ウェブニュースより
白鵬と照ノ富士 ともに6連勝 大相撲名古屋場所 6日目 ―― 大相撲名古屋場所6日目、9日から中盤戦です。勝ちっ放しの横綱 白鵬と、綱とりに挑む照ノ富士は、ともに白星を挙げて6連勝です。
中入り後の勝敗です。
▽石浦に十両の松鳳山は、石浦が寄り切り。
初日から3連敗のあと3連勝の石浦は「体が動くようになってきた。これからという気持ちだ。場所前は腰の状態がひどかったが、よくなってきた」と話したうえで、兄弟子の横綱 白鵬の存在を踏まえて「横綱に“よっしゃ”と思ってもらえるような相撲を取りたい」と誓っていました。
☆石浦「(3連敗から3連勝)気持ちもだけど、体が動くようになってきた。苦手な相手で勝つイメージはわかなかったが、体がよくなってきたんで。(腰の)治療をしてくれた先生に感謝です。(露払いを務める)横綱土俵入りがいいスイッチになってます。」
▽大奄美に千代丸は、大奄美が寄り切りで勝ちました。
☆大奄美「右を差せてよかった。なかなか自分の形にさせてもらえない。自分の形になるよう、相撲をとっていきたい。本土の人には負けたくないという気持ちはあります。頑張らないといけない。」
▽宇良に新入幕の一山本は、宇良が押し出し。
☆宇良「勝ててよかったです。相手(一山本)は星が上がって、自分は上がってなかったんで、追いつきたい気持ちはありました。」
★一山本「相手(宇良)が仕切り線から離れていて、どうしようかなと思った。自分の距離で楽に相撲を取らせてもらえなかった。」
▽千代の国に栃ノ心は、栃ノ心が押し出し。
★千代の国「ついていければよかったが、体が変に動いてしまった。」
▽輝に剣翔は、剣翔が上手投げ。
▽琴ノ若に徳勝龍は、琴ノ若が突き落としで1敗を守りました。
土俵際の突き落としで1敗を守った琴ノ若は「毎日いい内容で取れるわけではない。こういう勝ち星を取れたのは大きい。修正して、あすから頑張りたい」と冷静に話していました。
☆琴ノ若「内容はよくなかったが、毎日いい内容でとれるわけでもない。勝ち星を拾えたので、直すところは直していきたい。」
▽照強に玉鷲は、照強が引き落とし。
▽魁聖に英乃海は、魁聖が寄り切り。
☆魁聖「危なかったけど、まわし取れたからよかった。まわし取れたら、相撲とれますんで。」
▽志摩ノ海に千代ノ皇は、志摩ノ海が寄り切り。
三重県出身の志摩ノ海は3勝目「おっつけようとしたが差してしまったので、相手より低くいく意識に切り替えて出られたのがよかった」と振り返ったうえで、初土俵から通算500回目の出場について「幕下の時期が長かったので、関取での500回出場に向けて頑張りたい」と話していました。
☆志摩ノ海「おっつけていこうとしたが差してしまった。向こうは上手取ると強いんで。早く早く攻めていったのがよかった。」
▽碧山に妙義龍は、碧山が寄り切り。
☆碧山「考えながら相撲とりました。だいぶ落ち着いてきたんで、こんな気持ちで相撲をとりたい。」
▽宝富士に阿武咲は、宝富士が引き落とし。
https://www3.nhk.or.jp/sports/special/sumomovies/clip/txCL94kbl3wg2k.html
☆宝富士「(阿武咲との青森対決)やりづらさはありますね。同じ街の後輩だし、負けたくない思いもある。あまり当たりたくもないが、対戦するということは同じぐらいの位置にいるということですから。」
▽豊昇龍に千代翔馬は、千代翔馬が上手出し投げ。
▽千代大龍に霧馬山は、千代大龍が引き落とし。
▽翔猿に隠岐の海は、翔猿が下手投げ。
☆翔猿「(不利な体勢から逆転の下手投げ)捨て身だったが、思い切りいったら白星につながった。」
▽隆の勝に新小結 若隆景は、隆の勝が押し出し。
☆隆の勝「思い切り前に出られたのでよかったと思います。最近、自分らしい相撲がとれていなかったので切り替えていけた。」
★若隆景「もっと攻める相撲を取らないとダメ。切り替えて明日から頑張ります。」
▽大栄翔に関脇 高安は、高安が突き落とし。
3日目から出場している高安も3勝目を挙げ「アクシデントはあったが、修正して、いい状態で相撲取ることができている。気を引き締めて、またあすからやっていきたい」と話していました。
★大栄翔「しっかり切り替えて明日からやりたい。気持ちを強く持っていきたい。」
▽関脇 御嶽海に新小結 明生は、明生が突き落とし。
▽琴恵光に大関 正代は、正代が寄り切り。連敗を3で止めました。
正代は連敗を3で止めて星を五分に戻し「ここ何日か、自分の相撲が取れていなかったので、いい内容で勝ててよかった。ここから星を伸ばしていきたい」と満足そうでした。
★「先に起こされてしまって、そこから体勢悪く先手をとられた。もう少し自分の流れでとれたら、相撲になったと思う。」
照ノ富士「思い切ってやろうと思っていた 残りも頑張る」
▽逸ノ城に綱とりに挑む大関 照ノ富士は、照ノ富士が寄り切りで6連勝。
綱とりの照ノ富士は6連勝にも「よかったです。思い切ってやろうと思っていた。残りも頑張ります」と淡々と話していました。
白鵬「体は動いている」
▽北勝富士に横綱 白鵬は、白鵬がはたき込みで勝って、休場明けの場所で6連勝です。
★北勝富士「立ち合いは悪くなかったッスけど、その後足が出てくれなかった。まだ稽古不足ですね。」
6連勝の白鵬は「中に入ってつかみたかったが、相手の頭があったので、とっさに引いてしまった。でも体は動いているね」と振り返りました。
初顔合わせとなる7日目の対戦相手、翔猿の印象を問われ「小さい体で上に上がって、今場所も大関を倒している。気を引き締めていきたい」と話していました。 (NHK WEB NEWS 2021年7月9日 22時44分)
ウェブニュースより
大相撲名古屋場所5日目 横綱 白鵬と大関 照ノ富士が5連勝 ―― 大相撲名古屋場所5日目、横綱 白鵬と綱とりに挑む照ノ富士はともに5連勝です。
中入り後の勝敗です。
▽新入幕の一山本に徳勝龍は一山本が肩すかし。
☆一山本 体はよく動いている。横に動けているからあともう少し前に出られたらいい。序盤はでき過ぎている。あと10日間あるので疲れを抜きながらやっていきたい。
★徳勝龍 ああいう立ち合いになるのは分かっていた。自分的にはよかったが、最後の詰めが甘かった。
▽剣翔に千代の国は千代の国が突き落とし。
☆千代の国 落ち着いていけたと思います。(剣翔相手に)特にやりやすいと思ったことはありません。(2日目から4連勝)1日一番しっかりできていると思います。
★剣翔 自分の相撲を取れずに向こうの相撲を取らせた。仕方ないです。しっかり切り替えます。3連勝、2連敗なので切り替えたい。連勝癖と連敗癖があるので、明日でしっかり連敗を止めたい。
▽大奄美に石浦は石浦が切り返し。
▽千代ノ皇に輝は千代ノ皇が寄り切り。
☆千代ノ皇 今日は特に(輝が)同期生だったので、負けられないという気持ちだった。足を止めず攻め続けられた。
▽宇良に琴ノ若は琴ノ若が押し出し。
☆琴ノ若 引いて中に入られると苦しくなるんで、攻めていこうと思った。(体は)動けていると思う。
★宇良 今日も全部相手が上でした。強かったです。(序盤5日間を終えて2勝3敗)精いっぱい頑張っているけど、通用しないですね。力出し切りたいですね。
▽魁聖に千代丸は千代丸が押し出し。
☆千代丸 5日間で一番いい相撲だったと思う。(魁聖は)大きい相手なんで思い切りいけた。
