁にはしない」と言い出したのだ。さて、橋下人気にどんな影響が出るのか。/「お客さまではない。言わしてもらう」と威勢良かったが… /ことの起こりは9月29日(2012年)の「日本維新の会」公開討論会で、竹島の領有権に関する橋下発言をめぐって、松浪健太衆院議員が「誤解のないように配慮すべきだ」と発言したことだった。その後も、松浪はブログで「橋下独裁にはしない」という見出しで「もはやお客さまではない。言うべきことは言わしてもらう」と啖呵を切った。/このブログを見ていた橋下がさっそく反論した。「変なパフォーマンスに走ってもらっては最悪ですよ。本人にも言ってあります。松浪議員だって日本維新の会に所属しなければマスコミにブログのチェックなんてされてないんですから、いろいろ考えてもらわないといけない。 国会議員団の大きな方針や戦略で有権者の皆さんが本当に聞いてくれるというのであれば、日本維新の会に所属しなくてもいいじゃないですか。やはり大きな方針とか戦略については、今の国会議員団より僕の方が長けています」/ズバリ本音でクギを刺し形になり、勝負あった。/火をつけた松浪は2002年に大阪10区の衆院補欠選挙で初当選する前には、産経新聞の整理部を経験しており、「僕は整理部にいたんで、いつも見出しはきつく書くようにしていた。誤解を与えたかもしれない」と苦しい釈明をした。/コメンテーターの北山正恭・早大大学院教授は「ベンチャーですからこういう騒動が起きても仕方がないこと。じゃれているだけ。そんなこと合体する前に話し合いで決めておけという感じ。これでは心もとない」とただ呆れるばかりだった。 〔J-cast テレビウォッチ 2012/10/ 4 15:20〕
民主党は死屍累々 小沢一郎が繰り出す刺客戦略 野田も菅も生き残れない ―― 民主党が「国民の生活が第一」の小沢一郎代表の動きに神経をとがらせている。大分県では先週、民主党中津支部の党員約100人全員が離党届を突きつけ、小沢新党に入党する動きもあった。「小沢は水面下で何をしているのか。不気味だ」というのだ。/ある民主党関係者がこう話す。「表に出ずに潜伏しているときの小沢さんは怖い。ダブル党首選や内閣改造でメディアがバカ騒ぎしている間、小沢さんは雑音から逃れて自由に動いていた。『連合』など民主党の支持団体や組織にも手を突っ込んでいるといわれる。想像もつかないような選挙戦略を練っているのではないか」/小沢は次の衆院選では100人近い候補を擁立する方針だ。/注目されるのが今月下旬にも発表される第2次公認。小沢は候補者の選定について、「政治のプロでなくてもいい。国民を裏切らない誠実で信頼できる人間でないといけない」と周囲に話しているらしい。/「小沢さんは『生活』の政党名が示すように、主婦やサラリーマン、さらには、お年寄りや子供の暮らしを理解し、共感できる“生活者”に焦点を合わせて候補者を人選しているようです。有権者は野田政権の口先エリートにウンザリしていますからね。意外な候補者を出してくるかもしれません」(政界事情通)/野田首相は小沢新党に刺客を送り込むと息巻いていたが、民主党は「選挙になれば50議席」の惨敗予測が飛び交うテイタラク。刺客を立てる余裕はないし、逆に当落線上の民主党議員は、小沢が送り込むともっぱらの「逆刺客」に戦々恐々だ。/イの一番に“標的”になるのは、ほかでもない、野田自身と前首相の菅直人だという。/「小沢さんは、国民を裏切った両首相を許さないでしょう。野田さんへの刺客には、ヤワラちゃんこと谷亮子参院議員のクラ替え出馬説が浮上しています。首相のお膝元の千葉4区では、消費増税や原発再稼働に反対するデモが繰り返され、『野田ノーだ』の怒号が渦巻いている。谷亮子が相手では勝ち目はありません。菅さんの東京18区には元リポーターの青木愛(同12区)の名前がささやかれています。青木は保育士でもあり、子育て世帯の支持もある。もともと落選危機の菅さんは、討ち死に必至です」(政界ジャーナリスト)
<玄葉、安住もターゲット>:小沢は北海道の「新党大地」、東海の「減税日本」などと選挙協力するつもりだ。主戦場は東日本、とくに東北で、岩手、宮城、福島の被災3県では全選挙区に候補者を立てるとみられる。/「刺客のターゲットになるのは、中韓との関係を悪化させた玄葉外相(福島3区)や、財務官僚の言いなりで増税に走った前財務相の安住幹事長代行(宮城5区)といったハレンチ漢の面々です。青木愛は安住代行への刺客も考えられます。元小沢グループの階猛(岩手1区)ら寝返り組も例外ではないでしょう」(前出のジャーナリスト)/小沢事件で司法権力の暴走を追及し、知名度を上げた森ゆうこ参院議員の衆院クラ替え説も取りざたされている。/「議員になるまで普通の肝っ玉母チャンだった森さんは、主婦からの人気が高い。地元・新潟では『田中真紀子の新潟5区から出てくれ』という声もあります。消費増税に反対していた真紀子文科相の裏切り入閣に怒っている県民は多いですからね。可能性は薄いかもしれないが、森さんなら、どこから出馬しても強力な刺客になり得ますよ」(地元関係者)/驚くなかれ、小沢に怯える議員からは、こんな声まで聞かれる。/「ロンドン五輪中、小沢さんは珍しく、女子サッカーを熱心に見ていたそうです。『なでしこジャパン』の佐々木則夫監督の一本釣りを狙っているんじゃないか、なんて臆測も流れています」/当落線上の民主党議員は夜も眠れない日が続きそうだ。 〔日刊ゲンダイ2012年10月4日 掲載〕
「日本維新の会」橋下代表と国会議員団ギクシャク!早くも分裂含み? ―― 国政進出で注目の「日本維新の会」で、代表の橋下大阪市長と国会議員団の間が早くもギクシャクしている。松野頼久衆院議員らは「国会のことは国会議員が決める」と言い、橋下は「重要政策決定は代表が行なう」と不愉快そうだ。
「方針・戦略は僕の方が長けてる。松浪さんは維新じゃなければブログも読まれない」
先月9日(2012年9月)の公開討論会で、「同じ方向性」「基本部分では一致」「価値観が一緒」と確認、さらに次の討論会を経て9人の国会議員が合流した結果、政党要件を満たして国政に出る体制が整った。しかし、その後に松浪健太議員がブログで「橋下独裁にはしない」「外交・安保では国会議員が議論すべき」などと書いた。橋下の「竹島は共同管理しかない」という発言を批判的に受け止めたものだった。/松浪は3回目の討論会でも、国会議員と代表の意見が食い違ったときはどうしたらいいのかと提起し、橋下が「執行部で方針は決めるべきだ」と述べると、松浪は「橋下独裁とかいわれるので、そういうことはないんだといっていただきたい」と食い下がった。/これには橋下がカチンとした。「(国会議員主導で)有権者がついてきてくれるのであれば、日本維新の会に所属しなくてもいい。松浪氏だって維新の会でなければブログのチェックなんかされなかったんですから。松浪議員もいろいろ考えてもらわないと」と、イヤなら出ていけば…と言わんばかりだった。さらに、「大きな方針とか戦略については、いまの国会議員であれば、ボクの方が長けてます。(政策の)大きな方針を決めるのがボクの役割。国政課題の一つひとつは国会議員が決めていきます。解散といわないとかは、ボクの立場でないと」ともいった。/国会議員が決める云々についても、「変なパフォーマンスに走らないように」と言ったことについても、「議員はすぐ解散とか、政局とか、過半数割れだ、不信任だとかそんな話をするんで、ボクはクギを刺したんです」と強気だ。 〔J-cast テレビウォッチ 2012/10/ 4 13:19〕
