瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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301a2e1c.jpeg  「魔法陣 3(3月25日〈月〉のブログ〉)で述べたように、魔法陣を切り抜いて縦方向または横方向に丸めて円柱形にした時、対角線に平行なマス目の数を足しても、合計数が一致しているものを完全方陣というのである(左図参照)が、完全方陣の作り方を説明しよう。
 
1f2f8c13.jpeg 完全奇方陣(ただし3の倍数型は除く)は、2つの補助図を作ることによって作成する。(左図参照)
次の方法で、補助図1を作成する。
(1) 1行目の左端に1を入れる。
(2) 次の数字を、順次右へ入れて行く。
(3) 右に2マス、下に1マス移動したところに同じ数字を入れて行く。
(4) 枠外に出たら、反対側に移る。(左図の「補助図」を参照)   
 
 次に、補助図2を作成する。
(1) 1行目の左端に0を入れる。
(2) その下に、N(方陣の大きさ)を足した数字を入れて行く。
(3) 右に1マス、下に2マス移動したところに同じ数字を順次入れて行く。
(4) 枠外に出たら、反対側に移る。(左図)
 
最後に、補助図1と補助図2を、各マス目ごとに足して、出来上がり。(左図の完成図参照)
 
  フランスの数学者Claude-Gaspard Bachet 〔クロード=ガスパール バシェー、1581~1638年〕が考えたという、奇方陣の作り方について説明します。
 左図を参照しながら、次の操作を行なう。
962572d7.jpeg(1) まず、元の方陣より、ひとまわり大きい、45度回転した方陣を考える。
(2) 回転した方陣の横の(赤線の)対角線にそったマス目の左端に1を入れる。
(3) 1に続いて順次次の数字を右上ほうこうに入れて行く。
(4) 端(この図では5)まできたら、1の右下に移動して、同じ様に入れて行く。(左図)
(5) 元の方陣の外にある数字を、反対側の空いたマス目に入れる。
   上にはみ出した数字はの横線の下にある空いたマス目に、下にはみ出した数字はの横線の上にある空いたマス目に、左にはみ出した数字はの縦線の右にある空いたマス目に、右にはみ出した数字はの縦線の左にある空いたマス目に移動する。
(6) すべてのマス目が埋まれば、出来上がり。(完成図)
 
  n方陣でnが奇数の魔法陣を「奇方陣」、nが偶数の魔方陣を「偶方陣」という。
 「奇方陣」の作り方から説明しよう。まず、左の図にあるように、n×n(左図では5×5)の方陣の枠組みをつくり、次の操作で、1~n(左図では1~25)の数字を入れてゆく。
ff1ee105.jpeg(1) 1行目の中央に1を入れる。(図には①で示してある)
(2) 右上に順次数字を入れていくことにする。
(3) 数字が枠外に出たら、反対側の端に入れる。
   上に出た数字(図では数字)は一番下のマス目に、右に出た数(図では数字)は一番左のマス目にいれる。
(4) すでに数が入っていて進めないときは、すぐ下に入れる。(図では数字でしめし、↓で次のマス目を示す)
(5) すべてのマス目が埋まれば、出来上がり。
 ※(1)の1を入れる位置は、1行目の中央のマス目に向かう右上がりの斜線上に並ぶマス目に入れても作ることが出来る。左の図では2,3,4,5の位置。
 
 この方法は、紀元前に古代インドで行なわれていた方法だという。
 
  昨日から、今日にかけて婆様は長野へ父方の叔父や叔母、従兄弟・姉妹たちの墓参りに出かけて爺は一人お留守番。婆さまが準備してくれた、インスタントのマカロニグラタンの朝食を済ませ、隅田川の隅田公園をひと回りしてきた。
77133918.jpeg 今年は3月20日頃前後に開花、途中花冷えがあった所為か花持ちが良く、未だに花見客で込んでいる。対岸の向島の遊歩道沿いの満開の千本桜の前で、ユリカモメが群れ飛んでいた。ユリカモメは冬鳥でまもなく隅田川ではみられなくなる。