▽栃ノ心に照強は栃ノ心が突き落としで今場所初白星です。
▽玉鷲に碧山は碧山が押し出し。玉鷲は今場所初黒星です。
☆碧山 落ち着いて、やっと自分の相撲をとることができました。昨日負けて、相当悔しくて。負けてもいいから前に出ようと、それがよかったと思います。
▽宝富士に志摩ノ海は宝富士が突き落とし。
★志摩ノ海 我慢はできていたが、攻め手が全然なかったかなと思います。
▽英乃海に千代翔馬は英乃海が突き落とし。
https://www3.nhk.or.jp/sports/movie/ifU1eXJAcqxdfi/
★千代翔馬 立ち合い、当たり負けましたね。当たって突っ張っていくつもりだったが、簡単に横から崩されたッスね。
▽妙義龍に豊昇龍は豊昇龍が寄り切り。
☆豊昇龍 後ろに下がらず前に前に攻めていこうと。前に出て勝てたのでよかった。体はいい感じで動いてるんで、この感じで最後までいきたいです。
▽隠岐の海に霧馬山は隠岐の海に勇み足があり、行司軍配差し違えで霧馬山が勝ちました。
☆霧馬山 (勇み足での勝利)負けたと思ったッスけど、勝ったことはよかった。
▽阿武咲に千代大龍は阿武咲が寄り切り。
▽隆の勝に琴恵光は隆の勝がはたき込みで初白星。
▽新小結 若隆景に大栄翔は、大栄翔が突き出しで初白星を挙げました。
☆大栄翔 どんどん攻められたんでよかったと思う。(5日目で初日)まだまだ実力不足。この一番をきっかけにして、盛り返していきたいと思います。
▽遠藤に関脇 御嶽海は遠藤が左太ももを痛めて8日から休場。御嶽海が不戦勝です。
▽高安に新小結 明生は明生が肩すかしで勝ちました。
☆明生 よかったです。ま、明日集中して頑張ります。
▽綱とりに挑む大関 照ノ富士に北勝富士は照ノ富士が小手投げで勝って5連勝です。
★北勝富士 右をかえされたんで。毎回ですけど、そこが課題なんで。
▽大関 正代に翔猿は翔猿が押し出しで勝ちました。
☆翔猿 どんどん攻められたんでよかったと思います。必死でした。(正代に)初めて勝ったんで、うれしかったです。
▽横綱 白鵬に前頭2枚目の逸ノ城は白鵬が寄り切り。
進退をかける意向を示している白鵬は、序盤戦を5連勝で終えました。
八角理事長の談話
日本相撲協会の八角理事長は、序盤戦を5連勝で終えた横綱 白鵬の取組について「いつもどおりになってきたのではないか。立合いはよくないが、巻き替えてからうまかった」と評価したうえで、手術を受けた右ひざについては「本人は気にしていないのではないか」と話していました。
綱とりの場所で5連勝の照ノ富士については「やっぱり自信をつけている。自分がやるべきことをすれば勝てるという気持ちじゃないと上は目指せない。優勝回数も増えて焦らなくなった」と話していました。 (NHK WEB NEWS 2021年7月8日 19時27分)
台東区コロナウィルスワクチン接種事務局からメールがはいりました。曰く、
日高 節夫様 ご確認お願いいたします。
当日は「接種券」「予診票」「本人確認書類」のご持参をお願いいたします。書類がそろって本人確認ができないと受付できませんのでご注意ください。
スムーズに接種を進めるため肩を出しやすい服装でお越しください。会場は待合場所がございませんので、時間通りの来場をお願いいたします。
施設名:浅草寺病院
郵便番号: 住所:東京都台東区浅草2丁目30番17号
電話番号:03-4332-7912
HPURL: 年月日:2021年7月8日
受付開始時刻:14時00分 受付終了時刻:14時15分
宜しくお願いいたします。
ウェブニュースより
横綱 白鵬 平幕 隆の勝に勝ち4連勝 大相撲名古屋場所4日目 ―― 大相撲名古屋場所4日目、横綱 白鵬は平幕の隆の勝と対戦し、土俵際で危ない場面がありましたが突き落としで勝って4連勝です。
中入り後の勝敗です。
▽新入幕の一山本に剣翔は、一山本が寄り切り。
新入幕の一山本は3勝目にも「しっかり一日、一番、勝った日も負けた日も気持ちを切り替えてやっていきたい」と冷静でした。
☆一山本 立ち合い、もう少しはじいて前に出たかった。ただ差し勝って、左上手も取れて出し投げも決まったんでよかったと思います。(3勝目に)まだまだと思っています。1日一番に集中したい。
▽千代の国に大奄美は、千代の国が押し倒し。
☆千代の国 体が動いてくれました。四つにならないように意識した。
★大奄美 ちょっと張りにひるんじゃったっすね。自分の相撲を取り切れていないので、明日から切り替えていきたい。
▽千代ノ皇に徳勝龍は、徳勝龍が押し出し。
★千代ノ皇 思い切り当たってからと思ったが、相手の形になってしまった。
▽石浦に千代丸は、石浦が送り出し。
☆石浦 ずっと立ち合いがよくなかった。立ち合いだけに集中したのが、シンプルでよかったのかもしれません。
★千代丸 うまく取られた。左を取られても(まわしを)切ればいいと思っていた。中途半端に切れなくて、そのまま横につかれた。
▽輝に宇良は、輝が押し出しで勝ちました。
およそ4年ぶりに幕内復帰の宇良は2敗目を喫し「すべて相手が上。地力の差を感じた。まだまだ力不足だと感じる」と反省していました。
☆輝 突っ込みすぎず、止まらずに攻め続けるイメージでした。しっかり体が動いて、やりたいことをやれている。
★宇良 今日は全てが相手が上でしたね。地力の差を感じました。まだまだ力不足と感じる。
▽栃ノ心に魁聖は、魁聖がすくい投げ。
▽琴ノ若に玉鷲は、玉鷲が送り出しで勝って、平幕ではただ1人4連勝です。36歳のベテラン、玉鷲は13歳年下の琴ノ若を破っての4連勝に「若手に勝っていかないといけない。それも楽しみなので。心を元気にしていい相撲を見せたい」と明るい表情でした。
☆玉鷲 一方的に前に出たかったけど、相手も若い。最後に勝って良かった。心を元気にして、いい相撲を見せたいと思います。
★琴ノ若 相撲は悪くなかった。いい部分もあったんで、そこはきっちりしていきたい。(ベテランとの対戦だったが)相手どうこうより、自分がしっかり相撲をとるだけです。
▽照強に英乃海は、英乃海が寄り切り。
▽碧山に志摩ノ海は、志摩ノ海が押し出し。
▽宝富士に妙義龍は、宝富士が押し出し。
☆宝富士 差し身がうまい相手なんで、差し負けないようにいきました。(名古屋場所は)2年ぶりなんでふわふわした感じだったが慣れてきました。
▽霧馬山に千代翔馬は、霧馬山が上手出し投げ。
☆霧馬山 最後まで我慢して自分の形になれた。(3勝1敗の星も)これからですね。頑張っていきたい。
▽阿武咲に隠岐の海は、隠岐の海が押し出し。
★阿武咲 立ち合い、ちょっと自分が高かったですね。ま、今日は今日なんで。明日に向けて、いいイメージ持てるように切り替えていきたいです。
▽千代大龍に豊昇龍は、豊昇龍が押し出し。
☆豊昇龍 押しもしたいと思って稽古していたのでよかった。1日一番を大事にと思っている。最後まで諦めずに頑張りたいです。
▽琴恵光に北勝富士は、北勝富士が押し出し。
☆北勝富士 (プロ野球の松坂大輔投手の引退について)自分も頑張って(出身の)埼玉県や所沢市を盛り上げていきたいと思います。
▽新小結 明生に逸ノ城は、逸ノ城が寄り切り。
☆逸ノ城 巻きかえして差して迷わずに出たのがよかったです。(明日の横綱白鵬戦について)自分の持っているものを全部出し切って前に出る相撲を取りたい。久しぶりの上位。横綱とんぼ結びの一番楽しみです。