橋下代表のひとっ叩きで松浪議員シュン!「日本維新の会」じゃれあい ―― 永田町の第三極を狙う「日本維新の会」(橋下徹代表)から、国会運営をめぐる不協和音が聞こえてくる。国会議員団の一人が「橋下独裁にはしない」と言い出したのだ。さて、橋下人気にどんな影響が出るのか。/「お客さまではない。言わしてもらう」と威勢良かったが… /ことの起こりは9月29日(2012年)の「日本維新の会」公開討論会で、竹島の領有権に関する橋下発言をめぐって、松浪健太衆院議員が「誤解のないように配慮すべきだ」と発言したことだった。その後も、松浪はブログで「橋下独裁にはしない」という見出しで「もはやお客さまではない。言うべきことは言わしてもらう」と啖呵を切った。/このブログを見ていた橋下がさっそく反論した。「変なパフォーマンスに走ってもらっては最悪ですよ。本人にも言ってあります。松浪議員だって日本維新の会に所属しなければマスコミにブログのチェックなんてされてないんですから、いろいろ考えてもらわないといけない。 国会議員団の大きな方針や戦略で有権者の皆さんが本当に聞いてくれるというのであれば、日本維新の会に所属しなくてもいいじゃないですか。やはり大きな方針とか戦略については、今の国会議員団より僕の方が長けています」/ズバリ本音でクギを刺し形になり、勝負あった。/火をつけた松浪は2002年に大阪10区の衆院補欠選挙で初当選する前には、産経新聞の整理部を経験しており、「僕は整理部にいたんで、いつも見出しはきつく書くようにしていた。誤解を与えたかもしれない」と苦しい釈明をした。/コメンテーターの北山正恭・早大大学院教授は「ベンチャーですからこういう騒動が起きても仕方がないこと。じゃれているだけ。そんなこと合体する前に話し合いで決めておけという感じ。これでは心もとない」とただ呆れるばかりだった。 〔J-cast テレビウォッチ 2012/10/ 4 15:20〕
大学でドイツ語やフランス語を履修すると今まで高校で英語で習ってきた発音にない新しい音がでてきて悩まされるのである。母音の「Ø」の音などは「o」を発音するときのように唇を丸く突き出して、「e」を発音しろというように教わる。ドイツ語、フランス語と同じ系統の英語を一通り習っているものにとっても、ドイツ語やフランス語の音を修得するのはなかなか難しい。「Ø」の音になじみのない一般日本人がこの音に接してこれを取り入れ習慣的に使うということは到底考えられない。
ドイツの文豪 Goethe 〔gØ:tə〕 が日本語でどのように表記されているか見てみよう。
1ゴエテ、2ギューテ、3ギョート、4ギョーツ、5ゲーテ、6ギュエテ、7ゲォエテ、8ゴアタ、9グウィーテ、10グウィーテ、11ゲヱテー、12ゲーテー、13ゲェテー、14ギョウテ、15ギヨーテ、16ギョーテ、17ギョーテー、18ギヨテー、19ゴヱテ、20ギヨテ、21ギヨヲテ、22ギヨオテ、23ゲョーテ、24ゲヨーテ、25ゴエーテ、26ゲエテ、27ギヨエテ、28ゲイテ、29ギョエテ
なんともはや、実に29通りの書き方があるという。斉藤緑雨〔さいとうりょくう、1868~1904年、明治時代の小説家、評論家〕をして「ギョーテとは我のことかとゲーテ言い」という川柳すらも作らせたという。
今は大体ゲーテで落ち着いているようだが、いずれも原音をできるだけ正確に書き表したいための努力なのであろう。とはいえ、普通の日本人なら頭の中がこんがらがって、表記法から原音を思い浮かべるどころか、ゲョーテ、ゲヱテーなどはどのように読むのか判ったものではない。
世界的な童話作家Andersen(アンデルセン)とされるが、この「アンデルセン」という呼び名は世界中のどこの人にもわからない珍無類の呼び方だという。デンマークという日本人にはあまり親しみのない国の作家であったために、その国特有の読み方がわからなかったらしい。アンデルセンというとドイツ語流の呼び方に近いような気もするが、それなら「アンデルゼン」であるし、英語流なら「アンダースン」である。本国のデンマークでは「anɑsən」 だから、「アナスン」というのが一番近い。ところが「アナスン童話集」では、日本の母親や教師には通じないのである。ほかの詩人や作家の名前はだんだん原語に近い言い方、書き方がされているというのに、これだけは未だに「アンデルセン」という荒唐無稽な呼び名がされているという訳。今後もアンデルセンという不思議な綴り字発音を維持してゆくことだろう。
ドイツの文豪 Goethe 〔gØ:tə〕 が日本語でどのように表記されているか見てみよう。
1ゴエテ、2ギューテ、3ギョート、4ギョーツ、5ゲーテ、6ギュエテ、7ゲォエテ、8ゴアタ、9グウィーテ、10グウィーテ、11ゲヱテー、12ゲーテー、13ゲェテー、14ギョウテ、15ギヨーテ、16ギョーテ、17ギョーテー、18ギヨテー、19ゴヱテ、20ギヨテ、21ギヨヲテ、22ギヨオテ、23ゲョーテ、24ゲヨーテ、25ゴエーテ、26ゲエテ、27ギヨエテ、28ゲイテ、29ギョエテ
なんともはや、実に29通りの書き方があるという。斉藤緑雨〔さいとうりょくう、1868~1904年、明治時代の小説家、評論家〕をして「ギョーテとは我のことかとゲーテ言い」という川柳すらも作らせたという。
今は大体ゲーテで落ち着いているようだが、いずれも原音をできるだけ正確に書き表したいための努力なのであろう。とはいえ、普通の日本人なら頭の中がこんがらがって、表記法から原音を思い浮かべるどころか、ゲョーテ、ゲヱテーなどはどのように読むのか判ったものではない。
世界的な童話作家Andersen(アンデルセン)とされるが、この「アンデルセン」という呼び名は世界中のどこの人にもわからない珍無類の呼び方だという。デンマークという日本人にはあまり親しみのない国の作家であったために、その国特有の読み方がわからなかったらしい。アンデルセンというとドイツ語流の呼び方に近いような気もするが、それなら「アンデルゼン」であるし、英語流なら「アンダースン」である。本国のデンマークでは「anɑsən」 だから、「アナスン」というのが一番近い。ところが「アナスン童話集」では、日本の母親や教師には通じないのである。ほかの詩人や作家の名前はだんだん原語に近い言い方、書き方がされているというのに、これだけは未だに「アンデルセン」という荒唐無稽な呼び名がされているという訳。今後もアンデルセンという不思議な綴り字発音を維持してゆくことだろう。
最近のウェブニュースより
「若かりしモナリザ」の肖像、ダビンチ作品との鑑定結果 ―― 【9月28日 AFP】イタリア・ルネサンス期の芸術家Leonardo da Vinci(レオナルド・ダビンチ)が描いた世界で最も有名な絵画「モナリザ(Mona Lisa)」──その若かりし姿を描いたとされる肖像画「Isleworth Mona Lisa(アイルワースのモナリザ)」について、スイス・Zurich(チューリッヒ)のMona Lisa Foundation(モナリザ財団)は27日、ダビンチの作品であるとの鑑定結果を発表した。/「アイルワースのモナリザ」は長らく個人コレクターのHenry Pulitzer(ヘンリー・ピュリツァー)氏が所有していたが、同氏の死後40年以上、スイスの銀行の金庫に保管されていた。後の2008年に匿名の国際財団が、ピュリツァー氏の伴侶だった女性の遺産から購入し、モナリザ財団に鑑定を依頼していた。/「アイルワースのモナリザ」と「モナリザ」の顔は驚くほど似ているが、「アイルワース」のほうはモデルの年齢が明らかに若い。また背景の風景は下絵のままで、両脇には柱が描かれている。モナリザ財団によれば、こうした特徴は「未完のモナリザ」として歴史上登場する記述によく似ている上、ダビンチと同じイタリアの巨匠Raphael(ラファエロ)など他の画家が当時描いた「モナリザ」の模写やスケッチの特徴と一致しているという。/モナリザ財団がGeneva(ジュネーブ)で開いた記者会見は、報道陣やテレビカメラでいっぱいになった。鑑定結果を証言するために、同財団によって会場に集められた専門家たちは、「アイルワースのモナリザ」はダビンチが「モナリザ」の10年ほど前に描いた未完の作品だと述べた。/所有者の匿名財団を代表して出席した美術商のDavid Feldman(デビッド・フェルドマン)氏は推定価格を明かさず、個人に売却するよりも一般公開できる状態のほうがふさわしいとの見解を述べた。