 帰宅後、パソコンのメールにNI氏よりメールが入っていた。
NI氏からのメール 3月31日(日)14:24発信
2c7c9d19.jpeg 素晴らしい花見の会 命の洗濯ができました。/いつもながら有難うございました。/遅くなりましたが 近況添付いたします。/お世話になりますが 宜しくお願い致します。 NI
 貼付文書に曰く、
昨日は素晴らしい花見でした!/花は満開、天気もよく これまでで最高の花見でした。/今年は開花日がとても早く 葉桜見物になるのではと心配しましたが その後寒い日が続き、 また前日の天気予報では 曇り一時雨だったのに快晴となり 素晴らしい花見になりました。/これも 日高幹事をはじめ 皆様の日頃の行いが良かったからでしょう。/81歳になりましたが、健康に留意して あと20年 オヤジの年まで花見に集まりたいものです。/2月末にシンガポールに行ってきました。/娘一家が駐在しているので、小学生の孫たちの元気な顔を見るためです。/時間があったのでゆっくり観光できました。 シンガポールの学生はアジアで一番学力があるとのこと、 国も活気にあふれ 我々の青春時代のようです。 日本も孫たちのためにも なんとしても頑張ってほしいと思いました。
 滋賀県の田舎の蔵がシロアリにやられ修復中です。 天明時代の家の修復が終わりほっとしていたのですが 今度は蔵 放置することもできず大変です。 
年々人口が減っているので 村の修復のほうが大切なのですが、80歳ではもうその元気もありません。 もっと早く帰郷すべきだったのかもしれません。/東京と近江と半々の生活をしています。 琵琶湖の北東 秀吉が最初に城を築いた長浜の近く 伊吹山麓です。 名所旧跡の多い処なので 泊りがけでゆっくり遊びにきてください。 7人まででしたら泊まれます。 車2台でご案内いたします。
 地球温暖化防止 環境保全などのため 植林 山林育成を続けています。 今年は植林後10年目の ヒノキ と スギ の間伐 枝おろしをやりました。 ここは15年後に2回目の間伐 枝おろしをやります。 昔は植林して25年間手入れをすれば, あとは寝ている間も お日様 雨 山 が育ててくれ素晴らしい林になりました。 ところが今は 熊 鹿 と戦い続けねばなりません。/特に鹿は大変です。都会に住む無知な動物愛護団体の執拗な抗議に辟易した行政が 鹿の駆除を禁止したため爆発的に頭数が増え 幹皮を剥がして林を枯らし 山崩れを起こしました。 あまりの被害に驚愕した行政が慌てて駆除し始めましたが 時すでに遅く増殖し続けています。 動物愛護団体はどう責任をとるのでしょうか。 山林を守るため一本一本幹にテープを巻いていますが 5年で劣化するので巻直し続けねばなりません。(丈夫なテープだと樹が成長すると幹に食い込む)/日本は 熊 鹿 猪 猿 の天国です。 人様は 田 畑 山林 で生活を脅かされ 過疎化が進み続けています。 地方はどうなるのでしょうか? /あれやこれやで 今しばらく生かされそうです。 NI
 
