ウェブニュースより
照ノ富士、明生、朝乃山V争いトップ並ぶ「どう当てるか」朝乃山の上位戦の可能性を審判部長示唆 ―― <大相撲夏場所>◇9日目◇22日◇東京・両国国技館
平幕の明生(27=立浪)が、ただ1人全勝だった横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)に土をつけ、再び優勝争いで照ノ富士、朝乃山(29=高砂)と3人で並びトップに立った。
膝の悪い横綱を肩透かし、出し投げで前後左右と、円運動でも動かし、最後は二本差して寄り切った。スピードと技を駆使した攻撃相撲に、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「肩透かしかな、(照ノ富士を)動かした。立ち合いも良かった」と称賛した。幕内後半戦の審判長を務めた佐渡ケ嶽審判部長(元関脇琴ノ若)も「横綱が十分にならないように、先手先手で考えて相撲を取った。照ノ富士の小手投げにも体を密着させてね」と横綱を動かした攻撃相撲を高く評価した。
また同審判部長は、今後の取組編成について言及。平幕下位の朝乃山が1敗でトップに並ぶ展開に、番付優先でなく、割を崩してでも優勝争いを優先させる、最近の取組編成の傾向がある。同部長も「優勝に絡む力士をどう(上位と)当てるか。明日、副部長と話し合って今後の割を決めたいと思います」と朝乃山の上位戦の可能性を示唆した。 [日刊スポーツ 2023年5月22日20時9分]
【名人戦】藤井聡太竜王“藤井曲線”描き終盤力で渡辺明名人押し切る 最年少名人&7冠に王手 ―― 将棋の藤井聡太竜王(王位・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が渡辺明名人(39)に挑戦する第81期名人戦7番勝負第4局が21、22の両日、福岡県飯塚市「麻生大浦荘」で行われ、先手の藤井が69手で渡辺を破った。
シリーズ成績を3勝1敗とし、最年少名人&7冠にあと1勝とした。4連覇を狙う渡辺はかど番に追い込まれた。第5局は31日から長野県高山村「緑霞山宿 藤井荘」で行われる。
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何度も、考えた。藤井の2勝1敗で迎えた第4局。渡辺が4手目に角道を止める。開幕から4局連続して角道を止める力戦になり、渡辺は戦型を雁木(がんぎ)に進めた。経験の少ない形への誘いに応じた藤井は早々と銀を繰り出し、急戦を狙う構えを見せた。
https://www.youtube.com/watch?v=o77D2usphzo
「あまり見通しが立たなかった。本譜も攻められる展開になりやすいので、どうなっているか難しいと思ってやっていました」。持ち時間は日制のタイトル戦では最長の9時間。未知の領域に入っても、読みを深め、的確に対応した。
2日目は渡辺の攻めを受け止める展開になり、長考を繰り返した。「こちらが後手の攻めを受け止められるかどうかと思っていた」。考え抜いた一手一手で徐々にリードを広げ、人工知能(AI)の評価値が示す折れ線グラフが終盤に近づくにつれて上昇する「藤井曲線」を描き、相手を早い投了に追い込んだ。
これで谷川浩司17世名人(61)が持つ21歳2カ月の名人獲得最年少記録の40年ぶりの更新と、羽生善治九段(52)以来となる史上2人目の7冠にあと1勝とした。偉業へ“ダブル王手”だ。
20年7月の棋聖戦で初タイトル奪取してからタイトル戦には15度登場し、連敗はなく、失冠もない。師匠の杉本昌隆八段(54)は「常に自分の読みを信じて、それをベースにここまで進んできたのは間違いない」。未体験ゾーンでも、考えて、考えて、強くなってきた。
「奨励会」に入会したばかりの小学4年のとき、藤井少年は地元・愛知県瀬戸市のコミュニティーFMラジオ局「ラジオサンキュー」に出演し、将来の夢を聞かれ、こう答えた。
「名人を超えたいです」
歴史と伝統のある名人位にあこがれ続けた20歳は「名人超え」に「そろそろ時効にしてほしいです(笑い)」と子ども時代の“豪語”を振り返る。史上最年少14歳2カ月でプロデビューしてから約7年。第5局へ「スコアは気にせず臨みたい」。「名人」までは、あと1勝だ。 [日刊スポーツ 2023年5月22日16時56分]
sechin@nethome.ne.jp です。
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