■「謎めいた」表情に欠ける? との疑問も:一方、会見に出席しなかった専門家からは、「アイルワースのモナリザ」がダビンチの作品だとする鑑定結果に疑問を投げ掛ける声も出ている。/その1人、英University of Oxford(オックスフォード大学)の美術史家Martin Kemp(マーティン・ケンプ)氏は、女性の髪やベール、ドレスの透けた重なり、手の骨格など「モナリザ」が持つ細部の緻密な描写が「アイルワースのモナリザ」からは感じられないと指摘。また多くの模写作品同様、ダビンチの「モナリザ」の「謎めいた」表情を捉えていないと述べている。/こうした批判に対し、モナリザ財団側は作品を実際に間近で見てほしいと語っている。同財団は、「アイルワースのモナリザ」の鑑定結果を『Mona Lisa -- Leonardo's Earlier Version(ダビンチが描いた若きモナリザの肖像)』と題した320ページの書籍にまとめ発表している。 〔AFP BBNEWS 2012年09月28日 15:55 発信地:ジュネーブ/スイス〕
「若かりしモナリザ」の肖像、ダビンチ作品との鑑定結果 ―― 【9月28日 AFP】イタリア・ルネサンス期の芸術家Leonardo da Vinci(レオナルド・ダビンチ)が描いた世界で最も有名な絵画「モナリザ(Mona Lisa)」──その若かりし姿を描いたとされる肖像画「Isleworth Mona Lisa(アイルワースのモナリザ)」について、スイス・Zurich(チューリッヒ)のMona Lisa Foundation(モナリザ財団)は27日、ダビンチの作品であるとの鑑定結果を発表した。/「アイルワースのモナリザ」は長らく個人コレクターのHenry Pulitzer(ヘンリー・ピュリツァー)氏が所有していたが、同氏の死後40年以上、スイスの銀行の金庫に保管されていた。後の2008年に匿名の国際財団が、ピュリツァー氏の伴侶だった女性の遺産から購入し、モナリザ財団に鑑定を依頼していた。/「アイルワースのモナリザ」と「モナリザ」の顔は驚くほど似ているが、「アイルワース」のほうはモデルの年齢が明らかに若い。また背景の風景は下絵のままで、両脇には柱が描かれている。モナリザ財団によれば、こうした特徴は「未完のモナリザ」として歴史上登場する記述によく似ている上、ダビンチと同じイタリアの巨匠Raphael(ラファエロ)など他の画家が当時描いた「モナリザ」の模写やスケッチの特徴と一致しているという。/モナリザ財団がGeneva(ジュネーブ)で開いた記者会見は、報道陣やテレビカメラでいっぱいになった。鑑定結果を証言するために、同財団によって会場に集められた専門家たちは、「アイルワースのモナリザ」はダビンチが「モナリザ」の10年ほど前に描いた未完の作品だと述べた。/所有者の匿名財団を代表して出席した美術商のDavid Feldman(デビッド・フェルドマン)氏は推定価格を明かさず、個人に売却するよりも一般公開できる状態のほうがふさわしいとの見解を述べた。
■「謎めいた」表情に欠ける? との疑問も:一方、会見に出席しなかった専門家からは、「アイルワースのモナリザ」がダビンチの作品だとする鑑定結果に疑問を投げ掛ける声も出ている。/その1人、英University of Oxford(オックスフォード大学)の美術史家Martin Kemp(マーティン・ケンプ)氏は、女性の髪やベール、ドレスの透けた重なり、手の骨格など「モナリザ」が持つ細部の緻密な描写が「アイルワースのモナリザ」からは感じられないと指摘。また多くの模写作品同様、ダビンチの「モナリザ」の「謎めいた」表情を捉えていないと述べている。/こうした批判に対し、モナリザ財団側は作品を実際に間近で見てほしいと語っている。同財団は、「アイルワースのモナリザ」の鑑定結果を『Mona Lisa -- Leonardo's Earlier Version(ダビンチが描いた若きモナリザの肖像)』と題した320ページの書籍にまとめ発表している。 〔AFP BBNEWS 2012年09月28日 15:55 発信地:ジュネーブ/スイス〕
ピンクリボン(Pink ribbon)とは、乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進すること、などを目的として行われる世界規模の啓発キャンペーン、もしくはそのシンボル。日本人女性のうち、乳がんを発症する割合は約20人に1人と言われており、また、乳がんで死亡する女性の数は年間約1万人弱とされ、そのキャンペーンは年を増すごとに拡大している。
シンボルであるピンクリボンの由来については、「まだ乳がんについての研究が浅かった1980年代のアメリカ合衆国の小さな町で、乳がんで死亡した女性の母親が、この女性の娘である実孫に、同じ悲しみを繰り返さないよう、願いを込めて手渡したものがピンク色のリボンであったことに端を発するとされる。この行為が乳がんの恐ろしさと、乳がんについて知り、考えるきっかけをこの町の住人に広め、その後、草の根的な活動により、アメリカ全土はもとより、ヨーロッパ、アジアなど全世界的に広まった」などさまざまな説がある。
日本でのピンクリボン運動が一般的に認知されるようになったのは、2000年代に入ってからである。2000年(平成12年)10月に日本最大の乳がん患者支援団体である「あけぼの会」が東京タワーをピンク色にライトアップしたことがきっかけだ。しかしながら、その運動の規模は年を追うごとに急拡大しており、りそな銀行、アストラゼネカ、アテニア化粧品、エイボン・プロダクツ、東京海上日動あんしん生命、ワコール、埼玉りそな銀行、オーティコンなど、協賛する企業、市民団体は多数存在する。また、Yahoo! JAPAN、asahi.comといった日本を代表するポータルサイト、ニュースサイトで広くピンクリボン運動が紹介されている。
10月1日には、東京都庁舎、レインボーブリッジ、東京タワー、表参道ヒルズ、名古屋城、神戸ポートタワー、明石海峡大橋などをピンク色にライトアップ(またはピンク色の電球に交換)し、いずれも大勢の人へ視覚という形で、ピンクリボン運動の認知度向上へ貢献している。
日本でのピンクリボン運動の主たる活動組織は多数ある。その中のひとつがNPO法人「J.POSH」(Japan Pink-ribbon of Smile and Happiness、日本笑顔と幸せのピンクリボン)である。 J.POSHは田中完児関西医科大学乳腺専門医をはじめとする発起人により活動が開始された。J.POSHでは、1年に1度、マンモグラフィー検診(乳腺・乳房専用のレントゲン検診)を受けることを奨励している。 《以上「ウィキペディア フリー百科事典」より抜粋》
本日のウェブニュースより