ef954aeb.jpeg 昨日は一昨日の花見酒が残っていて、二日酔いの状態。花見の写真を整理するのが精一杯。






 昨日はお2人からメールを戴いた。
 IN氏より 3月29日(金)9:35発信
dd560397.jpeg バディーの相方、O君には、ハガキでお詫びを言っておきましょう。/さて、絶好のお天気と満開の桜と好きな酒の肴と、うまいビールと、いや楽しかったね。途中から芝生の上にひっくりかえって何度も寝てしまった黒田君が心配になって、同じ地下鉄で帰る横浜市民としては、最寄りの駅まで連れて帰らなきゃと余計な市民連帯感を起こしたものだから、途中で早めに失礼した。本心は船に乗って両国まで行ってみたかった。/バディー・システムという言葉は、最近見た映画「メッセンジャー」でどんなものかよく分かっていた。米軍の軍事用語で、ペア―システムのこと。昨今は、男性同性愛の世界でも使われているようだが、先々週に新宿東口の武蔵野館系の映画館(新宿シネマカリテ)まで見に行った映画にも出てくる。/米陸軍の最も近い血縁者にたいして、マスコミに漏れるよりも早く兵士の戦死を通告する係の二人組の映画で詳しく知った。/映画では、このような男二人がペアーになって任務を遂行するストーリーの作品を「バディーもの」と呼ぶそうだが、これがなかなかいい味を出した映画だったので、バディーという言葉を再認識した。/そんなこんなで、延々と歩かされる渋谷駅をきょろきょろ案内表示にしたがって、それでも無事に新しい東横線のホームで特急に乗れた。/一度、車内で携帯が鳴ったが、あれが君からの第一弾であったのだろうか。/車内だったから、そのまま黙認したが、そのあた、着信記録が残っていたので、君からの連絡だっと分かった。電話に出なくてご免なさい。/2度目は、日吉駅のホームに無事到着したときにかかった。/無事に帰り着いたかを案じてのご連絡をありがとう。無事に帰りついて、Kの君の腰痛も多少は良くなってきたようだった。/さて私の携帯は電話だけしか使っていません。/メール契約をしていないのです。一本指で、せこせこと文字を入れるのが面倒で、メールはパソコンで10本の指で、目にも止まらぬスピードで(そんなに威張るほどのことはないのだが)入力するほうがいらつかないでいいからです。それで、もしも、君が昨日、メールをいれてくれたのだったら、届かなくてすみませんでしたとお詫びをしておきます。ガラパゴスみたいな携帯メールは必要ではないと思っているからです。/昨日はテレビドラマ「希望の翼」について、話題に出るだろうと思って、S君が2000年にくれた、友人の執筆刊行した「若き抗日の群像」という自家版や「朝鮮・台湾(歴史編成)鉄道旅行地図帳」などを持参しましたが、とてもとても、別の盛り上がり方で結構でした。/今回も、奥様にお手数をおかけして、ほんとうにありがとう。/ひとこと御礼を申しあげるとともに、わたしの携帯電話の機能不足について弁解を申しあげます。
 
 MY氏より 3月29日(金)14:14 発信
e713ddfd.jpeg 日高 節夫 様/昨日は絶好のお花見日和で桜花も爛漫と咲き乱れ久しぶりに春を堪能させてもらいました。/当初は桜の開花時期が例年と大きく異なり半ば諦めていましたが水門会メンバーの行いが良いからかこれ以上望めないほどの花見が出来ました。もちろん毎度の事ながら貴兄には一方ならぬご苦労をかけてしまい心ぐるしく思います。奥様にも何かとご迷惑をかけてしまいあわせて御礼申し上げますとともによろしくお伝えください。/昨日は小生としては通常よりは遥かに飲み過ぎまして、JR東京駅で乗って新橋過ぎ頃から
 直ちに熟睡し、目が覚めたら下車駅の藤沢を通り過ごし茅ヶ崎駅に到着したところでした。/ビール、焼酎、日本酒と調子に乗って飲んだためでしょう。でも気分は最高でした。/東京駅で東海道線に乗って間もない頃に貴兄から小生のケイタイに電話が掛ってきましたが何の用件だったのか判らず切れてしまいました。/ 何はともあれ今年のお花見会は盛大裡に終了しました。本当にありがとう。お疲れ様でした。/(追伸)九連環の解き方は相当に難しそうで小生の頭では果たしてどうなることやら判りませんがトライしてみます。
c45f43d1.jpeg  チャイニーズリングの九連環についている、中国語の解答がある。
 先だって、シンさんにメールで翻訳をお願いした。曰く、「 永らくご無沙汰いたしましたが、ご健勝のことと存じます。/今日はお願いがありまして、メールをお送りします。大変お忙しい中のお身体と存じますので、くれぐれも無理のないようにお願いします。/ブログ集26は届いたと思います。実はこのブログ集でも取り上げましたチャイニーズリングの九連環に付いていた「解き方」を添付しましたが、お暇な時で結構ですから、日本語に訳して、私とMY君に送ってくだされば、幸甚です。/はてさて、今年は例年よりも2週間近くも早いソメイヨシノの見ごろで、桜は散ってしまっていると存じますが、今月の28日(木)に、高校時代の同期生14名で隅田公園の花見を行うことになっています。Y・N・Sの諸兄も参加します。/東京メトロ銀座線の終着駅浅草の改札(到着ホーム最前の階段上った所の改札)を出た所で午前11時に待ち合わせになっています。シンさんさえ宜しければ、同行して下さって構いません。どうぞご一考ください。/先ずは、中国語の翻訳のお願い旁、花見にならない花見のお誘いまで 日高」
 