▽遠藤に関脇 高安は、高安がはたき込み。
3日目から出場の高安は2連勝。「落ち着いてしっかり厳しい相撲を取れた。体調もいいので気を引き締めてあすもやりたい」と冷静に振り返りました。場所前に痛めた腰の状態については「3日間ほど寝たきりで稽古できない日が1週間ほどあったが、治ってから一生懸命体を作った。痛みもなくなったし万全な状態に戻った」と話していました。
☆高安 落ち着いてしっかり厳しい相撲が取れました。(腰は)痛みもなくなったし万全な状態に戻った。再発しないようにしっかりケアとトレーニングをしていきたい。
▽関脇 御嶽海に翔猿は、御嶽海が押し出し。
御嶽海は2日目からの3連勝に「落ち着いて相手を見られてよかった。3連勝で気分はいい。この感じで乗っていきたい」と話していました。
☆御嶽海 よかったと思います。落ち着いて相手を見れて、腰も落としていけた。(相手の蹴返しは)見えてましたよ。来てくれてよかった。
▽新小結 若隆景に大関 正代は、若隆景が押し出しで勝ちました。
若隆景は正代を破っての2勝目に「とにかく下から攻めるという意識だった。自分のいい相撲をあすからも取っていきたい」と淡々と話していました。
一方、2敗目を喫した正代は「相手の土俵で相撲を取ってしまった。少し取りづらさは感じる」としたうえで「自分の相撲が取れるように集中して徹底していけたら。立ち合いで当たり負けないようにしたい」と誓っていました。
☆若隆景 とにかく下から、いい攻めだったと思います。(初日から連敗も動きは)悪くないと思っています。
▽大栄翔に綱とりの大関照ノ富士は、照ノ富士が寄り切りで勝って4連勝。綱とりの照ノ富士は俵に足がかかってからの逆転で4連勝とし「ぎりぎりだったが白星でよかった。思い通りにいっていたらすべて勝つし、思い通りにいかないこともある。1つでも白星を重ねていけばいいかなと思う」と話しました。
高校時代を過ごした鳥取県で大雨による被害が出ていることについて「みなさんに少しでも自分の相撲で元気を与えられればいい」と話していました。
☆照ノ富士 ギリギリだったけど白星でよかった。(母校・鳥取城北高がある鳥取県の豪雨について)自分の相撲がみなさんに少しでも元気を与えられたらいいなと思います。
★大栄翔 攻めれたんですけど、要所要所で差してしまったり。あくまで押し相撲なんで。もろ差しになっても勝てない。そこは徹底していかないといけない。
▽前頭2枚目の隆の勝に横綱白鵬は、白鵬が突き落とし。
白鵬は土俵際で相手に背中を見せる危ない場面がありましたが、白星を挙げて4連勝です。白鵬は4連勝としましたが今場所初めて取組後の取材に応じませんでした。
★隆の勝 悔いが残る相撲になったが、あそこまで戦えたのはよかった。先手先手をとって、中に入って攻められたらという気持ちでした。
八角理事長「徐々に動きがよくなってきた」
日本相撲協会の八角理事長は、相手の攻めをしのいで白星を挙げた横綱 白鵬について「徐々に動きがよくなってきた。白鵬の柔らかさだろう。きょうの相撲を見るといい流れになっているんじゃないか」と話し、動きのよさを評価していました。 (NHK WEB NEWS 2021年7月7日 21時44分)
ウェブニュースより
大相撲 名古屋場所3日目 横綱 白鵬 3連勝 ―― 大相撲名古屋場所3日目、横綱 白鵬は前頭筆頭の大栄翔にすくい投げで勝って3連勝です。
中入り後の勝敗です。
▽新入幕の一山本に十両の豊山は一山本がはたき込みで勝ちました。
▽千代の国に石浦は千代の国がはたき込み。
▽剣翔に徳勝龍は剣翔が寄り切り。
☆剣翔 「(初日から3連勝し)自分でも思った以上に気持ちが落ち着いている。膝と腰の調子がよくて気持ち的に楽になっている。あと12日間もてばいい。」
★徳勝龍 「立ち合い、見ていこうとして後手後手になった。いい方に考えていきたい。」
▽大奄美に千代ノ皇は大奄美が寄り切り。
▽千代丸に宇良は宇良が寄り切り。
☆宇良「勝ててよかったです。流れ乗れたと思います。力を出し切れるように頑張りたい。」
▽栃ノ心に輝は輝が押し出しで勝ちました。
▽琴ノ若に照強は琴ノ若が引き落とし。
▽魁聖に志摩ノ海は魁聖が突き出し。
▽英乃海に玉鷲は玉鷲が小手投げ。
▽宝富士に碧山は宝富士がすくい投げ。
▽妙義龍に千代翔馬は妙義龍が押し倒し。
▽阿武咲に霧馬山は霧馬山が寄り切り。
▽隠岐の海に豊昇龍は隠岐の海が巻き落とし。
▽琴恵光に千代大龍は琴恵光が押し出し。
▽新小結 若隆景に翔猿は若隆景が引き落とし。
☆若隆景「(新三役として初白星だが)自分の相撲に集中しているので、そういうのはない。体は動いていると思う。」
▽北勝富士に関脇 御嶽海は御嶽海が寄り切り。
★北勝富士「悪くなかったけど、最後の詰めで押し返させてしまったのが良くなかった。そこまで悔やむ内容ではなかった。」
▽腰を痛めて休場し6日から出場の関脇 高安に逸ノ城は高安が寄り切り。
☆高安「落ち着いて前に攻めることができた。(腰の状態は)おかげさまで良くなりました。(休場中は取組をテレビ観戦し)しっかり他の力士の相撲を見て、今後の参考になればと思って過ごしていた。今日が初日だと思って、千秋楽まで優勝争いに絡めるように落ち着いてやっていきたい。」
▽新小結 明生に大関 貴景勝は貴景勝が首を痛めて6日から休場し明生が不戦勝です。
▽綱とりの場所の大関 照ノ富士に隆の勝は照ノ富士がかいなひねりで勝って3連勝。
☆照ノ富士「落ち着いて取れてよかったです。(かいなひねりは)稽古場ではたまに出ていますけど、場所で出るとは思わなかった。体が反応してくれた。ぎりぎりのところでも技が出るのは良かったと思う。」
▽大関 正代に遠藤は遠藤が引き落とし。
★正代「かみ合っていない。相手のペースで取られた感じがします。自分では分からなかったけど、付け人に聞いたらちょっと立ち遅れていたと言われたので、直していかないといけない。」
▽横綱 白鵬に大栄翔は、白鵬がすくい投げで勝って3連勝としました。
横綱 白鵬「速い相撲だった」
大栄翔に勝って3連勝とした横綱・白鵬は「きのうからスピードがあるような感じがしますね。速い相撲だったと思います。体が動いているという感じです。取りあえずおいしいものを食べてゆっくりしたい」と笑顔を見せていました。
八角理事長「白鵬 勝つことで精神的に楽に」
日本相撲協会の八角理事長は、3連勝とした横綱 白鵬について「立ち合いが厳しい。まだまだ手探りかもしれないが、初日とは全然違う」と評価したうえで「勝つことで精神的に楽になっている。いつもどおりの白鵬になる」と話していました。
一方、綱とりの場所で3連勝の大関 照ノ富士については「いなされても落ち着いていた。いい流れで来ていると思う」と話していました。
各力士の談話
5日、脳しんとうの疑いで不戦敗となった十両の炎鵬は、6日、黒星だったものの「土俵に上がることがまずは第一なので、きょうまた土俵に上がれてよかった」と話しました。
5日の取組については「負ける以上に悔しかった。ああいう相撲を取った自分が悪いので、次はしっかり勝てるように頑張りたい」と切り替えている様子でした。
新入幕の一山本は、同学年の豊山に勝って白星が先行し「同学年の力士に負けると夜も少しいらいらしてしまうので勝ててよかった。もっと前に出ないといけないが体が動いているという部分ではいいのかなと思います」と話していました。