スカイツリーにもピンクリボン 柔らかな光で検診訴え ―― 乳がんの早期発見、早期治療の大切さを伝えるピンクリボン運動に賛同し、東京スカイツリー(東京都墨田区)が1日夜、ピンク色にライトアップされた。/1936台のLED(発光ダイオード)を点灯。リボンをイメージし、柔らかな光の帯がゆっくり動いているように照らした。真下の広場であった点灯式では、日本対がん協会のほほえみ大使で、5年前のこの日、乳がんの手術を受けたアグネス・チャンさんが「乳がんは早く見つかれば怖くありません。検診に行ってください」と訴えた。/この日は大阪・通天閣や名古屋城もピンク色にライトアップされた。 〔朝日新聞朝刊 2012年10月1日22時24分〕
シンボルであるピンクリボンの由来については、「まだ乳がんについての研究が浅かった1980年代のアメリカ合衆国の小さな町で、乳がんで死亡した女性の母親が、この女性の娘である実孫に、同じ悲しみを繰り返さないよう、願いを込めて手渡したものがピンク色のリボンであったことに端を発するとされる。この行為が乳がんの恐ろしさと、乳がんについて知り、考えるきっかけをこの町の住人に広め、その後、草の根的な活動により、アメリカ全土はもとより、ヨーロッパ、アジアなど全世界的に広まった」などさまざまな説がある。
日本でのピンクリボン運動が一般的に認知されるようになったのは、2000年代に入ってからである。2000年(平成12年)10月に日本最大の乳がん患者支援団体である「あけぼの会」が東京タワーをピンク色にライトアップしたことがきっかけだ。しかしながら、その運動の規模は年を追うごとに急拡大しており、りそな銀行、アストラゼネカ、アテニア化粧品、エイボン・プロダクツ、東京海上日動あんしん生命、ワコール、埼玉りそな銀行、オーティコンなど、協賛する企業、市民団体は多数存在する。また、Yahoo! JAPAN、asahi.comといった日本を代表するポータルサイト、ニュースサイトで広くピンクリボン運動が紹介されている。
10月1日には、東京都庁舎、レインボーブリッジ、東京タワー、表参道ヒルズ、名古屋城、神戸ポートタワー、明石海峡大橋などをピンク色にライトアップ(またはピンク色の電球に交換)し、いずれも大勢の人へ視覚という形で、ピンクリボン運動の認知度向上へ貢献している。
日本でのピンクリボン運動の主たる活動組織は多数ある。その中のひとつがNPO法人「J.POSH」(Japan Pink-ribbon of Smile and Happiness、日本笑顔と幸せのピンクリボン)である。 J.POSHは田中完児関西医科大学乳腺専門医をはじめとする発起人により活動が開始された。J.POSHでは、1年に1度、マンモグラフィー検診(乳腺・乳房専用のレントゲン検診)を受けることを奨励している。 《以上「ウィキペディア フリー百科事典」より抜粋》
本日のウェブニュースより
スカイツリーにもピンクリボン 柔らかな光で検診訴え ―― 乳がんの早期発見、早期治療の大切さを伝えるピンクリボン運動に賛同し、東京スカイツリー(東京都墨田区)が1日夜、ピンク色にライトアップされた。/1936台のLED(発光ダイオード)を点灯。リボンをイメージし、柔らかな光の帯がゆっくり動いているように照らした。真下の広場であった点灯式では、日本対がん協会のほほえみ大使で、5年前のこの日、乳がんの手術を受けたアグネス・チャンさんが「乳がんは早く見つかれば怖くありません。検診に行ってください」と訴えた。/この日は大阪・通天閣や名古屋城もピンク色にライトアップされた。 〔朝日新聞朝刊 2012年10月1日22時24分〕
日本は中国経由で、仏教、仏典とともにサンスクリットにまつわる知識や単語などを取り入れてきた。その時期は非常に古く、すくなくとも真言宗の開祖空海まではさかのぼれる。
実際に、仏教用語の多くはサンスクリット由来であり、例えばsaṃgha〔サンガ、僧(伽)〕、ullambana〔ウランバナ、盂蘭盆〕、stûpa〔ストゥパー、卒塔婆〕、namo amitaabha〔ナモ アミタブッハ、南無阿弥陀仏〕など無数にある。“檀那(旦那)――後出”などのように日常語化しているものもある。
また、経典のうちdhaaraNii〔ダーラニー、陀羅尼〕、mantra〔マントラ、真言〕などはは漢訳されず、サンスクリットを音写した漢字で表記され、サンスクリット音のまま直接読誦される。陀羅尼などは現代日本のいくつかの文学作品にも登場する(泉鏡花「高野聖」など)。
1Arbuda〔アルブタ、痘痕〕:「arbuda(アルブタ)」の音写「頞部陀〔あぶだ〕」が訛った語。「頞部陀地獄」とも言い、寒さによって苦しめる『八寒地獄』の地獄名のひとつで、ここに落ちた者は厳寒のため、体に水疱(すいほう)ができるとされた。そこから、天然痘が治った後、顔に残る傷のようなものを僧侶の間で「あばた」呼ぶようになり、一般にも広まった。1980年、WHOが天然痘の全滅宣言を出しているため「あばた」も存在しないが、意味の派生によって、単なる吹き出物の傷跡なども「あばた」と呼ぶようになった。
2A-un〔アウン、阿吽(あうん)〕:梵語の「ア」と「フーン」を合わせたもので、「ア」は口を開く音を指し、「フーン」は口を閉じる音を指した。翻って、「吐く息」と「出る息」となって、「阿吽の呼吸」に至った。梵語 → 仏教語 → 相撲用語 → 一般語という珍しい流れ。
3 akshara〔アクシャラ、悪(あく)〕:「悪」は世の理や仏道に反することで、将来の苦を引き起こすことを指す。和語における「悪」は、「にくらしいほど並はずれた」という意味であり、古代中国における「悪」は、「規則や命令に従わないこと」を指した。また、欧米における「悪」は、「絶対神を否定するもの」を指した。このことからも、「悪」の定義は今日なおも大きく揺らいでいることが分かる。
4 kapala〔カッパーラ、瓦(かわら)」:儀式で使われる杯や器を指した。後に、人間の頭蓋骨で作られた髑髏杯のこととなり、儀式で血などを入れるのに使ったとされる。神秘主義におけるカバラ思想の「カバラ」は別語源らしい。
5 Kumbhira〔クンビーラ、金毘羅(こんぴら)〕:ガンジス川に棲むワニのこと。古代より水に棲む神として崇められていたという。「琴平」は金毘羅の当て字。
6 Samādhi〔サマーディ、三昧(ざんまい)〕:今でこそ「贅沢三昧」などと悪い意味でしか使われないが、本来は一つの対象に集中し、心を動かさないことを意味し、悟りの境地だった。今日の「一心不乱」とか「一意専心」に近く、今日でもヨガの階級では最高位となっている。
7 Samādhi〔サハー、娑婆(しゃば)」:今でこそ受刑囚が「塀の向こう側」を指す言葉となってしまっているが、本来は「現世」を意味し、転じて修行僧が「下界(山の下)」を指すものとして使うようになった。
8 Cima〔シーマ、島(しま)〕:今でこそヤクザの縄張りを指すが、本来は修行僧たちが修行する空間(領域)を意味した。
9 ksana〔クシャナ、刹那(せつな)〕:一瞬の意。正確には約75分の1秒とも言われる。数字としては、10の-18乗の数を指す。現代日本語の「刹那的」は「後先考えない」ことを意味するが、仏教の原義的には「一瞬一瞬を大切にする」「瞬間を充実させる喜び」を意味する。