 昨日、早速シンさんからメールが届いた。メールに曰く、「日高さま、Yさま こんばんは。/お待たせしました。/表題どおりの訳文を添付いたします。/どうぞご確認ください。/もともとこういった遊戯に詳しくないので、訳文がちゃんと解答に合うかどうか存じませんが、ご参照いただければと思います。/ではよろしくお願いします。 シン@横浜」
 貼付ファイルワードに打たれたもので、「九連環解答」という標題でシンさんの翻訳は以下の通り。
1. 一つ目の環をはずす
2. 剣の取っ手を左へ引けば、三つ目の環をはずせる
3. 一つ目の環をあらためて付ける
4. 一つ目と二つ目の環を同時にはずす
5. 剣の取っ手を左へ引けば、五つ目の環をはずせる
6. 一つ目と二つ目の環を同時につける
7. 一つ目の環をはずした後、三つ目の環をつける
8. 3番と4番の段取りにしたがって、四つ目の環をはずす
9. 6番、1番、2番の段取りにしたがって、三つ目の環をはずす
10. 3番、4番の段取りにしたがって、七つ目の環をはずす
11. 上記のような要領を活用しながら、まず九つ目の環をはずす次に段取りを繰り返しながら、八つ目、七つ目、六つ目……の環を全部はずす。九個の環を剣から完全に外せば成功!
12. もし剣に環をつけたいなら、上記の6番、7番……の要領を踏まえ、外したりつけたりして、すべての環をつければ成功!
 
 つい先ほどまではっきりしない天気で、やきもきさせたが、どうやら薄日が射してきた。今日は、これから隅田公園で水門会の花見である。
 
f1eb6d64.jpeg  左図は、三つ子方陣の一種であるが、三つを重ねて立方体にすることができる。これを立体三方陣と呼ぶ。これは、
  前後 8+22+12=27+14+1=42 など、
  左右 8+13+21=9+14+19=42 など、
  上下 8+10+24=3+14+25=42 など となり、
立体対角線をたどると、
 12+14+16=4+14+24
=8+14+20=21+14+7=42 と、いずれも和が一定となる。ただ、平面状の対角線は必ずしも一定にはならない。
 
 この他、魔法陣には先に説明した「二重方陣」や、積が一定になる積方陣、素数だけを用いて作った素数方陣など、面白いものが幾つもある。
 
  魔法陣を切り抜いて縦方向または横方向に丸めて円柱形にした時、対角線に平行なマス目の数を足しても、合計数が一致しているものを完全方陣という。
 
2292962d.jpeg 左図は四次の完全方陣であるが、1、11、16、6の対角線に平行なマス目の数の和はすべて同じで、
 1+11+16+6=8+5+9+12=10+4+7+13=15+14+2+3=34 となるし、
12、2、5、15の対角線に平行なマス目の数の和もすべて同じで、
 12+2+5+15=7+11+10+6=14+8+3+9=1+13+16+4=34 となっている。
 なお、完全四次方陣では円柱形に丸めた、どの1点を取ってもこれを共有する4つの数はすべて等しく34になる。
 
b3a89883.jpeg 左図は五次の完全方陣であるが、対角線に平行な目の数の和は(対角線上の組を含めて全部で10組ある)はどこも65となって等しくなっている。
 10+16+23+2+14=13+7+19+25+1=4+15+6+18+22=……=65
 1+9+23+15+17=18+5+7+21+14=12+16+4+8+25=……=65
 
e814b835.jpeg 左図は、親子方陣とか外加方陣などと呼ばれるもので、それぞれ太線で描いたうち枠の中だけでも魔法陣が成立している。つまり、七方陣(黒線の中)でもあり、五方陣(青線の中)でもあり、三方陣(赤線の中)でもあるというものである。
 

50dcb260.jpeg 左図は1~32の自然数で2種類の魔法陣AとBができている。定和はいずれも66であり、一つの交点を共有して隣接する4数の和はどこも66になっている。
 それだけでなく、Aの四隅の数字(1、28、31、6→合計66)と、Bの四隅の数字(9、20、14、23→合計66)との間には密接な関係がある。というのは、一方の隣り合う2数の変わりにもう一方の同じ位置にある2数を持ってきてもやはり和は66になり、変わらない。たとえば、1、31の代わりに9、23を入れても、Aの四隅の和は66のままである。また、Aの隣り合う4数、たとえば4、31、26、5(合計66)のうち、縦方向の2数(たとえば4と31)を除き、代わりにBと同じ位置にある2数(このれいでは12と23)をもってきても、和は66でかわらない。
 この秘密は、Bの各数の構成にあり、BをB´のようにかきなおしてAと比較してみると、その仕組みがよく判る。
 
