ウェブニュースより
新国立競技場、接戦でA案に決定 隈研吾氏ら提案 ―― 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の整備で、安倍晋三首相は22日、業者2チームから提案されていた設計・施工案のうち、「木と緑のスタジアム」を主なコンセプトにしたA案で建設することになったと発表した。その後に会見した遠藤利明五輪担当相は、これまで非公表だったA案の業者は、大成建設・梓設計・建築家の隈研吾氏で構成するチームだと明らかにした。
この日午前にあった政府の関係閣僚会議(議長・遠藤五輪相)で、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)の決定を了承。安倍首相は「工期やコストなどの要求に応える素晴らしい案だと考えている。世界の人々に感動を与えるスタジアム、そして次世代に誇れるレガシー(遺産)にする」と述べた。公表されたJSCの審査委員会(委員長=村上周三東京大名誉教授)の審査結果は、A案は610点、B案は602点。A案は特に工期短縮の項目で177点(B案は150点)と高い評価を得た。
採用されたA案は、木材と鉄骨を組み合わせた屋根で「伝統的な和を創出する」としているのが特徴。地上5階、地下2階建てで、スタンドはすり鉢状の3層として観客の見やすさに配慮。高さは49・2メートルと、旧計画(実施設計段階)の70メートルに比べて低く抑えた。総工費は約1490億円、完成は19年11月末。
大成建設は、白紙撤回された旧計画でスタンド工区を担当していた。採用に至らなかったB案は、竹中工務店・清水建設・大林組の共同企業体と日本設計・建築家の伊東豊雄氏のチームが提案。竹中工務店は、旧計画の屋根工区の担当だった。
JSCの審査委員会は19日、二つの業者チームを別々に呼んで提案内容を詳しく聞き取った。その後、7人の審査委員が「ユニバーサルデザインの計画」「日本らしさへの配慮」「工費」「維持管理費」などの9項目の評価基準で1人140点の計980点で採点。その結果や競技団体、アスリートの意見を参考に、大東和美JSC理事長がA案に決定した。
新国立競技場建設を巡っては当初、建築家ザハ・ハディド氏の作品を採用。「キールアーチ」と呼ばれる2本の巨大なアーチと流線形が特徴的だったが、建設費は約2651億円まで膨らみ、世論の反発を招いて7月に白紙撤回された。 (朝日新聞DIGITAL 2015年12月22日13時18分)
「新国立A案」に垂れ込める「暗雲」 ザハ氏と「B案」建築家の不気味な「連携」―― デザイン案が白紙撤回の後、ようやく「A案」で動き始めた新国立競技場計画だが、その発進にまたも物言いがついている。当初デザインを担当していたザハ・ハディド氏からだ。
「本日発表されたデザイン(=A案)は、我々のデザインと驚くほど似ている」
■伊東氏「ひょっとするとこれ、ザハさんに訴えられるかも」
ザハ氏はデザイン案の正式発表が行われた直後の2015年12月22日、事務所を通じて上記のような声明を発表した。
ザハ氏による未来的なシルエットの旧案。建築家・隈研吾氏が手がけた「木と緑のスタジアム」がテーマのA案。一見すると、そのデザインはまったく別物にしか見えない。だがザハ氏の声明によれば、「スタジアムのレイアウトや座席の配置」などが酷似しているという。
具体的なポイントとして挙げられているのが、3層のスタンドだ。観客の見やすさを重視するとともに、工事が比較的容易なため工期短縮にもつながるともされ、A案の売りでもあるのだが、ザハ氏側はこれが旧案を参考にしたものだと主張する。確かに、ザハ氏の構想でもスタンドは3層となっており、A案のチームに入っている大成建設は、旧案でスタンドを担当する予定だった。
国内からもザハ氏には「援護射撃」が出ている。負けたB案をデザインした、伊東豊雄氏だ。22日の会見で、やはりA案とザハ氏案の類似を指摘し、「ひょっとするとこれ、ザハさんに訴えられるかもしれないな、というくらいに思っております」
と厳しい見方を示す。 (J-CASTニュース2015/12/23 16:58)
sechin@nethome.ne.jp です。
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