10 dāna〔ダーナ、檀那・旦那(ダンナ)〕:もともとは「贈り物」の意で、転じて「お布施」となり、さらに僧が「喜捨してくれる信者」を呼ぶようになった。妻が夫を呼ぶのも、商家の者が顧客を呼ぶのも、目下が目上の者を呼ぶのも同語源である。「檀家」「檀徒」は後からできたもの。梵語と漢語を合わせて檀施とも記す。また布施する人を意味する檀越dāna‐patiと混用され、寺院や僧尼に衣食住を施与する信者を、僧の方から檀那、檀越(だんおつ)という。中国には檀家制度がなく、寺院が特定の檀越に支えられることは少なかったが、貴族豪民には一家の菩提寺を建てて、寺院に与えられた特権を横取りしたり、寺院の質庫に財産を寄託して殖産をはかるものもあった。
※、一般にも「旦那」の語は広まり、「パトロン」のように生活の面倒を見る人の意味で用いられるようになった。さらに、「面倒を見る人」「お金を出してくれる人」といった意味から派生し、奉公人が主人を、商人が客を、妻が夫を呼ぶときの敬称として用いられるようになり、現代では主に妻が夫を呼ぶ敬称として用いられる。旦那の語源には、「ダーナ」が西洋に伝わり、「マドンナ」や「マダム」などに変化したという説から、「旦那は女だった」などとするものも過去に見られた。しかし、「ダーナ」が「マドンナ」や「マダム」の語源とする説はあまり有力とされておらず、「ダーナ」が語源であったとしても、「旦那」の語源が「マドンナ」や「マダム」という訳ではないため、女性をさす言葉であったとするのは間違いである。
11 dhaaraNii〔ダーラニー、陀羅尼(だらに)〕:仏教において用いられる呪文の一種で、比較的長いものをいう。通常は訳さず(不翻)サンスクリット語原文を漢字に音写したものを唱える。意訳して総持、能持、能遮等ともいう。ダーラニーとは「記憶して忘れない」という意味で、本来は仏教修行者が覚えるべき教えや作法などを指した。やがてこれが転じて「暗記されるべき呪文」と解釈される様になり、一定の形式を満たす呪文を特に陀羅尼と呼ぶ様になった
12 naraka〔ナラカ、奈落(ならく)〕:地獄のこと。転じて、日本の劇場における舞台の下や歌舞伎の花道の床下の空間の通称。廻り舞台や迫り出しの装置があるほか、通路にもなっている。名称の由来は、深く暗い所にあるからというのが一般的。また一説に、華やかな舞台の裏には常に嫉妬があり、それが怨念となった魔物が薄暗い舞台下に潜んでおり、時折これが悪さをするから舞台事故が起こるとかつては信じられていたことによるものとも
13 Nirvāṇa〔ニルヴァーナ、涅槃(ねはん)〕:もともとは蝋燭などの炎が吹き消された状態を意味し、転じて「生命の炎が消える死」となり、さらに仏教語として「煩悩(の炎)が消えた後の静寂」を指すようになったという。
14 moha〔モーハ,莫迦・馬鹿(莫迦)〕:梵語の「モーハ」で、古くは「莫迦」と記した。元の意味は「無知」「暗愚」に近い。仏教的には、無知は人々を現世で迷わせ苦しめる元凶ということになっている。同じサンスクリット語のmahailaka(摩訶羅:無知)あるいはmaha(摩訶:おおきい、偉大な)を語源とする説もある。馬鹿は、サンスクリット語で「無知」や「迷妄」を意味するの音写「莫迦(ばくか)」「募何(ぼか)」が転じたとされる。日本では、鎌倉時代末期頃から「ばか」の用例があり、室町中期の「文明本説用集」には、馬鹿の異表記として「母娘」「馬娘」「破家」をあげ、「とんでもない」の意味で「狼藉之義也」と説明している。以上のことから、「ばか」を「馬鹿」と書くのは、当て字と考えられる。/馬鹿の語源の俗説には、『史記(秦始皇本紀)』の故事「鹿をさして馬となす」からというものがある。これは、秦の趙高が二世皇帝に、鹿を「馬である」と言って献じた。群臣は趙高の権勢を恐れて「馬です」と答えたが、「鹿」と答えた者は暗殺された。このことより、自分の権勢をよいことに矛盾したことを押し通す意味として「馬鹿」と言うようになったというものである。しかし、「鹿」を「か」と読むのは大和言葉で、漢文では「ばろく」と読むため、この故事が「ばか」の語源とは考え難く、「ばか」に「馬鹿」の字が当てられた由来として考慮するにとどまる。その他、「おこがましい」の語源となる「をこ」を語源とする説もあるが、「をこ」から「ばか」という音変化は考え難い。
15 buddha〔ブッダ、仏陀(ぶっだ)〕:「釈迦」の別名のように使われているが、本来は「悟りを開いた人」全般を指す。原義は「目覚めた人」。多くの仏教の宗派では、「ブッダ(仏陀)」は釈迦だけを指す場合が多く、悟りを得た人物を意味する場合は阿羅漢など別の呼び名が使われる。
16 bodhi〔ボーディ、菩提(ぼだい)〕:菩提とは内容的には、悟りの果としての智慧のことである。この智慧は無上の悟りなので、大乗仏教では特に阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)という。また、悟りを開いた仏の境地を表すことから、涅槃と同義と考えられた。しかし時代が下り、密教の経典である『大毘盧遮那成仏神変加持経』では「菩提とは実の如く自心を知ること」と説き、その意味が大きく変わっている。原義は「悟り」で、釈迦が悟りを開いた時に座っていた木を菩提樹と呼ぶようになったが、中国には生えていなかったこともあり、似たような木を「菩提樹」と呼ぶようになり、それが日本にも輸入された。平安時代には、「極楽浄土」の意で使われていたが、転じて「冥福」となり、今日に至っている。
17 māra〔マーラ、魔羅・摩羅魔(まら)〕:インドの悪神の一つ。人の善事を妨げる悪神。魔王。欲界第六天の王。転じて、悟りの妨げとなる煩悩(ぼんのう)をいう。魔。転じて、仏僧の修行を妨害する存在を指すようになった。後に、修行の邪魔となる愛欲=男性器を指す寺院の隠語(マラ)となり、今日に至っている。
18 mallikā〔マッリカー、茉莉花(まつりか)〕:インド原産のモクセイ科の低木。香や茶の原料として紀元前から今日に至る。省略形の茉莉は、現在ではジャスミン類の総称とすることが多い。
19 maṇḍala〔マンダーラ、曼荼羅(まんだら)〕:仏教(特に密教)において聖域、仏の悟りの境地、世界観などを仏像、シンボル、文字、神々などを用いて視覚的・象徴的に表したもの。「曼陀羅」と表記することもある。古代インドに起源をもち、中央アジア、中国、朝鮮半島、日本へと伝わった。21世紀に至っても、チベット、日本などでは盛んに制作されている。なお、日本語では、重要文化財等の指定名称は「曼荼羅」に統一されており、ここでも「曼荼羅」と表記する。
20 yakkha〔ヤクシャ、女性形はYaksni《ヤクシー》、夜叉(やしゃ)〕:古代インド神話に登場する鬼神。のちに仏教に取り入れられ護法善神の一尊となった。一般にインド神話における鬼神の総称であるとも言われるが、鬼神の総称としては他にアスラという言葉も使用されている(仏教においては、asura(アスラ)=阿修羅は総称ではなく固有の鬼神として登場)。
実際に、仏教用語の多くはサンスクリット由来であり、例えばsaṃgha〔サンガ、僧(伽)〕、ullambana〔ウランバナ、盂蘭盆〕、stûpa〔ストゥパー、卒塔婆〕、namo amitaabha〔ナモ アミタブッハ、南無阿弥陀仏〕など無数にある。“檀那(旦那)――後出”などのように日常語化しているものもある。
また、経典のうちdhaaraNii〔ダーラニー、陀羅尼〕、mantra〔マントラ、真言〕などはは漢訳されず、サンスクリットを音写した漢字で表記され、サンスクリット音のまま直接読誦される。陀羅尼などは現代日本のいくつかの文学作品にも登場する(泉鏡花「高野聖」など)。