3連勝の剣翔は「自分でも思った以上に気持ちが落ち着いているので、焦らず思いっきりやりたい」と話し、同じ追手風部屋の関取が活躍していることについて「僕も追いつけ追いこせの気持ちで刺激になってるので、いい稽古ができていると思います」と笑顔を見せていました。
3連勝で幕内通算500勝とした玉鷲は「気にしていないし、500というのがどういう数字か分からないからうれしいのかどうか分からない。数より内容がいちばん大事なので来てくれるお客さんに対していい相撲を見て帰ってもらいたい」と淡々と話していました。
腰を痛めて初日から休場し、6日から出場して白星を挙げた関脇・高安は「やはり痛みがあるとなかなか思うような相撲が取れないので、思い切って休養を取った。きょうが初日だと思って、しっかり千秋楽まで優勝争いに絡めるよう落ち着いてやりたい」と話していました。
綱とりの場所の大関・照ノ富士は「かいなひねり」で3連勝とし「落ち着いて取れてよかった。稽古場でやっていることしか場所では出ないので、ギリギリのところで技が出るというのはよかったんじゃないかと思う」と振り返っていました。
初黒星を喫した大関・正代は「全然かみ合っていない。相手のペースで取られた気がします。圧力を前にかける意識ばかりで足がついてこなかったんじゃないかと思う。あす以降、連敗しないように落ち着いて取りたい」と反省のことばを並べていました。 (NHK WEB NEWS 2021年7月6日 21時38分)
久保利明九段、対藤井聡太戦3勝3敗に「一手一手が難しい将棋だった」 ―― 将棋の藤井聡太2冠(棋聖・王位=18)が6日、関西将棋会館で行われた第80期順位戦B級1組で、久保利明九段(45)を下した。久保は同組で3連敗となった。決着は深夜0時を回った。
藤井が居飛車、久保が四間飛車の対抗形でスタート。序盤戦はゆっくりしたペースで進んだ。形勢互角のまま終盤に突入した。終局後、久保は「一手一手が難しい将棋だった。いろんな変化があった」と振り返った。
https://www.youtube.com/watch?v=t_A0u1vYwDI
対藤井戦はこれで3勝3敗となった。今回は終盤にリードを広げられる形になった。「もう少し端の対応で、うまい対応の仕方があれば、もう少しなにか。本譜は一番、受けずらい形で受けようとしてしまった」。黒星先行に「やるだけのことはやっているつもりなので、次は頑張りたい」と気持ちを切り替えた。 [日刊スポーツ2021年7月7日1時25分]
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大相撲名古屋場所2日目 横綱 白鵬が遠藤に勝ち2連勝 ―― 大相撲名古屋場所2日目、進退をかける意向を示している横綱 白鵬は、前頭筆頭の遠藤に上手出し投げで勝って、2連勝としました。
中入り後の勝敗です。
▽新入幕の一山本に千代の国は、千代の国がはたき込みで勝ちました。
▽石浦に剣翔は、剣翔が寄り切り。
▽徳勝龍に大奄美は、徳勝龍が寄り切り。
☆徳勝龍 差されたくなかったので左から左から。これも自分の相撲。まだまだ2日目なんで、いい雰囲気で千秋楽を迎えたい。
▽幕内復帰の宇良に千代ノ皇は、千代ノ皇が寄り倒し。
▽千代丸に栃ノ心は、千代丸が押し出し。
▽琴ノ若に輝は、琴ノ若が寄り切りで勝ちました。
▽魁聖に玉鷲は、玉鷲が送り出し。
▽志摩ノ海に照強は、志摩ノ海が上手出し投げ。
▽英乃海に宝富士は、英乃海が引き落とし。
▽千代翔馬に碧山は、千代翔馬が上手投げ。
▽妙義龍に阿武咲は、阿武咲がはたき込み。
▽豊昇龍に霧馬山は、豊昇龍が下手投げ。
▽隠岐の海に琴恵光は、琴恵光が寄り切りで勝ちました。
▽翔猿に千代大龍は、千代大龍がはたき込み。
★翔猿 切り替えて頑張ります。
▽新小結 明生に北勝富士は、北勝富士が寄り切り。
☆北勝富士 自分らしい相撲を1日一番取るだけを意識している。初日から2連勝はうれしいけど、気を引き締めて明日からいきたい。
★明生 ちょっと動き硬かったですね。昨日は昨日、今日は今日なんで。毎日、集中して相撲がとれたらと思っています。
▽関脇 御嶽海に隆の勝は、御嶽海が押し出し。
☆御嶽海 バタバタする相撲でしたね。しっくりきていないが、ゲンのいい名古屋で2桁勝ちたい。
▽新小結 若隆景に、綱とりがかかる大関 照ノ富士は、照ノ富士が寄り切りで勝ちました。
▽大栄翔に大関 正代は、正代が突き落とし。
★大栄翔 (立ち合いは)まあ、何回も同じ立ち合いできればよかったが、集中力が足りなかった。形悪かった。すべてダメでしたね。切り替えて明日から1日一番でやっていきたい。
▽大関 貴景勝に逸ノ城は、逸ノ城が寄り切りで勝ちました。
▽遠藤に、進退をかける意向を示している横綱 白鵬は、白鵬が上手出し投げで勝って2連勝です。
白鵬「白星がいちばんの薬」
白鵬は「立ち合いは見ていこうと思っていて、そこから流れに任せるという形だった。反応よく動いているなという感じです」と振り返りました。
そのうえで「白星がいちばんの薬じゃないか。きのうよりきょう、またあしたという感じじゃないかと思う。一番、一番です」と話し、少しずつ手応えをつかんでいる様子でした。
それぞれの力士は
幕内復帰の徳勝龍は2連勝とし「立ち合いで差されたくなかったので、それ意識して左から左からと思った」と振り返り「2日目なので、まだまだこれからだ。地方場所は久しぶりだが、いい雰囲気でしっかり集中して出来ている。千秋楽まで集中していきたい」と話していました。
千代ノ皇は久しぶりの幕内での白星に「勝ってよかった。残りあと13日、まだまだあるが、力強く楽しみながら相撲を取って勝ち越したい。師匠からはもっと立ち合いのスピードのキレを磨いていけば、もっと上にいけると言われている」とうれしそうでした。
千代丸は、900回出場の節目の一番で白星を挙げ「いつのまにか30歳になって、ことし中学校を卒業して入門してくる子が生まれた年に入った。あす以降は、突いて突ききる相撲を取りたい」と意気込みを話していました。
三重県出身の志摩ノ海は、今場所初白星に「うれしかったし、地元に戻ってきたなって感じだ。名古屋は暑い、そのひと言だ。体調管理が難しいと思うし、体を気遣って場所に向かって行ければ」とほっとした様子でした。
役力士相手に2連勝の北勝富士は「自分の相撲を1日、一番取ることに集中している。初日から2連勝はうれしいが勝っているからこそ、あすにつなげていきたい」と気を引き締めていました。
白星の関脇 御嶽海は「ちょっとバタバタする相撲だった。しっくりきていない。朝もいつも以上に体を動かさないといけない」と反省していました。
綱とりの場所となる大関 照ノ富士は2連勝し「落ち着いて取れてよかった。稽古でやっていることしか場所で出ないので、一生懸命やっているだけ。まだ始まったばかりなので、これから」と話していました。
大関 正代も2連勝し「きのう、きょうと一歩目の出足はよく踏み込めて体重もかけられているのではないか。体がよく動いてくれてるし、反応もよかったので、いいスタートだと思う」と手応えを口にしました。 (NHK WEB NEWS 2021年7月5日 19時08分)
ウェブニュースより
大相撲名古屋場所 初日 横綱 白鵬は白星スタート ―― 大相撲名古屋場所が2年ぶりに4日から愛知県体育館で始まりました。進退をかける意向を示している横綱 白鵬は、新小結 明生に勝って白星スタートです。
