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ウェブニュースより
 109年ぶり偉業へ一山本が無傷6連勝「押し切れなかった」反省も十両、幕内2場所連続Vへ前進 ―― <大相撲九州場所>◇6日目◇17日◇福岡国際センター
 西前頭14枚目で3場所ぶり返り入幕の一山本(30=放駒)が、109年ぶりの快挙に前進した。

 錦富士をはたき込みで破り、関脇琴ノ若とともに、平幕では唯一の無敗。幕内での連勝としては、昨年5月の夏場所初日からなどの5連勝を抜き、自己最長の6連勝で優勝争いの先頭を守った。先場所は十両優勝。十両、幕内と2場所連続優勝となれば、1914年(大3)の両国以来となる、大記録も期待される展開となった。 序盤戦5日間の布石が生きた。一山本は立ち合いからグイグイと押し込んだ。左四つの錦富士の差し手を警戒し、右はおっつけながら押し込み、さらに突っ張った。それでも耐えた相手に盛り返されたが、ここで今場所初の引き技。勢いに乗じて前に出てきた相手をはたき込み、前のめりに土俵をはわせた。前日までの5日間、苦しくても押し続け、前に出る相撲に徹していた。だからこそ、相手が迷いなく前に出てきたところで、引き技が決まった。
 取組後は反省しきりだった。「前に出ようと思ったけど押し切れなかった。立ち合いはよかったけど押し切れていない」。もともとは引き技も駆使して勝つタイプ。だが7月の名古屋場所で、取組中に左膝を痛めた。同場所を途中休場(その後再出場)。相撲界で言われる「引く相撲はけがをする」の言葉通りだった。
 同場所後に一念発起。夏巡業を休場した8月は、都内の部屋で朝稽古に加え、1日おきに午後7時から1時間余り、四股、すり足、てっぽうを1人で黙々とこなした。シャイな性格で陰の努力は話してこなかったが、観念したようにこの日の朝稽古後に打ち明け「先場所から前に出られるようになった」と、効果を口にした。しかも昨年から部屋を出て独り暮らしを始め、1度帰宅後、若い衆に迷惑をかけない時間にこっそりと基礎運動を続けていた。
 先月で30代に突入し、独り暮らしの食生活は、筑前煮が得意料理になり、疲労回復にも効果があるとされるブロッコリーを頻繁に食べるようになった。「意外とトイレ掃除も好き」と笑う。安定した北海道・福島町役場の公務員から、脱サラして角界入りした異色のキャリアの持ち主。109年ぶり十両&幕内2場所連続優勝の可能性を「ない、ない(笑い)」と謙遜し、日に日に増える歓声も「出身地が真逆(北海道)だから気のせい」と、冗談交じりに照れ隠しする。無欲の中堅は、快挙へ1歩ずつ前進していく。    [日刊スポーツ 202311172049]

 市川猿之助被告に有罪判決 両親の自殺ほう助「短絡的」 ―― 両親に向精神薬を服用させたとして自殺ほう助の罪に問われた歌舞伎俳優、市川猿之助(本名・喜熨斗孝彦)被告(47)の判決公判が17日、東京地裁であった。安永健次裁判官は懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。

 安永裁判官は判決理由で「自殺をほう助する選択は短絡的」と指摘。向精神薬を水に溶かして服用させた手段は「苦痛のない方法として選んだとしても、生命侵害への寄与の程度は高く、刑事責任は軽視することができない」と強調した。
 判決によると、猿之助被告は自身のハラスメント疑惑などに関する週刊誌の掲載予定記事を読んだことをきっかけに自殺を考え、両親との話し合いの末、一緒に自殺することを決意した。地裁は「自身の立場などを踏まえ思考が狭くなっていたことを前提としても、経緯や動機に酌むべき事情は多くない」と指摘した。
 その上で猿之助被告が両親に自殺の意思を伝えたことを含めて後悔していると述べたことなどを挙げ、執行猶予を付けるのが相当と判断した。
 判決などによると、猿之助被告は東京都目黒区の自宅で5月17日、父親で歌舞伎俳優の市川段四郎さん(当時76)と母親(同75)にハンマーを用いてすり潰した多量の向精神薬を水に溶かし、味を付けるなどして服用させ、自殺を手助けした。
 猿之助被告は10月の初公判で「間違いはありません」と述べ、起訴内容を認めていた。検察側は両親にもともと自殺の意思はなく、被告が両親の自殺に寄与した度合いは極めて大きいとして懲役3年を求刑。弁護側は両親も自殺の意思を明確に示していたと主張し、執行猶予付き判決を求めていた。
 事件は5月18日午前10時ごろ、自宅を訪れたマネジャーが猿之助被告と両親を発見し発覚した。両親は2階リビングで布団をかけられて倒れていた。被告も自室のクローゼット内で意識がもうろうとした状態で、自室からは被告が書いたとみられる遺書のような書き置きが見つかった。
「言い表せない罪感じる」 猿之助被告がコメント
 市川猿之助被告は17日の判決をうけ「常に自分を見守ってくれた父と母を巻き込んだこと、歌舞伎界など多くの人に治癒しがたい傷を負わせてしまったことに言い表せない罪を感じている」とのコメントを松竹のホームページを通じて発表した。「生かされた自分にこれから何が出来るかを考えていく」とも記した。
 猿之助被告はこの日、ネクタイをして黒っぽいスーツ姿で入廷。執行猶予付きの有罪判決を身じろぎせずに聞き、一礼して退廷した。
 コメントでは、週刊誌報道をきっかけに「猿之助という名前だけでなく、歌舞伎界という大きな伝統と文化に対し深い傷を与えてしまうことなどの現実の大きさから、生きることを諦める気持ちになった」と説明。両親から「あなただけ行かせるわけにはいかない」と声をかけられたことも「自然に受け止めてしまった」と振り返った。
 松竹も17日にコメントを発表。被告の今後について「現時点ではまったく白紙の状態。本人と時間をかけて話し合い、社会全体に与えた影響や責任からも目をそらさず、進むべき道を共に模索していきたい」とした。    【日本經濟新聞 20231117 15:06 (20231117 19:24更新)


 

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