1Arbuda〔アルブタ、痘痕〕:「arbuda(アルブタ)」の音写「頞部陀〔あぶだ〕」が訛った語。「頞部陀地獄」とも言い、寒さによって苦しめる『八寒地獄』の地獄名のひとつで、ここに落ちた者は厳寒のため、体に水疱(すいほう)ができるとされた。そこから、天然痘が治った後、顔に残る傷のようなものを僧侶の間で「あばた」呼ぶようになり、一般にも広まった。1980年、WHOが天然痘の全滅宣言を出しているため「あばた」も存在しないが、意味の派生によって、単なる吹き出物の傷跡なども「あばた」と呼ぶようになった。
2A-un〔アウン、阿吽(あうん)〕:梵語の「ア」と「フーン」を合わせたもので、「ア」は口を開く音を指し、「フーン」は口を閉じる音を指した。翻って、「吐く息」と「出る息」となって、「阿吽の呼吸」に至った。梵語 → 仏教語 → 相撲用語 → 一般語という珍しい流れ。
3 akshara〔アクシャラ、悪(あく)〕:「悪」は世の理や仏道に反することで、将来の苦を引き起こすことを指す。和語における「悪」は、「にくらしいほど並はずれた」という意味であり、古代中国における「悪」は、「規則や命令に従わないこと」を指した。また、欧米における「悪」は、「絶対神を否定するもの」を指した。このことからも、「悪」の定義は今日なおも大きく揺らいでいることが分かる。
4 kapala〔カッパーラ、瓦(かわら)」:儀式で使われる杯や器を指した。後に、人間の頭蓋骨で作られた髑髏杯のこととなり、儀式で血などを入れるのに使ったとされる。神秘主義におけるカバラ思想の「カバラ」は別語源らしい。
5 Kumbhira〔クンビーラ、金毘羅(こんぴら)〕:ガンジス川に棲むワニのこと。古代より水に棲む神として崇められていたという。「琴平」は金毘羅の当て字。
6 Samādhi〔サマーディ、三昧(ざんまい)〕:今でこそ「贅沢三昧」などと悪い意味でしか使われないが、本来は一つの対象に集中し、心を動かさないことを意味し、悟りの境地だった。今日の「一心不乱」とか「一意専心」に近く、今日でもヨガの階級では最高位となっている。
7 Samādhi〔サハー、娑婆(しゃば)」:今でこそ受刑囚が「塀の向こう側」を指す言葉となってしまっているが、本来は「現世」を意味し、転じて修行僧が「下界(山の下)」を指すものとして使うようになった。
8 Cima〔シーマ、島(しま)〕:今でこそヤクザの縄張りを指すが、本来は修行僧たちが修行する空間(領域)を意味した。
9 ksana〔クシャナ、刹那(せつな)〕:一瞬の意。正確には約75分の1秒とも言われる。数字としては、10の-18乗の数を指す。現代日本語の「刹那的」は「後先考えない」ことを意味するが、仏教の原義的には「一瞬一瞬を大切にする」「瞬間を充実させる喜び」を意味する。
10 dāna〔ダーナ、檀那・旦那(ダンナ)〕:もともとは「贈り物」の意で、転じて「お布施」となり、さらに僧が「喜捨してくれる信者」を呼ぶようになった。妻が夫を呼ぶのも、商家の者が顧客を呼ぶのも、目下が目上の者を呼ぶのも同語源である。「檀家」「檀徒」は後からできたもの。梵語と漢語を合わせて檀施とも記す。また布施する人を意味する檀越dāna‐patiと混用され、寺院や僧尼に衣食住を施与する信者を、僧の方から檀那、檀越(だんおつ)という。中国には檀家制度がなく、寺院が特定の檀越に支えられることは少なかったが、貴族豪民には一家の菩提寺を建てて、寺院に与えられた特権を横取りしたり、寺院の質庫に財産を寄託して殖産をはかるものもあった。
※、一般にも「旦那」の語は広まり、「パトロン」のように生活の面倒を見る人の意味で用いられるようになった。さらに、「面倒を見る人」「お金を出してくれる人」といった意味から派生し、奉公人が主人を、商人が客を、妻が夫を呼ぶときの敬称として用いられるようになり、現代では主に妻が夫を呼ぶ敬称として用いられる。旦那の語源には、「ダーナ」が西洋に伝わり、「マドンナ」や「マダム」などに変化したという説から、「旦那は女だった」などとするものも過去に見られた。しかし、「ダーナ」が「マドンナ」や「マダム」の語源とする説はあまり有力とされておらず、「ダーナ」が語源であったとしても、「旦那」の語源が「マドンナ」や「マダム」という訳ではないため、女性をさす言葉であったとするのは間違いである。
11 dhaaraNii〔ダーラニー、陀羅尼(だらに)〕:仏教において用いられる呪文の一種で、比較的長いものをいう。通常は訳さず(不翻)サンスクリット語原文を漢字に音写したものを唱える。意訳して総持、能持、能遮等ともいう。ダーラニーとは「記憶して忘れない」という意味で、本来は仏教修行者が覚えるべき教えや作法などを指した。やがてこれが転じて「暗記されるべき呪文」と解釈される様になり、一定の形式を満たす呪文を特に陀羅尼と呼ぶ様になった
12 naraka〔ナラカ、奈落(ならく)〕:地獄のこと。転じて、日本の劇場における舞台の下や歌舞伎の花道の床下の空間の通称。廻り舞台や迫り出しの装置があるほか、通路にもなっている。名称の由来は、深く暗い所にあるからというのが一般的。また一説に、華やかな舞台の裏には常に嫉妬があり、それが怨念となった魔物が薄暗い舞台下に潜んでおり、時折これが悪さをするから舞台事故が起こるとかつては信じられていたことによるものとも
13 Nirvāṇa〔ニルヴァーナ、涅槃(ねはん)〕:もともとは蝋燭などの炎が吹き消された状態を意味し、転じて「生命の炎が消える死」となり、さらに仏教語として「煩悩(の炎)が消えた後の静寂」を指すようになったという。
14 moha〔モーハ,莫迦・馬鹿(莫迦)〕:梵語の「モーハ」で、古くは「莫迦」と記した。元の意味は「無知」「暗愚」に近い。仏教的には、無知は人々を現世で迷わせ苦しめる元凶ということになっている。同じサンスクリット語のmahailaka(摩訶羅:無知)あるいはmaha(摩訶:おおきい、偉大な)を語源とする説もある。馬鹿は、サンスクリット語で「無知」や「迷妄」を意味するの音写「莫迦(ばくか)」「募何(ぼか)」が転じたとされる。日本では、鎌倉時代末期頃から「ばか」の用例があり、室町中期の「文明本説用集」には、馬鹿の異表記として「母娘」「馬娘」「破家」をあげ、「とんでもない」の意味で「狼藉之義也」と説明している。以上のことから、「ばか」を「馬鹿」と書くのは、当て字と考えられる。/馬鹿の語源の俗説には、『史記(秦始皇本紀)』の故事「鹿をさして馬となす」からというものがある。これは、秦の趙高が二世皇帝に、鹿を「馬である」と言って献じた。群臣は趙高の権勢を恐れて「馬です」と答えたが、「鹿」と答えた者は暗殺された。このことより、自分の権勢をよいことに矛盾したことを押し通す意味として「馬鹿」と言うようになったというものである。しかし、「鹿」を「か」と読むのは大和言葉で、漢文では「ばろく」と読むため、この故事が「ばか」の語源とは考え難く、「ばか」に「馬鹿」の字が当てられた由来として考慮するにとどまる。その他、「おこがましい」の語源となる「をこ」を語源とする説もあるが、「をこ」から「ばか」という音変化は考え難い。
15 buddha〔ブッダ、仏陀(ぶっだ)〕:「釈迦」の別名のように使われているが、本来は「悟りを開いた人」全般を指す。原義は「目覚めた人」。多くの仏教の宗派では、「ブッダ(仏陀)」は釈迦だけを指す場合が多く、悟りを得た人物を意味する場合は阿羅漢など別の呼び名が使われる。