  魔方陣は n×nの正方形のマス目の中に1~n²までの自然数を入れ、縦・横・斜めのどの列の和も一定になるようにしたもののことで、nが4なら4次方陣、7なら7次方陣と呼ぶ。この1列の和を定和といい、中心点を介して点対称の位置にある2つのユニットの和を対和と呼ぶ。また奇数魔方陣には必ず中心数という数があるが、その2倍の数はその魔方陣の対和と等しい数になっている。さらに全てのユニットの数の和を総和と呼ぶが、実はこの数はその全ユニット数そのものの3角数になっているのである。
 
47ceede4.jpeg 言い伝えによれば、後に夏王朝を創立することになる禹(う、BC2700年頃)が洛水の治水工事中に、甲羅に左図の図1ような模様をつけたカメが現れたという。この模様の丸を数字に直してみると図2のような3次方陣になるので、これを天意と受けて尊んだということである。この三次方陣で見れば、定和は15、対和は10、総和は45、そして中心数は5ということになる。
 
 回転や反転をしてできる魔方陣をすべて同一と考えると、三次方陣はただ一通りしかない。したがってこの「洛書」と呼ばれる3次方陣も、占星術において土星に対応する三次方陣も同じものである。
 三次方陣の暗鬼法としては、
「憎し(294)と思えば、七五三(753)、六一坊主に蜂(618)が刺す」
「憎し(294)と思えば、七五三(753)、六一八(618)はみな同じ」
「フクシ(294)マの、七五三(753)は、ロイヤ(618)ルホテルで」  などが知られている。
 
 しかし一つ増えて4次方陣となると、その数も一挙に増えて880通り存在するということが確定されている。また5次方陣となると、コンピュータによるラフな計算を元に考えても3500万個ほどあると推定されている。さらにそれ以上に大きい魔方陣にいたっては、その数だけでも分かっておらず、全貌はいまだ神秘の扉の向こう側ということらしい。
 
 ドイツルネッサンスの画家Dürer(デューラー)の銅板画「メランコリアⅠ」の中で四次方陣を描いたが、彼に影響を与えたのがKabbala(カバラ、ユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想)にも精通していた占星術師Heinrich Cornelius Agrippa von Nettesheim(ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ・フォン・ネッテスハイム、1486~1535年)である。このNettesheim(ネッテスハイム)のAgrippa(アグリッパ)という人は3次から9次までの魔方陣を作り、それを7つの惑星に結びつけていた。当時は月と太陽も惑星扱いだったが、それぞれ3次方陣を土星に、4次方陣を木星に、5次方陣を火星に、6次を太陽に、7次を金星に、8次を水星に、そして9次魔方陣を月に当てはめていたのである。(昨日のブログ「魔法陣と惑星との結びつき」の図参照)。
 
 魔方陣はかって、星と魔術師の世界の調和の表現と考えられていた。現在ではそれはもはや骨董品的な存在であると考えいてる人もいることだろう。しかしながら、現在では魔方陣をコンピュータなどを用いて数学的に解析・研究を進めているものの、未解決な部分がまだたくさん残っているという。
 