中入り後の勝敗です。
▽新入幕の一山本に石浦は一山本が波離間投げで初白星です。
▽千代の国に再入幕の徳勝龍は徳勝龍が寄り倒し。
☆徳勝龍「勝てたことだけがよかった。久しぶりの地方場所。雰囲気も違う。暑いですね」
▽剣翔に再入幕の千代ノ皇は剣翔が上手投げ。
★千代ノ皇「緊張とかはなかった。場所入りの時間も幕内に戻ってきた感じはある」
▽大奄美におよそ4年ぶりに幕内に復帰した宇良は宇良が突き落としで勝ちました。
☆宇良「一生懸命になってしまいますね。けがをする形をとらないようにしているが、勝手にその方向にいってしまう。守りに入れないというか、そういう方向になってしまう。この位置でとれる喜びはあります」
▽千代丸に輝は輝が寄り切り。
☆輝「相性とか気にしたことはない。しっかりがぶりを出せるようになってきた。久しぶりの地方場所。1日一番だしていきたい」
▽栃ノ心に琴ノ若は琴ノ若が寄り切り。
▽魁聖に照強は照強が押し出し。
☆照強「立ち合い、いいところをとれたのがよかった。立ち合いだけに集中した」
▽玉鷲に志摩ノ海は玉鷲が押し出し。
★志摩ノ海「起こされたのが敗因。久しぶりの名古屋、気合は入っています」
▽英乃海に碧山は碧山が押し出し。
☆碧山「相手に差させないよう意識した。不安ですね。でも久しぶりの地方場所。大丈夫です」
▽宝富士に千代翔馬は千代翔馬が寄り切り。
▽妙義龍に霧馬山は霧馬山が寄り切りで勝ちました。
☆霧馬山「よかったと思う。思い切り当たろうと、それがよかった。いつも通りですね」
▽阿武咲に豊昇龍は豊昇龍が押し出し。
▽隠岐の海に千代大龍は隠岐の海が押し出し。
▽琴恵光に翔猿は翔猿が、け返しで勝ちました。
☆翔猿「うれしいですね。久々の初日白星じゃないですかね。暑いし、厳しい戦いになると思っている。上位で勝ち越したい」
▽新小結 若隆景に北勝富士は北勝富士が突き落とし。
☆北勝富士「危なかったけど体が動いてくれた。慎重に相撲がとれた。久々の地方場所。楽しんでいければ」
▽逸ノ城に関脇 御嶽海は逸ノ城が寄り切り。
☆逸ノ城(5連敗中の御嶽海を撃破)「前に出れたので良かった。いつも後ろに下がって負けている、引いたりして負けているので、絶対に前に出ようと思っていた。」
★御嶽海「踏み込んでいない。中途半端な立ち合いでした。体は動いている。立ち合いだけですね」
▽大関 正代に隆の勝は正代が寄り切り。
☆正代「立ち合いの1歩から圧力をかけられた。(熊本豪雨災害から1年)まだまだ災害の傷痕が残っていると思うので、いい相撲を取って地元の人に元気になってもらえたらいい」
★隆の勝「立ち合い負けが敗因。今日終わったので、明日から自分の相撲をとれるようにしたい」
▽大栄翔に大関 貴景勝は貴景勝がすくい投げ。
☆貴景勝「ま、明日は明日で頑張っていきます。自分なりにやってきた。土俵で発揮できたらと思っている。(照ノ富士は綱とり)自分は自分なんで」
★大栄翔「立ち合いから押し負けてしまった。後手後手で攻めてしまった。最後も腹出して攻め方が悪い。(2年ぶりの名古屋開催)心機一転の気持ちになったし、名古屋でできるのはうれしいこと」
▽綱とりの大関 照ノ富士に遠藤は照ノ富士が寄り切りで勝ちました。
☆照ノ富士「落ち着いて取れて良かったです。(綱とりの緊張感は)特にない。(1年4カ月ぶりの地方場所開催)久しぶりの地方場所ということで、お客さんを盛り上げていきたいなと、自分が盛り上げる立場になっていきたいなと思います」
▽名古屋場所で進退をかける意向を示している横綱 白鵬に新小結 明生は掛け投げで白鵬が勝って白星スタートです。
白鵬「『ただいま』って感じ 館内の拍手が気持ちよかった」
白星スタートの横綱 白鵬は「いろんな思いがあった。『ただいま』って感じでしたね。館内の拍手が気持ちよかった」と振り返りました。
相手の新小結 明生については「重さがあったし、最後に足を掛けてくるあたりはうまさがあったと思う。私のほうが経験とうまさで、ちょっと上回ったという感じだった」と話していました。
勝った瞬間、気迫のこもった表情を見せた際、どのような心が表れたかのと聞かれ「まあ、それは千秋楽に言います。以上です」と言ってオンラインでの取材を受ける場所から離れました。
八角理事長「白鵬は序盤乗り切れば戻る」
日本相撲協会の八角理事長は、白星スタートの横綱 白鵬について「まわしを取れたのが大きかった。いつもと重さが違ってがっぷり四つに組んでも相手の動きは止められなかったが、最後は柔らかさがあった」と話しました。
また「体はたいして落ちていない気がする。序盤を乗り切ればまたいつもの白鵬に戻ってくると思う」と話し、序盤戦の大切さを強調しました。
一方、綱とりの場所で初日に白星を挙げた大関 照ノ富士については「落ち着いていた。まわしをすんなり取らせてもらえなかったけど、攻めていた」と話していました。 (NHK WEB NEWS 2021年7月4日 20時19分)
ウェブニュースより
熱海で土石流 家のみ込む轟音、住民「経験ない」 ――黒い土石流が住宅や車をのみ込みながら、猛烈な速さで流れ落ちていった。静岡県熱海市伊豆山地区で3日発生した土石流。保養地として知られる海沿いの斜面はすさまじい轟音(ごうおん)とともに土砂に埋まり、住民は「こんな経験は初めて」と声を震わせた。
現場から約50メートルの場所で暮らす伊勢井勝さん(70)は午前10時45分ごろ、強い雨が降るような音を耳にして自宅2階の窓を開けた。物置小屋が流され、駐車場の車が土砂に沈んでいくのが目に入った。スマートフォンと財布だけを持って妻と高台の知人宅へ。「ここに住んで約60年になるが初めての経験」と語った。
「ゴオオー」。伊豆山で経営する店舗にいた大東健太さん(35)も同じ頃、水が勢いよく流れてくるような低い音を聞いた。店の外に出ると、家のがれきや岩石、木々を巻き込みながら流れる黒っぽい色をした塊が目に飛び込んできた。
店は海側にあり土石流のスピードは落ちていたが、あと約20メートル流れてくればのみ込まれていた。「おかしいと思ったときには押し寄せてきていた。一瞬の出来事で、これ以上来ないでと祈るほかなかった」
海の近くを走る国道で交通整理をしていた男性(70)が「ゴゴゴ」という音が聞こえ振り返ると、斜面の上の方から大量の土砂がバスを押し流しながら迫ってくるのが見えた。
男性はとっさに国道を南へ逃げた。「土砂は北側に向かって流れ、逆に走っていたら巻き込まれていた。危機一髪だった」と話した。
付近の住宅には取り残された人も。警察官が拡声器で「1人ですか? 危険なので外に出ないで」と呼び掛けると、2階の窓から男性が大きく手を振って応じた。
ツイッターには3日、土石流が「ガー」「バキバキ」という音を上げながら一気に押し寄せる様子を撮影した動画が投稿された。土砂は住宅を押しつぶしながら傾斜地を下り、現場から急いで避難する消防士の姿もみられた。
土石流が発生した現場はJR熱海駅から北約1.5㌔で、相模湾に面した急勾配の斜面に住宅や企業の保養所、店舗などが立ち並ぶ。海を一望できる景勝地は土石流で一変。広いエリアが土砂に埋まり、砕かれた壁や棚などの家具が散乱した。国道など幹線道路も土砂で通行止めとなった。
伊豆山地区で飲食店を経営する男性(62)は昼ごろに店の様子を確認するため向かったが、店周辺は土砂やがれきなどが散乱して近づけず、引き返した。