16 bodhi〔ボーディ、菩提(ぼだい)〕:菩提とは内容的には、悟りの果としての智慧のことである。この智慧は無上の悟りなので、大乗仏教では特に阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)という。また、悟りを開いた仏の境地を表すことから、涅槃と同義と考えられた。しかし時代が下り、密教の経典である『大毘盧遮那成仏神変加持経』では「菩提とは実の如く自心を知ること」と説き、その意味が大きく変わっている。原義は「悟り」で、釈迦が悟りを開いた時に座っていた木を菩提樹と呼ぶようになったが、中国には生えていなかったこともあり、似たような木を「菩提樹」と呼ぶようになり、それが日本にも輸入された。平安時代には、「極楽浄土」の意で使われていたが、転じて「冥福」となり、今日に至っている。
17 māra〔マーラ、魔羅・摩羅魔(まら)〕:インドの悪神の一つ。人の善事を妨げる悪神。魔王。欲界第六天の王。転じて、悟りの妨げとなる煩悩(ぼんのう)をいう。魔。転じて、仏僧の修行を妨害する存在を指すようになった。後に、修行の邪魔となる愛欲=男性器を指す寺院の隠語(マラ)となり、今日に至っている。
18 mallikā〔マッリカー、茉莉花(まつりか)〕:インド原産のモクセイ科の低木。香や茶の原料として紀元前から今日に至る。省略形の茉莉は、現在ではジャスミン類の総称とすることが多い。
19 maṇḍala〔マンダーラ、曼荼羅(まんだら)〕:仏教(特に密教)において聖域、仏の悟りの境地、世界観などを仏像、シンボル、文字、神々などを用いて視覚的・象徴的に表したもの。「曼陀羅」と表記することもある。古代インドに起源をもち、中央アジア、中国、朝鮮半島、日本へと伝わった。21世紀に至っても、チベット、日本などでは盛んに制作されている。なお、日本語では、重要文化財等の指定名称は「曼荼羅」に統一されており、ここでも「曼荼羅」と表記する。
20 yakkha〔ヤクシャ、女性形はYaksni《ヤクシー》、夜叉(やしゃ)〕:古代インド神話に登場する鬼神。のちに仏教に取り入れられ護法善神の一尊となった。一般にインド神話における鬼神の総称であるとも言われるが、鬼神の総称としては他にアスラという言葉も使用されている(仏教においては、asura(アスラ)=阿修羅は総称ではなく固有の鬼神として登場)。
アイヌ語から取り入れた外来語もいくつかはある。
1 rakko〔ラッコ、海獺、猟虎〕:イタチ科のうちで水棲に進化したのがカワウソ類(カワウソ亜科)であるが、その中から海洋に進出して、陸に依存しないでも棲息可能なまでの本格的な適応を遂げた唯一の現生種が、ラッコ属であり、ラッコである。
2 tunakkay〔トナカイ、馴鹿(じゅんろく)〕:ツンドラ地帯に生息する。群れを形成し、季節によって大規模な移動を行う。天敵としてはオオカミ、オオヤマネコ、クズリ、ヒグマ等が挙げられる。
3 susam〔シュシャム、susu(柳)+ham(葉)〕:アイヌ民族の伝説に拠れば飢えに苦しんでいたアイヌの娘が病気の父のために川岸で神に祈りをささげたところ、柳の葉が川に次々と落ちて泳ぎ回りそれがシシャモになったという。
4 etupirka〔エトゥピリカ、etu(くちばし)+pirka(美しい)〕:冬羽は顔が灰色で飾り羽がなく、くちばしの根もとも黒っぽいが、夏羽では顔が白くなり、目の後ろに黄色の飾り羽が垂れ下がり、くちばしの根もとが黄褐色の独特の風貌となる。頭部が鮮やかに彩られる様から「花魁鳥」(おいらんちょう)という別名もある。
5 ruype〔ルイペ、ru(とける)+ipe(食料)〕: 生のサケ(鮭)をいったん冷凍し、その身を刺身のように薄く切ったもの。塩鮭は使わない。切った後、とくに解凍させずにそのままわさび醤油などで食べるのが普通である。凍った鮭の身の独特の食感が特徴で、生の刺身とは風味が少し異なる。
6 aynu (アイヌ):「人間」を意味する言葉で、もともとは「カムイ」(自然界の全てのものに心があるという精神に基づいて自然を指す呼称)に対する概念としての「人間」という意味であったとされている。
7 kotan (コタン):「宅地」をさし、アイヌ民族の生活の本拠地でありアイヌの社会を形成する最も小さな単位である。
8 nispa〔ニシパ、裕福な人、~さん〕:金持ち。裕福な人。長者。旦那。紳士。主人。(男性の敬称)……さん。
※かつて織井茂子が歌った「黒百合の歌」の歌詞にある言葉である。
黒百合の歌 作詞 菊田一夫 作曲 古関裕而 唄 織井茂子
(1) 黒百合は 恋の花
愛する人に 捧げれば
二人はいつかは 結びつく
ああ あああああ あああああああ
この花ニシパに あげようか
あたしはニシパが 大好きさ
(2) 黒百合は 魔物だよ
花の香りが 沁み付いて
結んだ二人は 離れない
ああ あああああ あああああああ
あたしが死んだら ニシパもね
あたしはニシパが 大好きさ
アイヌの神の タブーだよ
やがてはあたしも 死ぬんだよ
ああ あああああ あああああああ
ああああ ああああ あああああ
ああああ ああああ あああ あああ
(3) 黒百合は 毒の花
アイヌの神の タブーだよ
やがてはあたしも 死ぬんだよ
ああ あああああ あああああああ
ああああ ああああ あああああ
ああああ ああああ あああ あああ
宜しければ、お聞きあれ。 http://www.youtube.com/watch?v=8vvWng-h0Wg
9 pirka〔ピリカ、良い、美しい〕:良い、良くなる。美しい、美しくなる。立派だ、元気だ、治る。
※「知床旅情」の歌詞に「今宵こそ君を抱きしめんと 岩陰によればピリカが笑う」とあるが、「今日こそ君を抱きしめようと(下心を持って)美しい(ピリカとかかっている)女性を岩陰に誘ったら、下心を見透かしたようにエトピリカに笑われた」という解釈するのだそうだ。これは森繁さんご本人がおっしゃったことだそうだ。宜しければ、お聞きあれ。 http://www.youtube.com/watch?v=tfjKZD03Ox8
10 kamuy〔カムイ、神威、神居〕:神格を有する高位の霊的存在のこと。アイヌ民族の伝統的信仰は日本神道に近いとする説もあり、その場合多神教に分類される。カムイが日本語のカミと共通起源の語彙であるとする説もある。日本語の「カミ」と同様、「霊」や「自然」と表現してもおかしくない(キリスト教の神のような唯一絶対の存在ではない)。日本神道の「八百万の神」も、アイヌの信仰文化と同様の「アニミズム」の特徴があるという説もある。
11 yukar〔ユーカラ、アイヌ叙事詩〕:アイヌ民族に伝わる叙事詩の総称である。短いものから何日もかけて語られる長いものまである。アイヌは文字を持たないため、口承で伝えられてきた。
12 korpokkur〔コロポックル、kor(フキの葉)+pok(下)+kur(人)〕: アイヌの伝承に登場する小人。
13 nipopo〔ニポポ、ni(木)+popo(赤ん坊) 木の人形〕:郷土玩具。「ニポポ」にはアイヌ語で「小さな木の子供」「人形」という意味がある。縦長の木に丸い顔が彫られたもので、胴は八角形のこけしのような形状をしている。一つの台座に男女一対の人形を並べたものが多い。/狩猟の際、ニポポに祈念すると必ず狩猟が成就するという信仰があり、狩猟で捕らえた動物を料理する際は、まずニポポの口に供えるという風習があった。また、ニポポに願い事をして、それが成就された時は、ニポポの首に装身具を飾る。
14 iomante〔イオマンテ、i(それを)+oman(行く)+te(何々させる《使役動詞語尾》〕:ヒグマなどの動物を殺してその魂であるカムイを神々の世界 (kamuy mosir《カムイ モシリ) に送り帰す祭りのことである。「それ」とは恐れ多いカムイの名を直接呼ぶ事を避けた婉曲表現であり、従ってイオマンテとは「カムイを行かせる」儀式の意である。また、語頭のiとoの間に渡り音のyが挿入されてiyomante=イヨマンテという発音になることも多い。
