生き仏として崇められるほどになった一遍上人ですが、自身はなお自分の寺を持たず、諸国を遊行し続けました。最低限必要な物だけを持ち、歩き、念仏を唱え、踊り、念仏札を配る、遊行の日々。「遊行上人」ともいわれ、「捨聖」ともいわれた一遍上人は生涯、歩き続けました。
16年の過酷な遊行ののち、一遍上人は正応2年8月23日(1289年9月9日)、兵庫和田崎の観音堂で51歳の生涯を閉じました。その直前、死に臨んで、一遍上人は「一代聖教みな尽きて、南無阿弥陀仏になりはてぬ」と言い、一遍上人は手元にある経典の一部を書写山の僧に託して奉納し、残りのすべての書籍を焼き捨ててしまいます。亡骸は「野に捨てて獣に施すべし」と言い残し、すべてを捨て切って、一遍上人は静かにこの世を去りました。
ウェブニュースより
[社説]ワグネルの反乱が迫るウクライナ撤退 ―― とうとう内部から反乱者が出た。もはや外国と戦争している場合ではないだろう。ロシアのプーチン大統領にはウクライナからの軍撤退を命じるしか道はない。
民間軍事会社「ワグネル」を率い、プーチン氏の盟友だったプリゴジン氏が反旗を翻し、南部の都市ロストフナドヌーの主要拠点を支配した。
ワグネルの戦闘車両が市の拠点を占拠し、軍とにらみ合う様子は異様だ。モスクワでも警戒態勢となった。今後流血を伴う大きな混乱にならないことを願う。
プーチン氏は急きょ国民向けにテレビ演説し「裏切りと反逆に直面している」と述べ、犯罪者を徹底的に処罰する意向を表明した。さらに「あらゆる脅威から祖国を守る」とも明言した。ならばウクライナで戦闘を続けるのではなく国内の秩序を取り戻すべきだ。
2000年以降、国のトップとして君臨し続け、独裁的な地位を固めた同氏にとって初めて直面するあからさまな反乱だ。
しかも武力を使って脅された形となり、「強い指導者」のイメージは崩れ始めた。国民から高い支持を得ていたのは曲がりなりにも安定を維持してきたからだ。
政権に大きな打撃となるのは間違いない。反乱の行方はもちろんだが、来年に大統領選を控えて一層の長期支配を目指すプーチン体制にどう影響を及ぼすのか注視する必要がある。
反乱の引き金となったのはウクライナ侵攻を巡るワグネルと軍との対立だ。ワグネルは独自に受刑者を兵隊として採用するなど、そもそも指揮命令系統が軍と別々だったのが問題だった。戦況が不利になるとお互いが責任を押しつけ合った。そのような態勢を認めたプーチン氏の誤算といえる。
侵攻には最初から無理があったのだ。現在は占領地でウクライナ軍の反転攻勢にさらされている。足元で政権を脅かす事態が起きたことで、侵攻が失敗だったといまこそ同氏は自覚すべきだ。
懸念はプーチン政権が混乱するなかで戦場で予期しない事態が起きることだ。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアが原子力発電所でテロを計画していると警告している。真相は不明とはいえ今月6日にはウクライナ南部のダムが決壊した。
さらなる戦争犯罪を起こさせないためにも、国際社会が監視を強めることが求められる。 【日本經濟新聞 2023年6月25日 0:00】
【名古屋場所新番付】半世紀ぶりハイレベルの関脇3人衆、霧島に続く大関取りは/三役以上編 ―― 日本相撲協会は26日、大相撲名古屋場所(7月9日初日、ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表した。
横綱は、在位12場所目となる照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が今場所も一人横綱として東に就いた。4場所連続休場明けの先場所は、横綱の貫禄を示し14勝1敗で8度目の優勝を果たした。なお一人横綱は番付上で11場所連続となった。
また、今年初場所から、番付上で表記されていた照ノ富士の「横綱大関」も、大関が2人になったことで解消された。今年初場所で、番付上では実に125年ぶりの1横綱1大関(前回は1898年春場所の横綱小錦、大関鳳凰)だった状況も、先場所までの3場所連続で止まった。
大関陣は、先場所まで一人大関を3場所連続で務めていた貴景勝(26=常盤山)が4場所ぶりに東に就いた。
西は霧馬山改め師匠のしこ名を継いだ霧島(27=陸奥)が就いた。新大関誕生は、22年春場所の御嶽海以来で、陸奥部屋からは史上初めて。モンゴル出身の新大関は、15年名古屋場所の照ノ富士以来6人目。外国出身では18年名古屋場所の栃ノ心以来、12人目の新大関誕生となった。
関脇3人は、いずれも大関取りの場所となる。東の豊昇龍(24=立浪)は6場所連続の在位(三役は9場所連続)、西の大栄翔(29=追手風)は2場所連続の在位(三役は3場所連続)、西の序列2番目の若元春(28=荒汐)は2場所連続の在位(三役は4場所連続)となっている。
この3人はいずれも、先場所と先々場所で三役として2場所通算20勝以上している。これは72年秋場所の貴ノ花、魁傑、輪島以来、史上3回目となるハイレベルの関脇3人衆となった。なお、同じように前2場所通算21勝以上の関脇3人が名を連ねたのは初めてとなった。
小結は4場所連続の琴ノ若(25=佐渡ケ嶽)が今場所も東に在位し、西は阿炎(29=錣山)が昨年秋場所以来、5場所ぶりの復帰となった。
大相撲名古屋場所は、7月7日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。9日の初日を迎える。 [日刊スポーツ 2023年6月26日6時0分]
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