店を構えて数十年たつが「こんな経験は初めて。新型コロナウイルスの影響で経営が厳しい中、災害まで重なり不安が強まる」と話した。
現場から約3㌔離れた場所でレストランを経営する男性(61)は通勤ルートが土石流の影響で通れず、大回りして店にたどり着いた。「雨量はそれほど多いとは思わなかった。傾斜地だが住宅も多く、まさか土砂災害が起きるとは」と驚いていた。 (日本經濟新聞 2021年7月3日 19:38)
藤井棋聖 史上初の10代九段&最年少防衛 快挙も通過点「強くなることで今までと違う景色が見られる」 ―― 第92期 棋聖戦5番勝負 第3局 ( 2021年7月3日 静岡県沼津市・沼津御用邸東付属邸第1学問所 )
ディフェンディングチャンピオンの藤井聡太棋聖(18)=王位との2冠=が最強の挑戦者・渡辺明王将(37)=名人・棋王含む3冠=を100手で振り切り、破竹のシリーズ3連勝で棋聖位を防衛した。同時にタイトル獲得通算3期に達し、規定により九段昇段も決定。18歳11カ月の藤井は、この両分野で史上最年少記録を樹立した。
短距離走者がとるクラウチング姿勢のように上半身を前傾させ、放射する鋭い視線は将棋盤を溶かす勢いだ。中終盤の壮絶なねじり合いから一歩抜け出し、最後は絵に描いたような即詰みでの勝利。「ずっと苦しいのかなと思ってました」「防衛は意識していませんでした」「九段は最高位。光栄です」という局後の藤井は落ち着いていたが、その心臓は長距離走者のごとくバクバクと激動していただろう。
棋界を代表する2者の激突は想像を絶する取っ組み合いになった。先手・渡辺の導入で今シリーズ初の矢倉戦。周到に用意した作戦をぶつける渡辺のペースで進行し、昼食休憩前には1時間超の長考を強いられる場面もあった。しかし返す刀で午後早々に渡辺を1時間以上の長考に追い込む。複雑怪奇な終盤には渡辺の飛車切りを緩手とみて逆襲へ。AIを超越する異次元のつばぜり合い。最後は自らの飛車をただ捨てする決定打をひねり出すフィニッシュだ。
https://www.youtube.com/watch?v=-NQsHVsJVMg
19歳の誕生日まで17日を残し、偉大な先達を全て追い抜く最年少防衛。「タイトルは防衛して初めて一人前。その結果を出せたのは良かった」と安堵(あんど)の息を吐きながら「でも一人前になった意識はないんです(笑い)。防衛に満足することなくこれからもやっていきたい」と表情を引き締める。
タイトル3期で棋界最上段位にも上り詰めた。九段という呼称のイメージを「実績のある方ばかりで、息長く活躍している」と明かす。そして「自分もそこに加われるのはうれしい」と率直な心境を吐露。一方でタイトル数や年少記録に拘泥しない姿勢については「自分が強くなることで今まで見たことのない局面に出合える。強くなることで今までと違う景色が見られると思うので」と説明した。さらなる高みを目指すスタンスに変わりはない。
偉業達成にも息つく暇なく、今後は豊島将之竜王(31)相手の王位戦と叡王戦が続く。「あまり喜び過ぎてはいけません」。最年少記録をことごとく塗り替えてきた藤井は、これからも未開の地を切り開いていく覚悟でいる。
《渡辺王将 初の屈辱「飛車切り暴発だった」》渡辺にとって、序盤は完全に事前準備通りの展開。だが「いろいろあって、しばらく分からなかった。良くなった場面はあったが、具体的な手がなかった」と悔やんだ。タイトル戦通算39度目の登場で、ストレート負けを喫したのは今回が初という屈辱。「それは別に…。フルセットだろうが(敗退の)スコアには意味がないので」と潔くシリーズの完敗を認めた。
感想戦では終盤に飛車を切った勝負手を中心に検討。ハッとするような思い切った攻撃だったが「あの飛車切りが暴発だった」「見切り発車だったのかな」と反省の弁を繰り返すばかりだった。
《プロ棋士の段位》下位の四段から五段、六段、七段、八段、最高位の九段まである。九段に昇段するには竜王2期、名人1期、そのほかのタイトル3期のいずれかを獲得するか、八段昇段後、公式戦250勝を挙げることが条件。プロ棋士にとって段位は肩書でもある。ただしタイトル保持者は段位よりも称号が優先される。 [スポニチアネックス 2021年7月4日 05:30 ]
初の月間MVP大谷翔平「仕切り直してもう半分頑張りたい」/一問一答 ――<エンゼルス-オリオールズ>◇2日(日本時間3日)◇エンゼルスタジアム
エンゼルス大谷翔平投手(26)が、メジャーで初の月間MVPを獲得した。6月の打撃成績は打率3割9厘、13本塁打、23打点、4盗塁で、長打率8割8分9厘、OPS(出塁率+長打率)1.312は1位。3戦連発を2度マークした。
また、前日は球宴の2次投票の結果が発表され、ア・リーグDH部門の1位で初のオールスターとスタメン出場を決めた。「2番DH」で出場するオリオールズ戦前、大谷はオンラインで取材に応じた。
―初のオールスター選出。全米での知名度も上がったと感じるか
声援をもらうことは多くなったかなと個人的に思いますし、気分よく打席に入れるかなと思うので、そういう声援はすごくうれしいかなと思います。
―オ-ルスターの先発出場が決まったが、オールスター出場というのはどれくらいの位置付けだった
チームが勝つということが一番の目標なので、それに付随して自分がいい成績を残せれば、必ず通る道なのかなとは思うので、もちろん高い目標ではあると思いますし、野球選手にとっては目指すべき場所なのかなとは思うので、すごく光栄なことだと思います。
―オールスターの監督、レイズのキャッシュ監督と連絡を取り合うことは
今のところはないですね。僕が直接取るということもないと思いますし、マドン監督が取ることはあるかも分からないですけど、それはうちのチームとして方針はあると思うので、そこはもう完全に任せてます。
―投打の出場について、キャッシュ監督とマドン両監督は選手の判断に任せる意向。球宴のマウンドに立つにあたり障害、できないな、ということはあるか
できないな、と思うことはないですね。ただ選出はDHの選手なので、そこで投げることは適切なのかどうかは正直、分からないですし、そういう意味で、僕から他の監督に何か言うこともないですし、もちろん、投げて欲しいと言われれば、投げるとは思いますけど、僕から何かということはないかなと思います。
―自分がオールスターゲームに求めたいもの、そこで探したいものは
プレーヤーとしても必ずプラスにもなると思いますね。それは試合もそうですし、いろんな選手とコミュニケーションとって、やっぱ、トップの選手たちが集まってくるので、どういうプレーヤーなのかなっていうのも、観察できると思いますし、実際にゲームの中で、トップ選手のプレーを見る機会がたくさんあると思うので、必ず、プラスになると思ってます。
―オールスターに投票したことはあるか
投票したことはないですね。見たことはもちろんありますけど。
―思い出に残っているオールスターゲームは
やっぱりイチローさんが出てる試合かなとは思いますね。そこをメインに皆やっぱり見てたと思いますし、数多く映る場面が多かったので。ちょうど野球をやってて、一番楽しい時期でもありますし見てたかなと思います。
―イチローさんはMVPを取った。出るからには何かを目指したい
そうですね。結果もそうですし、まずは雰囲気自体をしっかり楽しんで、プレーしたいと思います。
―6月の月間MVP。打撃で何が良かったか
