瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 江戸末期の柳亭種彦の随筆本『柳亭記』に次のような記事がある。
2e8b487b.jpeg  日本と唐の間に 「船改め」の番所があった。16人の見張り番が左の図1のように7人ずつ四方を見張る形で 立っていたので「七人番所」と呼ばれていた。そこへ8人の盗人たちが来て、かくまってほしいと頼みこんだ。見張り番たちは同情してかくまおうと考えたのであるが、四方を見る人数が7人より増えると、たちまちばれてしまうので、角の所でで両方を見張る者の数を工夫して1人ずつ人数を増やしていき、最後には左の図2のようにして8人全員を隠してしまった(吉田光由の『塵劫記』にも同じ記事が掲載されている)。
df50d745.jpeg この隠し方を実際に碁石などを使ってやってみろというのである。途中の過程を皆で考えて欲しい。(左の問題の表に指示にしたがって、数字を入れる)

 
 諸外国の類題では、倉庫管理や寄宿舎からの脱走など種々の状況が設定されているようである。 
 西洋の古い本にこんな話が載っている。
e48b3e14.jpeg 主人が倉庫の中に左図の左側のようにぶどう酒を一列に9本ずつ、合計24本貯蔵しておいた。ところがある日、倉庫番がこっそり4本持ち出した。しかし、彼はぶどう酒をの右側のように並べ替えておいた。そのため、主人が調べに来たが、一列はやはり9本ずつなので、数が不足していることに気付かなかったという。
 
 アメリカのW.ホワイトという人の著した数学の本『初等数学切り抜き帳』 (A Scrap-Book of Elementary Mathematics)(1908)には、次のような話が載っている。
 
79e59a4d.jpeg ゴタムにある学校の寄宿舎には、左図の(1)のように9室あって、各室3人、合計24人の学生が生活していた。ある夜、学生4人が無断外出した。夕方、舎監が見回りに来たが、残りの学生が図の(2)のように移動していたので、ばれなかった。
 やがて学生たちが戻ってきたが、なんと友達を4人同伴してきたのだった。寄宿生は頭をしぼって、今度は図の(3)のような配置に移動したので、次に舎監が見回りに来た時も見つからなかった。
 これで一安心していたところ、なんと4人の学生がころがりこんできた。もうだめかと思ったが、図の(4)のようにすればよいことに気がついた。こうして、度重なるトラブルにもかかわらず、ついに舎監をだまし通すことに成功したというのである。
 ほかにもさまざまな本に似たような話がのっているが、なぜかどれもあまり好ましい話ではない。やはり、人を誤魔化すということは良くないことなのだろう。
 
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目高 拙痴无
年齢:
92
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1932/02/04
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くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


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