※戦後間もなく流行した唄である。
熊祭(イヨマンテ)の夜 詞 菊田一夫 曲 古関裕而 唄 伊藤久雄
アホイヤァーーーーー イヨマンテ
(1) 熊祭(イヨマンテ) 燃えろかがり火
ああ 満月よ
今宵 熊祭 踊ろう メノコよ
タムタム 太鼓が鳴る
熱き唇(くちびる) われに寄せてよ
(間奏)
ああ あああ ああああ ああああ ああああ
あああ あああ イヨマンテ
(2) 熊祭(イヨマンテ) 燃えろひと夜を
ああ わが胸に
今宵 熊祭 可愛い メノコよ
部落の 掟(おきて)破り
熱き吐息を われに与えよ
(間奏)
ああ あああ ああああ ああああ ああああ
あああ あああ イヨマンテ
宜しければお聞きあれ。 http://www.youtube.com/watch?v=baTKIgIwgd8
1 rakko〔ラッコ、海獺、猟虎〕:イタチ科のうちで水棲に進化したのがカワウソ類(カワウソ亜科)であるが、その中から海洋に進出して、陸に依存しないでも棲息可能なまでの本格的な適応を遂げた唯一の現生種が、ラッコ属であり、ラッコである。
2 tunakkay〔トナカイ、馴鹿(じゅんろく)〕:ツンドラ地帯に生息する。群れを形成し、季節によって大規模な移動を行う。天敵としてはオオカミ、オオヤマネコ、クズリ、ヒグマ等が挙げられる。
3 susam〔シュシャム、susu(柳)+ham(葉)〕:アイヌ民族の伝説に拠れば飢えに苦しんでいたアイヌの娘が病気の父のために川岸で神に祈りをささげたところ、柳の葉が川に次々と落ちて泳ぎ回りそれがシシャモになったという。
4 etupirka〔エトゥピリカ、etu(くちばし)+pirka(美しい)〕:冬羽は顔が灰色で飾り羽がなく、くちばしの根もとも黒っぽいが、夏羽では顔が白くなり、目の後ろに黄色の飾り羽が垂れ下がり、くちばしの根もとが黄褐色の独特の風貌となる。頭部が鮮やかに彩られる様から「花魁鳥」(おいらんちょう)という別名もある。
5 ruype〔ルイペ、ru(とける)+ipe(食料)〕: 生のサケ(鮭)をいったん冷凍し、その身を刺身のように薄く切ったもの。塩鮭は使わない。切った後、とくに解凍させずにそのままわさび醤油などで食べるのが普通である。凍った鮭の身の独特の食感が特徴で、生の刺身とは風味が少し異なる。
6 aynu (アイヌ):「人間」を意味する言葉で、もともとは「カムイ」(自然界の全てのものに心があるという精神に基づいて自然を指す呼称)に対する概念としての「人間」という意味であったとされている。
7 kotan (コタン):「宅地」をさし、アイヌ民族の生活の本拠地でありアイヌの社会を形成する最も小さな単位である。
8 nispa〔ニシパ、裕福な人、~さん〕:金持ち。裕福な人。長者。旦那。紳士。主人。(男性の敬称)……さん。
※かつて織井茂子が歌った「黒百合の歌」の歌詞にある言葉である。
黒百合の歌 作詞 菊田一夫 作曲 古関裕而 唄 織井茂子
(1) 黒百合は 恋の花
愛する人に 捧げれば
二人はいつかは 結びつく
ああ あああああ あああああああ
この花ニシパに あげようか
あたしはニシパが 大好きさ
(2) 黒百合は 魔物だよ
花の香りが 沁み付いて
結んだ二人は 離れない
ああ あああああ あああああああ
あたしが死んだら ニシパもね
あたしはニシパが 大好きさ
アイヌの神の タブーだよ
やがてはあたしも 死ぬんだよ
ああ あああああ あああああああ
ああああ ああああ あああああ
ああああ ああああ あああ あああ
(3) 黒百合は 毒の花
アイヌの神の タブーだよ
やがてはあたしも 死ぬんだよ
ああ あああああ あああああああ
ああああ ああああ あああああ
ああああ ああああ あああ あああ
宜しければ、お聞きあれ。 http://www.youtube.com/watch?v=8vvWng-h0Wg
9 pirka〔ピリカ、良い、美しい〕:良い、良くなる。美しい、美しくなる。立派だ、元気だ、治る。
※「知床旅情」の歌詞に「今宵こそ君を抱きしめんと 岩陰によればピリカが笑う」とあるが、「今日こそ君を抱きしめようと(下心を持って)美しい(ピリカとかかっている)女性を岩陰に誘ったら、下心を見透かしたようにエトピリカに笑われた」という解釈するのだそうだ。これは森繁さんご本人がおっしゃったことだそうだ。宜しければ、お聞きあれ。 http://www.youtube.com/watch?v=tfjKZD03Ox8
10 kamuy〔カムイ、神威、神居〕:神格を有する高位の霊的存在のこと。アイヌ民族の伝統的信仰は日本神道に近いとする説もあり、その場合多神教に分類される。カムイが日本語のカミと共通起源の語彙であるとする説もある。日本語の「カミ」と同様、「霊」や「自然」と表現してもおかしくない(キリスト教の神のような唯一絶対の存在ではない)。日本神道の「八百万の神」も、アイヌの信仰文化と同様の「アニミズム」の特徴があるという説もある。
11 yukar〔ユーカラ、アイヌ叙事詩〕:アイヌ民族に伝わる叙事詩の総称である。短いものから何日もかけて語られる長いものまである。アイヌは文字を持たないため、口承で伝えられてきた。
12 korpokkur〔コロポックル、kor(フキの葉)+pok(下)+kur(人)〕: アイヌの伝承に登場する小人。
13 nipopo〔ニポポ、ni(木)+popo(赤ん坊) 木の人形〕:郷土玩具。「ニポポ」にはアイヌ語で「小さな木の子供」「人形」という意味がある。縦長の木に丸い顔が彫られたもので、胴は八角形のこけしのような形状をしている。一つの台座に男女一対の人形を並べたものが多い。/狩猟の際、ニポポに祈念すると必ず狩猟が成就するという信仰があり、狩猟で捕らえた動物を料理する際は、まずニポポの口に供えるという風習があった。また、ニポポに願い事をして、それが成就された時は、ニポポの首に装身具を飾る。
14 iomante〔イオマンテ、i(それを)+oman(行く)+te(何々させる《使役動詞語尾》〕:ヒグマなどの動物を殺してその魂であるカムイを神々の世界 (kamuy mosir《カムイ モシリ) に送り帰す祭りのことである。「それ」とは恐れ多いカムイの名を直接呼ぶ事を避けた婉曲表現であり、従ってイオマンテとは「カムイを行かせる」儀式の意である。また、語頭のiとoの間に渡り音のyが挿入されてiyomante=イヨマンテという発音になることも多い。
※戦後間もなく流行した唄である。
熊祭(イヨマンテ)の夜 詞 菊田一夫 曲 古関裕而 唄 伊藤久雄
アホイヤァーーーーー イヨマンテ
(1) 熊祭(イヨマンテ) 燃えろかがり火
ああ 満月よ
今宵 熊祭 踊ろう メノコよ
タムタム 太鼓が鳴る
熱き唇(くちびる) われに寄せてよ
(間奏)
ああ あああ ああああ ああああ ああああ
あああ あああ イヨマンテ
(2) 熊祭(イヨマンテ) 燃えろひと夜を
ああ わが胸に
今宵 熊祭 可愛い メノコよ
部落の 掟(おきて)破り
熱き吐息を われに与えよ
(間奏)
ああ あああ ああああ ああああ ああああ
あああ あああ イヨマンテ
宜しければお聞きあれ。 http://www.youtube.com/watch?v=baTKIgIwgd8
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