6月の上旬もそこまでホームランは出てなかったですし、もちろん、いい状態ではないという感じだったんですけど、徐々に、徐々に上がっていったのが後半だった、たまたまそういう月のあたりだったかなという感じではあるかなと思うので、ここからもう1回、仕切り直してシーズンの半分をしっかり頑張りたいなと思ってます。
―本塁打王争い。誰もが憧れるタイトルだと思うが、そこはターゲットにはならない
ターゲットになる、ならないはないですけど、もちろん積み重ねてそうなれば一番いいと思いますし、高い目標にはしているので、ただ、まだ(本数が)20後半なので、もちろん、ホームラン王争いになってくれば、40本、50本打たないといけないですし、まだ30本にも行ってない段階なので、1本1本積み重ねかなと思ってます。
―今シーズンを迎えるにあたり特に取り組んだことは
技術的なところよりはやっぱり左脚の使い方というか、去年は手術明けであんまり力が入っていなかったので、そこをもう1回、しっかり重点的にやろうかなと思ってやってました。 [日刊スポーツ 2021年7月3日9時6分]
葦を詠める歌8
巻15-3625:夕されば葦辺に騒き明け来れば沖になづさふ.......(長歌)
標題:古挽歌一首[并短歌]
標訓:古き挽歌一首并せて短歌
原文:由布左礼婆 安之敝尓佐和伎 安氣久礼婆 於伎尓奈都佐布 可母須良母 都麻等多具比弖 和我尾尓波 之毛奈布里曽等 之路多倍乃 波祢左之可倍弖 宇知波良比 左宿等布毛能乎 由久美都能 可敝良奴其等久 布久可是能 美延奴我其登久 安刀毛奈吉 与能比登尓之弖 和可礼尓之 伊毛我伎世弖思 奈礼其呂母 蘇弖加多思吉弖 比登里可母祢牟
万葉集 巻15-3625
作者:遣新羅使の丹比大夫(たじひのまえつきみ)
よみ:夕されば、葦辺(あしへ)に騒き、明け来れば、沖になづさふ、鴨(かも)すらも、妻とたぐひて、我が尾には、霜(しも)な降りそと、白栲(しろたへ)の 羽さし交(か)へて、うち掃(はら)ひ、さ寝とふものを、行く水の 帰らぬごとく、吹く風の、見えぬがごとく、跡(あと)もなき 世の人にして、別れにし、妹(いも)が着せてし、なれ衣 袖片(そでかた)敷きて、ひとりかも寝む
意訳:夕暮れになると葦辺で騒ぎ、明け方になると沖に漂う鴨(かも)でさえも妻といっしょにそろって、尾には霜(しも)が降らないようにと、白い羽を交わして払って寝るというのに、流れ行く水が帰ってこないように、吹く風が見えないように、はかないこの世の人として別れてしまった妻が着せてくれた、着慣れた衣をひとつだけ敷いてひとりぼっちで寝るのです。
左注:右丹比大夫悽愴亡妻歌
注訓:右は、丹比大夫の亡(みまか)りし妻を悽愴(いた)むる歌
◎遣新羅使の丹比大夫(たじひのまえつきみ)について、色々と調べてみましたが、よくわかりません。
巻15-3626:鶴が鳴き葦辺をさして飛び渡るあなたづたづしひとりさ寝れば
巻16-3627:朝されば妹が手にまく鏡なす御津の浜びに.......(長歌)
標題:属物發思歌一首并短歌
標訓:物に属(つ)きて思(おもひ)を發(おこ)せる歌一首并せて短歌
原文:安佐散礼婆 伊毛我手尓麻久 可我美奈須 美津能波麻備尓 於保夫祢尓 真可治之自奴伎 可良久尓々 和多理由加武等 多太牟可布 美奴面乎左指天 之保麻知弖 美乎妣伎由氣婆 於伎敝尓波 之良奈美多可美 宇良末欲理 許藝弖和多礼婆 和伎毛故尓 安波治乃之麻波 由布左礼婆 久毛為可久里奴 左欲布氣弖 由久敝乎之良尓 安我己許呂 安可志能宇良尓 布祢等米弖 宇伎祢乎詞都追 和多都美能 於枳乎見礼婆 伊射理須流 安麻能乎等女波 小船乗 都良々尓宇家里 安香等吉能 之保美知久礼婆 安之辨尓波 多豆奈伎和多流 安左奈藝尓 布奈弖乎世牟等 船人毛 鹿子毛許恵欲妣 柔保等里能 奈豆左比由氣婆 伊敝之麻婆 久毛為尓美延奴 安我毛敝流 許己呂奈具也等 波夜久伎弖 美牟等於毛比弖 於保夫祢乎 許藝和我由氣婆 於伎都奈美 多可久多知伎奴 与曽能末尓 見都追須疑由伎 多麻能宇良尓 布祢乎等杼米弖 波麻備欲里 宇良伊蘇乎見都追 奈久古奈須 祢能未之奈可由 和多都美能 多麻伎能多麻乎 伊敝都刀尓 伊毛尓也良牟等 比里比登里 素弖尓波伊礼弖 可敝之也流 都可比奈家礼婆 毛弖礼杼毛 之留思乎奈美等 麻多於伎都流可毛
万葉集 巻15-3627
作者:不明
よみ:朝されば 妹が手にまく 鏡なす 御津¹の浜びに 大船に 真楫(まかぢ)しじ貫き 韓国(からくに)に 渡り行かむと 直(ただ)向(むか)ふ 敏馬(みぬめ)²をさして 潮待ちて 水脈(みを)引き行けば 沖辺(おきへ)には 白波高み 浦みより 漕ぎて渡れば 我妹子に 淡路の島³は 夕されば 雲居隠りぬ さ夜更けて ゆくへを知らに 我が心 明石の浦⁴に 舶(ふね)泊(と)めて 浮寝をしつつ わたつみの 沖辺(おきへ)を見れば 漁(いさ)りする 海人(あま)の娘子(をとめ)は 小舟乗り つららに浮けり 暁の 潮満ち来れば 葦辺には 鶴(たづ)鳴き渡る 朝なぎに 船出をせむと 船人も 水手(かこ)も声呼び にほ鳥の なづさひ行けば 家島⁵は 雲居に見えぬ 我が思へる 心なぐやと 早く来て 見むと思ひて 大船を 漕ぎ我が行けば 沖つ波 高く立ち来ぬ 外(よそ)のみに 見つつ過ぎ行き 玉の浦⁶に 船を留めて 浜びより 浦(うら)礒(いそ)を見つつ 泣く子なす 音のみし泣かゆ わたつみの 手巻の玉を 家づとに 妹に遣らむと 拾(ひり)ひ取り 袖には入れて 返し遣る 使(つかひ)なければ 持てれども 験(しるし)をなみと また置きつるかも
意訳:朝ともなると、あの子がいつも手に取る鏡、その鏡を見るという御津の浜辺で、大船の舷に櫂をいっぱい取り付け、遠い韓国に渡って行こうと、真向かいの敏馬を目指して、潮時を見計らい水路を乗って漕いで行くが、沖の方には白波が高く立っているので、浦伝いに漕ぎ進んで行くと、いとしい子に逢うという淡路の島は、夕方になって雲の彼方に隠れてしまった。やがて夜も深くなって行く先の目当てもつかないままに、我が心は明るいという名の明石の浦に船を停めて波の上に浮寝をしんがら、海の神の統べ給う沖の方を見やると、こんな夜更けに漁をするのか、海人娘子たちは、小舟に乗って点々と浮かんでいる。そのうちに明け方の潮が満ちてくると、葦の生えているあたりには鶴が鳴き渡って行く。この朝凪のうちに船出をしようと、船長も水手たちも掛け声を合わせて、かいつぶりのように波にもまれて行くと、心待ちにしていた家にちなみの家島は雲の彼方に見えて来た。この家恋しい心もなごみもしようかと、早く辿り着いて家島を見たいと思いながら大船をわれらが漕いで行くと、あいにく沖の波が高く立ってきて遮る。やむなく遠くから見るばかりで通り過ぎ、玉の浦に船を停めて、その浜辺から家島の浦や磯の方を見はるかしていると、家恋しさにまるで泣く子のようにおいおいと泣けてくる。せめて海の神様が腕飾りにするという玉、この浦にちなみのその得がたい玉を家づとにしてあの子に送ってやろうと、拾い取ってまずは袖に入れてはみたものの、都に帰してやる使いの者もないので、持っていても役には立たないと、また元どおりに放ったらかしてしまった。
葦を詠める歌7
巻13‐3272:うちはへて思ひし小野は遠からぬその里人の.......(長歌)