5ab5e209.jpeg 左の表は3次から9次までの魔方陣の定和・対和・総和・中心数のデータである。この表で6次方陣の総和が666であったり、9次方陣の定和が369(ミロク)であったりするところが気にかかったりするだろうが、魔方陣そのものの深遠な部分は別のところあるという。ただひとつ、8次方陣の定和がマヤの神聖暦Tzolk'in〈ツォルキン〉の日数と同じ260なので、この部分についてだけ少し言及しよう。
1a9f09c1.jpeg 左の図表は2重魔方陣というもので、普通に加えると各列の定和は260になる。そして各数を2乗したうえでの定和は11180である。
 8次方陣はAgrippa(アグリッパ)の惑星との結びつけでは水星に対応定しているが、今この2重魔方陣と木星との関係を見てみよう。地球の平均直径12.743kmを1としたとき、木星の直径比は11.18となる。桁数の違いは基本単位の設定により移動できることを考えと、地球を1ではなく1000として比率を見れば、木星は11180となる。これは少し操作的すぎるのだろうか。
1b2fd761.jpeg  ルネサンス期の画家(版画家)であるAlbrecht Dürer(アルブレヒト・デューラー、1471~1528年)の作品に「メランコリアⅠ」と題する銅版画(左図参照)がある。この作品はDürerの三大版画のひとつに数えられるほど有名なものだそうである。
 この「メランコリアⅠ」は大変難解な絵で、その内容を理解するには、まず四性論を知らなければならないという。四性論とは、古代ギリシャ医学から始った思想で、それによると、人の体内には、四つの液が流れており、どの液が多いかによって人の性格が決まるというものである。血液が多い多血質の人は活動家、胆汁の多い胆汁質の人はお天気屋、粘液の多い粘液質の人はしつこい、黒胆汁の多い憂鬱質の人は内向的といった具合である。そして、知的で創造的な人間は、必ず憂鬱質で、測量・建築・錬金の神である土星の支配を受けるものとされていた。これだけの予備知識があればこの「メランコリア」つまり「憂鬱」と題するこの絵の内容がだいぶ明確になってくる。
 絵の中央の天使は、コンパスを手に、知的な考え事をしており、周囲には測量・建築・錬金の用具である定規・鋸・鉋・梯子・砂時計・天秤・錬金用の坩堝をのせたコンロなどが散らばっている。これはまさに「憂鬱」の絵だということが判るのである。この「メランコリアⅠ」のⅠは、憂鬱質の第一段階を示すものだといわれているそうだ。
33cce551.jpeg この絵をよくみると、奇妙なものが目に付く。絵の右上部にある魔法陣である。そこだけを取り出して、判りやすく描いてみると左図のようになる。
 魔法陣というのは、n×n のマス目に数を入れて縦、横、斜め、いずれの和も一定になるようにしたものである。nが3なら三方陣、nが4なら四方陣、nが5なら五方陣のように呼ぶ。用いる数は普通は1からnまでの自然数である。「メランコリアⅠ」の魔法陣は四方陣で、和は34になる。つまり、
横の和   16+3+2+13、5+10+11+8、9+6+7+12、4+15+14+Ⅰ
縦の和   16+5+9+4、3+10+8+15、2+11+7+14、13+8+12+Ⅰ
斜めの和  16+10+7+Ⅰ、4+6+11+12  といった具合である。そればかりでなく、この場合は次のような組み合わせでも、やはり和は34になるのである。
中央の縦・横の線で4つの区分に分けた、それぞれの4つの数の和
16+3+10+5、9+6+15+4、7+12+1+4、2+13+8+11
 四隅の数の和 16+13+4+1、 4隅に挟まれた上下の4数の和 3+2+15+14、
4隅に挟まれた左右の4数の和 5+9+8+12、 中央の4数の和 10+11+6+7
 
94e6ec41.jpeg 魔法陣はこうした「神秘的」な性質を持っているため、昔は占星術の対象になったこともある。三方陣は土星、四方陣は木星、五方陣は火星、六方陣は太陽、七方陣は金星、八方陣は水星、九方陣は月の、それぞれのシンボルであるとされた。(左図参照)
 「メランコリア」に四方陣が描かれているのは、余り考え事に熱中しすぎると憂鬱質が嵩じるので、適当に気分転換して、憂鬱質を打ち消すことが必要となる。そのためには木星の助けを借りなくてはならないと言われていたのである。四方陣は木星のシンボルであり、これがなぜこの絵に魔法陣が描かれているかという疑問の答えだという。
 
 「メラコリア」の四方陣で最下段にある赤字で示した1514はこの版画がつくられた年を表わしているのだという。同じ年の5月にDürerの母親が亡くなっているので、これを記念したものであるという説もあるという。そして1列の和が34であるのは、15+14+5(1514年5月)=34 に成るように仕組んだというのであるが、これは少々こじつけのようにも思われる。なんとなれば、四方陣の1列の和(「定和」という)は34と決まっているからである。
 四方陣に用いられている全部の数、1~16までの和は136である。これが4列になっていて、それぞれの各列の和が等しいのだから、この136を4で割ったものが、求める定和になるはずである。したがって四方陣の定和は34ということになる。同様にして各方陣の定和を求める、三方陣は15、五方陣は65、六方陣は111、七方陣は175である。
 一般にⁿ方陣の場合1~n²までの和が n²〈n²+1〉/2 であるから、これをnで割って、定和は
n〈n²+1〉/2 となる。
 
プロフィール
ハンドルネーム:
目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
自己紹介:
くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


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