原文:打延而 思之小野者 不遠 其里人之 標結等 聞手師日従 立良久乃 田付毛不知 居久乃 於久鴨不知 親<之> 己<之>家尚乎 草枕 客宿之如久 思空 不安物乎 嗟空 過之不得物乎 天雲之 行莫々 蘆垣乃 思乱而 乱麻乃 麻笥乎無登 吾戀流 千重乃一重母 人不令知 本名也戀牟 氣之緒尓為而
万葉集 巻13‐3272
作者:不明
よみ:うちはへて 思ひし小野は 遠からぬ その里人の 標結ふと 聞きてし日より 立てらくの たづきも知らず 居らくの 奥処も知らず にきびにし 我が家すらを 草枕 旅寝のごとく 思ふそら 苦しきものを 嘆くそら 過ぐしえぬものを 天雲の ゆくらゆくらに 葦垣の 思ひ乱れて 乱れ麻の をけをなみと 我が恋ふる 千重の一重も 人知れず もとなや恋ひむ 息の緒にして
意訳:ずっと前から思っていた小野は、遠からぬ里人が標(しめ)を結んだと聞いた。そう聞いた日より私はどうしてよいか手段も浮かばず、お先真っ暗になり、居ても立ってもいられなくなった。住み慣れた我が家すら、草を枕の旅寝のごとく思われ、胸の内は苦しく、やり過ごすことが出来ない。ゆらゆら揺れる天雲のように、また葦(よし)垣のように思い乱れる日々。桶のない麻のように思い乱れ、この恋いごころも千に一つも彼女に知られることもなく、人しれずしきりに恋い焦がれるばかり、息も絶え絶えに。
左注:右二首
注訓:右二首
巻13‐3279:葦垣の末かき分けて君越ゆと人にな告げそ事はたな知れ
巻13‐3345:葦辺行く雁の翼を見るごとに君が帯ばしし投矢し思ほゆ
巻14-3445:港の葦が中なる玉小菅刈り来我が背子床の隔しに
◎当時の東国の庶民の家は、竪穴式住居で、単室でした。そこに家族が皆でいるわけで、なにかプライベートなことがあると、間仕切りが必要になってきます。寝床に間仕切りをするとなると、だいたい何をするか推察がつくでしょう。
港の遊行女婦が宴会などで歌った、との説もあります。皆の笑いを誘い、楽しい会になるのでしょう。あるいは、葦苅り作業中の女たちの歌、とも。当時の状況、生活様式ならではの歌です。
巻14-3446:妹なろが使ふ川津のささら荻葦と人言語りよらしも
巻14-3570:葦の葉に夕霧立ちて鴨が音の寒き夕し汝をば偲はむ
葦を詠める歌6
巻12-2998:港入りの葦別け小舟障り多み今来む我れを淀むと思ふな
巻12-3090:葦辺行く鴨の羽音の音のみに聞きつつもとな恋ひわたるかも
巻13‐3227:葦原の瑞穂の国に手向けすと天降りましけむ.......(長歌)
原文:葦原笶 水穂之國丹 手向為跡 天降座兼 五百万 千万神之 神代従 云續来在 甘南備乃 三諸山者 春去者 春霞立 秋徃者 紅丹穂經 甘甞備乃 三諸乃神之 帶為 明日香之河之 水尾速 生多米難 石枕 蘿生左右二 新夜乃 好去通牟 事計 夢尓令見社 劔刀 齋祭 神二師座者
万葉集 巻13‐3227
作者:不明
よみ:葦原(あしはら)の、瑞穂(みずほ)の国に、手向(たむ)けすと、天降(あも)りましけむ、五百万(いほよろづ)、千万神(ちよろづかみ)の、神代(かむよ)より、言ひ継(つ)ぎ来(きた)る、神なびの、みもろの山は、春されば、春霞(はるかすみ)立つ、秋行けば、紅(くれなゐ)にほふ、神なびの、みもろの神の、帯(お)ばせる、明日香(あすか)の川の 水脈(みを)早み、生(む)しためかたき、石枕(いしまくら)、苔(こけ)生(む)すまでに、新夜(あらたよ)の、幸(さき)く通(かよ)はむ 事計(ことはか)り、夢(いめ)に見せこそ、剣太刀(つるぎたち)、斎(いは)ひ祭(まつ)れる、神にしませば
意訳:瑞穂の国に捧げものをしようと、天から降りてらした多くの神々の神代から言い伝えられてきた、神なびのみもろの山は、春になると春霞が立ち、秋になると紅葉が美しくなります。
みもろの山のそばを流れている明日香川の水の流れが速くてなかなか苔(こけ)が生えない、その川の石枕に苔(こけ)が生える時まで長くすこやかに通えるようにお計らいください。夢でお見せください。大切にお祭りしてきた神々ですから。
◎「葦原の」は「瑞穂の国」を導く枕詞(まくらことば)です。「瑞穂の国」は「瑞々(みずみず)しい稲穂の国」の意味で日本のことを表しています。
「神なびのみもろの山」がどこかということについては、雷丘(いかづちのおか)だという説を含めて、いくつかの説があるそうです。
「剣太刀(つるぎたち)」は「斎(いは)ひ」を導く枕詞(まくらことば)です。
巻13‐3253:葦原の瑞穂の国は神ながら言挙げせぬ国.......(長歌)
標題:柿本朝臣人麻呂歌集歌曰
標訓:柿本の朝臣人麻呂の歌集の歌に曰く
原文:葦原 水穂國者 神在随 事擧不為國 雖然 辞擧叙吾為 言幸 真福座跡 恙無 福座者 荒礒浪 有毛見登 百重波 千重浪尓敷 言上為吾 <[言上為吾]>
万葉集 巻13‐3253
作者:柿本人麻呂(柿本人麻呂歌集)
よみ:葦原の 瑞穂の国は 神ながら 言挙げせぬ国 しかれども 言挙げぞ我がする 言幸く ま幸くませと 障みなく 幸くいまさば 荒礒波 ありても見むと 百重波 千重波しきに 言挙げす我れは <[言挙げす我れは]>
意訳:葦原(あしはら)の瑞穂の国は神の国柄として言葉に出して言いつのらないのですが、私は申し上げます。言葉に出してご無事でと。ご無事でいらっしゃいませと。何事もなくご無事でいらっしゃって、変わらぬ今の姿のままお逢いしとうございます。荒磯に寄せる百重波千重波のように幾度もご無事であれと言葉に出して申し上げます。[申し上げます]。
左注:右五首
注訓:右五首
ウェブニュースより
藤井聡太王位、完敗でタイトル戦連勝6でストップ「第2局以降は熱戦に」 ―― 将棋の最年少タイトルホルダー、藤井聡太王位(棋聖=18)が豊島将之竜王(叡王=31)の挑戦を受ける、第62期王位戦7番勝負第1局が6月29、30の両日、名古屋市の名古屋能楽堂で行われ、104手で後手の豊島が先勝した。黒星スタートの藤井は、先に開幕した棋聖戦とのダブル防衛を目指す。第2局は7月13、14日に北海道旭川市で行われる。
終盤、若き王位が何度もうなだれた。1日目が終了した時点ではほぼ互角。互いに1歩も引かず、端を攻め合う強気な応酬が繰り広げられたが、2日目に抜け出したのは豊島だった。緻密な読みで完全にペースを握り、正確な指し回しでリードを広げる。藤井は相手の緩みのない攻めにジリジリと追い詰められ、持ち前の終盤力を封じ込められた。
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終局後、2日目の攻防について藤井は「正確に攻められて、かなり苦しくなってしまった。玉(の守り)が薄いので、粘り方が難しかった」と完敗を認めた。
これで豊島との公式戦の対戦成績は1勝7敗。タイトル戦通算成績は9勝2敗となり、連勝は6で止まった。ともに愛知県出身で、ほぼ一回り年上の先輩が大きな壁として立ちはだかる。
7月25日に始まる叡王戦5番勝負では、豊島に挑戦することが決まっている。2つのタイトル戦で最大12局を指す「真夏の12番勝負」は完敗スタートとなったが、「本局は早い時間の終局になってしまったので、第2局以降は熱戦にできるように頑張ります」。まだ先は長い。 [日刊スポーツ 2021年6月30日19時28分]
sechin@nethome.ne.jp です。
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